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59 エピローグ
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「ギルバート!こっちこっち!」
「リーシャ」
真っ白なドレスに身を包んだ私は、同じく白いタキシードを着た彼の手を取って引っ張った。
困惑しながらも微笑む彼の優しさに胸が高鳴る。
こうやって私はこれから何度も彼に恋をしていくんだろう。
彼のことを知れば知るほどどんどん好きになっていく。
(こんなにも幸せになれるだなんて……あのとき彼のプロポーズを受け入れて本当に良かった)
月日は流れ、ギルバートのプロポーズからおよそ一年が経過した。
彼のプロポーズから半年後、エルフレッドが隣国の王女を王妃として迎えたタイミングで私たちは籍を入れた。
入籍してすぐの頃は不倫関係だったとか散々な言われようだったが、彼が裏で手を回したのか次第にその噂も消えていった。
私は正式に公爵夫人となり、堂々と彼の隣に立つことが出来るようになった。
そして今は二人きりの結婚式を開いているところだ。
再婚であるため人を呼んで盛大な結婚式を……というわけにはいかなかったけれど、私も彼もとても満足している。
(何より、二人きりの方が好きだし)
二人で一緒にいる時間が私にとって何よりも大切だ。
籍を入れたあの日、これからどんなことがあろうともずっと二人で生きていくことを私たちは誓い合った。
不思議と彼となら、どんな困難も乗り越えていけるようなそんな気がした。
私たちが結婚した一方、エルフレッドと再婚相手の王女の仲は良好で、つい先日第一子を懐妊したようだ。
新しく王妃となった女性はクロエとは違って聡明で穏やかな方だった。
そのおかげか、次期国王の誕生に心からの喜びを感じることが出来た。
彼女がいれば、エルフレッドが道を踏み外すことは無いだろう。
あの二人の間には既に小さいながらも愛が芽生えているようだから。
「ねぇ、一つ聞いてもいい?」
「何だ?」
私の腰に手を回していたギルバートがこちらを見た。
ずっと気になっていたけれど恥ずかしくて聞けなかったことがあった。
「……どうして私のことを好きになってくれたの?」
「……」
予想外の質問だったのか、彼が固まった。
しかし、すぐにクスッと笑うと照れ臭そうにしながらも口を開いた。
「誰かを好きになったのは初めてで、どう表現したらいいか分からないが……あの日、舞踏会で君のことを見たとき……運命に抗おうと戦う君の姿に感銘を受けたんだ」
「ギルバート……」
「過去二度の人生において何も出来なかった私とは大違いで……強く生きる君がとても格好良く見えた」
「……」
「気付けば、世界で一番大切な人になっていた」
真剣な愛の告白に、思わず笑いが出そうになった。
赤くなった顔を隠すために俯いた私を見て、彼が心配そうに声をかけた。
「リーシャ、どこか悪いのか?」
「――いいえ、私は貴方のそういう優しいところが好きよ」
そう言いながら顔を上げて満面の笑みを浮かべると、彼が嬉しそうに笑った。
「愛してるわ、ギルバート」
「私もだ、リーシャ」
青空の下、私たちはもう何度目か分からない口付けを交わして微笑み合った。
―――――――――――――――――――――――――――――――
ここまで読んでくださってありがとうございました!
「リーシャ」
真っ白なドレスに身を包んだ私は、同じく白いタキシードを着た彼の手を取って引っ張った。
困惑しながらも微笑む彼の優しさに胸が高鳴る。
こうやって私はこれから何度も彼に恋をしていくんだろう。
彼のことを知れば知るほどどんどん好きになっていく。
(こんなにも幸せになれるだなんて……あのとき彼のプロポーズを受け入れて本当に良かった)
月日は流れ、ギルバートのプロポーズからおよそ一年が経過した。
彼のプロポーズから半年後、エルフレッドが隣国の王女を王妃として迎えたタイミングで私たちは籍を入れた。
入籍してすぐの頃は不倫関係だったとか散々な言われようだったが、彼が裏で手を回したのか次第にその噂も消えていった。
私は正式に公爵夫人となり、堂々と彼の隣に立つことが出来るようになった。
そして今は二人きりの結婚式を開いているところだ。
再婚であるため人を呼んで盛大な結婚式を……というわけにはいかなかったけれど、私も彼もとても満足している。
(何より、二人きりの方が好きだし)
二人で一緒にいる時間が私にとって何よりも大切だ。
籍を入れたあの日、これからどんなことがあろうともずっと二人で生きていくことを私たちは誓い合った。
不思議と彼となら、どんな困難も乗り越えていけるようなそんな気がした。
私たちが結婚した一方、エルフレッドと再婚相手の王女の仲は良好で、つい先日第一子を懐妊したようだ。
新しく王妃となった女性はクロエとは違って聡明で穏やかな方だった。
そのおかげか、次期国王の誕生に心からの喜びを感じることが出来た。
彼女がいれば、エルフレッドが道を踏み外すことは無いだろう。
あの二人の間には既に小さいながらも愛が芽生えているようだから。
「ねぇ、一つ聞いてもいい?」
「何だ?」
私の腰に手を回していたギルバートがこちらを見た。
ずっと気になっていたけれど恥ずかしくて聞けなかったことがあった。
「……どうして私のことを好きになってくれたの?」
「……」
予想外の質問だったのか、彼が固まった。
しかし、すぐにクスッと笑うと照れ臭そうにしながらも口を開いた。
「誰かを好きになったのは初めてで、どう表現したらいいか分からないが……あの日、舞踏会で君のことを見たとき……運命に抗おうと戦う君の姿に感銘を受けたんだ」
「ギルバート……」
「過去二度の人生において何も出来なかった私とは大違いで……強く生きる君がとても格好良く見えた」
「……」
「気付けば、世界で一番大切な人になっていた」
真剣な愛の告白に、思わず笑いが出そうになった。
赤くなった顔を隠すために俯いた私を見て、彼が心配そうに声をかけた。
「リーシャ、どこか悪いのか?」
「――いいえ、私は貴方のそういう優しいところが好きよ」
そう言いながら顔を上げて満面の笑みを浮かべると、彼が嬉しそうに笑った。
「愛してるわ、ギルバート」
「私もだ、リーシャ」
青空の下、私たちはもう何度目か分からない口付けを交わして微笑み合った。
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