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悩みはキムチ入り豚汁で吹き飛ばせるか?①
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朝、目が覚めて自然と隣を手探る。明け方まで存在を主張していた家の主の姿はなく、少し寂しい気持ちを抱えたままゆっくりと体を起こす。
見慣れない寝室の景色に、何度か目を瞬かせて、ああそうかと再確認する。
のろのろとベッドから降りた俺は、近くの窓を開き、僅かに緩みだした早春の空気を肺いっぱいに吸い込んだ。
バレンタインから一週間。
俺は長年住んでいたマンションから、涼さんの持ち家へと引越しをしていた。
といっても、完全に引越しを終えたのはこの土日で、実質引越し初日の朝を迎えたことになる。
まあ、実質はバレンタインの日から毎日こっちに帰ってきてたんだけども。
ただ、契約自体は今月末までにしておいた。不動産屋さんも更新切り替え時期で焦らせるのも悪いし、引越しが決定してからすぐに連絡したけども、こちらもある程度の余裕が欲しかったからだ。
本当に、一週間ってこんなに短いのだと実感した期間だった。
涼さんの同居──同棲の提案は本気だったようで、あれよあれよという間に涼さんの寝室の前のゲストルームが俺の部屋となり、でも寝る時は彼と同じベッドだと言われて頭が真っ白になったのは仕方ない。
荷物も移動しても差支えのない季節違いの衣服や書籍を、俺が仕事に行ってる間に涼さんが纏めて持ち出し、不要になる食器や器具は涼さんの自宅にある倉庫に入れるとのこと。
基本荷物の少ない俺の家財は、あっという間に持ち出され、最終日の金曜日なんて確認のために部屋に入ったらもぬけの殻。こんなに自分の部屋って広かったのかと、変な感動すら覚えたものだ。
で、土曜日の一日でマンションの部屋の清掃をして、そのまま今度はいつも行っていたスーパーへ。
「引越しといえばコレでしょう?」と、乾麺の蕎麦の袋を手に笑う涼さんに、俺は乾いた笑いしか出てこなかった。
結局、その日の夜はあったかいかけ蕎麦と、サクサクの天ぷらの盛り合わせに根菜の煮物、菜の花の白和えといった和食を、涼さんの家で同居──ではなく同棲初日の食事を取ったのだった。
また変化はそれだけではない。
SNSで涼さんの作るご飯に惹かれ、食事を作ってもらう契約を交わした俺たちだが、引越しを機に契約自体が終了となった。
『だって、同棲するのに契約っておかしくありませんか?』
ケロリと言い、涼さんは弁護士である叔父さんに連絡を取って、契約終了の手続きを取ってしまったのである。これに困ったのは誰でもない俺だ。
ただでさえ同棲だからと家賃の心配──これについてもかなり揉めた──もなくなっただけでなく、食費も光熱費も不要だと言われ、更にはお店をやっている人に無償で食事を作らせるとかどんだけ鬼畜なんだ俺は!
せめて家賃なり雑費なりを受け取って欲しいと抗議したものの、それは今後の自分たちのために貯金して欲しいと言われ、嬉しいやら困ったやら。
意外と涼さんは頑固で、結局肉体言語で説得された。腰がずっと悲鳴をあげ続けている。この間行った病院の先生、またお世話になりに行きます。
そうこうする内に仕事が忙しくなった俺は、至れり尽くせりな環境が心地よくて、まだ一週間だというのに。すっかりぬるま湯に慣れきってしまった訳だ。
これはとってもまずい。
涼さんは俺のことを「年上で大人」だと評価してくれるけど、年下の恋人の家に住んで、あまつさえ食事や生活の世話になるのが、果たして年上の大人の行動なのか。
正直、少しはこちらの気持ちも慮って欲しいのだが、当の涼さんが舞い上がっている所に水を差すのも悪いなと感じてしまう今日この頃。
「でも実際、会社も繁忙期だし、俺の確定申告の準備で慌ただしいし、涼さんの思いやりが本気で身にしみてるんだよな」
はあ、と溜息を漏らし、連日の執筆作業で疲れた目を、窓の外から見える店の目隠し代わりに植えられた木々の若葉に癒されつつ、着替えるためにそっと窓を閉めた。
「あ、おはようございます。健一さん」
「おはよう、涼さん」
スーツのジャケット片手にリビングダイニングに降り扉を開けると、ふわりとお出汁のいい匂いが鼻先に届いて、空腹を刺激する。
厚みのあるテーブルには糊付けされた清潔なランチョンマットが向かい合うように敷かれ、その上には焼き魚とかぼちゃの煮物、小松菜と豚肉の炒め煮と豆腐と玉ねぎの味噌汁。典型的な和定食が鎮座していた。
本当、完璧な恋人すぎて泣けてきた。
「それじゃあ食べましょうか」
にこやかに頷く涼さんの前に、いそいそと座り、仲良く手を合わせる。いただきます。
軽くやり取りしながら心ゆくまで朝ごはんを堪能し、これまた完璧な温度で淹れられた玄米茶を飲んで胃袋を落ち着かせていると、ランチバッグが手渡される。
「今日のお昼ご飯です。小さなタッパーには試作品のクッキーが入ってるので、会社の皆さんとどうぞ」
「あ、うん。ありがと」
一緒に涼さんの家で生活するようになって、お弁当の他にこうしてお菓子等が少し多めに入るようになったのも、新しいルーティンになりつつある。
しかも、うちの女子社員だけでなく、同僚たちの胃袋まで掴んでいるのだ、この恋人様は。
さすがに会社には恋人だとは言ってないけど、俺が涼さんと同居(という形にしている)をするようになったのを、周囲の人たちは大いに歓迎模様で喜んでくれた。
『そりゃあ、高任さん、自己管理下手すぎですからね』
と、俺の弁当に入っていた春巻きを咀嚼しながらのたまったのは、同期で同僚の男だ。
以前、目の前で倒れて以来、健康管理に関して厳しめなチェックが入るようになった。
『失礼だな』
唇を尖らせて反論すれば、無自覚すぎて俺が死にそう、とうなだれる同僚。
『正直、高任さんが倒れたの、会社の監査で課長が問いただされたんですよ。無茶な残業を押し付けてないか、とか、高任さんが会社に内緒で副業しているかもしれないんじゃないかって』
『っ』
『ま、総務の報告では去年の所得と住民税に差がほぼないって事で、一応状況観察にするって話でしたけどね』
隣で呑気に話す同僚の声に耳を傾けながら、俺の心臓が今にも飛び出しそうにドクドクと鼓動を打っていた。
確かに一昨年の年末調整も含めて、本年度の住民税に関しては重要視されてないだろう。一昨年は一冊デビュー作が書籍化されて本屋さんで販売されたものの、印税は一年後なのもあり、本の売上はなかったとも言える。しかし、そこそこ本が去年売れてしまったのだ。
それも確定申告しなくてはいけない収入額で。
どんなに計算しても来年度の住民税が上がるのが確定。
更には、俺の働く会社は副業禁止を謳っている。
実情は社外活動を会社が拘束するのはアウトらしいから、暗黙の了解みたいな風潮ではあるものの、俺みたいに身を削るような活動は監査対象になるだろう。
正直、作家だけで食べていくのを決意するには勇気がいる。ネット小説からデビューしてプロになったとしても、そこでふるいに掛けられ、残る人間はわずか。さらに言えばメディア展開できる人材なんて、またそこからふるいに掛けられる。故に兼業作家が大半を占めている訳だが、このまま規則を反したまま勤務するのも体に悪い。
ここのところ俺が気鬱になっている一因でもあるのだ。
一定額になるよう祈りながら昨日も計算したんだけど、どうにも無理ぽい。確実に住民税が増額する。
会社によっては規則の緩いところもあって、この会社もそれならいいと何度思ったか。
挙句に自分のせいであるんだけど、監査まで目を光らせてるなんて、もう正直つらい。
会社を辞めるか作家を辞めるか。
ただでさえ涼さんに依存するようで胸が痛いのに、会社辞めて家も食事も涼さんにおんぶにだっこなんて……
「はぁ……」
自然と溜息が零れても道理だと言えるだろう。
「どうしたんですか? 朝から重い溜息ついて」
「んー、これから仕事に行くから無理だけど、夜、相談に乗ってもらってもいいかな」
「それはいいですけど……なんだか、死にそうな顔色してますよ」
「うん、人生の岐路に立った心境」
だんだんと陰鬱な空気を肩に乗せてうなだれる俺を、涼さんは怪訝な顔で眺めていた。
ホント、どうしよう……
見慣れない寝室の景色に、何度か目を瞬かせて、ああそうかと再確認する。
のろのろとベッドから降りた俺は、近くの窓を開き、僅かに緩みだした早春の空気を肺いっぱいに吸い込んだ。
バレンタインから一週間。
俺は長年住んでいたマンションから、涼さんの持ち家へと引越しをしていた。
といっても、完全に引越しを終えたのはこの土日で、実質引越し初日の朝を迎えたことになる。
まあ、実質はバレンタインの日から毎日こっちに帰ってきてたんだけども。
ただ、契約自体は今月末までにしておいた。不動産屋さんも更新切り替え時期で焦らせるのも悪いし、引越しが決定してからすぐに連絡したけども、こちらもある程度の余裕が欲しかったからだ。
本当に、一週間ってこんなに短いのだと実感した期間だった。
涼さんの同居──同棲の提案は本気だったようで、あれよあれよという間に涼さんの寝室の前のゲストルームが俺の部屋となり、でも寝る時は彼と同じベッドだと言われて頭が真っ白になったのは仕方ない。
荷物も移動しても差支えのない季節違いの衣服や書籍を、俺が仕事に行ってる間に涼さんが纏めて持ち出し、不要になる食器や器具は涼さんの自宅にある倉庫に入れるとのこと。
基本荷物の少ない俺の家財は、あっという間に持ち出され、最終日の金曜日なんて確認のために部屋に入ったらもぬけの殻。こんなに自分の部屋って広かったのかと、変な感動すら覚えたものだ。
で、土曜日の一日でマンションの部屋の清掃をして、そのまま今度はいつも行っていたスーパーへ。
「引越しといえばコレでしょう?」と、乾麺の蕎麦の袋を手に笑う涼さんに、俺は乾いた笑いしか出てこなかった。
結局、その日の夜はあったかいかけ蕎麦と、サクサクの天ぷらの盛り合わせに根菜の煮物、菜の花の白和えといった和食を、涼さんの家で同居──ではなく同棲初日の食事を取ったのだった。
また変化はそれだけではない。
SNSで涼さんの作るご飯に惹かれ、食事を作ってもらう契約を交わした俺たちだが、引越しを機に契約自体が終了となった。
『だって、同棲するのに契約っておかしくありませんか?』
ケロリと言い、涼さんは弁護士である叔父さんに連絡を取って、契約終了の手続きを取ってしまったのである。これに困ったのは誰でもない俺だ。
ただでさえ同棲だからと家賃の心配──これについてもかなり揉めた──もなくなっただけでなく、食費も光熱費も不要だと言われ、更にはお店をやっている人に無償で食事を作らせるとかどんだけ鬼畜なんだ俺は!
せめて家賃なり雑費なりを受け取って欲しいと抗議したものの、それは今後の自分たちのために貯金して欲しいと言われ、嬉しいやら困ったやら。
意外と涼さんは頑固で、結局肉体言語で説得された。腰がずっと悲鳴をあげ続けている。この間行った病院の先生、またお世話になりに行きます。
そうこうする内に仕事が忙しくなった俺は、至れり尽くせりな環境が心地よくて、まだ一週間だというのに。すっかりぬるま湯に慣れきってしまった訳だ。
これはとってもまずい。
涼さんは俺のことを「年上で大人」だと評価してくれるけど、年下の恋人の家に住んで、あまつさえ食事や生活の世話になるのが、果たして年上の大人の行動なのか。
正直、少しはこちらの気持ちも慮って欲しいのだが、当の涼さんが舞い上がっている所に水を差すのも悪いなと感じてしまう今日この頃。
「でも実際、会社も繁忙期だし、俺の確定申告の準備で慌ただしいし、涼さんの思いやりが本気で身にしみてるんだよな」
はあ、と溜息を漏らし、連日の執筆作業で疲れた目を、窓の外から見える店の目隠し代わりに植えられた木々の若葉に癒されつつ、着替えるためにそっと窓を閉めた。
「あ、おはようございます。健一さん」
「おはよう、涼さん」
スーツのジャケット片手にリビングダイニングに降り扉を開けると、ふわりとお出汁のいい匂いが鼻先に届いて、空腹を刺激する。
厚みのあるテーブルには糊付けされた清潔なランチョンマットが向かい合うように敷かれ、その上には焼き魚とかぼちゃの煮物、小松菜と豚肉の炒め煮と豆腐と玉ねぎの味噌汁。典型的な和定食が鎮座していた。
本当、完璧な恋人すぎて泣けてきた。
「それじゃあ食べましょうか」
にこやかに頷く涼さんの前に、いそいそと座り、仲良く手を合わせる。いただきます。
軽くやり取りしながら心ゆくまで朝ごはんを堪能し、これまた完璧な温度で淹れられた玄米茶を飲んで胃袋を落ち着かせていると、ランチバッグが手渡される。
「今日のお昼ご飯です。小さなタッパーには試作品のクッキーが入ってるので、会社の皆さんとどうぞ」
「あ、うん。ありがと」
一緒に涼さんの家で生活するようになって、お弁当の他にこうしてお菓子等が少し多めに入るようになったのも、新しいルーティンになりつつある。
しかも、うちの女子社員だけでなく、同僚たちの胃袋まで掴んでいるのだ、この恋人様は。
さすがに会社には恋人だとは言ってないけど、俺が涼さんと同居(という形にしている)をするようになったのを、周囲の人たちは大いに歓迎模様で喜んでくれた。
『そりゃあ、高任さん、自己管理下手すぎですからね』
と、俺の弁当に入っていた春巻きを咀嚼しながらのたまったのは、同期で同僚の男だ。
以前、目の前で倒れて以来、健康管理に関して厳しめなチェックが入るようになった。
『失礼だな』
唇を尖らせて反論すれば、無自覚すぎて俺が死にそう、とうなだれる同僚。
『正直、高任さんが倒れたの、会社の監査で課長が問いただされたんですよ。無茶な残業を押し付けてないか、とか、高任さんが会社に内緒で副業しているかもしれないんじゃないかって』
『っ』
『ま、総務の報告では去年の所得と住民税に差がほぼないって事で、一応状況観察にするって話でしたけどね』
隣で呑気に話す同僚の声に耳を傾けながら、俺の心臓が今にも飛び出しそうにドクドクと鼓動を打っていた。
確かに一昨年の年末調整も含めて、本年度の住民税に関しては重要視されてないだろう。一昨年は一冊デビュー作が書籍化されて本屋さんで販売されたものの、印税は一年後なのもあり、本の売上はなかったとも言える。しかし、そこそこ本が去年売れてしまったのだ。
それも確定申告しなくてはいけない収入額で。
どんなに計算しても来年度の住民税が上がるのが確定。
更には、俺の働く会社は副業禁止を謳っている。
実情は社外活動を会社が拘束するのはアウトらしいから、暗黙の了解みたいな風潮ではあるものの、俺みたいに身を削るような活動は監査対象になるだろう。
正直、作家だけで食べていくのを決意するには勇気がいる。ネット小説からデビューしてプロになったとしても、そこでふるいに掛けられ、残る人間はわずか。さらに言えばメディア展開できる人材なんて、またそこからふるいに掛けられる。故に兼業作家が大半を占めている訳だが、このまま規則を反したまま勤務するのも体に悪い。
ここのところ俺が気鬱になっている一因でもあるのだ。
一定額になるよう祈りながら昨日も計算したんだけど、どうにも無理ぽい。確実に住民税が増額する。
会社によっては規則の緩いところもあって、この会社もそれならいいと何度思ったか。
挙句に自分のせいであるんだけど、監査まで目を光らせてるなんて、もう正直つらい。
会社を辞めるか作家を辞めるか。
ただでさえ涼さんに依存するようで胸が痛いのに、会社辞めて家も食事も涼さんにおんぶにだっこなんて……
「はぁ……」
自然と溜息が零れても道理だと言えるだろう。
「どうしたんですか? 朝から重い溜息ついて」
「んー、これから仕事に行くから無理だけど、夜、相談に乗ってもらってもいいかな」
「それはいいですけど……なんだか、死にそうな顔色してますよ」
「うん、人生の岐路に立った心境」
だんだんと陰鬱な空気を肩に乗せてうなだれる俺を、涼さんは怪訝な顔で眺めていた。
ホント、どうしよう……
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