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執着するホットミルク① *
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そろそろ夜の零時になろうかという頃。
「まだ体調が万全じゃないんですから、今日はこれを飲んで休んだらどうです?」
「え? あ、もうこんな時間なんだ……。ありがとう、涼さん。これ飲んだら早めに寝ることにする」
起動しているノートパソコンの邪魔にならないように、白い湯気よりも白いホットミルクの入ったマグカップをテーブルに置く。健一さんはくん、と鼻をヒクつかせて「蜂蜜入りなんだ」と嬉しそうな声を上げて包むようにマグカップを持ち、おそるおそる縁を唇に寄せた。
仕事をしている時や執筆で集中している時の健一さんは、ストイックというかキリリとしていて、こちらから声を掛けても反応しない事もある。
まあ、その点については、何度か同じことを繰り返す内に、なんとかコツを掴めるようになったが……
「甘くて、おいしー」
ほわりと相好を崩し小さく呟く健一さんの姿は、完全にリラックスモードになっていて、オレに気を許しているのが態度で分かる。
こんなに可愛い顔を、病院で合った同僚と言った男や他の野郎どもに見せているかもしれないと思うだけで、ゴウゴウと嫉妬の炎が胸の中で火力を上げるのだ。
できることなら健一さんには仕事を辞めてもらって、オレの庇護下でひたすらオレに依存してもらいたい。
多分……というか、ほぼ確実に健一さんはオレに気がある……と思う。
それなのにどうしても告白に至る事ができないのは、時折健一さんがオレを拒絶する節が何度かあったからだ。
ふとした時に何か言いたげな熱っぽい視線でオレを見る癖に、気が付くと今にも泣きそうな顔になって俯いてしまう。
目は口ほどに物を言う。
そんなに思いつめた顔をするのなら、オレにだけ打ち明けて欲しいのに。
だってオレは……
「うー……、そろそろねる……」
舌足らずな声に、ハッと我に返る。眠そうに目を擦ってる健一さんの傍には、空になったマグカップがテーブルに置かれている。
「片付けしたらオレも寝ますので。おやすみなさい、健一さん」
てきぱきとカップを下げて告げるオレへと、うっすらと目元を赤く染める健一さん。年上なのに可愛い。同棲してから一緒に同じベッドで寝るのを拒否しないのって、やっぱり健一さんも同じ気持ちだよね?
視線の端で健一さんが寝室に入ったのを認め、慌ててカップを洗い、風呂へと直行する。
健一さんと同じボディソープとシャンプーを使って身綺麗にして、乱暴に体と髪の水分を取ってリビングに戻った。そっと寝室を覗くと、健一さんは既に夢の世界に旅立った後のようで、ホッと息を吐く。
これで朝まで健一さんが目覚める事はないだろう。
だからといって時間は有限だ。急いで髪をドライヤーで乾かすと、キッチンとリビングの電気を落として寝室に向かう。
……と、その前にオレのボストンバッグからいつもの物を出しておかないと。常夜灯にはしているものの薄暗さは変わらないため、スマホのライト機能を使って目的の物を持ち、ベッドに潜り込む。
健一さんの体温で温かい布団の中は楽園だ。仄かに健一さんの匂いもするし。これだけで股間が痛い位に腫れている。
「健一さん?」
「……」
「起きてますか? 健一さん」
「……」
耳元でそう囁くように問いかけても返ってくるのは寝息だけで、問題なく薬が効いてると分かる。
それでもオレは慎重に健一さんのパジャマのボタンを外し、白く薄い肌に指を滑らせる。うっすらと常夜灯のオレンジの色に染まる健一さんの魅惑的な肢体に、無意識にゴクリと喉が鳴る。外気に晒された小さな胸の粒はピンと勃ち、今にも食べてくれと言わんばかりに先端がぷっくりと膨らんでいる。
今すぐにでもむしゃぶりついて、歯で甘噛みしたり、ちゅうちゅう吸ったり、指でコスコスしたり、爪でカリカリ引っ掻いたりしたい!
でもいきなり激しくしてしまったら、幾ら薬が効いてたとしても、健一さんが起きる可能性が大きくなるのでできない。蛇の生殺しとはこういう事をいうのか!
仕方なく、ソロリと舌を伸ばして、外気に触れて震える慎ましい粒を唾液をまぶすように刷く。
「……んっ」
健一さんはうーんと唸りながらも、甘やかな吐息が鼻から漏れている。流石に毎日やってるだけの効果が出ているのか、最初の日よりも乳首の感度が上がってる。
ペロペロと舌先で健一さんの乳首の弾力を楽しみながら、もう片方も指の腹でフェザータッチで優しく撫でる。時々いじわるでクニッと潰してあげると、あんっ、とエロい声が健一さんの口から出てくる。
ぶっちゃけると、健一さんの乳首と声だけでオレの股間が今にも弾けそうに勃起し、履いてるスウェットを押し上げ、内側から解放しろと訴えだす。
できるなら、誰もこんな苦労はしない、と欲望に忠実なオレに文句を言いたい。
はぁ、それにしても健一さんって顔も綺麗系だけど、体もびっくりする位綺麗だ。
初めて目にしたのは、まだオレが通いでこの部屋に来て間もなく。着替えを風呂場に持っていったら、既に健一さんが風呂から出ていてタオルで水分を拭っていた。
背中向いてたし、押し付けるように着替えを渡したから、見たのは一瞬だったけど。
白く歪みのない背筋、真っ白で肌理の細かな肌を伝う水滴、営業職の男性にしてはまろみのある尻。
タオルで隠れた場所を見てみたい。できるなら、彼の前に跪いて可愛らしい花芯を口で愛してあげたい。
異性愛者であるはずのオレが唯一、全てを知って愛し、彼の全てを奪おうと執着する相手でもあった。
「まだ体調が万全じゃないんですから、今日はこれを飲んで休んだらどうです?」
「え? あ、もうこんな時間なんだ……。ありがとう、涼さん。これ飲んだら早めに寝ることにする」
起動しているノートパソコンの邪魔にならないように、白い湯気よりも白いホットミルクの入ったマグカップをテーブルに置く。健一さんはくん、と鼻をヒクつかせて「蜂蜜入りなんだ」と嬉しそうな声を上げて包むようにマグカップを持ち、おそるおそる縁を唇に寄せた。
仕事をしている時や執筆で集中している時の健一さんは、ストイックというかキリリとしていて、こちらから声を掛けても反応しない事もある。
まあ、その点については、何度か同じことを繰り返す内に、なんとかコツを掴めるようになったが……
「甘くて、おいしー」
ほわりと相好を崩し小さく呟く健一さんの姿は、完全にリラックスモードになっていて、オレに気を許しているのが態度で分かる。
こんなに可愛い顔を、病院で合った同僚と言った男や他の野郎どもに見せているかもしれないと思うだけで、ゴウゴウと嫉妬の炎が胸の中で火力を上げるのだ。
できることなら健一さんには仕事を辞めてもらって、オレの庇護下でひたすらオレに依存してもらいたい。
多分……というか、ほぼ確実に健一さんはオレに気がある……と思う。
それなのにどうしても告白に至る事ができないのは、時折健一さんがオレを拒絶する節が何度かあったからだ。
ふとした時に何か言いたげな熱っぽい視線でオレを見る癖に、気が付くと今にも泣きそうな顔になって俯いてしまう。
目は口ほどに物を言う。
そんなに思いつめた顔をするのなら、オレにだけ打ち明けて欲しいのに。
だってオレは……
「うー……、そろそろねる……」
舌足らずな声に、ハッと我に返る。眠そうに目を擦ってる健一さんの傍には、空になったマグカップがテーブルに置かれている。
「片付けしたらオレも寝ますので。おやすみなさい、健一さん」
てきぱきとカップを下げて告げるオレへと、うっすらと目元を赤く染める健一さん。年上なのに可愛い。同棲してから一緒に同じベッドで寝るのを拒否しないのって、やっぱり健一さんも同じ気持ちだよね?
視線の端で健一さんが寝室に入ったのを認め、慌ててカップを洗い、風呂へと直行する。
健一さんと同じボディソープとシャンプーを使って身綺麗にして、乱暴に体と髪の水分を取ってリビングに戻った。そっと寝室を覗くと、健一さんは既に夢の世界に旅立った後のようで、ホッと息を吐く。
これで朝まで健一さんが目覚める事はないだろう。
だからといって時間は有限だ。急いで髪をドライヤーで乾かすと、キッチンとリビングの電気を落として寝室に向かう。
……と、その前にオレのボストンバッグからいつもの物を出しておかないと。常夜灯にはしているものの薄暗さは変わらないため、スマホのライト機能を使って目的の物を持ち、ベッドに潜り込む。
健一さんの体温で温かい布団の中は楽園だ。仄かに健一さんの匂いもするし。これだけで股間が痛い位に腫れている。
「健一さん?」
「……」
「起きてますか? 健一さん」
「……」
耳元でそう囁くように問いかけても返ってくるのは寝息だけで、問題なく薬が効いてると分かる。
それでもオレは慎重に健一さんのパジャマのボタンを外し、白く薄い肌に指を滑らせる。うっすらと常夜灯のオレンジの色に染まる健一さんの魅惑的な肢体に、無意識にゴクリと喉が鳴る。外気に晒された小さな胸の粒はピンと勃ち、今にも食べてくれと言わんばかりに先端がぷっくりと膨らんでいる。
今すぐにでもむしゃぶりついて、歯で甘噛みしたり、ちゅうちゅう吸ったり、指でコスコスしたり、爪でカリカリ引っ掻いたりしたい!
でもいきなり激しくしてしまったら、幾ら薬が効いてたとしても、健一さんが起きる可能性が大きくなるのでできない。蛇の生殺しとはこういう事をいうのか!
仕方なく、ソロリと舌を伸ばして、外気に触れて震える慎ましい粒を唾液をまぶすように刷く。
「……んっ」
健一さんはうーんと唸りながらも、甘やかな吐息が鼻から漏れている。流石に毎日やってるだけの効果が出ているのか、最初の日よりも乳首の感度が上がってる。
ペロペロと舌先で健一さんの乳首の弾力を楽しみながら、もう片方も指の腹でフェザータッチで優しく撫でる。時々いじわるでクニッと潰してあげると、あんっ、とエロい声が健一さんの口から出てくる。
ぶっちゃけると、健一さんの乳首と声だけでオレの股間が今にも弾けそうに勃起し、履いてるスウェットを押し上げ、内側から解放しろと訴えだす。
できるなら、誰もこんな苦労はしない、と欲望に忠実なオレに文句を言いたい。
はぁ、それにしても健一さんって顔も綺麗系だけど、体もびっくりする位綺麗だ。
初めて目にしたのは、まだオレが通いでこの部屋に来て間もなく。着替えを風呂場に持っていったら、既に健一さんが風呂から出ていてタオルで水分を拭っていた。
背中向いてたし、押し付けるように着替えを渡したから、見たのは一瞬だったけど。
白く歪みのない背筋、真っ白で肌理の細かな肌を伝う水滴、営業職の男性にしてはまろみのある尻。
タオルで隠れた場所を見てみたい。できるなら、彼の前に跪いて可愛らしい花芯を口で愛してあげたい。
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