10 / 69
春の宵闇
2
しおりを挟む
まだ元気の有り余る紅音と手を繋いで、困ったように笑みを浮かべる峯浦に見送られ園を出る。
そりゃそうだ、普通、理事が一介の大学職員の子供にここまで関与はしないだろう。とはいえ、彼は紅音を可愛がってるだけで、意識としては彼の弟夫夫の子供たちと扱いは大差ないのではと思うのだ。
だから慧斗は上司のことを、ただの子供好きと認識するようにした。下手に突っ込まないほうが身の為だ。
「紅音、今日はなにした?」
横で不思議な鼻歌を歌う息子に問いかければ。
「えーとね、きょうしつでごほんよんでー、それからきゅうしょくはしろいシチューだった!」
「そ、そう」
「あ、あとね、アルファのおじさんがいたよ!」
「え……?」
明るい笑顔でさらっと不穏な発言をする紅音に、慧斗はぎょっと目を見開く。
「アルファのおじさん? 紅音の知ってる人?」
慧斗は我が子の手を強く握り、それでも冷静にと自分に言い聞かせて質問を繰り出す。
秋槻学園はかなりの割合で裕福だったり名家の子息が通っている。外からの出入りについては有人でチェックをしているし、要所要所に身分証のカードがないと入ることすらできない。だからこの場所にいる人間については、学園側が把握しているはず。だが、職員の人間しか利用しない場所にアルファの男性が?
「しらない」
「知らないって……そのこと峯浦先生に話した?」
「うん。でもみねうらせんせーいないよーって」
「そ、そう」
紅音が嘘を言ってるようには見えない。多分、紅音が見たときにいたアルファの男性は、峯浦が見に行った時には姿を消していた。もしくは誰かを迎えに来て迷った人かもしれない。あの場所は分かりにくい場所にあるのだ。
「ね、紅音。お母さんと約束して? 知らない人とは絶対話さないって」
「……うん、ぼくおかーさんとやくそくする。だって、おかーさんなきむしだもん」
きゅっと慧斗の手を小さな手が強く握り、見上げる小さな騎士は、慧斗を安心させるつもりなのか満面の笑顔を向けていた。
「ありがとう、紅音。今日は少し遠回りして、お花見してから帰ろうか」
「いーよ」
いつもの道を歩いて、慧斗や紅音の行動ルートを知られるのが怖い。しばらく迂回してから家に帰ったほうがいいかもしれない、と慧斗は警戒を強めることにした。
学園はその広大さから、迂回しても駅まで続くバス停はそれなりにある。それにたまたま紅音が見かけただけで、偶然通りかかっただけかもしれない。だから大丈夫。紅龍が自分を探してたとしても、名前も交わしてない人間を簡単に探せる筈もない。あの頃と自分の姿は随分変わってしまった。
だから……大丈夫。紅音は俺ひとりの子供だ、と慧斗は何度も自分に言い聞かせた。
桜の花以外にもさまざまな花が蕾を綻ばせ、慧斗と紅音の目を楽しませる。
山を切り崩した土地に建つ秋槻学園は、自然が多く残り、珍しい野草などもそこかしこに群生している。時々、外部の植物学者がフィールドワークで徘徊しているのを、慧斗も見かけたことがあった。
あてどなく歩いていると、ふと紅音が足を止める。
「……紅音?」
何かあったのかと紅音の視線の先を追っていくと、そこには幼稚部のお迎えなのか、父親に抱かれて楽しそうに笑う子どもと母親の姿があった。
温かい家族の光景を思わせるその姿に、慧斗は紅音に罪悪感を感じた。
紅音には父親はいない。その選択をしたのは慧斗自身だが、紅音には関係ない事情だ。
「く……」
「おかーさん、ぼくにもおとーさんっているの?」
「っ」
いつか聞かれると思っていたが、こんな突然とは思わず、慧斗は思わず息を呑む。心臓がドッドッと脈打つが、自分が不安になれば紅音にも伝わってしまう。
紅音の目線に合うようしゃがんだ慧斗は紅音の小さな手を取り口を開く。
「紅音と同じ綺麗な黒髪と赤い瞳をした素敵な人だよ」
「ふうん」
「会いたい?」
「ううん。おかーさんだいすきだもん。おとーさんがいなくても、ぼくへいきだよ」
不便を強いているというのに、紅音は慧斗をとても好いてくれる。そんな息子の体をぎゅっと抱きしめて、心の中で謝罪を繰り返しながら「俺も紅音が大好きだよ」と言うことしかできなかった。
慧斗は大学部のバス停から紅音を抱っこして乗り、駅までの短い距離なのに窓に張り付く紅音を微笑んで見守る。基本的にこの学園に通う生徒たちは送り迎えがデフォルトのため、バスも混み合うことなくのんびりと座れるのがいい。慧斗の自宅も駅からそこまで遠くないのと、途中にある商店街で買い物をしてから帰るため、このルートが一番楽なのだ。
今日も変わらない一日だった。そう、なにも変わらない。仕事も忙しいけどやりがいがあり、生活も楽になった。紅音もすくすく成長し、すこしずつ慧斗を助けてくれる。
このまま変わらない日が続けばいい。紅龍とのこともいつかは時間が忘れさせてくれる……
「おかーさん、えきついたよ?」
「え? あ、ごめん。うたた寝しちゃった」
軽く揺さぶられ、ふと閉じていた目を開くと、頬をぽんぽんに膨らませた紅音が見上げていた。どうやら心地良い揺れに眠ってしまったらしい。
「もー、おかぜひくからダメだよっ」
「ごめんごめん」
「ごめんはいっかいでしょ?」
「ごめんね」
苦笑しながら言い直せば「まったくー」と、紅音は頬を食べ物いっぱいに詰め込んだリスのようにして怒っていた。本当に気遣いのできる愛らしい子だ。ちゃんと慧斗が言った以前の言葉を覚えていたらしい。
「じゃあ、風邪をひかないように、あったかいご飯の材料を買おうか」
「うん!」
しっかり手を繋ぎ直して駅から近い商店街へと入る。
ここは平日は夜まで通行止めで、夕方になると人で賑わうのだ。
パン屋、八百屋に魚屋、洋菓子店に和菓子屋店と、色々取り揃えられている。駅を挟んで学園側にも大型のショッピングモールがあるが、大人と子供ひとりずつだとどうしてもパックされた量だと多いのだ。だから商店街での買い物頻度が上がる。それにこちらのほうがお得で帰りも楽なのもあった。
「おや、慧斗君と紅音君。学園の帰りかい?」
八百屋に立ち寄り瑞々しい野菜を見定めていると、店主が幾分控えめな声量で尋ねてくる。昔、店主の胴間声に紅音がギャンギャン泣いたという出来事があり、子供好きな店主はそれからというもの紅音が現れると叱られた子供のような小さな声で話しかけるようになった。
後から大きな声を出すのがおじさんのお仕事なんだよ、と説明してからは紅音も普通に店主に接するようになったものの、一度記憶に刻まれた経験は簡単に拭えないようだ。
「おじさんこんにちは! きょうね、あったかいごはんなんだよ」
「お、おう。温かいご飯ね。それじゃあシチューとかかい?」
「んー、くろいシチューをおひるにたべたからねー。なにかおすすめありますか?」
やけに大人ぶった言い方をする幼児に、慧斗も店主も笑い弾ける。周囲からも会話を聞いたらしい主婦たちがクスクス笑うのを見て、紅音は「んー?」と首を傾げるのだった。
「あれ? 慧斗君と紅音君?」
人の声の合間から聞き覚えのある声音が。振り返ると、玲司の番の桔梗がショッピングバッグを肩に掛け、こちらを見ていた。隣には番にぴったり寄り添う玲司の姿が。また店を放り出してついてきたのか。
「ききょーさん!」
紅音がぴょんと跳ね、桔梗へと弾丸特攻を仕掛ける。
「ちょ、紅音っ」
慌てて止めようとしたが、その前に玲司の大きな手が紅音を掬い上げてしまった。
「もーっ、れーじさんおろしてー」
「何度言えば分かるのかな、桔梗君は僕の大切な番なんだよ。だから気軽に近づいちゃダメだよ」
「はーなーしーてーっ」
両脇を抱えられ上げられた紅音は、じたばたと足を泳がせ抵抗している。確かにいくら見知った相手とはいえ、いきなり飛び込んだら危険なのは分かるものの、玲司の行動は毎回大人げないとため息が溢れる。
「もう、玲司さん。紅音君の肩が脱臼しちゃうかもですよ。下ろしてあげてください」
「ですが……」
「紅音君もいきなり飛びついたら危ないでしょ? だからめっ、だよ」
「うー」
大きな瞳をキッと吊り上げて番と幼児を叱る桔梗は、二年前に玲司と番になったオメガ男性だ。
彼らがどのような経緯で番契約を結んだか分からないが、仲睦まじいふたりは、このあたりでは有名な夫夫だった。
「いつもごめんなさい、怪我はありませんか?」
「はい。その前に玲司さんが紅音君を止めたので」
母親である慧斗と同じオメガだからか、紅音は出会って間もなくやたらと桔梗に懐いた。そうなると玲司が不機嫌になり、桔梗がそちらに意識を向けるのが気に入らない紅音が構って攻撃をするというループが展開される。
頭のいい紅音のことだ。あれはわざと玲司を煽っているに違いない。
「あ、そうだ。慧斗さん、もし良かったら店に来ませんか? 玲司さんが新作を作ったので試食してくれると嬉しいです」
これはもう、今日の晩ご飯は決まったな、と慧斗は内心で頷いていた。
そりゃそうだ、普通、理事が一介の大学職員の子供にここまで関与はしないだろう。とはいえ、彼は紅音を可愛がってるだけで、意識としては彼の弟夫夫の子供たちと扱いは大差ないのではと思うのだ。
だから慧斗は上司のことを、ただの子供好きと認識するようにした。下手に突っ込まないほうが身の為だ。
「紅音、今日はなにした?」
横で不思議な鼻歌を歌う息子に問いかければ。
「えーとね、きょうしつでごほんよんでー、それからきゅうしょくはしろいシチューだった!」
「そ、そう」
「あ、あとね、アルファのおじさんがいたよ!」
「え……?」
明るい笑顔でさらっと不穏な発言をする紅音に、慧斗はぎょっと目を見開く。
「アルファのおじさん? 紅音の知ってる人?」
慧斗は我が子の手を強く握り、それでも冷静にと自分に言い聞かせて質問を繰り出す。
秋槻学園はかなりの割合で裕福だったり名家の子息が通っている。外からの出入りについては有人でチェックをしているし、要所要所に身分証のカードがないと入ることすらできない。だからこの場所にいる人間については、学園側が把握しているはず。だが、職員の人間しか利用しない場所にアルファの男性が?
「しらない」
「知らないって……そのこと峯浦先生に話した?」
「うん。でもみねうらせんせーいないよーって」
「そ、そう」
紅音が嘘を言ってるようには見えない。多分、紅音が見たときにいたアルファの男性は、峯浦が見に行った時には姿を消していた。もしくは誰かを迎えに来て迷った人かもしれない。あの場所は分かりにくい場所にあるのだ。
「ね、紅音。お母さんと約束して? 知らない人とは絶対話さないって」
「……うん、ぼくおかーさんとやくそくする。だって、おかーさんなきむしだもん」
きゅっと慧斗の手を小さな手が強く握り、見上げる小さな騎士は、慧斗を安心させるつもりなのか満面の笑顔を向けていた。
「ありがとう、紅音。今日は少し遠回りして、お花見してから帰ろうか」
「いーよ」
いつもの道を歩いて、慧斗や紅音の行動ルートを知られるのが怖い。しばらく迂回してから家に帰ったほうがいいかもしれない、と慧斗は警戒を強めることにした。
学園はその広大さから、迂回しても駅まで続くバス停はそれなりにある。それにたまたま紅音が見かけただけで、偶然通りかかっただけかもしれない。だから大丈夫。紅龍が自分を探してたとしても、名前も交わしてない人間を簡単に探せる筈もない。あの頃と自分の姿は随分変わってしまった。
だから……大丈夫。紅音は俺ひとりの子供だ、と慧斗は何度も自分に言い聞かせた。
桜の花以外にもさまざまな花が蕾を綻ばせ、慧斗と紅音の目を楽しませる。
山を切り崩した土地に建つ秋槻学園は、自然が多く残り、珍しい野草などもそこかしこに群生している。時々、外部の植物学者がフィールドワークで徘徊しているのを、慧斗も見かけたことがあった。
あてどなく歩いていると、ふと紅音が足を止める。
「……紅音?」
何かあったのかと紅音の視線の先を追っていくと、そこには幼稚部のお迎えなのか、父親に抱かれて楽しそうに笑う子どもと母親の姿があった。
温かい家族の光景を思わせるその姿に、慧斗は紅音に罪悪感を感じた。
紅音には父親はいない。その選択をしたのは慧斗自身だが、紅音には関係ない事情だ。
「く……」
「おかーさん、ぼくにもおとーさんっているの?」
「っ」
いつか聞かれると思っていたが、こんな突然とは思わず、慧斗は思わず息を呑む。心臓がドッドッと脈打つが、自分が不安になれば紅音にも伝わってしまう。
紅音の目線に合うようしゃがんだ慧斗は紅音の小さな手を取り口を開く。
「紅音と同じ綺麗な黒髪と赤い瞳をした素敵な人だよ」
「ふうん」
「会いたい?」
「ううん。おかーさんだいすきだもん。おとーさんがいなくても、ぼくへいきだよ」
不便を強いているというのに、紅音は慧斗をとても好いてくれる。そんな息子の体をぎゅっと抱きしめて、心の中で謝罪を繰り返しながら「俺も紅音が大好きだよ」と言うことしかできなかった。
慧斗は大学部のバス停から紅音を抱っこして乗り、駅までの短い距離なのに窓に張り付く紅音を微笑んで見守る。基本的にこの学園に通う生徒たちは送り迎えがデフォルトのため、バスも混み合うことなくのんびりと座れるのがいい。慧斗の自宅も駅からそこまで遠くないのと、途中にある商店街で買い物をしてから帰るため、このルートが一番楽なのだ。
今日も変わらない一日だった。そう、なにも変わらない。仕事も忙しいけどやりがいがあり、生活も楽になった。紅音もすくすく成長し、すこしずつ慧斗を助けてくれる。
このまま変わらない日が続けばいい。紅龍とのこともいつかは時間が忘れさせてくれる……
「おかーさん、えきついたよ?」
「え? あ、ごめん。うたた寝しちゃった」
軽く揺さぶられ、ふと閉じていた目を開くと、頬をぽんぽんに膨らませた紅音が見上げていた。どうやら心地良い揺れに眠ってしまったらしい。
「もー、おかぜひくからダメだよっ」
「ごめんごめん」
「ごめんはいっかいでしょ?」
「ごめんね」
苦笑しながら言い直せば「まったくー」と、紅音は頬を食べ物いっぱいに詰め込んだリスのようにして怒っていた。本当に気遣いのできる愛らしい子だ。ちゃんと慧斗が言った以前の言葉を覚えていたらしい。
「じゃあ、風邪をひかないように、あったかいご飯の材料を買おうか」
「うん!」
しっかり手を繋ぎ直して駅から近い商店街へと入る。
ここは平日は夜まで通行止めで、夕方になると人で賑わうのだ。
パン屋、八百屋に魚屋、洋菓子店に和菓子屋店と、色々取り揃えられている。駅を挟んで学園側にも大型のショッピングモールがあるが、大人と子供ひとりずつだとどうしてもパックされた量だと多いのだ。だから商店街での買い物頻度が上がる。それにこちらのほうがお得で帰りも楽なのもあった。
「おや、慧斗君と紅音君。学園の帰りかい?」
八百屋に立ち寄り瑞々しい野菜を見定めていると、店主が幾分控えめな声量で尋ねてくる。昔、店主の胴間声に紅音がギャンギャン泣いたという出来事があり、子供好きな店主はそれからというもの紅音が現れると叱られた子供のような小さな声で話しかけるようになった。
後から大きな声を出すのがおじさんのお仕事なんだよ、と説明してからは紅音も普通に店主に接するようになったものの、一度記憶に刻まれた経験は簡単に拭えないようだ。
「おじさんこんにちは! きょうね、あったかいごはんなんだよ」
「お、おう。温かいご飯ね。それじゃあシチューとかかい?」
「んー、くろいシチューをおひるにたべたからねー。なにかおすすめありますか?」
やけに大人ぶった言い方をする幼児に、慧斗も店主も笑い弾ける。周囲からも会話を聞いたらしい主婦たちがクスクス笑うのを見て、紅音は「んー?」と首を傾げるのだった。
「あれ? 慧斗君と紅音君?」
人の声の合間から聞き覚えのある声音が。振り返ると、玲司の番の桔梗がショッピングバッグを肩に掛け、こちらを見ていた。隣には番にぴったり寄り添う玲司の姿が。また店を放り出してついてきたのか。
「ききょーさん!」
紅音がぴょんと跳ね、桔梗へと弾丸特攻を仕掛ける。
「ちょ、紅音っ」
慌てて止めようとしたが、その前に玲司の大きな手が紅音を掬い上げてしまった。
「もーっ、れーじさんおろしてー」
「何度言えば分かるのかな、桔梗君は僕の大切な番なんだよ。だから気軽に近づいちゃダメだよ」
「はーなーしーてーっ」
両脇を抱えられ上げられた紅音は、じたばたと足を泳がせ抵抗している。確かにいくら見知った相手とはいえ、いきなり飛び込んだら危険なのは分かるものの、玲司の行動は毎回大人げないとため息が溢れる。
「もう、玲司さん。紅音君の肩が脱臼しちゃうかもですよ。下ろしてあげてください」
「ですが……」
「紅音君もいきなり飛びついたら危ないでしょ? だからめっ、だよ」
「うー」
大きな瞳をキッと吊り上げて番と幼児を叱る桔梗は、二年前に玲司と番になったオメガ男性だ。
彼らがどのような経緯で番契約を結んだか分からないが、仲睦まじいふたりは、このあたりでは有名な夫夫だった。
「いつもごめんなさい、怪我はありませんか?」
「はい。その前に玲司さんが紅音君を止めたので」
母親である慧斗と同じオメガだからか、紅音は出会って間もなくやたらと桔梗に懐いた。そうなると玲司が不機嫌になり、桔梗がそちらに意識を向けるのが気に入らない紅音が構って攻撃をするというループが展開される。
頭のいい紅音のことだ。あれはわざと玲司を煽っているに違いない。
「あ、そうだ。慧斗さん、もし良かったら店に来ませんか? 玲司さんが新作を作ったので試食してくれると嬉しいです」
これはもう、今日の晩ご飯は決まったな、と慧斗は内心で頷いていた。
67
お気に入りに追加
1,589
あなたにおすすめの小説
余命僅かの悪役令息に転生したけど、攻略対象者達が何やら離してくれない
上総啓
BL
ある日トラックに轢かれて死んだ成瀬は、前世のめり込んでいたBLゲームの悪役令息フェリアルに転生した。
フェリアルはゲーム内の悪役として15歳で断罪される運命。
前世で周囲からの愛情に恵まれなかった成瀬は、今世でも誰にも愛されない事実に絶望し、転生直後にゲーム通りの人生を受け入れようと諦観する。
声すら発さず、家族に対しても無反応を貫き人形のように接するフェリアル。そんなフェリアルに周囲の過保護と溺愛は予想外に増していき、いつの間にかゲームのシナリオとズレた展開が巻き起こっていく。
気付けば兄達は勿論、妖艶な魔塔主や最恐の暗殺者、次期大公に皇太子…ゲームの攻略対象者達がフェリアルに執着するようになり…――?
周囲の愛に疎い悪役令息の無自覚総愛されライフ。
※最終的に固定カプ
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる