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一章
警鐘
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かろうじてファストス公爵の者達には見つからず、フレデリクは裏門から人ごみに紛れて離れる事ができた。
「さて、最初にどれに手をつけるべきか」
『常世』または『人狼』の分析もファストス公爵の邸の調査も、ブラン率いる影が動いている。下手に自分が手を出すのは邪魔になる。かといって、単独でスーヴェリア侯爵のタウンハウスに向かうのも無謀すぎた。
だがエミリオが姿を隠してから時間が経っている。もし馬車で連れ去られたのなら、あとどれほどの時間もないだろう。
ファストス公爵邸は王族に近い高位貴族であるため、王城へは徒歩で向かう事も可能だ。
既に兄王太子にはブランからスーヴェリア侯爵と息子ルドルフの捕縛嘆願が届いているだろう。
ノアルとブランにはエミリオの兄がエミリオの行方に関係してると断言したものの、もしかしたら他に関わった可能性だってある。
だがフレデリクの脳にずっと警鐘が鳴り続いているのだ。この件にはルドルフが関係しているはずだと。
こうなったら確証はないがスーヴェリアのタウンハウスに向かうべきか、と焦燥感に焦れながら馬を取りに行くため王城へと足を踏み出すと。
「あら、本当に殿下が出てきちゃったわ」
まるでフレデリクが出てくるのが分かってたかのような驚いた声が横から聞こえてきた。フレデリクはちらりと視線を移す。
エミリオと同じ茶色の髪。
エミリオと同じ緑の瞳。
エミリオと同じ華奢な体。
違うのは、エミリオは男で優しい心根を持っているが、フレデリクを見てニタリと笑う女は狡猾を固めたような存在だった。
「君は……レッセン元伯爵子息夫人……だね」
警戒も顕に尋ねれば、女は「そうよ」と微笑んだ。
こいつがエミリオを悲しみに落とした女。
フレデリクは自分の事を棚に上げてギリと歯噛みする。
エミリオとクライドの婚約と結婚は、フレデリクからクライドへ、クライドからレッセン伯爵へ、レッセン伯爵からスーヴェリア侯爵へと伝えられた。
その過程において、エミリオとクライドの婚約と結婚は白い結婚であり、フレデリクが迎えに行くまでは手を出さないよう誓約を交わした事については、レッセン伯爵もスーヴェリア侯爵も知らない事実だ。
当時は地盤が磐石じゃなかったとはいえ、クライドには申し訳ない事をしたと後悔していた。クライドがエミリオを心底愛していたと気づくのに、自分はあまりにも自分勝手だった。
「ところで、君はどこの男爵令嬢なのかな」
冷ややかに問いかければ、女の……周囲の人間が『エミリア』と呼ぶ人物は、笑みを深くした。
エミリオはこの『エミリア』という女が、学園で寄り添ってくれたと話してくれた事がある。だが、学園の名簿には『エミリア』という男爵令嬢はどの学年にも存在せず、ブランによって身元を調べると彼女は貴族ではなく平民だと判明したのだ。
確かに学園には優秀であれば平民にも門戸を開いていた。『エミリア』もそうであれば、心優しいエミリオの事だ。地位など関係なく交流したに違いない。
それなのに身分詐称したのには、何か裏があるからだ。
更に平民の生徒まで調査範囲を広げてもらった。やはりというか、そちらにも『エミリア』という生徒は存在しなかった。
だけど、エミリオがクライドから離縁を言い渡され、約半年程ではあったものの、戸籍にはクライドの後添えに『エミリア』の名はあった。エミリオの離縁の原因となった子供は『死産』と記載されていた。
つまりは、目の前の女が戸籍上は『エミリア』で、短期間ではあったもののレッセン伯爵令息の妻だった。
「男爵令嬢ね。それは私の敬愛する方がエミリオの為に用意した役柄かな」
「役柄?」
笑みを崩さない不気味さに、フレデリクは薄気味悪さを感じながらも、目の前の女と対峙する。
きっと、彼女の言う『敬愛する方』というのは、憶測であるがルドルフの事なのだろう。エミリオに似た髪色と瞳を持つ人間を傍に置くなど、なんとも趣味が悪い。どう見てもエミリオとは全く違う。
「私はエミリオの身代わり。でも、まあ、もうそれも本物が手に入ったから、お役御免になったけどね」
「まさか……」
どこか悲しげに緑の瞳を揺らした女が吐き捨てる。
「クライドも自分の子だと勘違いしてたけど、あの時エミリオの原因になった子供は、クライドの子供じゃないの。あの方の……ルドルフ様のお子よ。あの方はエミリオに似てるからって私を長らく傍に置いて、気が向いた時に抱いてくれた。でも、本物には適わなかった。だからルドルフ様は私の子供を殺して、あなたに取られる前にエミリオと本懐を遂げようとしているの」
「それが『常世』と『人狼』、どう関わりがある」
「多分、この国の人間を消して、まっさらにした上でエミリオとの婚姻をするつもりなんでしょうね」
よく分からないけど、と肩を竦める『エミリア』に、フレデリクは眉をひそめる。
「どういう意味だ」
「『常世』、『人狼』と呼ばれるアレは、スーヴェリアでは外科的処置で患者が暴れないように使用する、感覚を麻痺させ酩酊させる事によって大人しくさせる薬が元だったの。そこにルドルフ様が目をつけて、改良をした物が今世の中を賑わせている『常世』と『人狼』。ちょうど目障りだった自分の親とあなたの目をそちらに向ける事によって、エミリオを傍に置くつもりだったんでしょうね」
スーヴェリア親子の関与だと思っていたフレデリクは、まさかルドルフ単独の犯行だった事に驚きが隠せない。
「ふふっ、ルドルフ様って狂ってるわよね。いくらエミリオが男でも子宮を持ってるからって、強姦したり親を排除したりなんて考えないもの、普通は。でも、あそこまでぶっ壊れたルドルフ様が好きだったわ」
「君の話は分かった。それでエミリオはどこに」
「あら。まだまだ恨みつらみを話したかったけど。まあ、いいわ。エミリオはルドルフ様が連れて行ったわ。私はエミリオを公爵邸から誘い出すのと、ここであなたを足止めする役割を与えられたから」
「エミリオとルドルフはどこだ」
「……全く、レディに対するマナーがなってないわ、王子殿下。ルドルフ様は今頃レッセン元伯爵邸にいると思うわ。あの邸は今、ルドルフ様の物になってるから」
フレデリクは王城に向けてた半身を勢いよく後へと煽ぐ。公爵邸と侯爵邸の中心。王城とは真逆の位置にあるレッセン元伯爵邸にエミリオが。
「早くしないとエミリオがルドルフ様の毒牙にかかっちゃうかもね」
くすくす笑う女をひと睨みしたフレデリクは、女の腕を掴み、影を呼び寄せた。
「さて、最初にどれに手をつけるべきか」
『常世』または『人狼』の分析もファストス公爵の邸の調査も、ブラン率いる影が動いている。下手に自分が手を出すのは邪魔になる。かといって、単独でスーヴェリア侯爵のタウンハウスに向かうのも無謀すぎた。
だがエミリオが姿を隠してから時間が経っている。もし馬車で連れ去られたのなら、あとどれほどの時間もないだろう。
ファストス公爵邸は王族に近い高位貴族であるため、王城へは徒歩で向かう事も可能だ。
既に兄王太子にはブランからスーヴェリア侯爵と息子ルドルフの捕縛嘆願が届いているだろう。
ノアルとブランにはエミリオの兄がエミリオの行方に関係してると断言したものの、もしかしたら他に関わった可能性だってある。
だがフレデリクの脳にずっと警鐘が鳴り続いているのだ。この件にはルドルフが関係しているはずだと。
こうなったら確証はないがスーヴェリアのタウンハウスに向かうべきか、と焦燥感に焦れながら馬を取りに行くため王城へと足を踏み出すと。
「あら、本当に殿下が出てきちゃったわ」
まるでフレデリクが出てくるのが分かってたかのような驚いた声が横から聞こえてきた。フレデリクはちらりと視線を移す。
エミリオと同じ茶色の髪。
エミリオと同じ緑の瞳。
エミリオと同じ華奢な体。
違うのは、エミリオは男で優しい心根を持っているが、フレデリクを見てニタリと笑う女は狡猾を固めたような存在だった。
「君は……レッセン元伯爵子息夫人……だね」
警戒も顕に尋ねれば、女は「そうよ」と微笑んだ。
こいつがエミリオを悲しみに落とした女。
フレデリクは自分の事を棚に上げてギリと歯噛みする。
エミリオとクライドの婚約と結婚は、フレデリクからクライドへ、クライドからレッセン伯爵へ、レッセン伯爵からスーヴェリア侯爵へと伝えられた。
その過程において、エミリオとクライドの婚約と結婚は白い結婚であり、フレデリクが迎えに行くまでは手を出さないよう誓約を交わした事については、レッセン伯爵もスーヴェリア侯爵も知らない事実だ。
当時は地盤が磐石じゃなかったとはいえ、クライドには申し訳ない事をしたと後悔していた。クライドがエミリオを心底愛していたと気づくのに、自分はあまりにも自分勝手だった。
「ところで、君はどこの男爵令嬢なのかな」
冷ややかに問いかければ、女の……周囲の人間が『エミリア』と呼ぶ人物は、笑みを深くした。
エミリオはこの『エミリア』という女が、学園で寄り添ってくれたと話してくれた事がある。だが、学園の名簿には『エミリア』という男爵令嬢はどの学年にも存在せず、ブランによって身元を調べると彼女は貴族ではなく平民だと判明したのだ。
確かに学園には優秀であれば平民にも門戸を開いていた。『エミリア』もそうであれば、心優しいエミリオの事だ。地位など関係なく交流したに違いない。
それなのに身分詐称したのには、何か裏があるからだ。
更に平民の生徒まで調査範囲を広げてもらった。やはりというか、そちらにも『エミリア』という生徒は存在しなかった。
だけど、エミリオがクライドから離縁を言い渡され、約半年程ではあったものの、戸籍にはクライドの後添えに『エミリア』の名はあった。エミリオの離縁の原因となった子供は『死産』と記載されていた。
つまりは、目の前の女が戸籍上は『エミリア』で、短期間ではあったもののレッセン伯爵令息の妻だった。
「男爵令嬢ね。それは私の敬愛する方がエミリオの為に用意した役柄かな」
「役柄?」
笑みを崩さない不気味さに、フレデリクは薄気味悪さを感じながらも、目の前の女と対峙する。
きっと、彼女の言う『敬愛する方』というのは、憶測であるがルドルフの事なのだろう。エミリオに似た髪色と瞳を持つ人間を傍に置くなど、なんとも趣味が悪い。どう見てもエミリオとは全く違う。
「私はエミリオの身代わり。でも、まあ、もうそれも本物が手に入ったから、お役御免になったけどね」
「まさか……」
どこか悲しげに緑の瞳を揺らした女が吐き捨てる。
「クライドも自分の子だと勘違いしてたけど、あの時エミリオの原因になった子供は、クライドの子供じゃないの。あの方の……ルドルフ様のお子よ。あの方はエミリオに似てるからって私を長らく傍に置いて、気が向いた時に抱いてくれた。でも、本物には適わなかった。だからルドルフ様は私の子供を殺して、あなたに取られる前にエミリオと本懐を遂げようとしているの」
「それが『常世』と『人狼』、どう関わりがある」
「多分、この国の人間を消して、まっさらにした上でエミリオとの婚姻をするつもりなんでしょうね」
よく分からないけど、と肩を竦める『エミリア』に、フレデリクは眉をひそめる。
「どういう意味だ」
「『常世』、『人狼』と呼ばれるアレは、スーヴェリアでは外科的処置で患者が暴れないように使用する、感覚を麻痺させ酩酊させる事によって大人しくさせる薬が元だったの。そこにルドルフ様が目をつけて、改良をした物が今世の中を賑わせている『常世』と『人狼』。ちょうど目障りだった自分の親とあなたの目をそちらに向ける事によって、エミリオを傍に置くつもりだったんでしょうね」
スーヴェリア親子の関与だと思っていたフレデリクは、まさかルドルフ単独の犯行だった事に驚きが隠せない。
「ふふっ、ルドルフ様って狂ってるわよね。いくらエミリオが男でも子宮を持ってるからって、強姦したり親を排除したりなんて考えないもの、普通は。でも、あそこまでぶっ壊れたルドルフ様が好きだったわ」
「君の話は分かった。それでエミリオはどこに」
「あら。まだまだ恨みつらみを話したかったけど。まあ、いいわ。エミリオはルドルフ様が連れて行ったわ。私はエミリオを公爵邸から誘い出すのと、ここであなたを足止めする役割を与えられたから」
「エミリオとルドルフはどこだ」
「……全く、レディに対するマナーがなってないわ、王子殿下。ルドルフ様は今頃レッセン元伯爵邸にいると思うわ。あの邸は今、ルドルフ様の物になってるから」
フレデリクは王城に向けてた半身を勢いよく後へと煽ぐ。公爵邸と侯爵邸の中心。王城とは真逆の位置にあるレッセン元伯爵邸にエミリオが。
「早くしないとエミリオがルドルフ様の毒牙にかかっちゃうかもね」
くすくす笑う女をひと睨みしたフレデリクは、女の腕を掴み、影を呼び寄せた。
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