はぴまり~薄幸オメガは溺愛アルファのお嫁さん

藍沢真啓/庚あき

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桔梗ききょう君? あまり夜風に当たっていると、風邪をひきます……桔梗君!?」

 外へとハーブを摘みに出てから三十分。門扉の所でずっと佇んでいる桔梗を心配し、玲司は様子を伺おうと外に出たが、振り返った桔梗の顔は紙のように白く、月の光ですらも儚く消えてしまいそうで、連れて行かれないようにと慌てて駆け出す。

(駄目だ。行かないで。もう、俺を一人にしないで……)

 幼い頃の記憶がオーバーラップし、玲司は泣きそうに顔を歪め、桔梗の腕を掴んだ。秋とは言えども、桔梗の腕はまるで氷のように冷たかった。
 一瞬、過去の映像がノイズ混じりに蘇る。
 常に死臭のような濁ったにおいが漂う和室の部屋。
 あちこちに隙間があり、陽に焼けてささくれだっている畳。
 百円ショップで買った薄っぺらいカーテンは元が何色だったのか憶えてない位に色褪せ、六畳一間の狭い部屋と時間経過で印刷の剥げた襖の奥の押入れには布団が一組。暑い日も寒い日も二人・・で一緒に寝ていた。
 幼い玲司は、虚ろな目を一つの物体に向けたまま、ぼんやりと時間が過ぎるのを待つ。

 ――早く。一刻も早く。お母さんひとりじゃさみしいだろうから、死ななくちゃ……

「……っ、ぃた」

 苦痛を訴える桔梗の声に玲司はハッと我に返り、込めていた力を緩める。

「何がありましたか。ああ、それよりも、随分体も冷えてしまってますから、先に店に戻りましょう。桔梗君が摘んだレモングラスでハーブティをお淹れしますよ」
「……りがとう……れ、いじ……さん」

 空気に溶けてしまいそうな小さな声で呟く桔梗の細い肩を抱き、まずは店で落ち着かせようと歩き出した所で、不安げに後ろを振り返った彼の視線の先を辿る。
 ステンレスのザルから零れたレモングラスとローズマリー。それから剪定用の鋏と、白い封筒と細かく切られた紙の欠片。

(もしかしなくても、あれが桔梗君の様子が一変した要因か)

 錯乱はしていなくても、今にも倒れそうな桔梗を放っておくわけにもいかず、回収は後からにすると決め、そっと桔梗の背中を押して促した。

 リラックスできるようソファ席へと座らせ、玲司は外に放置してあったハーブ等を取りに行く。ハーブは使用前に軽く熱湯で殺菌をしてから使うので、地面に落ちていても問題はない。器具も同じように殺菌処理をするから大丈夫だ。
 だが……

「……これは、どういった意味なんでしょうね」

 社員旅行の集合写真らしき一葉の写真は、見るも無残に細切れとなっている。まだ桔梗に迫っていた社長の息子は入社前だったのか、綻ぶ様に微笑む桔梗はお揃いの浴衣を着てリラックスしているように見える。

 丁寧にひとつずつ紙片を拾っていると、指先に写真の感触とは違う紙の感触が伝わる。

「『淫乱オメガには死を』……ね。該当するのは、Y商事の例の彼ですが、ちょっと違う気がするような」

 白い紙に綴られた悪意ある文字に視線を落とし、玲司は冷ややかな声で呟いた。桔梗に見せる態度でも、店用の営業スマイルでもなく、獰猛なアルファらしい狡猾な微笑を浮かべている。

 実父と実母の良い部分を継いだ甘いマスクに、長身で均等の取れた体躯は学生時代に演劇で鍛えられたおかげでもある。
 一般的に演劇部は文化部と言われているが、内実は体を駆使した作業が多いし、大道具作りは割と肉体的にハードだ。玲司は役者としての出番が多かったものの、裏方も好きで勝手に混じってはひたすらトンカチを打ってたのも懐かしい。
 今は演劇の世界から離れて久しいが、当時の体力作りは今にも活かされているおかげで、三十過ぎた現在でも無駄な肉がついていない。「客商売は見た目も大事だ」と兄の総一朗に言われ、今も毎日軽くストレッチやジョギング程度はしているのもあって、均等に引き締まった体をしている。
 故に玲司は対外的に人当たりが良さそうな雰囲気を持っているものの、アルファ特有の冷徹な部分を表に出さないだけだ。自分が割と腹黒で非道なタイプなのは自覚している。
 そのアルファの本性が、まだプロポーズの返事を貰ってはいないけども、誰かが最愛のオメガである桔梗を害しようとするのを感じ取っていたのだ。

「さて。桔梗君の心を傷付けるお馬鹿さんを、どう処理しましょうかね」

 唇を歪め獰猛な笑みを浮かべる玲司は、手の中の紙をくしゃりと握り締めた。



 昂る感情を落ち着かせる為に数刻の時間を庭で過ごした後、玲司は桔梗の待つ店へと戻る。

「遅くなってすみません、桔梗君。すぐにハーブティをお淹れしますね」

 緩やかな笑みを見せて、カウンターに入った玲司は、ケトルに水を注ぎ入れ火に掛ける。
 その間に作り置いたレモンピールとポピーシードを混ぜこんだマフィンを余熱にしたオーブンへと入れた。
 ケトルから勢いよく湯気が吹き、玲司はザルに並べたレモングラスへと流し掛ける。途端に爽やかな柑橘系の香りが湯気と共に立ち上がった。
 すぐさま冷水で熱を取り、キッチンペーパーで余計な水気を除くと、温めておいた硝子製のポットにレモングラスを数センチに刻んだものを投入し、熱湯を注ぐ。
 蒸らしている間に温まったマフィンを皿に乗せ、緩く泡立てた生クリームと飾り切りしたオレンジと、前庭で摘んだミントを添えた。
 オメガは甘党が多いというし、桔梗も比較的甘いものを好んで食べている。食欲がないかもしれないが、少しでも口にしてくれたらいい。

「桔梗君、試作品ですが、ちょっと味見して感想を聞かせてくれますか?」

 まだぼんやりしている桔梗の前に差し出して見せれば、桔梗はパチパチと大きな瞳を瞬かせてから、玲司へと視線を転じる。

「まだ体調が良くないのは分かっているんですけどね。食べれる分だけで構いませんから」
「……甘いもの好きなので嬉しいです。いただきます」

 小さく手を合わせてからフォークを取った桔梗を、玲司は微笑んで眺める。
 一口分に分けたレモンピールマフィンが桔梗の口の中に消える。ちらと見えた赤い舌に、嚥下する喉の艶めかしさに、玲司の内で眠る情欲の獣が、薄らと片目を開く。
 ああ、いけない。桔梗が赦すまでは彼を抱けないのだ。自分で誓った言葉を裏切る訳にはいかない。

「いかがですか?」

 以前は簡単な軽食については玲司が作っていたが、お茶菓子に関しては近所の商店街の中にある洋菓子店のものを利用していた。

 しかし。

『あの店のお菓子も美味しいですけど、玲司さんの淹れるコーヒーには重すぎませんか? 馴れたらそんなに難しくないって聞きますし、いっそのことここで作ってみてもいいと思いますよ。……って、偉そうに言ってすみません』

 本格が売りらしい洋菓子店の菓子は、ふんだんにバターや砂糖が使われて、玲司が好みでよく出す深煎りの豆で抽出したフレンドコーヒーには、確かに重すぎてバランスが悪い。

『でも、庭に沢山のハーブもあるので、それを使ったお菓子等もいいですよね』

 玲司の家に住まうようになって、初めて見せる桔梗の砕けた笑みを見て、彼を喜ばせたいが為に頑張ってみようかな、と心に決めたのだった。
 桔梗は料理自体は苦手なようだが、玲司が知っている香月・・だとしたら、彼はかなり舌が肥えてると推察される。
 試行錯誤して作った試作品を食べた桔梗のアドバイスは的確で、数点のデザートを客に気まぐれで出したら、普段はたまにしか来なかった近所の若い主婦達が、夜のお茶会と称し来店するようになったのだ。
 おかげで、基本不定休だった『la maisonメゾン』も、週末の金曜日と土曜日が固定となり、常連客から感謝されるようになった──桔梗が。

「玲司君は採算度外視で『la maison』をやってるから、桔梗君みたいにしっかりした子がここに居てくれると、私達客も安心できるのよね」と黒い笑みを浮かべて話すのは、母の生前から付き合いのあった商店街の八百屋の大女将だ。
 『la maison』のある場所は玲司が母と二人で暮らしていた安アパート跡地だった。大家おおやが高齢化により取り潰しするのが決まった時に、直接交渉して土地を譲ってもらったのだ。

(何年経とうが、僕はあの頃からずっと動けてないのかもしれないですね)

 なんだかしょっぱい記憶を思い出し、玲司はじっくり抽出されて薄黄緑色に染まったハーブティを硝子カップに注いで差し出す。ありがとうございます、と言って桔梗はカップを受け取ると、優しいレモングラスの香りを楽しんだ後、ゆっくりと飲み込む。

「はぁ……、すっごく美味しいです。レモングラスとレモンピールってくどいかな、って思ったんですけど、ポピーシードの食感も面白いですし、焦がしバターもレモンピールがさっぱりさせてくれて、ハーブティの邪魔してないのが良いですね。オレンジの爽やかな甘さも変化があって、俺好きですよ」

 温かいハーブティが胃を温めたからか、ようやく緊張状態から解けた笑みを見せる桔梗に、玲司は内心で安堵の息を吐く。

 謎の封書だけではない。桔梗は出会ったあの雨の日からずっと、緊張を全身から滲ませていたのを知っていた。
 当然だろう。会社をクビになり、心のバランスを崩したせいでヒートを起こし、挙句迷惑を掛けないようにと徒歩で帰れば、自宅目前で玲司に強制的に番にされ、戸惑いの中プロポーズと同居。果たして謎の封書まで来る始末。
 これが緊張せずに生活できる人間だったら、桔梗ももっと世渡りが上手かっただろうに、オメガである事で色々諦めてしまったのだろう。
 そんな桔梗を支えてあげたい。彼が心の底からの笑顔を近くで見たい。
 その為には桔梗の憂いを取り除き、もう一度初めからやり直すしかない。

「でしたら、お茶の時間の間だけでも開店時間を増やしましょうか」
「え? それって、玲司さんに負担がかかるんじゃあ……」
「いえね、以前から散々近隣の若奥様達や商店街のマダム達にせっつかれてたんですよね。幾ら趣味の延長だと言っても客商売なんだから、もう少し客のニーズに応えろって」

 玲司は内心で桔梗との関係のリセットを誓いつつ、桔梗が店を手伝うようになってから散々周囲から言われていた事を言葉にする。

「昼の方はコーヒーと紅茶、後は桔梗君が淹れてくれるハーブティのみ。デザートも日替わり一択にすれば、そこまで負担になりませんし、桔梗君も手伝ってくれますよね?」

 一瞬ずるいな、と苦笑しつつ、そう桔梗に提案する。

「俺もお店のお手伝いしてもいいんですか?」
「当然。桔梗君が居てくれないと、ハーブティ淹れるの苦手なんですよね、実は」
「そう……ですか? これ、とても美味しいですよ」
「レモングラスは比較的簡単なので。他となると正直僕には荷が勝ちすぎて」
「分かりました。俺ももう少し勉強して、迷惑にならないようにしますね」

 桔梗が薄らと微笑を浮かべるのを、玲司は頷くだけで応えた。
 その後、交代で入浴を済ませ、藤田から処方された薬を桔梗に飲ませると、彼が玲司の寝室に消えるのを見送った。
 明日は本屋さんに一緒に行って、ハーブティの本を買うことに決め、玲司は明日の朝食の準備を終えると、音を立てずに寝室のドアを開く。薄ぼんやりと明かりの灯った寝室。ベッドですうすうと寝息をたてている桔梗の姿が曖昧に浮かび上がる。薬の効果か、玲司が近寄っても起きる気配がない。

「……すみません、桔梗君。あなたが内緒にしてる事を少しだけ暴きますが、僕を許してくれますか?」

 淡く開いた桔梗の唇にそっと指を這わせ、玲司はぽつりと懺悔を呟く。だが、熟睡して眠りの奥深くに沈んでいる桔梗には、その声は届かない。
 玲司はベッド脇にあるテーブルからスマホを手にし、静かに寝室を後にした。

 まだ起きてるだろうと、兄の総一朗に連絡を取ると、すぐさまこちらに来ると告げ電話を切ってしまった。緊急とは言ったが、至急対応する為に来いとは言っていない。兄の桔梗に対する態度に不安しかない。玲司の番となった事で、彼の中では身内認定されているのかもしれない。
 あれも何だかんだと寒川の人間だ。いざとなったら、全面対決も辞さない心持ちでいないと。

「ですが、何かと役に立ってますからね。排除するにはまだ時期尚早というべきでしょうか」

 寒川の地位には全く興味もないが、最愛の番を別の人間が気にしているのは気に食わない。獣の本能に従うのなら、桔梗の周りをぐるぐる警戒し、誰かが近づく度に威嚇するような感覚ではないかと思う。

 玲司はSNSで店の方に来るようにと、慌てて家を出ているだろう義兄に送り、改めてスマホ画面へと視線を落とす。
 総一朗がY商事を調べた際、桔梗の身辺調査をした書類を玲司に渡してきたのである。勝手な事を、と玲司は封を開けないまま桔梗の目の届かない場所に保管していたが、今回の件を考えるとそうもいかないだろう。
 うっすらと桔梗の出自には目測を立ててはいるが、調査の結果いかんでは向こうと連絡を取らなければならない。
 憂鬱な吐息を漏らし、玲司は開封し、中に綴られた電話番号を手動で入力して、通話アイコンをタップした。
 数回のコール音がふつりと途切れ「もしもし?」と訝る様子が手に取るように分かる声音は、毎日聞いていた音に似ていて違う。この声は彼とは違い、アルファの持つ自信のようなものが含んでいる。

「突然の電話申し訳ありません。わたくし寒川と申しますが、香月朔音こうづきさくらさんの携帯で宜しいでしょうか?」
『……ええ、間違いありません。それで寒川さん? 何故、この番号をご存知なんですか?」

 警戒心丸出しで問いただしてくる朔音。それは当然だ、と玲司は推察する。今架けている電話番号は、朔音がオープンで開示している番号ではなく、彼の双子の弟のみが知っている番号だからだ。

「わたくし──いえ、僕は桔梗君の番です。こう言えばお分かりですよね。桔梗君の件でお話したいのですが、お会いできるお時間をいただくことは可能でしょうか?」

 朔音は彼が大事にしている肉親の番だと知るやいなや、怒りの感情が電波に乗って玲司の耳に爪を立てる。しかし香月よりも格上の寒川に直接牙を剥かないのは、彼が香月家の次期当主になる器だからか。

『今すぐ出ます。場所をショートメールで送ってください』

 強ばった声が玲司の耳に完全に届く前に、通話が切られてしまった。義兄と鉢合わせになると思ったが、政界に繋がりを持つ寒川と経済界に強い香月が揃えば、何かしら良い案がでるだろうと、玲司は淡々と『la maison』の住所を朔音のスマホへと送ったのだった。
 
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