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RENYA Side
ずっと愛してるからね。
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馴染みのレストランで食事をして、手を繋いでお散歩デートして、途中、入社時に注文した特殊カットの石を填め込んだ俺デザインのエンゲージリングを受け取って、これは役所に寄った帰りに俺の家で真唯に渡すんだ。
途中、椙崎にスマホから電話して、月曜日の午前中を真唯と二人で休む旨を伝えると「ああ……我社の真面目な社員が毒牙に……」などとふざけた事を言ったので、後日制裁するとして、強引に半休をもぎ取った。
その後は悪友に連絡して、クズに仕掛けた女優からの報告を聞く。他の女性の存在を匂わせたおかげで、さっくりフッて帰社との事。すぐさま俺の身元を問い質したそうだが、そんなクレームは俺には関係ない。故に、そっちで処理してくれと言って通話終了。こっちはギャラ倍で支払ってるのだから、他人の事なんて気にしていられるか。
というか、俺の身元バラしたらどうなるか分かってるだろうし、個人情報保護法もあるからな。たかが駒の為に裏切る行為はしないと信じてるぞ。
あとは、クズの処理については、月曜日の午後からにするか。
今は真唯をとことん堪能したいし。
ダメ押しで今日も抱き潰したら、確実に真唯は孕んでくれるかなぁ。どっちにしても、今日から俺のマンションが真唯の家になるのは事実だからね。
一応、真唯が好きそうなファブリックでまとめてあるし、寝室もベッドのサイズをダブルからクイーンに買い換えたし、秘密のアルバムはクローゼットの奥深くにしまってあるから、いつでも受け入れOK。
その前に、役所で婚姻届け貰ってこなくちゃね。
真唯がフリーズしている間に、休日受付で婚姻届けを書き損じを含め数枚貰い、途中でデパートの地下で簡単に摘めるものを買ってから、俺のマンションへ。昼近くからぶらぶらしていたから、外はすっかり陽も落ちて空には星が瞬いている。
「えーと。ここは?」
「俺の住んでるマンション。今日からは真唯のお家でもあるからね」
「はい?」
コーラルピンクに彩られた唇をパカリと開けて、真唯は眼前にそびえる白亜の建物を見上げてる。可愛いからちゅーしちゃお。
俺が住んでるマンションは低層階なんだけど、1フロアに2戸しか部屋がない為、内装はかなり広々としてたりする。しかも、6階建てに見えるものの実は3階建てなんだよね。マンションなんだけど、二階建ての戸建形式で、普通に考えたら外資系の専務とはいえどもそう易々と住めるレベルの家ではない。
ここ、俺の実家──一年前までいた会社の社長が所有しているマンションなんだよね。税金対策とかで、1棟まるまる俺名義。このあたりの説明もおいおい囲い込みが進んでから話さないと、真唯逃げ出しそうだもんな。
逃がすつもりは更々ないけど。
「とりあえず、中に入って落ち着こうか。色々話さなきゃでしょ?」
腰に腕を絡め促せば、真唯はこのまま行っても大丈夫なのか、を逡巡しているようだ。当然、このまま帰すつもりもなければ、真唯が今借りてるワンルームマンションに戻すつもりもないけどね。
「あんまり遅くなると、帰るの大変じゃないかな」とにっこり微笑めば、「それもそうですね」と、まだ納得していないような渋い顔をした真唯は、半ば諦めたのか小さくため息を落としていた。
多分言葉通り帰れないと思ってるかもしれないけど、正解だよ、真唯。
そのまま愛の巣に囚われた真唯は、しっかり抱き潰され、日曜日はベッドの人となり、俺の介護を甘んじて受けていた。
月曜日には必要書類を一緒に取りに行ってから出社し、そこで色々大騒ぎがあったらしいけど、割愛しておこう。
ちなみに、あの真唯の元彼だったクズは、これまで出向していた派遣先で、色々やらかしていた証拠を、現在の派遣先と派遣会社へ送付。
色恋沙汰なら、厳重注意で済んだかもしれないけど、レイプはダメでしょ、レイプは。女性側の申告がないから黙認されてたようだけど、動かぬ証拠をつきつけられたクズは当然の事ながら契約終了。更に派遣会社の登録抹消。
すぐに他の派遣会社に向かったようだけど、残念でした。先手を打って、ありとあらゆる会社に要注意人物として告知してあるんだよね。
真唯と付き合うなんて愚行を起こさなければ、人生棒に振る羽目にならずに済んだのに。馬鹿だよね。
この八つ当たりに等しい断罪が、のちのち俺と真唯にトラブルとして襲ってくる訳だけど、それはまた別の話って事で。
三年越しの片恋は、こうして真唯と結ばれるエンディングを迎える事ができて、最高に幸せ。
一年後には家族が二人から三人になるし、椙崎を焚きつけてどんどん稼がないとね。
いつかは、真唯を手に入れる為に仕掛けた罠だと気づかれるかもしれないけど、その時にはグズグズに蕩けるように愛された真唯が、逃げるなんてしないだろうし、ね。
終わり良ければすべて良し、って言うよね?
「真唯、どうした? 遠い目をして、気分でも悪くなった?」
「ううん、幸せだな、って」
そうだね、俺も幸せだよ、真唯。ずっと愛してるからね。
end
馴染みのレストランで食事をして、手を繋いでお散歩デートして、途中、入社時に注文した特殊カットの石を填め込んだ俺デザインのエンゲージリングを受け取って、これは役所に寄った帰りに俺の家で真唯に渡すんだ。
途中、椙崎にスマホから電話して、月曜日の午前中を真唯と二人で休む旨を伝えると「ああ……我社の真面目な社員が毒牙に……」などとふざけた事を言ったので、後日制裁するとして、強引に半休をもぎ取った。
その後は悪友に連絡して、クズに仕掛けた女優からの報告を聞く。他の女性の存在を匂わせたおかげで、さっくりフッて帰社との事。すぐさま俺の身元を問い質したそうだが、そんなクレームは俺には関係ない。故に、そっちで処理してくれと言って通話終了。こっちはギャラ倍で支払ってるのだから、他人の事なんて気にしていられるか。
というか、俺の身元バラしたらどうなるか分かってるだろうし、個人情報保護法もあるからな。たかが駒の為に裏切る行為はしないと信じてるぞ。
あとは、クズの処理については、月曜日の午後からにするか。
今は真唯をとことん堪能したいし。
ダメ押しで今日も抱き潰したら、確実に真唯は孕んでくれるかなぁ。どっちにしても、今日から俺のマンションが真唯の家になるのは事実だからね。
一応、真唯が好きそうなファブリックでまとめてあるし、寝室もベッドのサイズをダブルからクイーンに買い換えたし、秘密のアルバムはクローゼットの奥深くにしまってあるから、いつでも受け入れOK。
その前に、役所で婚姻届け貰ってこなくちゃね。
真唯がフリーズしている間に、休日受付で婚姻届けを書き損じを含め数枚貰い、途中でデパートの地下で簡単に摘めるものを買ってから、俺のマンションへ。昼近くからぶらぶらしていたから、外はすっかり陽も落ちて空には星が瞬いている。
「えーと。ここは?」
「俺の住んでるマンション。今日からは真唯のお家でもあるからね」
「はい?」
コーラルピンクに彩られた唇をパカリと開けて、真唯は眼前にそびえる白亜の建物を見上げてる。可愛いからちゅーしちゃお。
俺が住んでるマンションは低層階なんだけど、1フロアに2戸しか部屋がない為、内装はかなり広々としてたりする。しかも、6階建てに見えるものの実は3階建てなんだよね。マンションなんだけど、二階建ての戸建形式で、普通に考えたら外資系の専務とはいえどもそう易々と住めるレベルの家ではない。
ここ、俺の実家──一年前までいた会社の社長が所有しているマンションなんだよね。税金対策とかで、1棟まるまる俺名義。このあたりの説明もおいおい囲い込みが進んでから話さないと、真唯逃げ出しそうだもんな。
逃がすつもりは更々ないけど。
「とりあえず、中に入って落ち着こうか。色々話さなきゃでしょ?」
腰に腕を絡め促せば、真唯はこのまま行っても大丈夫なのか、を逡巡しているようだ。当然、このまま帰すつもりもなければ、真唯が今借りてるワンルームマンションに戻すつもりもないけどね。
「あんまり遅くなると、帰るの大変じゃないかな」とにっこり微笑めば、「それもそうですね」と、まだ納得していないような渋い顔をした真唯は、半ば諦めたのか小さくため息を落としていた。
多分言葉通り帰れないと思ってるかもしれないけど、正解だよ、真唯。
そのまま愛の巣に囚われた真唯は、しっかり抱き潰され、日曜日はベッドの人となり、俺の介護を甘んじて受けていた。
月曜日には必要書類を一緒に取りに行ってから出社し、そこで色々大騒ぎがあったらしいけど、割愛しておこう。
ちなみに、あの真唯の元彼だったクズは、これまで出向していた派遣先で、色々やらかしていた証拠を、現在の派遣先と派遣会社へ送付。
色恋沙汰なら、厳重注意で済んだかもしれないけど、レイプはダメでしょ、レイプは。女性側の申告がないから黙認されてたようだけど、動かぬ証拠をつきつけられたクズは当然の事ながら契約終了。更に派遣会社の登録抹消。
すぐに他の派遣会社に向かったようだけど、残念でした。先手を打って、ありとあらゆる会社に要注意人物として告知してあるんだよね。
真唯と付き合うなんて愚行を起こさなければ、人生棒に振る羽目にならずに済んだのに。馬鹿だよね。
この八つ当たりに等しい断罪が、のちのち俺と真唯にトラブルとして襲ってくる訳だけど、それはまた別の話って事で。
三年越しの片恋は、こうして真唯と結ばれるエンディングを迎える事ができて、最高に幸せ。
一年後には家族が二人から三人になるし、椙崎を焚きつけてどんどん稼がないとね。
いつかは、真唯を手に入れる為に仕掛けた罠だと気づかれるかもしれないけど、その時にはグズグズに蕩けるように愛された真唯が、逃げるなんてしないだろうし、ね。
終わり良ければすべて良し、って言うよね?
「真唯、どうした? 遠い目をして、気分でも悪くなった?」
「ううん、幸せだな、って」
そうだね、俺も幸せだよ、真唯。ずっと愛してるからね。
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