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27話 会長職は過激にモテます
しおりを挟む結局、また小椋さんから夕食をご馳走になってしまった。借りを作っていくのは嫌なんだけど彼なりの“先輩”というプライドもあるのかと思い、素直にお礼を言った。
顔を合わせる事も偶然となく、歩く時も前後に並んで食堂を出る。
その帰り、廊下を渡った直ぐ近くに共同大浴場があって案内された。大浴場は閉場時間が決まっているので、時間に忙しい役職役員用(補佐も)に個室風呂があってそちらを使うことが多いらしいけど……なんかただの補佐なのにそんな特別感でいいのかな。でも、部屋にもシャワーが設置されているらしいけど。
近くには例の自動販売機がある休憩ルーム室になっている。
それからエレベーターで寮室に戻ると、ドアの前に箱のような物や…ヌイグルミなんてのもあっていくつか積み重なって置いてあった。
「フッ……始まったか」
「これ、落とし物とかじゃないですよね……?」
「俺のファンが置いて行ったんだろ。ときどき役員フロアに入って来る生徒がいるが、寮監や風紀委員に止められていたので、これは親衛隊の一部がまとめて持って来てるんだと思う」
「ファンからの贈り物……ですか!」
「アイツらも知恵を使うよな」
小椋さんはミニ小椋会長を模したヌイグルミを手に取ると、それをポンとオレの手に乗せた。
「こういうのも、お前の仕事だ」
つまり、これらの贈り物を部屋に片しておけと。
生徒会長だけじゃなく……たぶん生徒会役員全員だろうけど、どんだけアイドル扱いされているんだろうか……。
ドアの前に並んだ贈り物を手繰り寄せて持ち上げると、スルっと布のような物が床に落ちた。
見下ろすと……「え、これ……っ」
どう見てもブ、ブリーフの下着で、それもなんか……履きならした質感で使用済みっぽい……。
小椋さんも気が付いたのか強く眉間を寄せると「そういう過激なファンもいるんだよ、俺には」
はぁ……過激ってよりも変態感が……まさかこんなの貰って喜んではいないですよね??
彼はスタスタと部屋に入ってしまって表情は見えなかったけど、オレはその使用済みのブリーフを指先で拾って半場投げ捨てるとミニ会長のヌイグルミの頭に引っ掛かり、そのまま幾つもの贈り物を両手で抱えて部屋に入った。
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