あなたの顔が無理なんです!

ちゅっ太郎

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22話 話は妙な方向に

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 居た堪れなく他に目線を配ると、中川と視線が合った。

 その表情は自動販売機での睨みつけるような目つきに近い。

 また意思をはっきり言わないで……なんて思ってるんだろうか。

「ねえ、中川クンもオレのとこに来ない?」

 皆の反応が庶務に!

「あ? ナニ抜かしたこと言ってんだよ」

「共同生活なんて楽しそうじゃないっ」

「うるせぇ、お前の暇つぶしに付き合う道理はねえよ」

 わー!めっちゃ辛辣な啖呵!オレもあんなにハッキリ啖呵が言えたらな……。

「暇つぶしなんかじゃないんだけどなァ、一匹狼か知らないけど何を話しても立てつくし、これじゃ庶務の仕事も全うするのって難しくなるじゃない?だからオレは年上として調教…じゃなくて教授してあげたいなって思ってんの」

「はぁあ? てめぇのクソ脳内がダダ漏れなんだよっ」

「ああ……なるほど、中川はその辺りでは道理があるな」

「だよね、小椋会長~」

 小椋会長も櫻井庶務の話に納得したようで、話の雲行きが悪くなってる。

「補佐と同室?……いいよ、おれ寝起き悪いから起こしてくれる人居たら便利……」

 嗚呼…諸星会計も便乗してる、でもそれは私情だよ。

「なるほど、常に手の届く範囲に居てくれるのは、確かに便利に量れますし、補佐の岡田君と細心の情報を共有する事でお互いの信頼も得られ仕事もスムーズに執り行える方法として最適ですね」

 堅物そうな副会長まで……!
 
 仕舞には「アヤ先輩、良い案だと思いますっ!僕たちもどうですか?」子虎に至っては自ら誘ってる……。

「そうしようか~! 実は生徒会役員の部屋は広いし個室だから寂しいと思っていたんだよ。コタちゃんが来てくれるのなら僕は嬉しいな」もう、友達感覚!

「お前たちのは勝手にしたらいい。最上階は生徒会や風紀上役職のみのフロアになってるからプライベートは守られるしな」

 
 プライベートって意味合いならばオレからしたら逆だと思うけど……もうホントこの人って苦手だ。


 中川はハァと大きな溜息を吐いて「勝手にしろ」と最後の抵抗か部屋を出て行った。

 
 中川でも対処できなかったんだから、オレもこの案に従うしかない……。


 その脇で、子虎と綾野書記は既に引っ越しの話を嬉々としていた。

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