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65. 僕で妄想するなァァァ
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チャイムの音にハッと覚醒した僕は、背後から離れないタカ先輩を引きづりつつ、出入口のドアに近寄って施錠された鍵を解錠し脱出を試みようとドアを開けた。
バンッ!
なんてことだ?!タカ先輩の手が伸びてドアを閉じられた。なので僕の両手は無意識にドンドンと閉じたドアを叩く。
い、いやこの場面はBL的に攻めが受けに胸キュン演出の美味しいシーンでいろいろ“アッ~ん”な妄想ができる展開だけど、この状況は違うと僕の中の腐が苦情を訴えている。
「誉はときどき考えられないような行動をとるなぁ……照れてのことか?」
もうっもうっ…! なんでも理由はいい。校舎でこれ以上のラブコメは腐男子としての自分を失ってしまうのだ!
コクコクとタカ先輩が勘違いらしき理由に頭を縦に振ると「返事が雑だな」ってダメ出しされた。
「今の俺は誉の仕草までも反応してるんだが、どうする?」
どうするって言っても……な、何の話をしてるんだ!?
「うっ…授業…鐘がなったから……」
「既に放課後だろ。なんの授業を受けたいんだ?誉は」
そうだった……暫く思考が止まっていたら今は放課後だって忘れていたぁぁぁ!
『ピロン』
どこからかピロンって音が聞こえた。
「誉……携帯は邪魔だから、ほら、貸して」
何かなって思って見たら制服のポケットに入っていたスマートフォンだったけど、何故かタカ先輩に没収されて出口のドアから遠ざけられた。
僕のスマートフォンがピロンって鳴るなんてめちゃくちゃ珍しいことだ。登録してるのは母さんとBL仲間のにいちゃんと、あと従兄弟だけのはずで…、まぁ悪戯だってあるというし。それよりもタカ先輩に僕の頭部までぎゅっと両手で包まれた。
また抱きしめるのか……甘えん坊すぎると思うぞ。
だけど短くなった髪のせいかタカ先輩が支えてくれてる手の熱が以前よりもっと近く深く、感じる。
「放課後だって、俺が誉を独占していちゃついていたいんだ」
「…だ…だったら、もう意地悪、しない?」
「さっきの事か? あれは誉が可愛いからつい弄っただけだよ」
「そ、そそそれがイジメるって事だぞっ」
「誉だって俺から逃げだそうとするだろ?俺をイジメてないとでも?」
「…g……」
タカ先輩のいじめっこ体質にはどんな兵器を使用しても敵わない……でも、熱いと感じていた熱は下半身も熱くしてくれちゃって……タカ先輩は僕を灼熱地獄に導くのかと本気で思ったほどだった。
空の色は辛うじて黄色だと確かめる。夕焼けの眩しい光がタカ先輩の顔を照らして眉をしかめているのを横目で見るとなんだか急にめちゃくちゃ恥ずかしくなった。
素早くササっと身支度を整えた僕は、タカ先輩の声を無視して先に個室を出た。今度は脱出成功だ!
一応、左右を見渡すと通りがかりの生徒とすれ違って衝突しそうになった。そやつはなんだか目を見開いてギョッとすると、顔が微かに赤らんだ。
「!!」
(ぼ、僕で妄想するなぁぁぁああ!!)
僕は心中で叫ぶと、タカ先輩を待たずに廊下を駆けた。
※編集しました
バンッ!
なんてことだ?!タカ先輩の手が伸びてドアを閉じられた。なので僕の両手は無意識にドンドンと閉じたドアを叩く。
い、いやこの場面はBL的に攻めが受けに胸キュン演出の美味しいシーンでいろいろ“アッ~ん”な妄想ができる展開だけど、この状況は違うと僕の中の腐が苦情を訴えている。
「誉はときどき考えられないような行動をとるなぁ……照れてのことか?」
もうっもうっ…! なんでも理由はいい。校舎でこれ以上のラブコメは腐男子としての自分を失ってしまうのだ!
コクコクとタカ先輩が勘違いらしき理由に頭を縦に振ると「返事が雑だな」ってダメ出しされた。
「今の俺は誉の仕草までも反応してるんだが、どうする?」
どうするって言っても……な、何の話をしてるんだ!?
「うっ…授業…鐘がなったから……」
「既に放課後だろ。なんの授業を受けたいんだ?誉は」
そうだった……暫く思考が止まっていたら今は放課後だって忘れていたぁぁぁ!
『ピロン』
どこからかピロンって音が聞こえた。
「誉……携帯は邪魔だから、ほら、貸して」
何かなって思って見たら制服のポケットに入っていたスマートフォンだったけど、何故かタカ先輩に没収されて出口のドアから遠ざけられた。
僕のスマートフォンがピロンって鳴るなんてめちゃくちゃ珍しいことだ。登録してるのは母さんとBL仲間のにいちゃんと、あと従兄弟だけのはずで…、まぁ悪戯だってあるというし。それよりもタカ先輩に僕の頭部までぎゅっと両手で包まれた。
また抱きしめるのか……甘えん坊すぎると思うぞ。
だけど短くなった髪のせいかタカ先輩が支えてくれてる手の熱が以前よりもっと近く深く、感じる。
「放課後だって、俺が誉を独占していちゃついていたいんだ」
「…だ…だったら、もう意地悪、しない?」
「さっきの事か? あれは誉が可愛いからつい弄っただけだよ」
「そ、そそそれがイジメるって事だぞっ」
「誉だって俺から逃げだそうとするだろ?俺をイジメてないとでも?」
「…g……」
タカ先輩のいじめっこ体質にはどんな兵器を使用しても敵わない……でも、熱いと感じていた熱は下半身も熱くしてくれちゃって……タカ先輩は僕を灼熱地獄に導くのかと本気で思ったほどだった。
空の色は辛うじて黄色だと確かめる。夕焼けの眩しい光がタカ先輩の顔を照らして眉をしかめているのを横目で見るとなんだか急にめちゃくちゃ恥ずかしくなった。
素早くササっと身支度を整えた僕は、タカ先輩の声を無視して先に個室を出た。今度は脱出成功だ!
一応、左右を見渡すと通りがかりの生徒とすれ違って衝突しそうになった。そやつはなんだか目を見開いてギョッとすると、顔が微かに赤らんだ。
「!!」
(ぼ、僕で妄想するなぁぁぁああ!!)
僕は心中で叫ぶと、タカ先輩を待たずに廊下を駆けた。
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