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47. タカ先輩のこと②
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「それが高等部1年までの俺だ。2年になると俺は生徒会長に立候補……させられたってのが事実だな。彼方に『そこまでの才覚をもってるなら生徒会長を担え!』ってな。アイツはこわくて強いんだぞ? 騙されるなよ」
それでタカ先輩は今年春に前期の会長職を退任して後釜を神谷彼方に譲った、と言うわけらしい。
「あいつはこわい奴だけど、人見知りで偏屈で優しすぎる奴なんだ。あの美貌だろ?危ない目に会うわ、ひがまれるわ、何処かで敵を作るわ…で、俺と翔が以前のツケを返す形で翔は風紀委員長(全期)、俺は生徒会長になった彼方の補佐を引き受けたワケだ。
名目では現会長職を推薦した前期生徒会長の後援として補佐の役職を作った」
「つまり、えっと彼方会長を推薦した故に苦し紛れの補佐役を作ってしまった、それがタカ先輩?」
「ん~」
ふんふん。自分で嫌がらせをやった見返りに降りかかって来たのだな?
「人を苛めたら、自分も還ってくるんだぞ?」
「……そうだな……」
面目ないって顔をしている。なんだ、彼方会長は良い人じゃないか。ふっふっふ。
「かっこわりぃな。……誉、そんな嬉々として喜ぶなよ」
「タカ先輩。あのね、それでひとつ聞きたいことがある……」
「何だ?もう隠し事はないからな、言えっ」
面白いな!引きつった笑顔のタカ先輩なんてレアだ。美形の情けない顔は格別だ。うへへ。
でも、僕の聞きたいことは野望で――、「風紀委員長って猫が好きなのは、本当?」
ちょっと片眉を器用に上げて嫌な顔をした。なんでだ?
「お前は脈略のない話しで来るな。翔の家で猫を3匹飼っていると聞いたことがあったような?」
「ね、ねこ3匹も!猫好き?」
「好きかは知らねぇが嫌いでもないんじゃないか」
まぁ、素っ気ないわぁ。仮にも幼馴染みで親友なんでしょうに~ 幼馴染みの響き良き!ハァハァ……っ!
ぎゅっと僕の腰を引いて抱きしめるタカ先輩。今の話しの何がそうさせた?
「ナンで翔の話しを振るんだ?そういえば食堂でそっちこそ“当日に知り合ったばかり”の翔と親しく話してたよな?ステーキをカットして貰って嬉しそうに食っていたよな?」
抱きしめる腕の力が強くなってる!それに顔が近いけど、瞳がヤンキーのえぐい眼球になって…「きゃうー!?」
首くびクビぃぃぃ!がぶって首に噛みつかれたっ!
「どういうことか、教えてくれるよな?」
「パ、パパパ」パネル見てたら声かけられた……って、あああ、しまった、声に出せてない!!
「ア″?」
こ・わ・いーーー!!!
タカ先輩は、風紀委員長のエグいお仲間だったぁっぁぁ!!
それでタカ先輩は今年春に前期の会長職を退任して後釜を神谷彼方に譲った、と言うわけらしい。
「あいつはこわい奴だけど、人見知りで偏屈で優しすぎる奴なんだ。あの美貌だろ?危ない目に会うわ、ひがまれるわ、何処かで敵を作るわ…で、俺と翔が以前のツケを返す形で翔は風紀委員長(全期)、俺は生徒会長になった彼方の補佐を引き受けたワケだ。
名目では現会長職を推薦した前期生徒会長の後援として補佐の役職を作った」
「つまり、えっと彼方会長を推薦した故に苦し紛れの補佐役を作ってしまった、それがタカ先輩?」
「ん~」
ふんふん。自分で嫌がらせをやった見返りに降りかかって来たのだな?
「人を苛めたら、自分も還ってくるんだぞ?」
「……そうだな……」
面目ないって顔をしている。なんだ、彼方会長は良い人じゃないか。ふっふっふ。
「かっこわりぃな。……誉、そんな嬉々として喜ぶなよ」
「タカ先輩。あのね、それでひとつ聞きたいことがある……」
「何だ?もう隠し事はないからな、言えっ」
面白いな!引きつった笑顔のタカ先輩なんてレアだ。美形の情けない顔は格別だ。うへへ。
でも、僕の聞きたいことは野望で――、「風紀委員長って猫が好きなのは、本当?」
ちょっと片眉を器用に上げて嫌な顔をした。なんでだ?
「お前は脈略のない話しで来るな。翔の家で猫を3匹飼っていると聞いたことがあったような?」
「ね、ねこ3匹も!猫好き?」
「好きかは知らねぇが嫌いでもないんじゃないか」
まぁ、素っ気ないわぁ。仮にも幼馴染みで親友なんでしょうに~ 幼馴染みの響き良き!ハァハァ……っ!
ぎゅっと僕の腰を引いて抱きしめるタカ先輩。今の話しの何がそうさせた?
「ナンで翔の話しを振るんだ?そういえば食堂でそっちこそ“当日に知り合ったばかり”の翔と親しく話してたよな?ステーキをカットして貰って嬉しそうに食っていたよな?」
抱きしめる腕の力が強くなってる!それに顔が近いけど、瞳がヤンキーのえぐい眼球になって…「きゃうー!?」
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「どういうことか、教えてくれるよな?」
「パ、パパパ」パネル見てたら声かけられた……って、あああ、しまった、声に出せてない!!
「ア″?」
こ・わ・いーーー!!!
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