腐男子★恋愛事情

ちゅっ太郎

文字の大きさ
上 下
44 / 66

43. 現実は妄想より奇なり

しおりを挟む
 なんと白雪ちゃんがタカ先輩の恋人だったとはBL展開ならどんな関係になるのだ?白雪ちゃんは美人の中のびっじーんだから当時の生徒会長のタカ先輩が選ぶのは至極当然のようだと思うのだ。
 俺様何様大原様では仮に無くとも同じだ……むにゃむにゃ。そして生徒会長はある人物によって目が覚めて今の大原王子を成形されたのだな。
 
「誉……俺に幻滅したか?」

 ああっ、またタカ先輩が弱ってきたぞ!?

「覚えていてくれ。俺の中では忘れたことはなかった。が、気持ちの問題で何人かとは体を繋げた奴はいた。俺は少し軽薄なところがあるようで長続きはしなかったが、それでも相手を思う気持ちは養って来たつもりだ。今の俺は誉を大切に思う気持ちでいっぱいで、お前に心が溢れている……誉一筋なんだ。だから俺にセフレなんていない」

 いっぱいいっぱいの愛の告白だなぁ。
 僕の身体はブランケットから完全に出ると、するりと四つん這いで向かいタカ先輩に寄り添った。
 衣服はお互い着てないから、肌同士の直接の生の温かさで僕達は重なり合った。

 やっぱり、タカ先輩はすーぐ弱るんだからなぁ。

「僕は、そんなに嫉妬深く無いかもだよ?吃驚はしたけど」
「少しは…嫉妬してくれよ……俺だったらもし誉の関係する男がいたら、心が煮え返るきっと。いや、完全に蹴り潰してる」                                   

 ぶ、物騒だなもうもう。けど、それはまったく心配はありません。

「僕には僕が好きだって言ってくれるタカヤって先輩だけだよ。これからもそのあとも、だよ」

 これは僕の一生涯の告白劇場だ。

 それも、僕の声が言っている。

 僕は腐男子であるけど同性の趣味はないのだ。王子であるからタカ先輩は特・特・特別なのだ!

 タカ先輩に過去に体の関係がある人が居たと知っても……うう、知って…あれ?んん?さっきの話しに妙ちくりんな矛盾を感じた。タカ先輩が特別であっても聞くのが恐い、けど、僕は聞く!!

「先輩……あの、矛盾なところがあった……」

「?」

 大きく瞳を開けて僕を見る動作は、まるで怯えているうさぎちゃんだ……ちょっと躊躇してしまうな。

「言って見て?」

「あ、んと、“僕と付き合ってる上”で、何人かと体の関係とかって言ったのでそれはやはり、やはり……セフレというんじゃ…とか思ったわけで?」

 大きなクエスチョンマークが渦巻いてる。少し前まではセフレが居たということで、それは浮気と言うものじゃないだろうかとも。

 僕自身にはやはり修羅場の免疫が無いのでこれは嫉妬か疑問かと言われると、全部だったりする。けど隠れている、哀しいような気持ちが心にちくんと刺さった気がした。

 タカ先輩の瞳は細められて、顔が迫って来たと思ったらタカ先輩と僕のデコがコツンと重なり響いた。

「そんな俺だとめちゃくちゃ酷いな。でもな?」

 こっちこそめちゃくちゃ至近距離で目を逸らすのは至難の業だった。

「そっか、覚えていないのか……俺と会ったのが誉が8歳くらいで、K市の別荘地で会ってるんだよ」

「……」

 むむ?会っていたとはどういうこと?

「それから、お前を学園に誘導したのも俺だよ。誉の父さんはウチ…オオハラコーポレーションの会社員だろ」

「!!!?」

 誘導?! タカ先輩の家の会社!?そそそそそれがまさしく本当なら完全なる王道カプのBL展開だよ!?

 ねぇ、わかってる!!?


――現実は、妄想より奇なり。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...