腐男子★恋愛事情

６. 前生徒会長とキス珍事件(回想)

 BLでは『かわいこちゃん☆オレと一緒にお昼寝しよ～』って甘い声でどこかの会計が言うのはチワワだ！ 決して防犯カメラじゃないぞ？

……って言ってられん、待てこら腰に手を回すなっ！

｢静かに寝られないのか？ ホラ、少し寝れば楽になるから。その発展した頭もな｣

更に頭をポンポンされて身動きできないなんなんこの展開！？ 顔が近い顔が近い顔がーーーー！！！

ふぅ……少し落ち着こう自分。

どうしてこうなった！？

僕は改めて前生徒会長の事を回想してみた。


入学してからちょっとしてBLを探し回って走り回ってたら脚が絡んで転びそうになった。

その時に前生徒会長、当時は『正真正銘の生徒会長』であり、学園を牛耳っていたかは定かではないが顔面から落ちるのを助けてくれて、その節はめっちゃ助かった。

顔面から落ちたら痛いってもんじゃないからね、僕の高い鼻がポキって簡単に潰れちゃうからね。
で、大原生徒会長は｢礼はないのか？｣と聞くので、あの頃の僕は素直だったから｢どんな礼がいいかと？｣ と返事をして、｢お前の唇が欲しいな｣なんて言うから、唇なんて取れねぇわ!!と口を尖らせたら、唇と唇が合わさっていた……。

まったくギャグだな。ハハハ…。

唐突の展開で初ちゅうが大原生徒会長となってしまったが、キスってこんな感じなんだってちょっと勉強になった。

さすが世のBL王者生徒会長は手が早いって脳は思った。萌えはしない自分だもの。

そんな事で前生徒会長とキス珍事件を今更に思い出しちゃったじゃないか。

今直ぐドつきたい。

しかし、前生徒会長のお顔を見上げたら、まぁ……イケメンだしな、見るには飽きないのだ。ん？ ピアス痕を発見……。

それにしても無防備な顔を向けて寝息をすやすや立てながらマジで寝ている。僕では襲われないと思っているのだろう。

無駄にカッコイイ顔をしてるから、ほっぺたをつねつねしてやった。