楽しい楽しい駆け落ち心中

神崎

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陶酔

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走って走って、くたくたになるまで走った。

やっと出たのは崖で、後一歩でも進めば海に落ちそうだ。
使い魔たちは追い詰めたぞ!!と仲間同士で報告をしあっている。

私は貴方と"しんじゅう"をするから、ここから海に飛び込めばいいと思った。

遺書が読めなかったのは残念だけど、天国に行ってからみんなで読めばいいと思った。

貴方は私と繋いでいる手にぎゅっと力を込める。
そして私を抱き抱えて、彼は一歩進み、重力に従った。
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