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大アルカナの能力

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0愚者    【THE FOOL】(自由 不安定 素朴)
 無効化 『……』(未タップ・未確認)

Ⅰ魔術師  【THE MAGICIAN】(自信 決断力 策略)
 物質変換 『……』(未タップ・未確認)

Ⅱ女教皇  【THE HIGH PRIESTESS】(良識 聡明 理解力)
読心 『務所行きの男』

Ⅲ女帝  【THE EMPRESS】(才能 進歩 繁栄)
 時間調節『探偵』

Ⅳ皇帝  【THE EMPEROR】(行動力 成功 統率者)
 防御力 『……』(未タップ・未確認)

Ⅴ教皇  【THE HIEROPHANT】(信頼 慈悲 忠告)
 霊視 『自殺した男』

Ⅵ恋人たち  【THE LOVERS】(愛 魅力 結合 決着)
 媚薬 『……』(未タップ・未確認)

Ⅶ戦車  【THE CHARIOT】(勝利 独立 確信)
 勝利 『……』(未タップ・未確認)

Ⅷ力  【STRENGTH】(勇気 危険を伴う決断 意志)
 念力 『IT会社社長』

Ⅸ隠者  【THE HERMIT】(助言 知識 英知)
 物質消去 『……』(未タップ・未確認)

Ⅹ運命の輪  【WHEEL OF FORTUNE】(幸運 進展 救い)
 扉の鍵 『刺殺された男』

XⅠ正義  【JUSTICE】(公明正大 平等 均衡 調和)
 透視 『……』(未タップ・未確認)

XⅡ吊るされた男【THE HANGED MAN】(試練 自己犠牲 極限)
 紐操り 『……』(未タップ・未確認)

XⅢ死  【DEATH】(変化 別離 停止 死)
 死視 『……』(未タップ・未確認)

XⅣ節制  【TEMPERANCE】(受容 自制心 忍耐)
 同化 『××組組長』

XⅤ悪魔  【THE DEVIL】(屈従 誘惑 束縛 堕落)
 脳干渉 『……』(未タップ・未確認)

XⅥ塔  【THE TOWER】(崩壊 壊滅 決別)
 破壊力 『○○物産代表取締役』

XⅦ星  【THE STAR】(光明 誕生 奇跡 希望)
 瞬間移動 『法医学者』

XⅧ月  【THE MOON】(曖昧 欺瞞 残虐 臆病 悪意)
 幻覚 『事故死した男』

XⅨ太陽  【THE SUN】(勝利の道 命の源 幸福)
 治癒 『……』(未タップ・未確認)

XX審判  【JUDGEMENT】(好転 転生 叡智)
 虫操り 『水死した男』

XⅪ世界  【THE WORLD】(完成 昇華 繁栄 成功)
 不死身 『  』(空白)




 扉を開けると、0からXXⅠまでの二二枚のカードが、名前と意味付きで並んでいた。――いや、それだけではなく、【THE STAR】のカードまでスクロールし、星の絵柄をタップすると、その能力が表示された。さらには、『法医学者』という、ひとつ前の持ち主まで――。
 郡司のことである。
 アザミから聞いて知っていたとはいえ、改めて自分の目で確認すると、再び胸が高鳴った。
 他のカードにもそれぞれ、職業であったり、無職の者は現在の特徴であったり、死んでカードを手放した者は、その死因が書かれていたり……と、書き込む事柄に一貫性はない。――いや、そんなことを分析しても仕方がないのだが、【JUSTICE】にはそういうことへの拘りがないに違いない。文章を仕事にする小説家や、コピーライター、所謂、言葉を扱う職業の人間ではない、ということかも知れない。
 郡司は、藤堂が運転する車が警察署に着くまでの間、そのサイトを眺めていた。一番の関心は、全ての扉を開けることが出来る、という鍵、【WHEEL of FORTUNE】のカードである。運命の輪と称されたこのアルカナを持っているのは、一体、誰なのか。――いや、今の持ち主は知ることが出来ないのだが、ひとつ前の持ち主なら見ることが出来る。それは……。
《 刺殺された男 》
 ……不吉なこと、この上ない。
 だが、よく見てみると、カードの前の持ち主には、事故死や殺人、自殺といった具合に、今はもう生きていない者もちらほらいた。もしかすると、カードを奪おうとした人間に、殺されてしまったのかも知れない。
 なら、人殺しをしてでも、他のカードを集めている、という【THE WORLD】の持ち主は……。そのアルカナを使えば、不死身でいられるというのだから、きっと、殺して奪ったわけではないのだろう。
《   》
 ――何だ、これは?
【THE WORLD】の一つ前の持ち主の欄は、空欄だった。
 ――最初から持ち主が変わっていない、ということなのだろうか。
 考えて解ることではなかったが、やはり、持ち主を不死身にする【THE WORLD】の神秘アルカナは、特別な一枚であるに違いない。
 他にも色々確認していると、ふと、サイトのそのメニューに気が付いた。まだ全部のカードを確認してみたわけではないが、取り敢えずそれが気にかかった。
[ contact ]という項目である。
 文字通りに受け取れば、天秤宮の鏡というこのサイトの管理人、【JUSTICE】と連絡が取れる場所、ということになる。
 郡司は、その[ contact ]メニューをタップした。
 現れたのは、メッセージ送信画面である。やはり、ここから【JUSTICE】に連絡を取ることが出来るらしい。もし、【JUSTICE】に連絡が取れ、この人物と会うことが出来たなら、紗夜の居場所も透視してもらうことが出来るかも知れない。
 郡司は、逸る思いで、メッセージ画面から自分の連絡先と用件を書いて、送信した。
 もちろん、返信など来ないだろう。メッセージの相手と接触するのはこの上なく危険な行為であるし、カードを奪われるだけでなく、命の保証さえあり得ない。それでも、この細い糸にすがりつかずにはいられなかった。
 そんな事情で、サイトを映す小さな画面に夢中になっていた時――、
「うわっ――!」
 という短い驚きの声と共に、急ブレーキを踏む衝撃が駆け抜けた。シートベルトに守られているにも関わらず、目の前にフロントガラスが接近する。
 車が軋みながら滑って止まり、藤堂が怒りに任せてシートベルトを外すのが横目に見えた。
 目の前には、隣の車線から急に割り込んできた、黒塗りのワンボックスカー――。
 嫌な予感がしたが、郡司が止める前に、運転席の藤堂が降り、ワンボックスカーに向かって行った。
 向こうの車のドアも開き、男が二人降りて来る。――いや、後部ドアからも、あと二人の男が降りて来た。
 ――危ない!
 嫌な予感どころではない身の危険を感じて、郡司もとっさに車を降りた。いくら刑事とはいえ、藤堂一人で四人の男に暴行されたら抗えるかどうか。――いや、藤堂はいつも自分の強さを自慢していたが――。実際にその腕っぷしを見たことはない。そこに、ほぼ役に立たない郡司が加わったとしても、何が変わるという訳ではないだろう――。

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