華夏帝王奇譚 §チャイニーズ・バンパイア・ファンタジー§

目次

一夜　聚首歓宴しゅうしゅかんえんの盃
　　　やっと黄帝の許しを得て、上海へ向かった舜の前に現れた炎帝と、貴妃。
　　　彼らが欲しがる《聚首歓宴の盃》と、《朱珠の実》とは……


二夜　蜃シェンの楼たかどの
　　　神仙術を操る仙人を求めて入った之罘山しふざんで、舜とデューイが目にしたのは。
　　　そして、蜃と呼ばれる謎の青年は……。


三夜　煬帝ようだいの柩
　　　死して尚、欲しいものを手に入れることが出来る、と云う煬帝の柩。
　　　死んで、その柩に収められた舜は……。


四夜　燭陰しょくいんの玉ぎょく
　　　遥か昔、一夜にして沈んだ大陸があったと云う。
　　　無得ムウ大陸の底に眠る《燭陰の玉》とは……。


五夜　木乃伊ミイラの洞窟ペチェル
　　　修道院の洞窟に眠る、一〇〇体近い木乃伊。
　　　それは、《人狼ひとおおかみ》と化した者たちだった……。


六夜　鵲チュエの橋
　　　シスコのチャイナ・タウンで起こった、少年失踪事件。
　　　連れ去られた少年たちは、河を渡るための橋として……。


七夜　空桑くうそうの実
　　　その実は、始祖感精を成すとも云われる不思議な実。
　　　そして、舜の父親たる黄帝が、遥か昔に黒帝の元から持ち去ったという……。


八夜　火鴉かうの禍矢まがつや
　　　太陽に棲むとされる神獣、火鴉。
　　　その火鴉を射た矢は、《火鴉の禍矢》と呼ばれ、凄まじい力を秘め……。


九夜　死霊の迷霧めいむ
　　　民間伝承や怪奇現象を追い求めて中国の秘境へ訪れた、一条。
　　　そこで、舜や黄帝と遭遇した一条は、自らが何を迷っているのかを……。


十夜　和氏かしの璧へき
　　　非の打ちどころのない『完璧』という言葉を世に創り出すことになった璧。
　　　他人に真実を知ってもらうには、長い歳月が必要だった……。


十一夜　猩猩しょうじょうの娘
　　　黄帝の娘として生まれ、人間の中で己の宿命を知った香月。
　　　そんな香月の心の支えだったのは、幼いころから共に過ごした猩猩の娘……。


十二夜　貨殖聚斂かしょくしゅうれんの李り
　　　白麒麟たる索冥の手を借りて家出をした舜が、蓬莱山で手に入れた李すももの実。
　　　貨殖聚斂の李と呼ばれるその実の力は……。


十三夜　聖なる叡智ハギア・ソフィア
　　　いよいよ別れの時――。
　　　黄帝にシスコへ帰るように言われたデューイと、殺された舜の運命は……。


十四夜　竜生九子りゅうせいきゅうしの孖シ
　　　魔を封じるという降魔の輪、緊箍児きんこじ。
　　　その輪を求めて砂漠に訪れた舜が出会ったのは、美しい牡丹の精……。


十五夜　穆王八駿ぼくおうはっしゅんの因
　　　草食系男子と、草食系女子の見合いを頼まれた舜。
　　　皆から仲間外れにされる少女を病から救おうとするが、その病は……。


十六夜　五个愿望いつつのねがいの叶う夜
　　　死を前にした娘の前に現れた三人の悪魔（？）、舜、デューイ、索冥。
　　　彼らが叶える聖夜の望みは……。


十七夜　憑き物の巣
　　　玉藻御前の招待で、日本へ訪れた舜と家族、プラス、デューイ。
　　　彼らの前で繰り広げられていたのは、魔物の誕生劇……。


十八夜　黄玉芝こうぎょくしの記憶
　　　仙になるために修業を積み、不老長生の神芝を求める方士と、雪精霊。
　　　魔物である雪精霊と、仁の帝王、舜帝の、互いを思う心が悲劇を呼んで……。


十九夜　白蛇天珠しろえびてんじゅの帝王
　　　平安の世から、突如現在に現れた陰陽師と、魔に憑かれた女子大生。
　　　帝王にもなれる宿命を持つかもしれない、その娘と、陰陽師の運命は……。
　　

二十夜　眠れる大地シブ・イルの淘汰
　　　北の地の村人の中から、誰を生かして誰を見捨てるかを決めろ、と言う黄帝。
　　　なぜこの村の人々は淘汰されなくてはならないのか……。