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第1章:始まり
4:闘いの始まり
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目を開けると、真っ白や天井…。
保健室だ。
ああ、そっか。わたし倒れちゃったんだ…。
こんなとこにいちゃだめだ!
はやく帰らなきゃ…。
急いで起き上がると、
「痛っ…」
ものすごい激痛が身体中に走った。
その声に先生が気づいてしまった。
「どこが痛い?
パイプには当たってないんだよな…
昨日どこかで怪我したのか?」
さっき当たったって言えばよかった…。
「…。」
わたしがなんの言い訳も思い付かずになんて言おうか必死で考えていると、
「言いたくないか?
俺を信用しろ。べつに他の誰かに言うわけじゃない。」
「……。」
もう…。関わらないって決めたんだもん…。
「言わないなら別にいい。
診察するぞ。」
そう言って手を掴んできた。
運悪くそこはほかを殴られる時かばってたところで、1番ひどいあざができてたとこだった。
「痛っっ…」
あまりの痛さに涙が出てくる…。
それを見逃さず先生は一気に腕をまくる。
「だっ…だめ!!」
急いで振り払って隠すが、時すでに遅し…。
「見せろ!」
結局、力でかなうわけがなく、全身のあざがばれてしまった…。
「なにがあった?」
先生が傷を冷やしてくれながら聞いてくる。
言うもんか…。
もう半分意地になってた。
「おい…。
聞いてるのか??」
「聞いてない…。」
「はぁ…。
俺が優しく聞いてるうちにいえよ?
さっきおまえの家に電話したんだ。」
「…え??
うそ!やめてよ!!」
どうやらどうやってできた傷かはもうおおかた予想がついているらしい。
「…それは…やめて…。」
「お前が言わないんだから仕方がない。」
「…言うから!」
半分脅しだった。
でも言わなきゃいけないこの状況に嬉しさを感じてる自分がいた。
「…父親に…殴られたんです。
誰にも言わないでください…
お願いいします….うぅ…」
悔しさとか、安心とか、痛みとか、とにかくいろんな感情が混ざって涙が止まらなかった。
「…お前は殴られるのが嫌なんじゃないのか?
言わなければなにも解決しないぞ?」
「だめ!言うのは…だめなの…
うぅ…ハァ…ゲホッ…」
く、くるし…。
体の震えが止まらない。
「喘息が出てきたか…。
分かった。言わないから、落ち着けって。怖がらなくていい。言わないから」
「ハァハァ…ゲホッ…フゥ…くぅ…」
涙が止まらない。呼吸も苦しい。
「大丈夫だから、落ち着けって。」
わたし、何してるんだろ…
もう嫌だ…苦しいよ…
なんで…こんな目に会わなきゃいけないの…
もう…生きたくない…
その瞬間、ある光景が頭の中に浮かんできた。
「嫌だ!!行かないで…斎藤先生!
お願い!!
…グスン…うわああああん」
え…?なにこれ…。病院?病院に斎藤先生なんていた…??
泣き叫んでるのは…わたし??
だめだ…思い出せない…。
きょとんとしていると、
「…ぉ…!…い!おい!大丈夫か!?」
「え…?」
気がつくと喘息も治まってて、先ほどのように先生に傷を冷やしてもらいながらベットに座ってた。
「…さっき家に電話したと言ったろ?
それで、ひどくなるようなら病院に連れて行くので、また電話してくれと言われたんだが、どうする??」
…そうだった。もう電話してたのか…。
ってことはきっと、もうなにをしても病院に戻される…。そして今度は多分…。一生外に出られないかな…
「…大丈夫です。1人で帰れるので!」
ポロポロっ…。
「…あれ、」
涙が…次から次に溢れてくる。
拭おうとする手も震えていた。
「な、んで…」
「大丈夫…大丈夫…
俺に話せよ…全部…」
先生がやさしく背中をさすってくれる。
その瞬間、いままで抑えてきてたものが我慢できなくなった。
「うわあああああああん…
ぐすっ…
なんで!なんで私ばっかり!!
…こんな目に会わなきゃ行けないの!!
…ぐすん…
またきっと病院に戻されるの!
もう出てこれないの!!
…いやだ!いやだいやだ!
せっかく…苦労して出てきたのに…
あんな牢屋みたいなとこ戻りたくない!!…うわああ」
もうブレーキはかけられなかった。
先生はずっと背中をさすってくれてる。
「でも、病院は病気を治すところだ。
良くなれば、出てこれる。」
「違うの違うの!
…私の…お父さんは…ひぐっ…病院の医院長だから…
私をずっと閉じ込めておくことなんて簡単に出来るの!
…それに、私の家族は私を家族だなんて思ってない!!
…うう…いっつものけものにされて…一緒にご飯食べたことない!
命令される以外話したことなんてない!
…私が…なにをしたの?
うわああああん」
「…そうか。
病院の名前は篠崎総合病院か??」
「…そう…だけど」
「いまから病院に行くぞ」
「え…?
やだやだ!!!
行くぐらいなら死んだほうがまし!!
そうだよ!わたしなんか!生まれてこない方が良かった!!」
「落ち着け。
お前をもうそんな目に会わせたりしない。
黙ってついてこい。俺がなんとかしてやる。」
なんとかって…出来るわけないのに。
「行くぞ…」
私を抱えて車に乗せる。
でもほかにあてはない…
先生を…信じてみようかな、、。
保健室だ。
ああ、そっか。わたし倒れちゃったんだ…。
こんなとこにいちゃだめだ!
はやく帰らなきゃ…。
急いで起き上がると、
「痛っ…」
ものすごい激痛が身体中に走った。
その声に先生が気づいてしまった。
「どこが痛い?
パイプには当たってないんだよな…
昨日どこかで怪我したのか?」
さっき当たったって言えばよかった…。
「…。」
わたしがなんの言い訳も思い付かずになんて言おうか必死で考えていると、
「言いたくないか?
俺を信用しろ。べつに他の誰かに言うわけじゃない。」
「……。」
もう…。関わらないって決めたんだもん…。
「言わないなら別にいい。
診察するぞ。」
そう言って手を掴んできた。
運悪くそこはほかを殴られる時かばってたところで、1番ひどいあざができてたとこだった。
「痛っっ…」
あまりの痛さに涙が出てくる…。
それを見逃さず先生は一気に腕をまくる。
「だっ…だめ!!」
急いで振り払って隠すが、時すでに遅し…。
「見せろ!」
結局、力でかなうわけがなく、全身のあざがばれてしまった…。
「なにがあった?」
先生が傷を冷やしてくれながら聞いてくる。
言うもんか…。
もう半分意地になってた。
「おい…。
聞いてるのか??」
「聞いてない…。」
「はぁ…。
俺が優しく聞いてるうちにいえよ?
さっきおまえの家に電話したんだ。」
「…え??
うそ!やめてよ!!」
どうやらどうやってできた傷かはもうおおかた予想がついているらしい。
「…それは…やめて…。」
「お前が言わないんだから仕方がない。」
「…言うから!」
半分脅しだった。
でも言わなきゃいけないこの状況に嬉しさを感じてる自分がいた。
「…父親に…殴られたんです。
誰にも言わないでください…
お願いいします….うぅ…」
悔しさとか、安心とか、痛みとか、とにかくいろんな感情が混ざって涙が止まらなかった。
「…お前は殴られるのが嫌なんじゃないのか?
言わなければなにも解決しないぞ?」
「だめ!言うのは…だめなの…
うぅ…ハァ…ゲホッ…」
く、くるし…。
体の震えが止まらない。
「喘息が出てきたか…。
分かった。言わないから、落ち着けって。怖がらなくていい。言わないから」
「ハァハァ…ゲホッ…フゥ…くぅ…」
涙が止まらない。呼吸も苦しい。
「大丈夫だから、落ち着けって。」
わたし、何してるんだろ…
もう嫌だ…苦しいよ…
なんで…こんな目に会わなきゃいけないの…
もう…生きたくない…
その瞬間、ある光景が頭の中に浮かんできた。
「嫌だ!!行かないで…斎藤先生!
お願い!!
…グスン…うわああああん」
え…?なにこれ…。病院?病院に斎藤先生なんていた…??
泣き叫んでるのは…わたし??
だめだ…思い出せない…。
きょとんとしていると、
「…ぉ…!…い!おい!大丈夫か!?」
「え…?」
気がつくと喘息も治まってて、先ほどのように先生に傷を冷やしてもらいながらベットに座ってた。
「…さっき家に電話したと言ったろ?
それで、ひどくなるようなら病院に連れて行くので、また電話してくれと言われたんだが、どうする??」
…そうだった。もう電話してたのか…。
ってことはきっと、もうなにをしても病院に戻される…。そして今度は多分…。一生外に出られないかな…
「…大丈夫です。1人で帰れるので!」
ポロポロっ…。
「…あれ、」
涙が…次から次に溢れてくる。
拭おうとする手も震えていた。
「な、んで…」
「大丈夫…大丈夫…
俺に話せよ…全部…」
先生がやさしく背中をさすってくれる。
その瞬間、いままで抑えてきてたものが我慢できなくなった。
「うわあああああああん…
ぐすっ…
なんで!なんで私ばっかり!!
…こんな目に会わなきゃ行けないの!!
…ぐすん…
またきっと病院に戻されるの!
もう出てこれないの!!
…いやだ!いやだいやだ!
せっかく…苦労して出てきたのに…
あんな牢屋みたいなとこ戻りたくない!!…うわああ」
もうブレーキはかけられなかった。
先生はずっと背中をさすってくれてる。
「でも、病院は病気を治すところだ。
良くなれば、出てこれる。」
「違うの違うの!
…私の…お父さんは…ひぐっ…病院の医院長だから…
私をずっと閉じ込めておくことなんて簡単に出来るの!
…それに、私の家族は私を家族だなんて思ってない!!
…うう…いっつものけものにされて…一緒にご飯食べたことない!
命令される以外話したことなんてない!
…私が…なにをしたの?
うわああああん」
「…そうか。
病院の名前は篠崎総合病院か??」
「…そう…だけど」
「いまから病院に行くぞ」
「え…?
やだやだ!!!
行くぐらいなら死んだほうがまし!!
そうだよ!わたしなんか!生まれてこない方が良かった!!」
「落ち着け。
お前をもうそんな目に会わせたりしない。
黙ってついてこい。俺がなんとかしてやる。」
なんとかって…出来るわけないのに。
「行くぞ…」
私を抱えて車に乗せる。
でもほかにあてはない…
先生を…信じてみようかな、、。
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