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狙われるザッパムーン星
全世界首脳会談―後編
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サフィンザー宮殿の会議室の一室、そこではまだ首脳会談が続いていた。
エミール家に対する質問も一段落し、これから戦闘の準備や、戦闘になったときのすることや配置など、議題は少し、具体的な話しに踏み込むことにした。
戦闘の間には、戦闘に参加しない一般市民はこれから作るシェルターに一時避難してもらう予定であるが、“宇宙人が攻めてくる”では一般市民は理解できないため、テレビ会議のときに、各国に“避難するための理由”を考えてもらっており、各国の意見の中から“巨大隕石が落下の危険性があるため避難”という説明にすることにした。
それから、プランティニカ王国のスティーブ・プランティニカ国王とファクトリニス王国のビル・ファクトリニス国王によるシェルター候補地と新たに作るべき場所の発表と地図・資料の配付、両国から出せる食料の説明とその資料の配付、船舶の配置、建造中の軍艦の割り当て艦数や割り当てた後の操船方法の指導に関する事柄、兵士・騎士・魔道士への指導のスケジュールや、最初の実務者級会談の日程を決めるなど、大まかな枠組みを作り、話し合いは一段落するのであった。
「大まかな枠組みが決まりましたので、後の話し合いは実務者級会談に任せるとしまして、お約束の通り、まだ大陸の王の宝玉の欠片を提出していない国々の方は、今から私に提出していただきますようお願いします」
その言葉により、まず先に動いたのはダダグッド聖神国大統領、ナサスティア王国とザガントリア王国のオーマーダム国王であった。
そして、予想通り最後に重い腰を上げたのが、スペシニア王国のダンクヘルム・スペシニア国王であった。
大陸の王の宝玉の欠片の受け渡しはスムーズに進み、最後のスペシニア王国の番になったところで、
「お前を信用したわけではないからな!国民を人質に取られて止むなく受け入れるのだからな!これで何も無ければあらゆる手段を使ってお前を潰すからな!」
そう捨て台詞を吐いて、乱暴に大陸の王の宝玉の欠片をエミールに突き出すのであった。
そして一旦全員が席に戻り、全国家元首の見守る中、エミールは宝玉の欠片を欠けのない玉に戻し、胸に押し当てて取り込むのであった。
「これで対外的には私はこの星の王、星王になりました。しかしまだ一部の国王からの信頼が得られていない以上、これまで同様首脳会談の議長に留まることにします。本日はお忙しい中、無理を言って会議にご参加いただき誠にありがとうございました。これにて会議を散会とします。順番に国元へお送り致しますので一旦先ほどの控え室でくつろぎながら、順番が来るまで待機してください」
そして、麻宗家の人々によって各国の首脳団は、国元に戻されるのであった。意趣返しにスペシニア王国は最後から3番目に帰されるのであった。
そして、最後から2番目のアハントルト王国のドナートヴィッチ・アルキバン国王は、
「エミールや、堂に入った振る舞い、実に見事であった。祖父として鼻が高いぞ!」
「多分に褒めていただきありがとうございます。まだ信頼されていない国がありますので、これからも精進します」
「信頼は一朝一夕で得られるものではない。時間がかかっても、一歩一歩前進しろ。落ち着いたらまた遊びに来るのじゃぞ。ではまたな」
そうしてドナートヴィッチ国王ら、アハントルト王国の首脳陣は、アバストロフ城へと帰って行くのであった。
そして、麻宗家の面々に感謝とねぎらいの言葉をかけた後、
「エミールや、それでは儂らも帰るとするか」
最後に残ったザガントリア王国の首脳団と共に、エミール家一家も帰路につくのであった。
エミール家に対する質問も一段落し、これから戦闘の準備や、戦闘になったときのすることや配置など、議題は少し、具体的な話しに踏み込むことにした。
戦闘の間には、戦闘に参加しない一般市民はこれから作るシェルターに一時避難してもらう予定であるが、“宇宙人が攻めてくる”では一般市民は理解できないため、テレビ会議のときに、各国に“避難するための理由”を考えてもらっており、各国の意見の中から“巨大隕石が落下の危険性があるため避難”という説明にすることにした。
それから、プランティニカ王国のスティーブ・プランティニカ国王とファクトリニス王国のビル・ファクトリニス国王によるシェルター候補地と新たに作るべき場所の発表と地図・資料の配付、両国から出せる食料の説明とその資料の配付、船舶の配置、建造中の軍艦の割り当て艦数や割り当てた後の操船方法の指導に関する事柄、兵士・騎士・魔道士への指導のスケジュールや、最初の実務者級会談の日程を決めるなど、大まかな枠組みを作り、話し合いは一段落するのであった。
「大まかな枠組みが決まりましたので、後の話し合いは実務者級会談に任せるとしまして、お約束の通り、まだ大陸の王の宝玉の欠片を提出していない国々の方は、今から私に提出していただきますようお願いします」
その言葉により、まず先に動いたのはダダグッド聖神国大統領、ナサスティア王国とザガントリア王国のオーマーダム国王であった。
そして、予想通り最後に重い腰を上げたのが、スペシニア王国のダンクヘルム・スペシニア国王であった。
大陸の王の宝玉の欠片の受け渡しはスムーズに進み、最後のスペシニア王国の番になったところで、
「お前を信用したわけではないからな!国民を人質に取られて止むなく受け入れるのだからな!これで何も無ければあらゆる手段を使ってお前を潰すからな!」
そう捨て台詞を吐いて、乱暴に大陸の王の宝玉の欠片をエミールに突き出すのであった。
そして一旦全員が席に戻り、全国家元首の見守る中、エミールは宝玉の欠片を欠けのない玉に戻し、胸に押し当てて取り込むのであった。
「これで対外的には私はこの星の王、星王になりました。しかしまだ一部の国王からの信頼が得られていない以上、これまで同様首脳会談の議長に留まることにします。本日はお忙しい中、無理を言って会議にご参加いただき誠にありがとうございました。これにて会議を散会とします。順番に国元へお送り致しますので一旦先ほどの控え室でくつろぎながら、順番が来るまで待機してください」
そして、麻宗家の人々によって各国の首脳団は、国元に戻されるのであった。意趣返しにスペシニア王国は最後から3番目に帰されるのであった。
そして、最後から2番目のアハントルト王国のドナートヴィッチ・アルキバン国王は、
「エミールや、堂に入った振る舞い、実に見事であった。祖父として鼻が高いぞ!」
「多分に褒めていただきありがとうございます。まだ信頼されていない国がありますので、これからも精進します」
「信頼は一朝一夕で得られるものではない。時間がかかっても、一歩一歩前進しろ。落ち着いたらまた遊びに来るのじゃぞ。ではまたな」
そうしてドナートヴィッチ国王ら、アハントルト王国の首脳陣は、アバストロフ城へと帰って行くのであった。
そして、麻宗家の面々に感謝とねぎらいの言葉をかけた後、
「エミールや、それでは儂らも帰るとするか」
最後に残ったザガントリア王国の首脳団と共に、エミール家一家も帰路につくのであった。
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