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狙われるザッパムーン星
全世界首脳会談―中編
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続々と1室に集まる首脳ご一行。
通常は国王や大統領など、国家元首のみが着席し、その他の者は立って話を聞くのだが、このサフィンザー宮殿はやたらとデカい。この、会議に使う部屋もやたらとデカい。スペースがやたらとあるのでお付きの者にも、国家元首の後ろに長テーブルを出して着席してもらった。
国家元首のテーブルは、ロの字型をに配置され、ロの字の中央では飾りとして地球儀ならぬ、ザッパムーン儀が回っていた。
「これからあの坊主の嘘八百のために時間を割くことになると思うともう、帰りたい気分だよ」
「陛下、御戯れを。他の首脳陣が全員集まる中、我が国だけ欠席するわけにはいきませんぞ」
国王の異常な敵対心を露わにした言動を戒めるお付きの大臣。しかし、当の国王はそれをまるっと無視し、
「これからあの坊主の眼前に立つ。おい、お前ら、気合い入れていくぞ」
「「「はっ!」」」
続々と各国々が集まる中、エミールを敵対視した言葉を発しながら最後に入場したのは、やはりスペシニア王国の代表たちであった。
アハントルト王国国王、ドナートヴィッチ・アルキバンを始め、ニムテズ大陸各国の首脳陣、ザガントリア王国のオーマーダム・ザガントリア国王、ナサスティア王国のウルボロン・ナサスティア国王、ダダグッド聖神国のアーノルド・オピニオン大統領やエリーカ・ホーラル マームダラ教教皇、インダスニカル大陸の2国から睨まれたが、我関せずといった風を装うスペシニア王国ダンクヘルム・スペシニア国王。
各国の代表が集まり、着席したところでまず控え室から仕えていたメイドから、お茶が振る舞われた。
メイドたちはお茶を振る舞うと、目立たないように皆から離れて待機している。どうやら会議中も各国首脳陣のお世話をするようだ。
皆が準備を整え終わったのを見計らい、
「皆様、遠路はるばるこの会議にご参加いただきありがとうございます。当会議の発起人にして議長を務めさせていただきますサフィンザー宮殿の主、エミール・ザガントリアでございます」
「副議長を務めさせていただきますエミールの妻、ヘクディー・ザガントリアですわ。よろしくお願いしますわ」
「時を遡ること4ヶ月前、私と妻のヘクディーが、ザガントリア王立学院に入学したての頃、かのスキカ神から話があると我々一家はとある場所でスキカ神と面会しました。そして…」
エミールとヘクディーはテレビ会議でも話した内容も含め、しかしンバディス星などの前回、機密保持のため伏せていたことも公開し、新情報も含めながら事のあらましを説明した。
途中で騒ぎ立てると思っていたスペシニア王国のダンクヘルム・スペシニア国王も黙って聞いていたのであった。
「この事態に対応するため、エトワール学院所属の研究者からもらった設計図を元に、ただ今宇宙戦艦を建造中です。既に5艦が完成しており、10艦が近日完成予定であり、合計で80艦を建造する予定です」
「「「「「「おぉー!」」」」」」
「そして、念話を使えない者向け、それに念話妨害を考慮して、携帯電話を軍に従事する者全てに配る予定です。現在1万台製造を完了している状況です。後ほど皆様にお配りし、手に取っていただいた状態で簡単な使い方の説明をさせていただこうと思っております」
エミールは携帯電話と紹介したが、地球での歴史を大幅にすっ飛ばして、実際のところスマートフォンである。「こちらの星にはガラケーの時代さえなかったのだから、携帯電話でもいいじゃない」と、エミールは思っていた。おまけにこのスマホ、ファクトリニス王国の局経由で地球の電話網にも繋がっており、番号さえ知っていたら地球に電話をかけたり、地球のインターネットから情報を送受信したりできるスグレモノである。しかしそのことは、エミールは麻宗家の面々以外には教える気はないのであった。
それからエミール家の面々にてエトワール学園での今回の軍事行動に関する部分の授業内容、放課後の授業内容の説明がなされた。
「…と、いうことは、非戦闘員の一般市民などは、そのシェルターとやらに入ればこの世界から隔離され、一切の連絡手段がなくなる代わりに敵星の攻撃も届かないという理解で合っているだろうか?」
と、ナサスティア王国のウルボロン国王が尋ねてくるので、
「はい。その理解で合っています」
と、エミールも答えた。
その後も質問が続き、エミールも紳士的に受け答えするのであった。
通常は国王や大統領など、国家元首のみが着席し、その他の者は立って話を聞くのだが、このサフィンザー宮殿はやたらとデカい。この、会議に使う部屋もやたらとデカい。スペースがやたらとあるのでお付きの者にも、国家元首の後ろに長テーブルを出して着席してもらった。
国家元首のテーブルは、ロの字型をに配置され、ロの字の中央では飾りとして地球儀ならぬ、ザッパムーン儀が回っていた。
「これからあの坊主の嘘八百のために時間を割くことになると思うともう、帰りたい気分だよ」
「陛下、御戯れを。他の首脳陣が全員集まる中、我が国だけ欠席するわけにはいきませんぞ」
国王の異常な敵対心を露わにした言動を戒めるお付きの大臣。しかし、当の国王はそれをまるっと無視し、
「これからあの坊主の眼前に立つ。おい、お前ら、気合い入れていくぞ」
「「「はっ!」」」
続々と各国々が集まる中、エミールを敵対視した言葉を発しながら最後に入場したのは、やはりスペシニア王国の代表たちであった。
アハントルト王国国王、ドナートヴィッチ・アルキバンを始め、ニムテズ大陸各国の首脳陣、ザガントリア王国のオーマーダム・ザガントリア国王、ナサスティア王国のウルボロン・ナサスティア国王、ダダグッド聖神国のアーノルド・オピニオン大統領やエリーカ・ホーラル マームダラ教教皇、インダスニカル大陸の2国から睨まれたが、我関せずといった風を装うスペシニア王国ダンクヘルム・スペシニア国王。
各国の代表が集まり、着席したところでまず控え室から仕えていたメイドから、お茶が振る舞われた。
メイドたちはお茶を振る舞うと、目立たないように皆から離れて待機している。どうやら会議中も各国首脳陣のお世話をするようだ。
皆が準備を整え終わったのを見計らい、
「皆様、遠路はるばるこの会議にご参加いただきありがとうございます。当会議の発起人にして議長を務めさせていただきますサフィンザー宮殿の主、エミール・ザガントリアでございます」
「副議長を務めさせていただきますエミールの妻、ヘクディー・ザガントリアですわ。よろしくお願いしますわ」
「時を遡ること4ヶ月前、私と妻のヘクディーが、ザガントリア王立学院に入学したての頃、かのスキカ神から話があると我々一家はとある場所でスキカ神と面会しました。そして…」
エミールとヘクディーはテレビ会議でも話した内容も含め、しかしンバディス星などの前回、機密保持のため伏せていたことも公開し、新情報も含めながら事のあらましを説明した。
途中で騒ぎ立てると思っていたスペシニア王国のダンクヘルム・スペシニア国王も黙って聞いていたのであった。
「この事態に対応するため、エトワール学院所属の研究者からもらった設計図を元に、ただ今宇宙戦艦を建造中です。既に5艦が完成しており、10艦が近日完成予定であり、合計で80艦を建造する予定です」
「「「「「「おぉー!」」」」」」
「そして、念話を使えない者向け、それに念話妨害を考慮して、携帯電話を軍に従事する者全てに配る予定です。現在1万台製造を完了している状況です。後ほど皆様にお配りし、手に取っていただいた状態で簡単な使い方の説明をさせていただこうと思っております」
エミールは携帯電話と紹介したが、地球での歴史を大幅にすっ飛ばして、実際のところスマートフォンである。「こちらの星にはガラケーの時代さえなかったのだから、携帯電話でもいいじゃない」と、エミールは思っていた。おまけにこのスマホ、ファクトリニス王国の局経由で地球の電話網にも繋がっており、番号さえ知っていたら地球に電話をかけたり、地球のインターネットから情報を送受信したりできるスグレモノである。しかしそのことは、エミールは麻宗家の面々以外には教える気はないのであった。
それからエミール家の面々にてエトワール学園での今回の軍事行動に関する部分の授業内容、放課後の授業内容の説明がなされた。
「…と、いうことは、非戦闘員の一般市民などは、そのシェルターとやらに入ればこの世界から隔離され、一切の連絡手段がなくなる代わりに敵星の攻撃も届かないという理解で合っているだろうか?」
と、ナサスティア王国のウルボロン国王が尋ねてくるので、
「はい。その理解で合っています」
と、エミールも答えた。
その後も質問が続き、エミールも紳士的に受け答えするのであった。
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