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狙われるザッパムーン星

戦闘に向けての艦艇の製造と、夜の授業の再開

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「メータ、帰ったよ」

「え?もうですか?今行ったばかりですよね?」


 メイドのメータはすぐに僕たちが帰って来たのでずいぶんと驚いている。


「ああ。そういう不思議な場所なんだ。これでも向こうでは18時間ほど過ごしているんだ」


 メータはまん丸と目を見開き、そして、ハッとして普通の顔に戻すと、


「さ、左様でございますか。それで、気づかれずに2校も学校をかけもちできていたのですね」

「そういうこと。で、これから急用で、みんなでサフィンザー宮殿に行って来る。こっちは普通に時間が過ぎるから、すぐには戻って来れない。夕飯までには戻る」


 メータはすました顔で、


「かしこまりました」


 そしてエミール家一家はゲートの魔法でサフィンザー宮殿へ行った。


「お帰りなさいませ、旦那様、皆様」


 宮殿の者に出迎えられ、エミール家一家はエミールの執務室へ。

 エミールは、ザッパムーン星のスーパーコンピューターシステム群であるメティスシステムに、先ほどもらった戦艦の設計図や解説を送りながら、プランティニカ王国国王のスティーブ・プランティニカと、ファクトリニス王国国王のビル・ファクトリニスにテレビ電話をつないだ。


「誰か、テレンスを呼んできてくれ」


 エミールは、サフィンザー宮殿付きの宰相さいしょうであるテレンス・スペンサーを呼び出した。


「お呼びですか、旦那様」

「エミール様、ただ今参りました」

「エミール様、お待たせしてすみません」


 全員そろったところで、今までの経緯いきさつについて話す。

 今はテレンスもることだし、スキカからエトワール学院の入学をすすめられたくだりから、ンディバス星の名前も含め、全部話した。


「それで、早速だが、してもらいたいのは」


 エミールは、戦艦の設計図と解説をもらったこと、今、メティスシステムに転送中なこと、情報が膨大で、すぐには送りきれず、送りきるのに時間がかかることを説明した。


「その設計図を元に、戦艦を作ってもらいたい」


 そして、エミールたちは、戦艦の種類ごとの艦艇数について話し合った。


「それではこれからもいろいろと頼むことが多くなると思うが、とりあえず今は、戦艦を建造することを最優先で頼む」


 そう言い残し、エミールたちは、ザガントリアシティの王城に戻るのであった。


 夕食時、エミールは、


「今日から夕食後、僕たちは麻宗家へ行って、魔法を教えて来ようと思っております」


 すると、オーマーダム国王は、


「今度の戦いに必要なことかね」


 エミールは即答で、


「はい。とても必要で、重要なことだと思います」


 すると、オーマーダム国王は、


「分かった。好きにするがよい」


 夕食後、エミール家一家は、ゲートの魔法で麻宗家へと向かった。

 エミールは、自室を出て食堂へ。


皆様みなさま今晩は。約束通りやって来ました」


 エミールは、麻宗家一家にあいさつをした。

 麻宗家でも、ちょうど食事が終わった頃合ころあいだったようだ。


「それであの部屋で準備をして待ってますね」


 エミール家一家は移動し、以前魔法の講義をしていた部屋だ。


「懐かしいなぁ」


 すると、ヘクディーは、


「我が城に来る前は、ここで家族に神代魔法の講義を?」

「あぁ。みな、楽しみにしていて誰も1回もサボらなかった。家庭教師の先生や、後になってから、この国のお城に住んでいる従姉妹いとこも参加して、活気にあふれていたよ」


 それからエミールは、講義がどこまで進んでいるかとか、えて教えていない部分や理由を家族に説明するのであった。


 そうしている間に、麻宗家の家族が続々と集まり、


「あ、カリーナ先生!ご無沙汰しております」

「あなたのお父さんが、あなたが講義を再開すると知らせてくれてましてね。続きが気になってまた、お邪魔することにしたの」


 麻宗家の子供たちに魔法を教えていたカリーナ先生がやって来たり、


「もう教えてもらえないとあきらめていましたわ」

「また教わることができるとは思っていませんでした。またよろしくお願いします」


 従姉妹いとこのマヌエラとベリーシャの姉妹もやって来た。


 軽く会話をし、全員そろったところで、


「「「「「「+*@#$#」」」」」」


 エミール家一家全員で神代魔法を唱え、部屋にる全員を、精神世界へご招待。

 ついでにエトワール学園でも使われている、疲労回復も利かせ、


「ここは精神世界という空間です。ここではいくら過ごしても、元のザッパムーン星では1分もちません。空間が違うので、時の流れが別々なんですね。そして、座学もしますが、ここには建物も、他に人もません。超特大魔法をぶっ放しても誰にも迷惑をかけず、そしてこの空間にも被害を与えません。あの、例の荒野よりもずっと魔法の練習に適していると言えるでしょう」


 麻宗家のみなは、エミールの話を真剣に聞いている。


「連れてきた僕の妻や子供たちも、神代魔法をマスターしているので、彼らにも教師役をしてもらいます。と、言うわけで、多くの良い先生に恵まれたこの空間に1月ほど泊まり込んで、みっちりと魔法を勉強しようではありませんか!」

「「「「「「え、えぇぇぇぇーーー」」」」」」


 こうしてエミール家一家による、麻宗家一家の地獄の神聖魔法特訓が、幕を開けるのであった。
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