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勉強とこの世界の把握

ステータスの芽生え

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「えっ?4才?でも、体つきはもうほとんど大人で… 成長促進? はぁ、そうですか」


 朝食後、エミール、ヘクディー、アボシーの3人はエミールの部屋に集まって、話しをしていた。

 聞けばアボシーは、才能を見込まれ教会から懇願こんがんされ、4才の時に出家し、16才の時に司祭の資格を取って、今は20才なのだそうな。


「…私の方が大人だったのですね」


 アボシーは引きつり笑いをしながら、そう答えるのであった。


「さ、今日はアボシーに魔法の腕前を見せてもらうわよ」

「魔法ですか。頑張ります」


 3人はベッドに腰をかけ、


「「+*@#$#」」


 2人は呪文を唱えて精神世界へ。


「ふえっ?ここ、どこですか?」

「どこって、『精神世界』って言う仮想の空間だよ」

「ここならどんな強力な魔法を使ったってどこにも迷惑はかけないわ」

「そ、そうなんですか?」

「そうなんです!」

「@*&%&%」


 エミールは呪文を唱え、アボシーの今の状態を調べる。


----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+



アボシー・ミニガムス Lv.156


HP:10063/10063

MP:100109/100109



<剣術 Lv.42><体術 Lv.79><丈術 Lv.102>

<炎魔法 Lv.36><水魔法 Lv.209><風魔法 Lv.36><土魔法 Lv.36><聖魔法 Lv.398><無属性魔法 Lv.109>



----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+


「ヘクディー、彼女のステータス、なかなかのものだよ」

「あ、そうなんですか。「@*&%&%」。ふーん」


 アボシーは、この空間やらステータスやら、今まで知らなかったものにいきなり触れて、頭の中は、絶賛混乱中であった。


「初めてアブシロンの街で会ったとき、本当はあの、スリと間違えたゴツいお兄さんを素手で黙らせられたのでは?」

「はい。やろうと思ったらできたと思います。でも、それをやると本当にスリの仲間に見られそうで」

「だから口だけで反論していたのね」

「はい」


 それから、アボシーの魔法を見せてもらった。

 それは、エミールも、アボシーも、見たことのない魔法であった。

 かおるより多くの魔法を知っているのでは?

 そう思わせるほど、アボシーはいろいろな魔法に精通しているのであった。


「ハァ、全力で魔法を使いました。こんなの久しぶりです」


 アボシーは、全力と言いながら、額にうっすらと汗をかく程度で、さほど疲労はしていないようであった。すると、ヘクディーは、


「アボシーにはいいこと教えてあげる!疲れたときには『エミール分』を補給すればスッキリするわ!」


 トンデモナイことを言い出しました!

 アボシーはキョトンとして、


「それはいいことを聞きましたけど、その、『エミール分』というのは何でればいいのですか?」

「いいところに気がつきましたわ!そ、れ、は、エミールをめるのよ!」


 アボシーは顔を真っ赤にして、


「エ、エ、エ、エミール様をめるのですか?」

「そうよ!やってみなさい!」


 アボシーは、両手でエミールの手に触れ、アボシーの舌が、エミールの薬指の先端に触れるか触れないかというとき、アボシーの体がねた。


「あ、甘い」

「ね?」


 何が「ね?」なのであろうか。

 それから、アボシーは、エミールの目をじっと見つめながら、舌でエミールの手をねぶり、そんな2人の様子を満足げに見つめるヘクディーなのであった。

 それから30分くらいそうしていたであろうか。アボシーは満足げに舌を離し、


「ごちそうさまでした」


 そう、エミールの目を見つめながら、言うのであった。


 エミールはハッとして、


「@*&%&%」


 呪文を唱え、アボシーの今の状態を見てみる。


----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+



アボシー・ミニガムス Lv.156


HP:10063/10063

MP:50104/100109

エミール分:1009/5100



<剣術 Lv.42><体術 Lv.79><丈術 Lv.102>

<炎魔法 Lv.36><水魔法 Lv.209><風魔法 Lv.36><土魔法 Lv.36><聖魔法 Lv.398><無属性魔法 Lv.109>



----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+


「あ、アボシーに、アボシーのステータスに『エミール分』が生えた」

「へ?「@*&%&%」。本当だ。おめでとう、アボシー!」


 アボシーは、うっとりとした目で、


「はい。ありがとうございます」


 そう答えるのであった。

 何がめでたいというのか?


 それから時間をき、落ち着いたところで、


「この後、バーハーグト大陸から少し離れたところにある、大きめの有人島があるのだけれど、そこの指導権をもらいに行く」

「有人島巡りもいよいよ大詰めね!」


 そう話していると、頭上から、ゆっくりと光が降りてくる。

 その光に3人は向かい合い、ちょうど3人の高さまで降りてくると、


久方ひさかたぶりである。2人とも息災そくさいで何よりである」

「「スキカ様!」」

「へ?この方がスキカ神様?」


 アボシーは反射的に祈りのポーズを取る。


「アボシーや、お主へはオービムが担当していたから会うのは初めてだな。ささ、ちこう来い」

「はい。おおせのままに」


 アボシーはスキカに近づいていく。


いとうしたり害することはないゆえ、楽にいたせよ」

「はい」


 そして、アボシーは目をつぶり、スキカの手は光を放つ。

 やがて光はおさまり、


「アボシー、そなたには我、アウラ、ムハド、スービム、オービム、マービム、ブラウニー、ザジャ、アレリア、ハペリンへ、つながりと、念話で話せるようにしておいた」

「まぁ、そんなにたくさんの?ありがとうございます」

「それから3人に話しだ。エミール、今日、無理強いな縁談話が出る。お主は断るな」

「な!」


 エミールの表情は引きつる。


「相手は状況を早急に固めるべく、その場で結婚式、結婚披露宴が行なわれるであろう。アボシーよ、お主もうまく混ざってエミールと結婚しなさい」

「ふぅぁ、ふぁい!」


 アボシーは真っ赤になる。


「ヘクディーよ、お主は2人の補助を」

「はい」

「それから結婚披露宴が終わった後は、エミール、ヘクディー、アボシー。3人にその結婚相手とその親族の扱いを任せる。地獄を見せてやれ」

「「「はい!」」」


 3人は真剣な顔をして返事をした。


「こちらはお主たちのこれからに、害が及ばぬよう立ち回る。今日の行いの結果でお主たちの立場が悪くなることはない。存分にはげめ。以上だ」


 と、言うと、スキカはまた光に戻り、スーッと立ち上って見えなくなっていく。

 3人はしばらく放心した後、


「ボーッとしていても始まらない。動き出すか」

「「はい。エミール様♡」」


 そして、3人は行動に出るのであった。
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