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出遅れた国
オリエンテーションと文房具と図書館
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入学式翌日、その日はオリエンテーションとして、初等部で使う施設を回ったり、どのような授業が行なわれるのかの説明が行なわれた。
さすが初等部とはいえアハントルト王立魔法学校の生徒。騒いだりする生徒もおらず、大人しく説明を聞くのであった。
クラス分けは成績優秀者順で割り振られており、エルビン、コンスタンティン、アクレシス、エーベルハルトに王太子夫妻の娘のマヌエラは、同じ1組になった。
その日は午前中までで終了で、本格的な授業は明日からだそうだ。
メモをとりながら聞いていたので、机には筆記用具が並んでいる。
二郎の息子たちはノートに鉛筆、消しゴムなのに対し、他の学生の机には綴じられていないバラバラの紙につけペン、インクつぼが並んでいる。
「アソウ家の皆様は変わった筆記用具をお使いのようね」
マヌエラは珍しそうにその筆記用具を眺めていた。
「興味があるなら使ってみる?父上から一式預かっている」
と言って、エルビンはノートに鉛筆、消しゴムに筆箱をマヌエラに指し出した。
「もらってもよろしいのですの?」
「是非使ってもらいたい。追々使い方も教える」
「ありがとうございます。お言葉に甘えて使わせていただきますわ」
マヌエラは、筆記用具を大事そうにしまっていると、
「今から図書館で予習をするのだけど、マヌエラさんもどう?」
マヌエラは、
「お迎えの馬車が来るまでお付き合いしますわ」
と、付いて行くことにした。
「お、あるある!いっぱい並んでるぞ!」
前情報通り、そこには卒業生や上級生が残したノートが並んでいた。
そのノートから良さそうなものを選び、4人は机を借りて予習を始めた。マヌエラは1人取り残された。それに気付いたエルビンは、
「マヌエラさんは苦手とかある?」
「私は歴史が苦手ですわ」
「それじゃぁ、うん、これがいいかな?」
エルビンは1冊のノートを選ぶと、
「この人は重要でないことは小さな文字で、重要なことは大きな文字で書かれている。この大きな文字のところを重点的に憶えるだけで成績はぐんと上がるはずだよ」
「あら?そうですの?それではこのノートで勉強することにしますわ」
マヌエラも勉強を始めた。
「俺たちは毎日図書館で勉強してから帰るけど、マヌエラさんも一緒にどうかな?」
「家族に相談してからになりますけどそれでは私もそうしますわ」
そうして麻宗家の4人とマヌエラは、授業終わり、図書館で勉強してから帰るのが日課になるのであった。
*
サガンガ王国王城の大会議室。そこには西方諸国連合の国王を始め、国の重鎮が揃っていた。
「ハンシオーガ王国から使者の者が来ており、ハンシオーガ王国と西方諸国連合各国で、不戦条約を交わさないかと申し出が出ているのですが、これをどう扱うか、話し合いたいと思います」
特に反対意見も出ることもなく、ハンシオーガ王国と西方諸国連合各国で、不戦条約を交わすことに決まるのであった。
「それでは次に、ハンシオーガ王国は、将来的に西方諸国連合に加盟したいと申し出ており、これを、前向きに検討するかどうか、話し合いたいと思います」
これも特に反対意見も出ることもなく、ハンシオーガ王国と西方諸国連合各国で今後話し合い、西方諸国連合に、ハンシオーガ王国を受け入れるか今後検討していくことになった。
「それでは本日の合同会議はこれにて終了となります。不戦条約の詰めと正式な調印は、今後の話し合いにて決めさせていただきたいと思います」
そして、ハンシオーガ王国の使者に、不戦条約を交わす方向で今後話し合いを持つことと、ハンシオーガ王国の、西方諸国連合加盟を前向きに検討することを告げ、ハンシオーガ王国の使者を送り出すのであった。そこで、西方諸国連合軍の魔術師も一緒に同行するのであった。
それから半月が経ち、ハンシオーガ王国の使者は、ジャスパー国王にそのことを報告すると、
「よくやった。それで、今後、話し合いがもたれるのだな?」
「はい。そのようになっております」
「それで、話し合いはどのようにもたれるのだ?」
「私、西方諸国連合軍の魔術師と一緒に帰って来ておりまして、その者が交渉する人員を連れて来たり、こちらが他の国へ出向く手はずとなっております」
そうして、週に1度、ザガンガ王国、タンザナティア王国、ジルベチア王国、アハントルト王国とハンシオーガ王国の人員が集まって話し合いがもたれ、半年後には各国国王が集まり、不戦条約の締結と、その後、ハンシオーガ王国の西方諸国連合加盟に向けて話し合いがもたれることになるのであった。
さすが初等部とはいえアハントルト王立魔法学校の生徒。騒いだりする生徒もおらず、大人しく説明を聞くのであった。
クラス分けは成績優秀者順で割り振られており、エルビン、コンスタンティン、アクレシス、エーベルハルトに王太子夫妻の娘のマヌエラは、同じ1組になった。
その日は午前中までで終了で、本格的な授業は明日からだそうだ。
メモをとりながら聞いていたので、机には筆記用具が並んでいる。
二郎の息子たちはノートに鉛筆、消しゴムなのに対し、他の学生の机には綴じられていないバラバラの紙につけペン、インクつぼが並んでいる。
「アソウ家の皆様は変わった筆記用具をお使いのようね」
マヌエラは珍しそうにその筆記用具を眺めていた。
「興味があるなら使ってみる?父上から一式預かっている」
と言って、エルビンはノートに鉛筆、消しゴムに筆箱をマヌエラに指し出した。
「もらってもよろしいのですの?」
「是非使ってもらいたい。追々使い方も教える」
「ありがとうございます。お言葉に甘えて使わせていただきますわ」
マヌエラは、筆記用具を大事そうにしまっていると、
「今から図書館で予習をするのだけど、マヌエラさんもどう?」
マヌエラは、
「お迎えの馬車が来るまでお付き合いしますわ」
と、付いて行くことにした。
「お、あるある!いっぱい並んでるぞ!」
前情報通り、そこには卒業生や上級生が残したノートが並んでいた。
そのノートから良さそうなものを選び、4人は机を借りて予習を始めた。マヌエラは1人取り残された。それに気付いたエルビンは、
「マヌエラさんは苦手とかある?」
「私は歴史が苦手ですわ」
「それじゃぁ、うん、これがいいかな?」
エルビンは1冊のノートを選ぶと、
「この人は重要でないことは小さな文字で、重要なことは大きな文字で書かれている。この大きな文字のところを重点的に憶えるだけで成績はぐんと上がるはずだよ」
「あら?そうですの?それではこのノートで勉強することにしますわ」
マヌエラも勉強を始めた。
「俺たちは毎日図書館で勉強してから帰るけど、マヌエラさんも一緒にどうかな?」
「家族に相談してからになりますけどそれでは私もそうしますわ」
そうして麻宗家の4人とマヌエラは、授業終わり、図書館で勉強してから帰るのが日課になるのであった。
*
サガンガ王国王城の大会議室。そこには西方諸国連合の国王を始め、国の重鎮が揃っていた。
「ハンシオーガ王国から使者の者が来ており、ハンシオーガ王国と西方諸国連合各国で、不戦条約を交わさないかと申し出が出ているのですが、これをどう扱うか、話し合いたいと思います」
特に反対意見も出ることもなく、ハンシオーガ王国と西方諸国連合各国で、不戦条約を交わすことに決まるのであった。
「それでは次に、ハンシオーガ王国は、将来的に西方諸国連合に加盟したいと申し出ており、これを、前向きに検討するかどうか、話し合いたいと思います」
これも特に反対意見も出ることもなく、ハンシオーガ王国と西方諸国連合各国で今後話し合い、西方諸国連合に、ハンシオーガ王国を受け入れるか今後検討していくことになった。
「それでは本日の合同会議はこれにて終了となります。不戦条約の詰めと正式な調印は、今後の話し合いにて決めさせていただきたいと思います」
そして、ハンシオーガ王国の使者に、不戦条約を交わす方向で今後話し合いを持つことと、ハンシオーガ王国の、西方諸国連合加盟を前向きに検討することを告げ、ハンシオーガ王国の使者を送り出すのであった。そこで、西方諸国連合軍の魔術師も一緒に同行するのであった。
それから半月が経ち、ハンシオーガ王国の使者は、ジャスパー国王にそのことを報告すると、
「よくやった。それで、今後、話し合いがもたれるのだな?」
「はい。そのようになっております」
「それで、話し合いはどのようにもたれるのだ?」
「私、西方諸国連合軍の魔術師と一緒に帰って来ておりまして、その者が交渉する人員を連れて来たり、こちらが他の国へ出向く手はずとなっております」
そうして、週に1度、ザガンガ王国、タンザナティア王国、ジルベチア王国、アハントルト王国とハンシオーガ王国の人員が集まって話し合いがもたれ、半年後には各国国王が集まり、不戦条約の締結と、その後、ハンシオーガ王国の西方諸国連合加盟に向けて話し合いがもたれることになるのであった。
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