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花菜香・風雅の留学と大戦

ゼミ修了

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 よく本を読み、質問があれば、教授や先輩方によく習い、そして実践を欠かさなかった。

 花菜香はなか風雅ふうがはそのえらぶらない態度たいどから教授や先輩方に気に入られ、よく教わり、知識を吸収していった。


 そして、2年目に入り、少しった頃、エテラーシアとヨーネスティンが、無事出産するのであった。2人とも女の子で、エテラーシアの子はブリトニー、ヨーネスティンの子はビアンカと名付けられ、大切に育てられるのであった。


 そして、アハントルト王立魔法学校入学2年目も終わろうとする頃には花菜香はなかは古書から魔力探知と生物探知の魔法を発掘し、風雅ふうがは物質創造と物質消去の魔法を開発した。


「君はよく学び、魔法を2つも生み出しました。ここに本ゼミの修了を認め、1研究者として独り立ちしたことを我がアハントルト王立魔法学校は認めます。修了おめでとう」


 風雅ふうがは修了証書とバッジをもらい、


「ありがとうございます」


 お礼の言葉を述べる。


「マイケル・ハッセルホフ先生の教育学も取れば、学校の先生にもなれます。君はあと1年在校期間が残っていると聞きました。教育学、受けてみる気はないですか?」

「受けてみたいと思います」

「おぉ、そうかそうか。なら私から話は通しておくから来年度からは教育学を受けるようにね。それじゃぁ、ちょっと書類を書いてもらわないといけないから」

「はい」


 風雅ふうがはゼミ受講の申請届を書き、


「本学期も残り少ないが、またこのゼミにいらっしゃい。来たときに教育学を受けられるか教えるから」


「はい。分かりました」


 風雅ふうがは魔法創造学で独り立ちしたことを認められて、これだけでも職を得ることができるようになった。そこから教育学をおさめれば、学校で教えることもできるらしい。風雅ふうがはアハントルト王立魔法学校の残りの1年を教育学の勉強に使うことにした。


 アハントルト王国王都、ペンテレストロフの麻宗家の私邸。夕食中、風雅ふうがは家族に魔法創造学を修了したことを話した。


「それで教育学を受けてみないかと誘われて、残りの1年は教育学を受けてみようと思ってる」

「それじゃぁ風雅ふうがも来年は教育学で一緒ね。共に頑張りましょうね」

「うん。頑張ろう」


 花菜香はなかも同じように魔法発掘学を修め、教育学を受けるよう教授からすすめられている。昨日、夕食の席で話したのだ。


「それじゃぁ2人の修了をお祝いしないとな。週末、楽しみにしておいてくれ」

「「はい。ありがとうございます」」


 夕食が終わり、二郎はかおるに電話をかけ、風雅ふうがのゼミの修了を伝えた。


「それじゃぁお祝いは2人同時にしましょう。2人とも、よく頑張ったわ」

「「ありがとうございます」」


 そして週末、


花菜香はなか風雅ふうが・ゼミの修了おめでとう。そして、ミランダさんがご懐妊かいにんです!一緒に祝っちゃいましょう!」


 サガンガ王国の麻宗邸で、身内だけのささやかなパーティーが開かれるのであった。



「…それから、ザッテリーニ連邦国から優秀な騎士や魔道士を西方諸国連合へ転勤させることが決まりました。調整は西方諸国連合軍主導で行います。これで各国の騎士や魔道士不足による労働時間の超過は少し緩和かんわされる見込みです。続きまして…」


 ここはサガンガ王国の王城の1室。ここでザガンガ騎士団・兵士団・魔道士団、タンザナティア王国騎士団・兵士団・魔道士団、ジルベチア王国騎士団・兵士団・魔道士団、アハントルト王国騎士団・兵士団・魔道士団の定例合同会議が開かれているのである。

 ザッテリーニ連邦国から西方諸国連合の各国へ優秀な騎士や魔道士を転勤させることが決まった。西方諸国連合各国は騎士や魔道士不足で勤務時間超過が目立っていた。人員の補給でそれが緩和かんわされることが期待できた。

 花菜香はなか風雅ふうがは、週末のアハントルト王城の宮廷魔道士の部屋での書類仕事は続けられていた。これで花菜香はなか風雅ふうがの仕事も減るかも知れないのであった。


 花菜香はなか風雅ふうがはそれぞれのゼミに通いながら、教科書を買って教育学の予習に励んでいた。もう、教育学の受講の申請は受理されたと2人とも教授から返答があったのだ。その頃、サガンガ王国の麻宗邸では大人たちが集まって話し合いが行なわれていた。


「もう花菜香はなかも結婚適齢期だ。嫁ぎ先を決めなければならない。風雅ふうがもこのサガンガ王国の麻宗家を継ぐ者として、嫁を探さなければならない。幸いにして縁談の申し込みが大量に来ている。この中から選ぶか、これぞと思う相手へこちらから申し込む形で進めていこうと思っている。では、そのことを話していこうか」


 花菜香はなか風雅ふうがは本人の知らないところで縁談の話を進められているのであった。
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