74 / 249
新しい生活
便利魔法の布教
しおりを挟む
ここはサガンガの王城の会議室。二郎、薫、エテラーシア、ヨーネスティンに、アバン王、リチャードお義父様がいる。
「と、いうわけで、ジンジョルノ王から便利魔法を教えて欲しいと言われまして」
「ふむ。教えてやればいいのではないか?」
と言うアバン王。
「いいのですか?軍事利用可能ですよ?」
「便利魔法だけだろう?相手とは特に戦うことはなさそうだし。攻撃魔法を教えるのは禁止するが、便利魔法なら教えてもいいと思うぞ」
「許可が下りるとは思いませんでした。それでは教えに行くことにします。あと、タンザナティア王国だけひいきするわけにもいきませんので」
「ジルベチア王国にもか。いいぞ。許可する」
「ありがとうございます」
*
「許可は下りたものの…」
「どうしたのよ?二郎」
「誰が教えに行くかなんだよなぁ」
教えるのが一番上手いのは薫だが、筆頭宮廷魔道士の仕事がある。エテラーシアやヨーネスティンがが教えれば、出身国だし、トラブルは少ないだろうが、2人は特に魔法が上手いわけじゃなく、魔法が使えるようになってまだ日が浅い。教える側に回るのは、まだ早い気がする。二郎があれこれ考えていると、
「何考え事してるのよ」
「いや、誰が教えに行ったらいいかと思って」
「二郎、あんたが行きなさいよ」
「俺が?」
「話を持って来た張本人だし、私もいろいろ仕事があってそっちまで手が回せそうにないし。そうすると、私の次に教えられる人間って二郎しか居ないのよね」
俺に教えられるのか?そんな疑問が二郎の頭にあったのだが、
「あんたに教えられなかったら誰も教えられないって。もう少し自信を持ちなさい」
薫に慰められた。
「分った。俺が教えに行くよ」
結局、話を持って来た二郎が教えに行くことになるのであった。
「おぉ。教えてくれるか!」
「便利魔法だけですけどね」
ここはタンザナティア王国王城の会議室。二郎とエテラーシアが、ジンジョルノ王と会っているのである。
「それで、これが私の休みの日です」
と言って、二郎は休みの日を書いた紙をジンジョルノ王に渡した。
「この日の中で、都合の良い日を選んでいただければ指導に来ます」
「二郎君が来てくれるのかね?」
「えぇ。私しか手の空いている者が居ませんもので」
「ありがとう」
そして、便利魔法を教えたのだが、
「半分もできた者が居なくってさ」
「そんなものよ」
「そんなものなのか?」
「できた人間が居ることが大事なの。全員ができるわけじゃないし、時間をかければできるなら、できた人に教えてもらってねって言うこともできるし」
「とりあえず、時間ギリギリまで指導して、”また指導に来ます”と言って帰って来たけど、できるかな?」
「それは必要なかったかもね。仲間内で教えてできないならその人はいくら頑張ったってできないだろうし、もう一度教えに行っても成果は上がらないと思うわ」
薫そう言われたが、約束してしまった手前、もう一度教えに行ったが、成果は芳しくなかった。指導し直して、できる者がほとんど居なかったのである。
気を取り直して、今度はジルベチア王国へ。王に話を通し、便利魔法の指導をした。
タンザナティア王国よりできた人数は多く、時間ギリギリまで指導して、
「それでは、今日できなかった人は、できた人に指導してもらって下さい。私からは以上です」
再び来て成果が上がらないならば変に約束する必要は無い。次の約束はせずに帰るのであった。
「あぁ、疲れた」
「ご苦労様」
「教えるって疲れるんだな」
「そうね」
「ついでと言ったら何なんだが、両国共に、念話できるようにしてきたぞ」
「そうね。それくらいしてもいいわよね」
とにかく疲れた。その日はゆっくり休む二郎なのであった。
「と、いうわけで、ジンジョルノ王から便利魔法を教えて欲しいと言われまして」
「ふむ。教えてやればいいのではないか?」
と言うアバン王。
「いいのですか?軍事利用可能ですよ?」
「便利魔法だけだろう?相手とは特に戦うことはなさそうだし。攻撃魔法を教えるのは禁止するが、便利魔法なら教えてもいいと思うぞ」
「許可が下りるとは思いませんでした。それでは教えに行くことにします。あと、タンザナティア王国だけひいきするわけにもいきませんので」
「ジルベチア王国にもか。いいぞ。許可する」
「ありがとうございます」
*
「許可は下りたものの…」
「どうしたのよ?二郎」
「誰が教えに行くかなんだよなぁ」
教えるのが一番上手いのは薫だが、筆頭宮廷魔道士の仕事がある。エテラーシアやヨーネスティンがが教えれば、出身国だし、トラブルは少ないだろうが、2人は特に魔法が上手いわけじゃなく、魔法が使えるようになってまだ日が浅い。教える側に回るのは、まだ早い気がする。二郎があれこれ考えていると、
「何考え事してるのよ」
「いや、誰が教えに行ったらいいかと思って」
「二郎、あんたが行きなさいよ」
「俺が?」
「話を持って来た張本人だし、私もいろいろ仕事があってそっちまで手が回せそうにないし。そうすると、私の次に教えられる人間って二郎しか居ないのよね」
俺に教えられるのか?そんな疑問が二郎の頭にあったのだが、
「あんたに教えられなかったら誰も教えられないって。もう少し自信を持ちなさい」
薫に慰められた。
「分った。俺が教えに行くよ」
結局、話を持って来た二郎が教えに行くことになるのであった。
「おぉ。教えてくれるか!」
「便利魔法だけですけどね」
ここはタンザナティア王国王城の会議室。二郎とエテラーシアが、ジンジョルノ王と会っているのである。
「それで、これが私の休みの日です」
と言って、二郎は休みの日を書いた紙をジンジョルノ王に渡した。
「この日の中で、都合の良い日を選んでいただければ指導に来ます」
「二郎君が来てくれるのかね?」
「えぇ。私しか手の空いている者が居ませんもので」
「ありがとう」
そして、便利魔法を教えたのだが、
「半分もできた者が居なくってさ」
「そんなものよ」
「そんなものなのか?」
「できた人間が居ることが大事なの。全員ができるわけじゃないし、時間をかければできるなら、できた人に教えてもらってねって言うこともできるし」
「とりあえず、時間ギリギリまで指導して、”また指導に来ます”と言って帰って来たけど、できるかな?」
「それは必要なかったかもね。仲間内で教えてできないならその人はいくら頑張ったってできないだろうし、もう一度教えに行っても成果は上がらないと思うわ」
薫そう言われたが、約束してしまった手前、もう一度教えに行ったが、成果は芳しくなかった。指導し直して、できる者がほとんど居なかったのである。
気を取り直して、今度はジルベチア王国へ。王に話を通し、便利魔法の指導をした。
タンザナティア王国よりできた人数は多く、時間ギリギリまで指導して、
「それでは、今日できなかった人は、できた人に指導してもらって下さい。私からは以上です」
再び来て成果が上がらないならば変に約束する必要は無い。次の約束はせずに帰るのであった。
「あぁ、疲れた」
「ご苦労様」
「教えるって疲れるんだな」
「そうね」
「ついでと言ったら何なんだが、両国共に、念話できるようにしてきたぞ」
「そうね。それくらいしてもいいわよね」
とにかく疲れた。その日はゆっくり休む二郎なのであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
156
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる