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プリズム・ライツ 逆転勝利ver&アフターエッチストーリー
炎の魔法少女マイ、最後の輝き
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「う、うぅ……! 例え……みんなが孕み奴隷に堕ちてしまっても……それでも、それでも私は諦めない!絶対に、あなたたちには屈しない!」
もうこれまでかと思った刹那、肉欲の奥の奥、心の底に最後に残されていた勇気を振り絞って、マイは叫んだ。
これにはさしものダーク・マーラも唸らずにはいられなかった。
「むう……なんという……なんという精神力だ……ここまで快楽に漬け込まれても屈せぬとは……お前のようなメスは初めてだ、マイ……!」
これまで数多の世界を侵略し、数多の女を孕み奴隷としてきたダーク・レイドの大首領ダーク・マーラ。この恐るべき怪人の胸に、初めて感動にも似た感情が渦巻いた——が、それもほんの一瞬であった。
「——ならば、お前の心が折れるまで犯すとしよう。これからは一瞬たりとも休む暇は与えんぞ。お前が堕ちるまで我が直々に責め続ける。覚悟せよ、マイ」
圧倒的強者による一方的な蹂躙宣言。
これを受けてマイは——小さく微笑んだ。
「好きにするといいわ……それが、出来るならね……」
「む?」
敗北を運命付けられたはずの魔法少女が浮かべる不敵な笑み。
その表情の意味を察するよりも速く、ダーク・マーラの鋭敏なる感覚が感じ取った。
「これは——!?」
マイの、魔力の高まりを。
爆発——そう、爆発的と言っていい。それほどまでに凄まじい勢いで上昇したマイの魔力。
「まだこれ程の力を隠していたのか!?」
「隠してたんじゃない。——どこにあるかわかっただけ」
驚愕するダーク・マーラに静かに告げ、視線をダーク・マインにちらりと送る。
ダーク・マーラと同じく臨戦態勢に入っている彼女に責められた時にされたこと。
炎の魔法で火照らされた体。
炎の魔法でそんなことが出来るなんて、マイは知らなかった。
自分の魔法で攻撃以外のことが出来るなんて……という驚き。一方で、閃きもあった。
炎——この意味を拡大解釈すれば、何か、他の事象も引き越せるのではないか——?
あの時はイキまくるばかりで少しも考えることが出来なかった魔法の使い方。
それを、マイはこの土壇場で思いついたのだ。
「私は——私の全てを燃やし尽くす! 私の全てを魔力に変えて、あなたを——あなたたちを、ここで倒す!」
刧っ!
とてつもない熱が放たれた——ように感じた。実際には、まだ何も起こっていない。
マイの中で燃え上がる魔力の、その途方もなく莫大なエネルギー量。
それが、その場にいた者には猛烈な熱風の如く感じられた。
「ダ、ダーク・マーラ様! これは、これは——!」
常に余裕を持っていたダーク・ミラージュの声が緊張で硬くなる。
これはいけません——!
そう叫んでしまうことが、マイに勇気と希望を与えることになってしまうと咄嗟に判断して口を噤んだが、予想外の事態に取り乱してしまったのが取り返しのつかない失態であった。
マイはその焦り様から確信した。
今、自分の力はこの恐るべき強大なる怪人たちを打倒し得るレベルに到達したということを。
「う、あ——っ!」
炎を操るということ。
何かを燃やすということ。
その何かとは、物質的な現象に限らない。
もうみんな堕ちてしまった。残りは自分独り。
だから——耐える必要はなくなった。
仲間と共に戦うという選択肢の消失。必然的に現れる、自分独りで戦わなければならないという現実。
そこに至ってしまえば、敵に立ち向かうために、なりふりなど構わない。
ここで終わっていい——。
自らの炎に焼き尽くされて消えてしまってもいい——。
自分の全てを燃やし尽くして魔力に変換するとは、そういうことだ。
自己犠牲の精神。
それは平和を愛し、守る者が必ず持つ心。
それを持つからこそ、マイは——
「あ、あ、あ——っ!!!」
全ての力を振り絞る。
同時に、ダーク・マーラも戦闘態勢に入った。
「ぬううっ!」
肉体が肥大化し、岩の如き筋肉が更に逞しさを増した。
迸る闇のエネルギー。
ゴリゴリと膨れ上がる力。弓が引き絞られるように、その力が握り締められた右の拳に集中する。
「ちぃっ!」
ダーク・ミラージュもダーク・マーラの支援に徹するべく意識を戦いに切り替えた。先の戦いでは魔法少女を封殺した。今回もまたそれを狙う。例え想定を超えた力であっても、戦いの中でそれを解析して対応してみせると神経を研ぎ澄ます。
「ウオオオッ!」
床が砕け、そこから姿を現したダーク・ミリアド。戦いの気配を感じ取り、自らも熱線を放つべく大きく口を開いている。
「——」
一方で、ダーク・マインとセイナは棒立ちであった。
知識はあっても産まれたばかり。戦闘経験の浅いダーク・マインの肉体はあまりにも大きすぎる力の前に竦んでいる。
その隣で、セイナは葛藤していた。ダーク・レイドの一員となったはずなのに、マイの覚醒を目にして、どうするべきか思考だけが高速で跳ね回っている。
マイを倒し孕み奴隷の快楽を教えるためにダーク・マーラに手を貸すべきか。それとも最後の力を振り絞っているマイのためにダーク・マーラの妨害をするべきか——。
セイナの屈していた心が、聖なる輝きを取り戻そうとした、まさにその時——
「ああああああああああ——っ!!!」
マイの肉体から、光が放たれた。
炎ではなく、光。
だがこれは不思議なことではない。
太陽だって地球から見れば光なのだ。
極限まで達した——否、熱に上限はない。限界を超えた熱量は光へと姿を変える。
光こそが究極の炎の証。
「ば、馬鹿な!? こんな、まさか——っ!?」
その光に照らされ、ダーク・ミラージュは一瞬で蒸発した。
いつもの如く姿を消したのではない。あっという間に消し去られたのだ。
「グオ——ッ!?」
熱線を吐き出そうとしたダーク・ミリアドの頭部も、ほぼ同時に消し飛んだ。
仮に熱線を放っていたとしても、エネルギーが拮抗することなどなかったのは間違いない。
それほどまでに今のマイと二台巨頭には圧倒的な差があった。
——しかし、残る一人、ダーク・マーラは——
「ぬ、う、お、おぉっ!」
——立っていた。立ち向かっていた。
咄嗟に放った黒の拳と白い光がぶつかり合う。
ダーク・マーラは全身がダークマターで構成された怪人。ダークマターは凄まじい強度を誇り、破壊など絶対に不可能である——が、
「ぐぬぅっ!?」
それが、弾け飛んでいる。
バチバチと煌めく白い閃光と共に拳が削られていっている。
「我の力を持ってしても、届かぬか——っ!」
この言葉に僅かながら愉快な響きが込められていたことに、誰も気付かなかった。
仮に気付けていたとしても、気のせいだと思っただろう。
迫る敗北。
それを前にして喜ぶ者などいるはずがない、と。
だが、ダーク・マーラは喜んでいた。
消えていく自らの肉体を目にしながら、その心には大きな感動が湧いていた。
数多の世界を侵略し、最強に到達したはずの己を超える存在の誕生——。
これほどの力を持つ存在がいるという事実に胸が躍る。
故に、ダーク・マーラは叫んだ。
「やはり、マイよ! お前は孕み奴隷になるべきだ! 孕み奴隷となり、この力と我の力とを併せ持つ、真なる最強の種族を生み出すべきなのだっ! そして、全ての世界をこの手に——!」
あるいはこれはプロポーズであったのかもしれない。
けれど、当然ながらマイの心には響かない。
「最強なんて、どうでもいい! 私は、私の守りたいものを守りたいだけ! だから、ダーク・マーラ! あなたの野望は、ここまでよ!」
高らかなる終わりの宣言。
同時に輝きを増した光が、ダーク・マーラの肉体を削り崩していく。
「ぐお、おぉ——!?」
「やああああああああああ!!!」
「——!」
炎の魔法少女マイの、最後の輝き。
それはダーク・マーラを討ち滅ぼしただけでなく、異空間にあるダーク・レイドの本拠地をも飲み込んだ。
(これが、私の……最後の魔法……みんな、さよなら……)
マイの瞳から零れ落ちた一粒の涙。
それすらも一瞬で蒸発し、消えた。
全てが、光に包まれた——。
もうこれまでかと思った刹那、肉欲の奥の奥、心の底に最後に残されていた勇気を振り絞って、マイは叫んだ。
これにはさしものダーク・マーラも唸らずにはいられなかった。
「むう……なんという……なんという精神力だ……ここまで快楽に漬け込まれても屈せぬとは……お前のようなメスは初めてだ、マイ……!」
これまで数多の世界を侵略し、数多の女を孕み奴隷としてきたダーク・レイドの大首領ダーク・マーラ。この恐るべき怪人の胸に、初めて感動にも似た感情が渦巻いた——が、それもほんの一瞬であった。
「——ならば、お前の心が折れるまで犯すとしよう。これからは一瞬たりとも休む暇は与えんぞ。お前が堕ちるまで我が直々に責め続ける。覚悟せよ、マイ」
圧倒的強者による一方的な蹂躙宣言。
これを受けてマイは——小さく微笑んだ。
「好きにするといいわ……それが、出来るならね……」
「む?」
敗北を運命付けられたはずの魔法少女が浮かべる不敵な笑み。
その表情の意味を察するよりも速く、ダーク・マーラの鋭敏なる感覚が感じ取った。
「これは——!?」
マイの、魔力の高まりを。
爆発——そう、爆発的と言っていい。それほどまでに凄まじい勢いで上昇したマイの魔力。
「まだこれ程の力を隠していたのか!?」
「隠してたんじゃない。——どこにあるかわかっただけ」
驚愕するダーク・マーラに静かに告げ、視線をダーク・マインにちらりと送る。
ダーク・マーラと同じく臨戦態勢に入っている彼女に責められた時にされたこと。
炎の魔法で火照らされた体。
炎の魔法でそんなことが出来るなんて、マイは知らなかった。
自分の魔法で攻撃以外のことが出来るなんて……という驚き。一方で、閃きもあった。
炎——この意味を拡大解釈すれば、何か、他の事象も引き越せるのではないか——?
あの時はイキまくるばかりで少しも考えることが出来なかった魔法の使い方。
それを、マイはこの土壇場で思いついたのだ。
「私は——私の全てを燃やし尽くす! 私の全てを魔力に変えて、あなたを——あなたたちを、ここで倒す!」
刧っ!
とてつもない熱が放たれた——ように感じた。実際には、まだ何も起こっていない。
マイの中で燃え上がる魔力の、その途方もなく莫大なエネルギー量。
それが、その場にいた者には猛烈な熱風の如く感じられた。
「ダ、ダーク・マーラ様! これは、これは——!」
常に余裕を持っていたダーク・ミラージュの声が緊張で硬くなる。
これはいけません——!
そう叫んでしまうことが、マイに勇気と希望を与えることになってしまうと咄嗟に判断して口を噤んだが、予想外の事態に取り乱してしまったのが取り返しのつかない失態であった。
マイはその焦り様から確信した。
今、自分の力はこの恐るべき強大なる怪人たちを打倒し得るレベルに到達したということを。
「う、あ——っ!」
炎を操るということ。
何かを燃やすということ。
その何かとは、物質的な現象に限らない。
もうみんな堕ちてしまった。残りは自分独り。
だから——耐える必要はなくなった。
仲間と共に戦うという選択肢の消失。必然的に現れる、自分独りで戦わなければならないという現実。
そこに至ってしまえば、敵に立ち向かうために、なりふりなど構わない。
ここで終わっていい——。
自らの炎に焼き尽くされて消えてしまってもいい——。
自分の全てを燃やし尽くして魔力に変換するとは、そういうことだ。
自己犠牲の精神。
それは平和を愛し、守る者が必ず持つ心。
それを持つからこそ、マイは——
「あ、あ、あ——っ!!!」
全ての力を振り絞る。
同時に、ダーク・マーラも戦闘態勢に入った。
「ぬううっ!」
肉体が肥大化し、岩の如き筋肉が更に逞しさを増した。
迸る闇のエネルギー。
ゴリゴリと膨れ上がる力。弓が引き絞られるように、その力が握り締められた右の拳に集中する。
「ちぃっ!」
ダーク・ミラージュもダーク・マーラの支援に徹するべく意識を戦いに切り替えた。先の戦いでは魔法少女を封殺した。今回もまたそれを狙う。例え想定を超えた力であっても、戦いの中でそれを解析して対応してみせると神経を研ぎ澄ます。
「ウオオオッ!」
床が砕け、そこから姿を現したダーク・ミリアド。戦いの気配を感じ取り、自らも熱線を放つべく大きく口を開いている。
「——」
一方で、ダーク・マインとセイナは棒立ちであった。
知識はあっても産まれたばかり。戦闘経験の浅いダーク・マインの肉体はあまりにも大きすぎる力の前に竦んでいる。
その隣で、セイナは葛藤していた。ダーク・レイドの一員となったはずなのに、マイの覚醒を目にして、どうするべきか思考だけが高速で跳ね回っている。
マイを倒し孕み奴隷の快楽を教えるためにダーク・マーラに手を貸すべきか。それとも最後の力を振り絞っているマイのためにダーク・マーラの妨害をするべきか——。
セイナの屈していた心が、聖なる輝きを取り戻そうとした、まさにその時——
「ああああああああああ——っ!!!」
マイの肉体から、光が放たれた。
炎ではなく、光。
だがこれは不思議なことではない。
太陽だって地球から見れば光なのだ。
極限まで達した——否、熱に上限はない。限界を超えた熱量は光へと姿を変える。
光こそが究極の炎の証。
「ば、馬鹿な!? こんな、まさか——っ!?」
その光に照らされ、ダーク・ミラージュは一瞬で蒸発した。
いつもの如く姿を消したのではない。あっという間に消し去られたのだ。
「グオ——ッ!?」
熱線を吐き出そうとしたダーク・ミリアドの頭部も、ほぼ同時に消し飛んだ。
仮に熱線を放っていたとしても、エネルギーが拮抗することなどなかったのは間違いない。
それほどまでに今のマイと二台巨頭には圧倒的な差があった。
——しかし、残る一人、ダーク・マーラは——
「ぬ、う、お、おぉっ!」
——立っていた。立ち向かっていた。
咄嗟に放った黒の拳と白い光がぶつかり合う。
ダーク・マーラは全身がダークマターで構成された怪人。ダークマターは凄まじい強度を誇り、破壊など絶対に不可能である——が、
「ぐぬぅっ!?」
それが、弾け飛んでいる。
バチバチと煌めく白い閃光と共に拳が削られていっている。
「我の力を持ってしても、届かぬか——っ!」
この言葉に僅かながら愉快な響きが込められていたことに、誰も気付かなかった。
仮に気付けていたとしても、気のせいだと思っただろう。
迫る敗北。
それを前にして喜ぶ者などいるはずがない、と。
だが、ダーク・マーラは喜んでいた。
消えていく自らの肉体を目にしながら、その心には大きな感動が湧いていた。
数多の世界を侵略し、最強に到達したはずの己を超える存在の誕生——。
これほどの力を持つ存在がいるという事実に胸が躍る。
故に、ダーク・マーラは叫んだ。
「やはり、マイよ! お前は孕み奴隷になるべきだ! 孕み奴隷となり、この力と我の力とを併せ持つ、真なる最強の種族を生み出すべきなのだっ! そして、全ての世界をこの手に——!」
あるいはこれはプロポーズであったのかもしれない。
けれど、当然ながらマイの心には響かない。
「最強なんて、どうでもいい! 私は、私の守りたいものを守りたいだけ! だから、ダーク・マーラ! あなたの野望は、ここまでよ!」
高らかなる終わりの宣言。
同時に輝きを増した光が、ダーク・マーラの肉体を削り崩していく。
「ぐお、おぉ——!?」
「やああああああああああ!!!」
「——!」
炎の魔法少女マイの、最後の輝き。
それはダーク・マーラを討ち滅ぼしただけでなく、異空間にあるダーク・レイドの本拠地をも飲み込んだ。
(これが、私の……最後の魔法……みんな、さよなら……)
マイの瞳から零れ落ちた一粒の涙。
それすらも一瞬で蒸発し、消えた。
全てが、光に包まれた——。
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