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異世界の原っぱのど真ん中でイキまくりながら愛を叫んだ魔法使い

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「んちゅっ……んっ……ちゅっ……ちゅぅ……ん……ふっ、んう……ちゅぅ……」

 舌と舌とが絡み合い、熱を発している。

 生暖かい吐息が互いの口元にかかり、粘性の高い唾液の交換が繰り返されている。

 肉の温度を感じる。

 熱烈に動いている舌だけでなく、体全部に。

「はっ、あっ、んっ……ちゅっ……」

(わたし、全然知らないおじさんと……キスしてるよぉ……)

 気付けば、抱き上げられていた。

 魔法使いの両腕はしっかりとおっさんの首に回っており、柔らかいおっぱいをおっさんのぶよぶよとした肉体に押し付けている。

 このような姿勢なのだから、当然は下半身は——

 どちゅ! どちゅ! どちゅ!

「んん~~~~!!!」

(そうだ……わたし、おじさんとセックスしてたんだ……)

 体はイっている。呼気は荒く、涎も愛液も至る所にぶちまけている。

 一方で、思考はクリアだ。

 頭の中は真っ白になっていない。

 やはり心のどこかで、彼氏を裏切っているという後ろめたさがあるのか——それが、快楽に浸れない原因なのか——いや、快楽に浸っていないのだから、これは裏切りではないのではないか——。

 無数の言い訳が脳裏を過ぎる。

「はい。それじゃあ四発目出しますよ~」

(四発……四発目!?)

 驚き、視線だけを下に向ける。

 おっさんの厚い腹で見えづらいが、挿入の動作の最中、少しだけ見えた自分の淫紋のカウントは確かに7になっていた。

(まだ一回目が終わったばかりだと思ってた……いつの間に、こんな……)

「んっ!!! んひぃ!?」

 意識した途端、快楽の波が押し寄せてきた。

 だが同時に、それを受け入れたくないという想いも魔法使いの中に芽生えていた。

(き、気持ちいい!!! これが淫紋の力!? それとも、この人のおちんぽの力!? わからない——けど、や、やっぱり、こんなのダメ……! あの人以外のおちんぽを受け入れるなんて……あの人以外の精液を受け入れちゃうなんて……そんなの……)

 ごちゅごちゅと子宮の奥を叩かれながらも、意識をしっかりと保ち、流されまいとするその健気な姿……もしこんな姿を彼女の彼氏が見たら……当たり前だが感動などせず即座に脳を破壊されていたに違いない。

 それを思うが故に、魔法使いも必死に歯を食いしばって声を殺そうとする——が、そこに再びおっさんが口を挟んだ。

「大丈夫ですよ。淫紋の力でいくら中出しされても孕んだりはしないはずです。だから、これは裏切りなんかじゃないですよ」

(確かに妊娠はしないって聞いたことある……けど、けどぉっ!)

「そんなのだと、また子宮口が閉じちゃいますよ? それだと、中出しが終わりませんよ?」

「そ、それはぁ——それぇ、ん、はぁっ! い、いやぁ!」

「でしょう? でしたら、素直になって頂かないと」

「あっ、う、うぅ……うんっ!?」

 魔法使いの心はおっさんの甘言によりまた簡単に揺らされてしまい、子宮を喜ばせることになるのだが……それはそうと淫紋ダンジョンなどというわけのわからない名称を初めて聞かされたはずのおっさんが何故淫紋の力で中出しされても妊娠することはない。ということを知っていたのか?

 この答えはただ一つ。

 おっさんの智力である。

 おっさんは推測したのだ。

 淫紋ダンジョンなるものがあり、女を発情させてエッチにさせ、中出し十発などという素敵な行為を強制させる魔法的な力があるのならば——もしもそれで孕んでしまったりしたら、リピーター的な、何度もそこに挑戦しようとする者が多いはずがない、と。

 宿屋での働き手を募集しているという点から考えても、宿屋は常に人手不足であり——故に、淫紋ダンジョンには女が殺到しているはず——であれば、妊娠などさせるはずがない。

 異世界から人を一人召喚することが可能な世界なのだ。妊娠させないよう避妊の機能を付けるなど簡単に違いない——と、そこまで思考しての、言葉による揺さぶり。

 これは効果抜群であった。

 先程の初イキと同様に、心の中でおっさんのちんぽを受け入れてしまったことで、魔法使いは「あっひっいいいいいいいいいい!!! だめなのおおおおおおおお!!! だめなのに感じちゃうのおおおおおおおおおおおおお!!! 子宮に精液浴びて喜んじゃってるのおおおおおおおおおお!!!」と叫びながら絶頂していた。

 おっさんとしても、こんな風に彼氏に申し訳ない様子の女の子とセックスするのは心が躍らない——わけもなく、これはこれで美味しいなと思っていた。

 なので、攻めの姿勢は崩さない。

「申し訳なく思う必要なんてありませんよ。これは必要なことなんですから。あなただって、早く終わらせたいでしょう? それなら……ね? もっと気持ち良くなった方がいいですよ。気持ち良くならないと、早く終わりませんからね」

 もちろん、そんなことはない。

 おっさんが適当に残り六発射精すればいいだけの話である。

 が、しかし、これは試験であるとおっさんは考えている。

 働く為の適性を見せる、実技試験——であれば、手など抜けない。適当にヌくことなど出来ない。

 そもそも、おっさんはこれまでのセックス人生で手を抜いたことなど一度もないのだ。

 常に全力。

 全力でおちんぽを駆使して、女を絶頂させまくる。

 生まれた時より身に付けたる一本の槍。

 それを使いこなせずしてどうして男であると言えようか。

 この力を使いこなせた時、その先にあるのは自分も相手も気持ちよくなれるセックスである。

 おちんぽは自らのもので在りながらも、自らのものに非ずあらず

 おっさんの座右の銘である。

 このような心意気で、誇り胸に抱き、女を抱く。

 それが異世界でも変わることのないおっさんの根本原理セントラルドグマ

 故に、全力である。

「ほら、今あなたのおまんこの中に入っているおちんぽを、彼氏のおちんぽだと思ってください。そうすれば気持ち良くなりますよ。これは彼氏のおちんぽで、あなたは彼氏とセックスしているということになるのですから」

「そ、んんっ! そ、そんなわけ——っ」

「そんなわけがあるんです」

 無論、そんなわけはない。

 おっさんはおっさんであり、彼氏ではない。このおちんぽもおっさんのおちんぽであり、彼氏のおちんぽではない。

 それでも、魔法使いはそう思うしかない。

 もはやそう思うことでしか、自分を、この行為を許せないのだから。

「彼氏のおちんぽだと思うと、気持ち良くなってきたでしょう?」

 ぬちゅっ! どちゅっ! ごじゅぅ!

「ほら、彼氏とのキスですよ、これも」

 ちゅ、という唇と唇を触れ合わせるだけの優しいキス。

 おっさんは経験豊富であるので、女のセックス時の行動——弱い部分やイキ方から、彼氏の行動をも見抜くなど雑作もない。

 魔法使いのイキ方を見れば、彼女が彼氏から愛されているのがよくわかる。二人の間には確かに愛がある。

 もしなければ「先にイッちゃってごめんなさいいぃ……」「亀頭にキスしなくてごめんなさいぃ……」などと、彼氏の歪んだ性欲によって調教された痕跡が見られるはず。

 それがないのだから、性生活は円満。ノーマルなセックスライフを送っているところが目に浮かぶ。

 故に、このキスが決め手となった。

 発情期の獣よりも激しいセックスの中で交わされた、この優しさだけのキッスが、おっさんの目に浮かんだのと同じ光景をフラッシュバックさせ——魔法使いの記憶のトリガーを引いたのだ。

「あっ!! あっ! あ~~~っっっ!!! こ、これぇ——き、気持ちいいいいいいいいいいいいいいいい~~~!!!」

 ぶしゃあああああああああ!!!

 繋がり合っているおちんぽとおまんこ。愛し合う二つの性器の狭間から、愛液が迸った。

 これが潤滑油——否、潤滑液となり、おちんぽはこれまでよりも更に円滑に子宮とのコミュニケートを進める。

 どちゅどちゅどちゅどちゅぅ!!! と卑猥な音をたてて出し入れされる太きおちんぽ。

 それを一欠片の罪悪感も持たずにぬぽぬぽと受け入れるおまんこ。

 二つの性器の向かうべき方向性が一致したことで、果てが近づいてきた。

「ひああああああああ!!! 彼氏おちんぽ最高なのおおおおおおおおおお!!! しゅきしゅきしゅきいいいいいいいいいいいいいい!!!! これ大しゅきすぎるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 愛してるのおおおおおおおおおおおお!!!」

 異世界の原っぱのど真ん中で愛を叫ぶ女。

 その美しい姿に、おっさんもつい射精せずにはいられなかった。

 どっびゅるうううううううううう!!!

「い——イくううううううううううううう!!!!!! イくイくイくイくイくうううううううううううう!!! イっちゃったあああああああああああああっっっ!!! あっあっあ——!!! あっ、赤ちゃんの部屋いっぱいにされて——イっちゃったああああああああああああああっっっ!!! あああああああああああああああっっっ!!! 子宮よろこんでるよおおおおおおおおおおおおっっっ!!!」

 おっさんのおちんぽを心の底の底にまで深々と突き込まれた魔法使いは、精液で満たされた子宮からのイキ声を発した。

 その声はこの異世界の広い原っぱを、どこまでもどこまでも風よりも疾く駆け抜けてイったのだった……。
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