異世界の淫紋ダンジョン前の宿屋で働くおっさんの話

たこわさふりかけ

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女騎士の驚愕

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「それでは、こちらへどうぞ」

 通されたのは、普通のヤリ部屋である。

 ベッドが一つ、隅にトイレとシャワールーム。

 それだけ。

 他のものはない。

 清々しいほどにヤることに特化した部屋である。

「お客さん、淫紋レベルはいくつですか?」

「1だ」

「1というと……」

「中出し10回だ」

「ははは。ですよね。存じ上げておりますとも。ははは」

 何がおかしいのか、おっさんは笑った。

 この気の抜けた様子には女騎士も眉を顰めずにはいられなかった。

(この男……本当にさっきの激しい喘ぎ声を女に出させていた者なのか?)

 見た感じは、おっさんである。

 普通のおっさんである。

 むしろ運動不足気味のおっさんである。

 雰囲気も普通だ。

 精力の強い男というのは妙に自信に満ちていたり、どこかギラついたところがあるものだが……そういう空気は感じない。

 ただ、ここに来る前に通った隣の部屋には、イキ果てて泥のようにぐったりとベッドに倒れ伏している女がいたのは事実だ。

 その部屋からは、オスとメスとが交わった後特有の強烈な性行の匂いがした。

 汗と精液と愛液とが入り混じった、一度嗅げば忘れられないような匂い。

 一体どれ程の精力があればあれだけ女をイキ疲れさせることが出来るのか……それに、あれだけの性行為をやった後なのに、この男は息一つ乱していないのも気に掛かる……。

 余裕がある……ように見える。

 だから、なのか。女騎士の鋭い戦術眼を持ってしても実力が見抜けない……。

(……面白い。お手並み拝見といくか)

 内心で小さく笑って、女騎士はテキパキと鎧を外し、下着を脱ぎ、全裸になり、ベッドに身を投げて股を開いた。

「さあ、ヤるぞ」

 引き締まった肉体。豊満な胸。臍の下に浮かび上がるハートを模した呪術的淫紋。その中には「10」という数字。射精一回につきこれが一つ減っていく。そしてこの淫紋の効果により、中出し十発を子宮で受けるまでは発情した状態が続く。

 分泌された愛液でぬらぬらと輝いているおまんこは、既に準備万端の様相を呈している。淫紋の力によって受精することはないので、心置きなく性を貪り快楽の虜になれる——が、それも相手によりけりだ。並みの男では十発も出すのは難しい。

 故に普通の店では精力増強回復薬を飲んで無理矢理連続セックスするか、途中で元気な男と交代するか、どちらかの方法が取られる。

 休憩を挟むと欲求不満になった女がキレ散らかすので、休むことは出来ない。男はとにかく女の中に出し続けるしかない。それでビジネスライクな出し入れするだけの淡白なセックスになってしまうこともままあり、そういうことをするところは総じて低評価の烙印を押されてしまい、店は瞬く間に潰れてしまう。

 淫紋ダンジョンの近くで働けば女とヤリまくれると淡い夢を抱いてこの街に来た男たちの一体何人が現実に打ちのめされて故郷に帰っただろうか……。

 女を満足させられずにセックスを終えるしかなかった寂しげな彼らの後ろ姿を思い出すと……女騎士は興奮してきた。

 発情している女一人を満足させられないで何が男か。男たるもの、女の為なら二十発でも三十発でも出して然るべきなのである。

「来い! お前の力で、私を満足させてみろ!」

 淫紋ダンジョン帰りで、発情の極みにある女騎士は声高に叫び、自らのあそこを指でぐばぁと左右に開いて見せた。

 対しておっさんは、静かに告げた。

「わかりました。ではまずフェラからお願いします」

「な——なんだと!?」

 あそこを広げたまま、女騎士は驚愕の声を上げたのだった。
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