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第百二十六話 他に目を向けられない
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『魔物の氾濫』を起こさない為の増えた魔物達への狩りが行われた後、俺達はそれぞれ休息をとっていた。
ディーレは『貧民街』に行って知り合いのところに顔を出すそうだ。前々からどこの国でも教会よりは格安での治療を『貧民街』で彼はこっそり行っている、ミゼはいつもどおりにその護衛としてついていった。ディーレにとっては誰かを助けることが休息のようだ、ミゼの奴がついていってさりげなく本当に休むように言っている。
俺は好きな本を持ち出して魔の森で木々から生気を分けて貰って食事をしながら、読書を楽しんでいる。ファンも一緒についてきているが、デビルラビットなどをドラゴンの姿で狩っている真っ最中だ、いろんな獲物を食べて遊んでいた。
俺から少し離れたところにも行ってしまうが、『広範囲探知』で調べた限り、ファンの敵になりそうな魔物はいないので自由にさせていた。
「ひどいなぁ、せっかくのお休みなら私に会いに来てくれればいいのに」
「フェリシア!?……あっそうか、俺はもうお前に会いに行けるくらいの力があるんだった」
俺の言葉にフェリシアは眉をひそめた、樹上に座っている俺を上から見下ろし頭を優しく触られた。
「レクス、力と記憶を封印してしまったんだ」
「お前と会うと思いだすようにしている、それで特に問題はないだろう」
「…………まだレクスには私たちの力は早過ぎたんだね」
「そのようだ、その力はしばらく封印だ」
「分かった、私は待つよ」
「フェリシア、俺は……そもそも本当に祝福されし者になれるのか?」
フェリシアは考え込んで黙ってしまった、確かに俺は無理をすれば祝福されし者の力が使える。だが、それは諸刃の剣だ。大きな力を得る代わりに、俺の体は耐えられなくて壊れてしまいかねない。フェリシアはしばらく考えていたが、無理矢理それを打ち切るように首を振った。
「なれる!!きっとレクスは私みたいになれるよ!!」
「フェリシア!?」
女性化しているフェリシアが座っている俺の体の上に乗ってきた、いきなりそんなことをされたことに驚いて心が落ち着かない、なんなのだろう何故だかものすごく恥ずかしい。
「レクスは意外と照れ屋さんだね」
「悪いか、生まれてからこんなに異性と親しくなったことはないんだ」
「それは良いことだよ、これからも私以外と仲良くなってはダメだよ」
「好きな奴がいて、他に目を向けるような暇はない」
恐る恐るフェリシアの柔らかい体を抱きしめてみる、最初に会った時は中性体だった。あの時から変なやつだが、綺麗な奴だと思っていた。今、女性の姿をしていると、尚更綺麗だと思って鼓動が早くなる。
「レクスの心音が早くなってる、私に会えて嬉しいのかな」
「嬉しいさ、好きな奴に会って嬉しくないわけがない」
「うん、私も嬉しい。レクスの傍は心地いい、やっぱり私と同じものだ」
「俺も心地がいい。……だが、そろそろ迎えが来たようだぞ」
空間が歪む、その気配が感じ取れた。祝福されし者ほどではないが、俺の魔力も上がっている、敵の殺気を探知する力も同様だ。
「……陛下、お迎えにあがりました」
俺とフェリシアがいる樹上のすぐそばの枝にキリルという女ヴァンパイアが立っていた、残念ながらフェリシアとの甘くて楽しい時間ももう終わりのようだ。
「あーあ、また退屈な王城生活だ。早くレクスがこっちに来ればいいのに」
「時間はあるんだ、……ゆっくり待っていてくれ」
分かったと言ったフェリシアが俺に口づけして、その次の瞬間にはもう俺以外に誰もいなかった。あの女ヴァンパイア、キリルを見てももう怖くなかったな。
ああ、記憶の封印が施されていく。フェリシアと会った記憶は残るが、力の方は封印されてしまった。
「あのキリルとみて大したことがないだど、俺は馬鹿か!?フェリシアのところに行くまでにもっと強くならなくちゃいけないな」
自分の思考に違和感を覚えつつそう考える、そうと決まったらファンを交えて少し狩りでもしてこようか。
俺は本を『無限空間収納』にしまって、ファンの気配を追いかけた。ファンはデビルラビットをボリボリと食べていた。
「ファン、もっと食べがいのある大物を狙わないか」
『うん、もっと大きな獲物が食べたい!!』
俺はさっき広範囲探知で探し出していた獲物のところへ走っていく、ファンもドラゴンの形態のままでついてきた。
俺達が見つけたのはデビルベアだ、俺よりも大きくまるまると太った良い獲物だ。その獲物の心臓を狙って、俺は高めに魔力をこめて魔法を行使した。
「いくぞ、『魔法矢!!』」
『わーい、ご飯、ご飯』
俺の放った一撃は見事にデビルベアの心臓を貫いていた、完全に死んだことを確認するとファンが喜んでその獲物に齧りついた。食べながら魔石を取り出してくれるのでそれを『無限空間収納』に入れておく。
「そういえばファンは幾つになったら、大人として認められる?」
『うーんとね、発情期が来たらもう立派な大人だから、一人で生きていっていいの』
「は、発情期!?……それは何年くらいでくるものなんだ?」
『個体差が大きいんだって、その時の仲間の数にもよるんだよ』
「お前達は仲間の数を把握しているのか?」
『うん、何となくわかるんだよ。そして、増え過ぎたり減り過ぎたりしないように調節しているんだ』
「人間よりもずっと賢いな、人にもそんなことができればな」
『うーん、人間は個としての主張が強いから難しいね。自分のことだけで、人間という群れだという自覚がない』
確かに人間は個性を主張する種族だ、名前を遺すことにこだわる。歴史で学ぶ馬鹿な王には愚行だと分かっていながら、それでも何かを残したくて戦争や大きな建造物を作る者がいる。
ドラゴンは人間よりずっと種族を大事にする生き物のようだ、個としての主張もあるが全体が群れとして機能しているように感じる。
「ぷはぁー、美味しかった。とりあえず、お腹いっぱい」
「ああもう、血まみれだぞ。『水』『乾燥』」
デビルベアを食べ終えてファンは人間体に変身した、俺は血まみれになっている彼女の体を水で洗って乾かした。ファンは無邪気な顔でいきなり、不躾なことを俺に聞いてきた。
「レクスはいつ発情期を迎えるの?何歳くらいでそうなるの?」
「人間にはそもそも発情期がない、一年中交配が可能だ」
「祝福されし者はどうなんだろう」
「さぁ、今まで聞いた感じではお前達に近いように思えたが」
フェリシアは他の男とくっついたとする、それは俺にとって凄く嬉しくない。ああ、やはり俺はあの寂しそうなあいつが、フェリシアが好きなのだと思う。
その理由を言えと言われればいろいろあるが、あいつといるのは誰よりも自然で心地が良い。時々、驚くようなことをする態度も含めて、フェリシアのことが気になって仕方がない。
「ふっ、ふっ、ふっ、ファンは見てたもんね、さっきレクスってフェリシアさんと会ってたでしょ。ねぇ、好きなの?大好きなの?」
「……他人の逢瀬を覗くのはいい趣味とは言えないぞ。はい、はい、好きですよ。大好きですよ」
「むうぅ、レクスったら真面目に答えてない!!」
「俺はいたって真剣に答えているぞ」
あの寂しそうな俺と同じ奴の傍にいてやりたい、他の女では駄目だ。俺があいつの傍に居てやりたいと思う。何故なら俺もあいつも一人ぼっちだからだ、世界でたった一人だけの種族同士なのだ。
「レクス、もっと真剣に答えてよー!!」
「俺はいつだって真剣に考えて答えている」
ファンにポコポコと背中を叩かれながら、俺は真剣に考えていると返事をする。そうだ、俺はいつだって真剣だ。
ファンが大きくなって独り立ちして、ディーレの冒険者としての寿命がきたら、俺はフェリシアの元へ行ってもいいと思っている。
ミゼは俺の従魔だからな、もちろん強制参加だ。いやその時がきたら、ミゼの好きにしたらいい。そんなことを思いながら俺の休日はゆっくりと過ぎていった。
ディーレは『貧民街』に行って知り合いのところに顔を出すそうだ。前々からどこの国でも教会よりは格安での治療を『貧民街』で彼はこっそり行っている、ミゼはいつもどおりにその護衛としてついていった。ディーレにとっては誰かを助けることが休息のようだ、ミゼの奴がついていってさりげなく本当に休むように言っている。
俺は好きな本を持ち出して魔の森で木々から生気を分けて貰って食事をしながら、読書を楽しんでいる。ファンも一緒についてきているが、デビルラビットなどをドラゴンの姿で狩っている真っ最中だ、いろんな獲物を食べて遊んでいた。
俺から少し離れたところにも行ってしまうが、『広範囲探知』で調べた限り、ファンの敵になりそうな魔物はいないので自由にさせていた。
「ひどいなぁ、せっかくのお休みなら私に会いに来てくれればいいのに」
「フェリシア!?……あっそうか、俺はもうお前に会いに行けるくらいの力があるんだった」
俺の言葉にフェリシアは眉をひそめた、樹上に座っている俺を上から見下ろし頭を優しく触られた。
「レクス、力と記憶を封印してしまったんだ」
「お前と会うと思いだすようにしている、それで特に問題はないだろう」
「…………まだレクスには私たちの力は早過ぎたんだね」
「そのようだ、その力はしばらく封印だ」
「分かった、私は待つよ」
「フェリシア、俺は……そもそも本当に祝福されし者になれるのか?」
フェリシアは考え込んで黙ってしまった、確かに俺は無理をすれば祝福されし者の力が使える。だが、それは諸刃の剣だ。大きな力を得る代わりに、俺の体は耐えられなくて壊れてしまいかねない。フェリシアはしばらく考えていたが、無理矢理それを打ち切るように首を振った。
「なれる!!きっとレクスは私みたいになれるよ!!」
「フェリシア!?」
女性化しているフェリシアが座っている俺の体の上に乗ってきた、いきなりそんなことをされたことに驚いて心が落ち着かない、なんなのだろう何故だかものすごく恥ずかしい。
「レクスは意外と照れ屋さんだね」
「悪いか、生まれてからこんなに異性と親しくなったことはないんだ」
「それは良いことだよ、これからも私以外と仲良くなってはダメだよ」
「好きな奴がいて、他に目を向けるような暇はない」
恐る恐るフェリシアの柔らかい体を抱きしめてみる、最初に会った時は中性体だった。あの時から変なやつだが、綺麗な奴だと思っていた。今、女性の姿をしていると、尚更綺麗だと思って鼓動が早くなる。
「レクスの心音が早くなってる、私に会えて嬉しいのかな」
「嬉しいさ、好きな奴に会って嬉しくないわけがない」
「うん、私も嬉しい。レクスの傍は心地いい、やっぱり私と同じものだ」
「俺も心地がいい。……だが、そろそろ迎えが来たようだぞ」
空間が歪む、その気配が感じ取れた。祝福されし者ほどではないが、俺の魔力も上がっている、敵の殺気を探知する力も同様だ。
「……陛下、お迎えにあがりました」
俺とフェリシアがいる樹上のすぐそばの枝にキリルという女ヴァンパイアが立っていた、残念ながらフェリシアとの甘くて楽しい時間ももう終わりのようだ。
「あーあ、また退屈な王城生活だ。早くレクスがこっちに来ればいいのに」
「時間はあるんだ、……ゆっくり待っていてくれ」
分かったと言ったフェリシアが俺に口づけして、その次の瞬間にはもう俺以外に誰もいなかった。あの女ヴァンパイア、キリルを見てももう怖くなかったな。
ああ、記憶の封印が施されていく。フェリシアと会った記憶は残るが、力の方は封印されてしまった。
「あのキリルとみて大したことがないだど、俺は馬鹿か!?フェリシアのところに行くまでにもっと強くならなくちゃいけないな」
自分の思考に違和感を覚えつつそう考える、そうと決まったらファンを交えて少し狩りでもしてこようか。
俺は本を『無限空間収納』にしまって、ファンの気配を追いかけた。ファンはデビルラビットをボリボリと食べていた。
「ファン、もっと食べがいのある大物を狙わないか」
『うん、もっと大きな獲物が食べたい!!』
俺はさっき広範囲探知で探し出していた獲物のところへ走っていく、ファンもドラゴンの形態のままでついてきた。
俺達が見つけたのはデビルベアだ、俺よりも大きくまるまると太った良い獲物だ。その獲物の心臓を狙って、俺は高めに魔力をこめて魔法を行使した。
「いくぞ、『魔法矢!!』」
『わーい、ご飯、ご飯』
俺の放った一撃は見事にデビルベアの心臓を貫いていた、完全に死んだことを確認するとファンが喜んでその獲物に齧りついた。食べながら魔石を取り出してくれるのでそれを『無限空間収納』に入れておく。
「そういえばファンは幾つになったら、大人として認められる?」
『うーんとね、発情期が来たらもう立派な大人だから、一人で生きていっていいの』
「は、発情期!?……それは何年くらいでくるものなんだ?」
『個体差が大きいんだって、その時の仲間の数にもよるんだよ』
「お前達は仲間の数を把握しているのか?」
『うん、何となくわかるんだよ。そして、増え過ぎたり減り過ぎたりしないように調節しているんだ』
「人間よりもずっと賢いな、人にもそんなことができればな」
『うーん、人間は個としての主張が強いから難しいね。自分のことだけで、人間という群れだという自覚がない』
確かに人間は個性を主張する種族だ、名前を遺すことにこだわる。歴史で学ぶ馬鹿な王には愚行だと分かっていながら、それでも何かを残したくて戦争や大きな建造物を作る者がいる。
ドラゴンは人間よりずっと種族を大事にする生き物のようだ、個としての主張もあるが全体が群れとして機能しているように感じる。
「ぷはぁー、美味しかった。とりあえず、お腹いっぱい」
「ああもう、血まみれだぞ。『水』『乾燥』」
デビルベアを食べ終えてファンは人間体に変身した、俺は血まみれになっている彼女の体を水で洗って乾かした。ファンは無邪気な顔でいきなり、不躾なことを俺に聞いてきた。
「レクスはいつ発情期を迎えるの?何歳くらいでそうなるの?」
「人間にはそもそも発情期がない、一年中交配が可能だ」
「祝福されし者はどうなんだろう」
「さぁ、今まで聞いた感じではお前達に近いように思えたが」
フェリシアは他の男とくっついたとする、それは俺にとって凄く嬉しくない。ああ、やはり俺はあの寂しそうなあいつが、フェリシアが好きなのだと思う。
その理由を言えと言われればいろいろあるが、あいつといるのは誰よりも自然で心地が良い。時々、驚くようなことをする態度も含めて、フェリシアのことが気になって仕方がない。
「ふっ、ふっ、ふっ、ファンは見てたもんね、さっきレクスってフェリシアさんと会ってたでしょ。ねぇ、好きなの?大好きなの?」
「……他人の逢瀬を覗くのはいい趣味とは言えないぞ。はい、はい、好きですよ。大好きですよ」
「むうぅ、レクスったら真面目に答えてない!!」
「俺はいたって真剣に答えているぞ」
あの寂しそうな俺と同じ奴の傍にいてやりたい、他の女では駄目だ。俺があいつの傍に居てやりたいと思う。何故なら俺もあいつも一人ぼっちだからだ、世界でたった一人だけの種族同士なのだ。
「レクス、もっと真剣に答えてよー!!」
「俺はいつだって真剣に考えて答えている」
ファンにポコポコと背中を叩かれながら、俺は真剣に考えていると返事をする。そうだ、俺はいつだって真剣だ。
ファンが大きくなって独り立ちして、ディーレの冒険者としての寿命がきたら、俺はフェリシアの元へ行ってもいいと思っている。
ミゼは俺の従魔だからな、もちろん強制参加だ。いやその時がきたら、ミゼの好きにしたらいい。そんなことを思いながら俺の休日はゆっくりと過ぎていった。
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