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03よく考えたら犯罪、そんな気がしてならない

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「そろそろこの街を出る時かもしれないな」

 サシュがまだ俺の腕の中でスヤスヤ眠っているまだ夜が明けていないうちに、俺はふと目覚めてそしてこの街から出て行こうかと考えていた。そもそもこの街にいたのは俺が異世界にふっとばされてきた森の近くだったからだ、でもその森からは日本に戻るための情報は何も得られなかった。そう俺は日本に帰りたいのだ、だったらもっと場所を変えて広く情報を集める必要がありそうだった。

「サシュ、この街を出たいと思っているがお前はどう思う?」
「奴隷にご主人様のしたいことを邪魔したりできません、カイト」

「俺はサシュに聞いてるんだ、俺は奴隷の意見も聞く主人だ」
「そうですか、次に行く街をよく調べてから行ってみると良いです」

「そうだな、どの街が良いかな? 情報を集めてみるか」
「カイトの腕なら、大体どこの街でも暮らしていけますよ」

 こうして俺たちはこの街を出て行くことにした、その為に周辺の街の情報を集めたが、”異世界に帰れる街へようこそ”なんて宣伝してるわけもないから悩んだ。そうして悩んだすえに近くにあるトレンデという街に行くことにした、交易が盛んな街で情報交換が容易いと聞いたからだ。そして今まで住んでいたこのアントレの街を出ることにした、サシュはそう聞かされてこくこくと頷いていた。

「半月くらいかかる街らしい、トレンデの街に行く商隊に雇ってもらえるといいんだが」
「カイトの腕なら誰でも雇います、だって”旋風”です」

「サシュ止めろ、その二つ名このアントレの街でだけ通用するんだ。他の街に行って使ったら、笑いものになるぞ」
「そんなことは無いと思います、冒険者ギルドでトレンデから来た冒険者も”旋風”を探してました」

「うっそっ――!! ”旋風”って中二病全開の名前、他の街にも広まってるのかよ!?」
「冒険者で二つ名がつくって凄いことらしいですよ」

 俺は自分についている”旋風”という二つ名をこの街だけのものだと思っていた、でもサシュの話によると冒険者ギルドを通じてあちこちに伝わっているらしかった。俺は恥ずかしさで死ねると思った、サシュは凄いことなんですよと可愛く首をかしげていた。俺はしばらくそのダメージでベッドにうずくまっていたが、いつまでもそうしてはいられないので行動にすることにした。冒険者ギルドの受付嬢のお姉さんに聞いてみたのだ。

「トレンデへの護衛依頼って受けられるか?」
「はい、カイトさん。ちょうど一件入ってます、貴方なら受けられますよ」

「一応、銀の冒険者だからか」
「そうですね、それに”旋風”に守って貰えるなら心強いです」

「お姉さん、止めて。その二つ名で俺を呼ばないで、多少護衛賃が安くなっても依頼先にも隠しておいて」
「”旋風”の名前をだしたほうが貰える賃金が高いですが、そうですかいいんですね」

 こうして俺とサシュは俺はトレンデの街に行く商隊の護衛に、サシュは俺の持ち物というわけで商隊に入れて貰えることになった。

「さて引っ越しだが、俺たちそんなに荷物を持ってないからなぁ」
「その方が身が軽くていいですよ、カイト」

 俺は二年もいたのに持っていたのは着替えと剣くらいのものだった、サシュに至っては着替えだけだ。ここに本格的に住むつもりじゃなかったから、俺には無意識に物を持つ習慣が無かった。

「商隊の隊長のファテンだ、坊主。…………坊主の年で生意気に性奴隷持ちかよ」
「いいだろ、たまるもんはたまるんだよ」

「まぁ、確かになぁ。商隊の移動中はなるべく静かにヤッてくれ」
「いや仕事中にしねぇし!!」

「へぇ、仕事には真面目なんだな。それなら助かる、よろしくな」
「こちらこそよろしく頼む」

 こうして俺たちはアントレの街を出て、トレンデの街へと旅立った。俺もサシュも普通の冒険者の姿で、違いは剣を持っているかと奴隷の首輪をしているかだけだった。まだ十歳のサシュは一生懸命歩いて商隊についてきた、俺はサシュの分の荷物も持ってやった。馬が引く商隊の荷馬車はわりと早いスピードで進むので、サシュにとってはついてくるだけでやっとだった。

「カイト、はぁ、荷物も持てなくて、はぁ、申し訳ないです」
「そんなこと気にするな、それより休憩の時はよく休んでおけよ」

 そして商隊の邪魔をする奴らが現れた、盗賊が十四、五人といったところだった。俺は少し心配だった、今までモンスターは沢山斬り殺してきたが、俺は人間を殺したことがなくて心配だった。

「カイト、きゃあ!?」
「サシュ!!」

 でも盗賊たちがサシュに目をつけて襲ってきたら、俺は頭がカッとなって容易く盗賊を三人ほど斬り殺していた。その後も他の護衛と一緒になって片付けた。俺は人を殺して罪悪感が生まれるかと思ったが、俺のサシュを狙うような奴は死んで当然だと思った。強い者が生き残る厳しい世界なのだ、俺が優しくできるのはサシュだけで精一杯だった。

「カイト、怪我はしませんでしたか? 僕は助かりました、ありがとうございます」
「大して強く無かったからな、怪我はせずにすんだよ。サシュ」

 そうやって商隊の荷馬車は進んでいった、俺は盗賊を数人殺したことで一目置かれるようになっていた。一方でサシュは商隊の女性陣から可愛がられていた、サシュはまだ幼い子どもだったからだ。ちなみに俺はサシュに手をださなかったが、中には性奴隷を連れていて夜はお盛んな奴も奴もいて、俺は眠る当番の時にはサシュの耳を塞いで睡眠をとった。

「カイト、僕は何もしなくていいのですか?」
「昼間、歩くだけで精一杯だろ。お前の仕事は俺の腕の中でさっさと寝ることだ」

「………………僕はカイトがご主人様で良かったです」
「そうか? それならこっちに来てさっさと寝ろ」

 サシュは昼間は馬車と同じくらいの速さで動くだけで精一杯、とても俺の夜の相手なんてさせられなかった。でも俺はサシュからそういうことを言いだすことはいいことだと思った、俺からだと何となく言い辛いからだった。俺はこれはトレンデの街に着いたら、とうとうサシュを性奴隷として使うことができるかと思った。

「でも十歳って日本では犯罪じゃねぇか?」

 俺は日本で言ったら小学生くらいの男の子に手を出そうとしているのだ、それってどう考えても俺は小さい男の子が好きな変態だった。違う俺は変態じゃない、こっちの世界では合法なんだ。そう考えてもなんだか悪いこと、凄く悪いことをするような気になってきた。

「皆、ご苦労様。トレンデの街だ」

 俺が色々と悩んでいる間に盗賊の襲撃がもう一度遭ったが、無事に商隊を守れてようやく目的のトレンデの街に着いた。俺とサシュは護衛賃を貰って礼を言って商隊と別れ、新しく拠点にする宿屋を探した。荷物を部屋に置いて湯を使って体を綺麗にすると、俺はサシュからこんなことを聞かれた。

「カイト、サシュのこと使いますか?」
「うっ、それはだな。ちょっと今は考え中だ!!」

「考え中、それではサシュは遠慮しておくのです」
「ああ、疲れただろ。一緒に寝ようぜ」

 こうして俺は今日もサシュに手が出せないのだった、日本の法律をすっかり忘れるような時が流れたら、俺もサシュといろいろ性的なことができるだろうかと思った。サシュはのんきにスピスピと先に寝てしまっていた、その姿は幼くてとても可愛いかったが、俺が性的に興奮するかと思うと別だった。

「どうみても、小学生だな。まぁ、いいか。そのうちどうにかなるだろ」
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