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4-4フェイクドラゴンと戦ってみる
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「全然あたしに覚えが無いの? 本当に? 全く覚えていないの?」
「昨日の夜に一緒に酒を飲んだ記憶しかない!! それ以外では指一本お前には触れていない!!」
ジーニャスの拒絶の言葉にマーニャという女性は一瞬だけ顔を歪ませた、でも次の瞬間には平然とした顔をしてジーニャスに向かってこう言いだした。
「まぁ、いいわ。またそのうち会うでしょう、それじゃね」
そう言ってマーニャという女性はジーニャスに投げキスをしていた、ジーニャスはうんざりとした様子で目が覚めた護衛たちと帰っていった。マーニャはその跡を追っていったりはしなかった、でも朝だというのに酒場でまた強い酒を飲みだした。僕とソアンは関わらない方が良いと判断して、何も声はかけずに朝食をいつもの席で食べて出かけることにした。
「変ですね、マーニャさんってとっても普段は良い冒険者なんです」
「そうなのかい、でも彼女のジーニャスに対する態度は酷い」
「だから変なんです、普段はサバサバした性格で、後輩の面倒をみたりする良い人なんです」
「ジーニャスに一目惚れでもしたのか、それとも貴族に何か恨みでもあるのかな」
「どちらかというと後者でしょうか、マーニャさん貴族は大嫌いなんです」
「ジーニャスには護衛が2人もいたしね、彼がどこかの貴族だっていうのはバレたね」
「まぁ、ジーニャスさんもそんなに街に来ることはありません。私の心配し過ぎかもしれないです」
「ジーニャスは政務で忙しいから、こんな機会はそうそうないだろう」
僕とソアンはそう話し合ってジーニャスとマーニャの件を軽く考えていた、後々それが甘い考えであったとよく分かることになった。とにかく今は僕は初級魔法が使えるようになって嬉しかった、それにミーティアの結婚が重なって更に嬉しい気分だった。だから冒険者ギルドの掲示板を見ても、あまり勤労意欲がわかなかった。ただ、一つ珍しくて気になる依頼があった。
「ドラゴン退治!? えっ、嘘だよね? ドラゴンってそんなに簡単に出会えないものだけど」
「リタ様でも会ったことはありませんか?」
「あるにはあるんだ、ソアン。長についていって友達のドラゴンを一人、紹介されたことはあるよ」
「ドラゴンってどういう感じなんです? こうなんか神秘的な感じですか?」
「長が紹介してくれたドラゴンは酒好きで、更に面白いことが大好きで村で遊びまわっていたよ」
「うぅ、ドラゴンのイメージが崩れる。神秘的、神話、伝説、それがああ……」
その依頼をよく見てみると街道をドラゴンが塞いでいるから退治して欲しい、報酬は金貨20枚と高額ではあったがドラゴンと戦うには不十分だった。普通の人間なら一年は遊んで暮らせる金額だが、ドラゴンはとにかく強いのだ。空を飛ぶから自分も飛べなければ勝負にならない、それに言葉も話せるから魔法を使ってくることも多かった。
僕はそのドラゴンが街道を塞いでいるということに疑問を持った、ドラゴンが好むのは誰も来ない深い森などの洞窟や、もしくは人間体に変化していたら高級な宿屋などにいたりした。人間がひっきりなしにくるような街道などは好まない、というかそんな場所に居続ける意味がないのだ。ドラゴンの知能は人間よりも高く、もっと柔軟な考えの持ち主が多かった。
「多分、フェイクドラゴンじゃないかな」
「リタ様、フェイクドラゴンとは?」
「翼があって魔法を口から吐くから、ドラゴンによく間違えられる生き物だよ」
「へぇ、私は見たことがありません」
「僕も本で読んだだけで見たことはない、戦闘としては空を飛ぶから厄介な存在ではある」
「どうしますか、この依頼は引き受けますか?」
ソアンのからの問いに僕はしばらく考えて、冒険者ギルドの職員に質問をした。ドラゴン退治とあるがフェイクドラゴンでも退治したことになるのか、その場合の報酬はどうなるのかという話だ。冒険者ギルドの職員はとにかく街道を通れるようにしたいので、もし本物のドラゴンでなくフェイクドラゴンでも報酬は出ると答えた。それなら、楽して稼ぐ良い機会だった。
「ソアン、この依頼を引き受けよう」
「はい、リタ様。クレーネ草の薬は使われますか?」
「本物でも偽物でも空を飛ぶ相手だからね、最初の攻撃で仕留められなかったらそうしよう」
「できるだけ空を飛ぶ前に仕留めましょう!!」
「そのほうが安全だ、ソアン。僕が君を魔法で強化して、君が仕留めてくれるかい」
「任せてください、リタ様。きっと一撃で仕留めてみせます!!」
こうして僕たちは街道を塞いでいるドラゴンを退治しにいった、もしも本物のドラゴンならここにいる理由を聞いて穏便に対処すればいいだけだ。フェイクドラゴンだった時の方が厄介だった、話は通じないのにドラゴンとまではいかないが、フェイクドラゴンもそれなりに強い魔物だからだ。十分に用意をして僕たちは出かけていった、だが着いた時には既にもう遅かった。
「これはっ、ソアン。気をつけて、酷い血の海だ」
「この人たちは商隊の護衛さんでしょうか、あそこに馬車が転がっています」
街道ではドラゴンらしき魔物が道を塞いで眠っていた、そうしてその周りは血の海だった。荷馬車が破壊されて転がっており、人間の遺体らしきものが散らばっていた。僕とソアンは少し驚いたが、デビルベアの時ほど酷くはなかった。あの時はもっと多くの遺体があったし、本当に地面が血の海のようだった。
それに比べれば今回はまだマシだった、そしてよくドラゴンらしきものを観察した。僕がみるにフェイクドラゴンだった、姿形はドラゴンによく似ているが違うものだ。だから僕は最初の作戦どおりにいけるかソアンに訊ねた。ソアンはスッと大剣を取り出して構えた。戦いたいというソアンの意志を尊重して、最初の作戦どおりに僕は魔法を使うことにした。
「それじゃ、『怪力』それに『駿足』」
「はい、更に『筋力強化』、『速力強化』」
僕が初級魔法でソアンを強化した、ソアンも中級魔法を使って自分自身を強化した。ソアンの速さと力はかなり強化された、そうして彼女はいきなり眠っているドラゴンに向かっていった、まるで風のような速さでフェイクドラゴンに近づいていった、そうしてフェイクドラゴンが気がついて動き出す前に、その首に大剣を振り下ろしたのだ。
だがその一瞬早くフェイクドラゴンが目を覚まして動いていた、ソアンの攻撃は翼の片翼を切り落としていた。初撃は思ったところに当たらなかったが十分だった、これでフェイクドラゴンは飛べなくなった、あとはソアンが攻撃を繰り返すだけですんだ。フェイクドラゴンは火などを吐いたが、ソアンはそれをなんなく躱して、今度こそその首を斬り落としてしまった。
「お疲れ様、ソアン」
「はい、リタ様」
「フェイクドラゴンだったけど、落ち着いていて良い戦いだったよ」
「リタ様の魔法が効いていたので、何も怖くありませんでした」
「生存者は残念ながらいないようだ、討伐証明の両牙を貰っていこうか」
「はい、リタ様。ちょっとフェイクドラゴンに、口を開けてもらってっと……」
その日僕たちはフェイクドラゴンを倒して、街道を開けたと冒険者ギルドに報告した。冒険者ギルドの職員も確かめに行って、すぐに報酬の金貨20枚を貰うことができた。また僕たちはアクセサリ屋に行って、動きやすくて適度に重いアクセサリを身につけることになった。フェイクドラゴンも珍しい存在だ、だからこれで話は終わったと思っていた。
でもその翌日、僕たちが冒険者ギルドの掲示板を見ると、また『ドラゴン退治』と書かれた紙が貼ってあった。僕たちは意味が分からずに冒険者ギルドの職員に聞くと、今度は別の街道にドラゴンが現れたのだという話だった。さすがに続けてドラゴン退治に行く気になれず、今回は他の冒険者に任せようと二人で話し合った。
「もし本物のドラゴンなら、敬意をもって相手をしないと大変なんだけど……」
「昨日の夜に一緒に酒を飲んだ記憶しかない!! それ以外では指一本お前には触れていない!!」
ジーニャスの拒絶の言葉にマーニャという女性は一瞬だけ顔を歪ませた、でも次の瞬間には平然とした顔をしてジーニャスに向かってこう言いだした。
「まぁ、いいわ。またそのうち会うでしょう、それじゃね」
そう言ってマーニャという女性はジーニャスに投げキスをしていた、ジーニャスはうんざりとした様子で目が覚めた護衛たちと帰っていった。マーニャはその跡を追っていったりはしなかった、でも朝だというのに酒場でまた強い酒を飲みだした。僕とソアンは関わらない方が良いと判断して、何も声はかけずに朝食をいつもの席で食べて出かけることにした。
「変ですね、マーニャさんってとっても普段は良い冒険者なんです」
「そうなのかい、でも彼女のジーニャスに対する態度は酷い」
「だから変なんです、普段はサバサバした性格で、後輩の面倒をみたりする良い人なんです」
「ジーニャスに一目惚れでもしたのか、それとも貴族に何か恨みでもあるのかな」
「どちらかというと後者でしょうか、マーニャさん貴族は大嫌いなんです」
「ジーニャスには護衛が2人もいたしね、彼がどこかの貴族だっていうのはバレたね」
「まぁ、ジーニャスさんもそんなに街に来ることはありません。私の心配し過ぎかもしれないです」
「ジーニャスは政務で忙しいから、こんな機会はそうそうないだろう」
僕とソアンはそう話し合ってジーニャスとマーニャの件を軽く考えていた、後々それが甘い考えであったとよく分かることになった。とにかく今は僕は初級魔法が使えるようになって嬉しかった、それにミーティアの結婚が重なって更に嬉しい気分だった。だから冒険者ギルドの掲示板を見ても、あまり勤労意欲がわかなかった。ただ、一つ珍しくて気になる依頼があった。
「ドラゴン退治!? えっ、嘘だよね? ドラゴンってそんなに簡単に出会えないものだけど」
「リタ様でも会ったことはありませんか?」
「あるにはあるんだ、ソアン。長についていって友達のドラゴンを一人、紹介されたことはあるよ」
「ドラゴンってどういう感じなんです? こうなんか神秘的な感じですか?」
「長が紹介してくれたドラゴンは酒好きで、更に面白いことが大好きで村で遊びまわっていたよ」
「うぅ、ドラゴンのイメージが崩れる。神秘的、神話、伝説、それがああ……」
その依頼をよく見てみると街道をドラゴンが塞いでいるから退治して欲しい、報酬は金貨20枚と高額ではあったがドラゴンと戦うには不十分だった。普通の人間なら一年は遊んで暮らせる金額だが、ドラゴンはとにかく強いのだ。空を飛ぶから自分も飛べなければ勝負にならない、それに言葉も話せるから魔法を使ってくることも多かった。
僕はそのドラゴンが街道を塞いでいるということに疑問を持った、ドラゴンが好むのは誰も来ない深い森などの洞窟や、もしくは人間体に変化していたら高級な宿屋などにいたりした。人間がひっきりなしにくるような街道などは好まない、というかそんな場所に居続ける意味がないのだ。ドラゴンの知能は人間よりも高く、もっと柔軟な考えの持ち主が多かった。
「多分、フェイクドラゴンじゃないかな」
「リタ様、フェイクドラゴンとは?」
「翼があって魔法を口から吐くから、ドラゴンによく間違えられる生き物だよ」
「へぇ、私は見たことがありません」
「僕も本で読んだだけで見たことはない、戦闘としては空を飛ぶから厄介な存在ではある」
「どうしますか、この依頼は引き受けますか?」
ソアンのからの問いに僕はしばらく考えて、冒険者ギルドの職員に質問をした。ドラゴン退治とあるがフェイクドラゴンでも退治したことになるのか、その場合の報酬はどうなるのかという話だ。冒険者ギルドの職員はとにかく街道を通れるようにしたいので、もし本物のドラゴンでなくフェイクドラゴンでも報酬は出ると答えた。それなら、楽して稼ぐ良い機会だった。
「ソアン、この依頼を引き受けよう」
「はい、リタ様。クレーネ草の薬は使われますか?」
「本物でも偽物でも空を飛ぶ相手だからね、最初の攻撃で仕留められなかったらそうしよう」
「できるだけ空を飛ぶ前に仕留めましょう!!」
「そのほうが安全だ、ソアン。僕が君を魔法で強化して、君が仕留めてくれるかい」
「任せてください、リタ様。きっと一撃で仕留めてみせます!!」
こうして僕たちは街道を塞いでいるドラゴンを退治しにいった、もしも本物のドラゴンならここにいる理由を聞いて穏便に対処すればいいだけだ。フェイクドラゴンだった時の方が厄介だった、話は通じないのにドラゴンとまではいかないが、フェイクドラゴンもそれなりに強い魔物だからだ。十分に用意をして僕たちは出かけていった、だが着いた時には既にもう遅かった。
「これはっ、ソアン。気をつけて、酷い血の海だ」
「この人たちは商隊の護衛さんでしょうか、あそこに馬車が転がっています」
街道ではドラゴンらしき魔物が道を塞いで眠っていた、そうしてその周りは血の海だった。荷馬車が破壊されて転がっており、人間の遺体らしきものが散らばっていた。僕とソアンは少し驚いたが、デビルベアの時ほど酷くはなかった。あの時はもっと多くの遺体があったし、本当に地面が血の海のようだった。
それに比べれば今回はまだマシだった、そしてよくドラゴンらしきものを観察した。僕がみるにフェイクドラゴンだった、姿形はドラゴンによく似ているが違うものだ。だから僕は最初の作戦どおりにいけるかソアンに訊ねた。ソアンはスッと大剣を取り出して構えた。戦いたいというソアンの意志を尊重して、最初の作戦どおりに僕は魔法を使うことにした。
「それじゃ、『怪力』それに『駿足』」
「はい、更に『筋力強化』、『速力強化』」
僕が初級魔法でソアンを強化した、ソアンも中級魔法を使って自分自身を強化した。ソアンの速さと力はかなり強化された、そうして彼女はいきなり眠っているドラゴンに向かっていった、まるで風のような速さでフェイクドラゴンに近づいていった、そうしてフェイクドラゴンが気がついて動き出す前に、その首に大剣を振り下ろしたのだ。
だがその一瞬早くフェイクドラゴンが目を覚まして動いていた、ソアンの攻撃は翼の片翼を切り落としていた。初撃は思ったところに当たらなかったが十分だった、これでフェイクドラゴンは飛べなくなった、あとはソアンが攻撃を繰り返すだけですんだ。フェイクドラゴンは火などを吐いたが、ソアンはそれをなんなく躱して、今度こそその首を斬り落としてしまった。
「お疲れ様、ソアン」
「はい、リタ様」
「フェイクドラゴンだったけど、落ち着いていて良い戦いだったよ」
「リタ様の魔法が効いていたので、何も怖くありませんでした」
「生存者は残念ながらいないようだ、討伐証明の両牙を貰っていこうか」
「はい、リタ様。ちょっとフェイクドラゴンに、口を開けてもらってっと……」
その日僕たちはフェイクドラゴンを倒して、街道を開けたと冒険者ギルドに報告した。冒険者ギルドの職員も確かめに行って、すぐに報酬の金貨20枚を貰うことができた。また僕たちはアクセサリ屋に行って、動きやすくて適度に重いアクセサリを身につけることになった。フェイクドラゴンも珍しい存在だ、だからこれで話は終わったと思っていた。
でもその翌日、僕たちが冒険者ギルドの掲示板を見ると、また『ドラゴン退治』と書かれた紙が貼ってあった。僕たちは意味が分からずに冒険者ギルドの職員に聞くと、今度は別の街道にドラゴンが現れたのだという話だった。さすがに続けてドラゴン退治に行く気になれず、今回は他の冒険者に任せようと二人で話し合った。
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