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3-23連続殺人犯の為に歌ってやる
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「それでは結果を発表します、これはちょっと珍しいことですが……」
そう神殿の神官らしき女性は少し間をとった、僕は何が珍しいのかと気になった、ここでソロで歌えなかったら僕の計画は台無しだったからだ。でも、その神官の女性はこう言った。
「クアリタ・グランフォレさん。貴方には建国祭でソロでの歌い手になってもらいます、他の方は主にその補助役をお願いします。二年続けて同じ方がソロを歌う、以前は十年続いた時もありました、稀に優れた歌い手が生まれるものです」
僕は建国祭でのソロでの歌い手に選ばれた、後はジーニャスが領主からの頼みという形で、僕の作った曲を歌うように支持してくれるはずだ。僕は練習の初めはソロの歌い手として、オラシオン国を称える伝統的な曲を歌っていた。そうして他の歌い手と仲良くなった頃に、問題の曲を入れられないか神殿に頼んでみた。その曲を聞いたミーティアは真っ青になって、僕を止めようとこっそり話をしてきた。
「あかんであの曲は確かに皆を元気づける、そんな良い曲やけど犯人に師匠が殺されるわ」
「確実に僕が殺されるかい、他の人は犠牲にならないかな」
「絶対に確実に師匠が狙われるわ、今からでも止めとき!!」
「いいんだよ、ミーティア。むしろ、君が言ってくれたおかげで自信が出てきた」
「何を考えとるん、あたしにも教えてや」
「殺人鬼をどうにか止める、今はこれだけしか言えない」
ミーティアとはいつもの宿屋で話し合ったが、彼女も僕の目的を薄々察したようで、それからはこの曲を練習しても何も言ってこなかった。その曲では恐ろしく心が醜い悪鬼が街を襲っている、特に美しい者が狙われるが、この悪鬼は弱った人間以外には手を出せない臆病者だ。いずれ緑の祝福を受けた者によって、その悪鬼は打ち倒されるだろう、もう恐れることは何もないという曲だった。
緑の祝福を受けた者とは大いなる種族ではエルフをさす、大いなる種族の間で悪鬼とは小者の魔物で、相手にするのも馬鹿らしい存在を言うのだ。犯人は大いなる種族かその種族に詳しい者だ、犯人がこの歌を聞いたなら恐らくは激怒するだろう、そうして僕のことを憎み狙ってくれればよかった。普通の人間からすれば悪者がいずれ倒され、街には平和が戻るという歌だった。
「リタは人間が好きなのか、この歌は大いなる種族を馬鹿にしている」
「イデア、大いなる種族を馬鹿になんかしていない。僕もその一人だ、ただ殺人鬼を軽蔑している」
「でもこれでは誤解を受ける、今からでもこの歌は止めた方が良い」
「この歌を聞いて怒るのは、その殺人鬼くらいだよ。大丈夫さ、イデア」
「リタはとても勇気がある、殺人鬼からこの街を守るつもりか」
「僕は歌いたい曲を作っただけだ、今はこの曲を歌ってみたいんだ」
同じエルフであるイデアは歌の意味にすぐ気づいた、そうしてミーティアと同じく僕に止めるように言ってきた。でも僕は目的は誤魔化してイデアにただ歌いたいのだと言った、イデアはそれで納得したのかそれ以上は何も言ってこなかった。ただこの曲を歌っている時、イデアはあまり良い声を出すことができないでいた。彼の美しいボーイソプラノ、それが生かせず勿体なかった。
そうやって昼間は体調が良い時は他の歌い手と練習をした、いつもの病気が出ている時には休ませてもらった。元々それぞれ他の職を持っているから、揃って練習をするのは休日だけだった。そうやってオラシオン国の建国祭は近づいてきた、僕は今度こそ当日の体調が良いことをまた祈った。幸いなことに当日の体調はとても良かった、だから心配なのはこのオラシオン国の建国祭のことだけだった。
「オラシオン国の繁栄を祈って歌います」
そうして最後の打ち合わせが終わり、オラシオン国の建国祭での歌がはじまった。僕はソロとして舞台に立って、練習していたとおりに歌い手たちと順調に歌っていった。連続殺人犯に殺された人々のことを思いながら、とうとうあの曲を歌いだした。僕が心配していたことにこの曲を歌っている途中での襲撃、犯人が怒って何か行動を起こす、それがとても心配なことではあった。
だから上級魔法が使えるように、クレーネ草の薬の効果が強いものを最初から飲んでいた。いざという時にはこの会場にいる皆を守れるように、いつでも上級魔法を使えるようにしておいたのだ。客席ではソアンがずっと僕を見守っていてくれた、彼女のことを守れるようにそう願いながら、僕は曲を最後まで歌い続けた。
意外なことに連続殺人犯を怒らせる曲に邪魔は入らなかった、むしろ人々には歓迎され沢山の拍手を貰えた。連続殺人犯はこのオラシオン国の建国祭での歌を聞かなかったのだろうか、それはこの街に住む者としては珍しいことだった。それでは僕の計画通りにはいかない、どうか聞いていてくれと思いながら、やがて全ての曲を歌い終わって僕は舞台を降りた。
「師匠はやっぱり最高の歌い手やで!!」
「ありがとう、ミーティア。君の歌も去年より上手くなっていた」
「……曲は気に入らないが、歌い手としてはリタは最高だ」
「ありがとう、イデア。君のボーイソプラノ、また聞けて嬉しかったよ」
歌っている間に他の歌い手の様子を見ていたが、ミーティアは去年より成長して上手くなっていた。イデアは例の曲ではあまり高音がさえなかったが、他の曲では見事なボーイソプラノを披露していた。去年と違って体調が良かったから、他の歌い手とも無事に終わったことを喜び合った。そうしてオラシオン国の建国祭での歌い手の役目は終わった、後は連続殺人犯が曲を聞いていることを願うだけだった。
「リタ様、去年よりも素晴らしく。また美しくて凄い歌でした、広い音域に驚きました」
「ありがとう、ソアン。さて、僕は上手くやれただろうか」
「あの曲を聞いていたら、間違いなくリタ様を狙ってくるでしょう」
「それまでは領主の館で待機だ、ジーニャスと二人で迎え撃つ方が良い」
「はい、リタ様。それでは今日は帰りましょう、ジーニャスさんやシャール様も待ってますよ」
「分かった、それじゃ帰るとしよう」
僕の作った特別な連続殺人犯に向けた曲、それを犯人が聞いていたかどうかはすぐに分かった。オラシオン国の建国祭から後、ピタリと殺人が止まったのだ。犯人が僕に対して怒っていて、そうして僕を狙っているのは明らかだった。僕の方は領主の館でいつでも戦えるように、クレーネ草の薬を持ち歩いて、そうしながら使用人の手伝いなんかをしていた。それはソアンも一緒だった、何かしていないと落ち着かなかったのだ。
そうしてオラシオン国の建国祭から二週間が過ぎた夜だった、僕はベランダで音がしたのを聞いてすぐにクレーネ草の薬を飲んだ。そして僕の部屋からソアンを執務室に行かせて、ジーニャスを呼んできてくれるように頼んだ。だがジーニャスが来る前に連続殺人犯が窓を魔法で壊し、そして黒いローブで身を隠しながら入ってきた。それからあの高くて美しい声で言った、こう呪いの言葉を吐いた。
「あの女は殺されて当然だった、高貴なエルフであるお前を誘惑した。高貴なエルフは人間に汚されてはいけない、だから殺すのが当然だった」
「ティスタのことか、彼女は善良な人間だった。エルフと人間が交わってはいけない、そんなことは誰にも禁止されていない。だからハーフエルフがいる、彼らも立派なエルフの一員だ!!」
「ハーフエルフは可哀そうな存在だ、人間に犯されたエルフが産み落とす存在。とても可哀そうだが、半分は仲間だから殺すのも悩ましい」
「それは違う、確かにそんな悲しい事件もある。でもハーフエルフは二つの種族を繋ぐ、そういった大事な存在なんだ!!」
連続殺人犯は大きく首を振って僕の主張を否定した、そうしてから右手の指を1本だけ立てて僕に言った、まるで聞き分けの無い子どもに言い聞かせるように言ったのだ。
「……クアリタ・グランフォレ、一度だけ忠告をする、あの曲はもう歌うな。二度と聞きたくはない、そしてこの地を去れ」
「お前が人々を殺すのを止めない限り、僕は何度でもあの曲を歌うだろう。さぁ、大人しく捕まるか、それとも戦うのか選べ!!」
そう神殿の神官らしき女性は少し間をとった、僕は何が珍しいのかと気になった、ここでソロで歌えなかったら僕の計画は台無しだったからだ。でも、その神官の女性はこう言った。
「クアリタ・グランフォレさん。貴方には建国祭でソロでの歌い手になってもらいます、他の方は主にその補助役をお願いします。二年続けて同じ方がソロを歌う、以前は十年続いた時もありました、稀に優れた歌い手が生まれるものです」
僕は建国祭でのソロでの歌い手に選ばれた、後はジーニャスが領主からの頼みという形で、僕の作った曲を歌うように支持してくれるはずだ。僕は練習の初めはソロの歌い手として、オラシオン国を称える伝統的な曲を歌っていた。そうして他の歌い手と仲良くなった頃に、問題の曲を入れられないか神殿に頼んでみた。その曲を聞いたミーティアは真っ青になって、僕を止めようとこっそり話をしてきた。
「あかんであの曲は確かに皆を元気づける、そんな良い曲やけど犯人に師匠が殺されるわ」
「確実に僕が殺されるかい、他の人は犠牲にならないかな」
「絶対に確実に師匠が狙われるわ、今からでも止めとき!!」
「いいんだよ、ミーティア。むしろ、君が言ってくれたおかげで自信が出てきた」
「何を考えとるん、あたしにも教えてや」
「殺人鬼をどうにか止める、今はこれだけしか言えない」
ミーティアとはいつもの宿屋で話し合ったが、彼女も僕の目的を薄々察したようで、それからはこの曲を練習しても何も言ってこなかった。その曲では恐ろしく心が醜い悪鬼が街を襲っている、特に美しい者が狙われるが、この悪鬼は弱った人間以外には手を出せない臆病者だ。いずれ緑の祝福を受けた者によって、その悪鬼は打ち倒されるだろう、もう恐れることは何もないという曲だった。
緑の祝福を受けた者とは大いなる種族ではエルフをさす、大いなる種族の間で悪鬼とは小者の魔物で、相手にするのも馬鹿らしい存在を言うのだ。犯人は大いなる種族かその種族に詳しい者だ、犯人がこの歌を聞いたなら恐らくは激怒するだろう、そうして僕のことを憎み狙ってくれればよかった。普通の人間からすれば悪者がいずれ倒され、街には平和が戻るという歌だった。
「リタは人間が好きなのか、この歌は大いなる種族を馬鹿にしている」
「イデア、大いなる種族を馬鹿になんかしていない。僕もその一人だ、ただ殺人鬼を軽蔑している」
「でもこれでは誤解を受ける、今からでもこの歌は止めた方が良い」
「この歌を聞いて怒るのは、その殺人鬼くらいだよ。大丈夫さ、イデア」
「リタはとても勇気がある、殺人鬼からこの街を守るつもりか」
「僕は歌いたい曲を作っただけだ、今はこの曲を歌ってみたいんだ」
同じエルフであるイデアは歌の意味にすぐ気づいた、そうしてミーティアと同じく僕に止めるように言ってきた。でも僕は目的は誤魔化してイデアにただ歌いたいのだと言った、イデアはそれで納得したのかそれ以上は何も言ってこなかった。ただこの曲を歌っている時、イデアはあまり良い声を出すことができないでいた。彼の美しいボーイソプラノ、それが生かせず勿体なかった。
そうやって昼間は体調が良い時は他の歌い手と練習をした、いつもの病気が出ている時には休ませてもらった。元々それぞれ他の職を持っているから、揃って練習をするのは休日だけだった。そうやってオラシオン国の建国祭は近づいてきた、僕は今度こそ当日の体調が良いことをまた祈った。幸いなことに当日の体調はとても良かった、だから心配なのはこのオラシオン国の建国祭のことだけだった。
「オラシオン国の繁栄を祈って歌います」
そうして最後の打ち合わせが終わり、オラシオン国の建国祭での歌がはじまった。僕はソロとして舞台に立って、練習していたとおりに歌い手たちと順調に歌っていった。連続殺人犯に殺された人々のことを思いながら、とうとうあの曲を歌いだした。僕が心配していたことにこの曲を歌っている途中での襲撃、犯人が怒って何か行動を起こす、それがとても心配なことではあった。
だから上級魔法が使えるように、クレーネ草の薬の効果が強いものを最初から飲んでいた。いざという時にはこの会場にいる皆を守れるように、いつでも上級魔法を使えるようにしておいたのだ。客席ではソアンがずっと僕を見守っていてくれた、彼女のことを守れるようにそう願いながら、僕は曲を最後まで歌い続けた。
意外なことに連続殺人犯を怒らせる曲に邪魔は入らなかった、むしろ人々には歓迎され沢山の拍手を貰えた。連続殺人犯はこのオラシオン国の建国祭での歌を聞かなかったのだろうか、それはこの街に住む者としては珍しいことだった。それでは僕の計画通りにはいかない、どうか聞いていてくれと思いながら、やがて全ての曲を歌い終わって僕は舞台を降りた。
「師匠はやっぱり最高の歌い手やで!!」
「ありがとう、ミーティア。君の歌も去年より上手くなっていた」
「……曲は気に入らないが、歌い手としてはリタは最高だ」
「ありがとう、イデア。君のボーイソプラノ、また聞けて嬉しかったよ」
歌っている間に他の歌い手の様子を見ていたが、ミーティアは去年より成長して上手くなっていた。イデアは例の曲ではあまり高音がさえなかったが、他の曲では見事なボーイソプラノを披露していた。去年と違って体調が良かったから、他の歌い手とも無事に終わったことを喜び合った。そうしてオラシオン国の建国祭での歌い手の役目は終わった、後は連続殺人犯が曲を聞いていることを願うだけだった。
「リタ様、去年よりも素晴らしく。また美しくて凄い歌でした、広い音域に驚きました」
「ありがとう、ソアン。さて、僕は上手くやれただろうか」
「あの曲を聞いていたら、間違いなくリタ様を狙ってくるでしょう」
「それまでは領主の館で待機だ、ジーニャスと二人で迎え撃つ方が良い」
「はい、リタ様。それでは今日は帰りましょう、ジーニャスさんやシャール様も待ってますよ」
「分かった、それじゃ帰るとしよう」
僕の作った特別な連続殺人犯に向けた曲、それを犯人が聞いていたかどうかはすぐに分かった。オラシオン国の建国祭から後、ピタリと殺人が止まったのだ。犯人が僕に対して怒っていて、そうして僕を狙っているのは明らかだった。僕の方は領主の館でいつでも戦えるように、クレーネ草の薬を持ち歩いて、そうしながら使用人の手伝いなんかをしていた。それはソアンも一緒だった、何かしていないと落ち着かなかったのだ。
そうしてオラシオン国の建国祭から二週間が過ぎた夜だった、僕はベランダで音がしたのを聞いてすぐにクレーネ草の薬を飲んだ。そして僕の部屋からソアンを執務室に行かせて、ジーニャスを呼んできてくれるように頼んだ。だがジーニャスが来る前に連続殺人犯が窓を魔法で壊し、そして黒いローブで身を隠しながら入ってきた。それからあの高くて美しい声で言った、こう呪いの言葉を吐いた。
「あの女は殺されて当然だった、高貴なエルフであるお前を誘惑した。高貴なエルフは人間に汚されてはいけない、だから殺すのが当然だった」
「ティスタのことか、彼女は善良な人間だった。エルフと人間が交わってはいけない、そんなことは誰にも禁止されていない。だからハーフエルフがいる、彼らも立派なエルフの一員だ!!」
「ハーフエルフは可哀そうな存在だ、人間に犯されたエルフが産み落とす存在。とても可哀そうだが、半分は仲間だから殺すのも悩ましい」
「それは違う、確かにそんな悲しい事件もある。でもハーフエルフは二つの種族を繋ぐ、そういった大事な存在なんだ!!」
連続殺人犯は大きく首を振って僕の主張を否定した、そうしてから右手の指を1本だけ立てて僕に言った、まるで聞き分けの無い子どもに言い聞かせるように言ったのだ。
「……クアリタ・グランフォレ、一度だけ忠告をする、あの曲はもう歌うな。二度と聞きたくはない、そしてこの地を去れ」
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