マゾの最強の命令

アキナヌカ

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マゾの最強の命令

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「ロンって結構サドなんじゃないかな、とっても優しいロンらしいね」
「はぁ!? オウガ。サドってあれだろ、マゾをいろいろいじめる奴。おれはそんなんじゃないぞ!!」

「ロン、違うよ。サドとマゾにおいては、主導権を握るのはマゾの方なんだよ」
「話の意味が分からん、サドの方がいろいろ命令するんじゃないのか? そして俺はサドじゃない!!」

「確かに一見するとサドが主導権を握っているみたいに見える」
「命令するほうが主導権を握ってるのは当然だろ、そして俺は絶対にサドじゃない」

 僕はロンに十歳の時に引き取られてロンの養子になり、その後に様々な事を経てつい最近になって僕たちは付き合うようになった。すると当然ながら体の関係ももっているわけで、さっきまでセックスして僕はあんあん喘いでいた。でも一段落してセックスの途中のベッドでこんな話をする僕は思うんだけど、ロンは優しいからこそサドになる素質がありそうだ。

「サドとマゾとじゃ、マゾの方に本当は主導権があるんだよ」
「はぁ!? 命令される方がご主人様なのか? あと俺は絶対にサドじゃない」

「そう、おかしな話に聞こえるかもしれないけど、実はマゾが主導権を握ってるんだ」
「どうしてだ? サドの方がいろいろと命令するんだろ? あと俺は絶対にサドじゃない」

「それはね、サドとマゾの関係で最強の命令があるからだよ」
「何だ、それは?」

 僕はどうもちょっとマゾの素質がありそうだ、ロンを僕の手の届くところに置いておきたいし、ロンにちょっとして欲しいこともあった。だからこのサドとマゾの話を言いだしたのだけれど、ロンは絶対に俺はサドじゃないと言うからそれが少しおかしかった。優しいロンだからこそ、サドの素質があると僕は思ったんだ。

「その台詞は『お願い』だよ、ロン。マゾがそう言って降伏したら、サドは従わざるを得ない」

 僕がそう言うとロンは確かにと少し頷いてくれた、サドはマゾにいろんな事を命令できるけど、『お願い』と言ってマゾが降伏したらサドはそれに従うしかないのだ。その言葉を聞いてもまだマゾをいたぶるのなら、それはサドではなくてただの異常者だ。僕は先日そんな本を読んで、なるほどそれもそうかと納得した。

「つまりマゾが主人で、サドは従者みたいな関係なんだよ」
「確かに一理ある気がするが、俺は絶対サドじゃないぞ」

「どうして優しいロンなら、優しいからこそ従者の方が素質がある」
「ああ、もう!? そう言われてもな、俺はサドじゃない!!」

「そうかな、それじゃ。試してみる?」
「おい、どうやって試すんだ!?」

 ロンは自分にサドの素質があるということに気がついていない、そして僕にちょっとマゾの素質があることもロンは知らなかった。そんな可愛くて優しいロンに僕は全裸でそうっと抱き着いた、ロンもまだ服は着ていない、そうしておいて僕はロンにこう言った。最近、僕はこうしてみたいと思っていたんだ。

「『お願い』ロン、もっと激しく僕を抱いて。僕はロンにいじめられるように、もっと激しく抱いて欲しいよ」

 僕がそう言ったらロンは顔を真っ赤にしていた、でもロンは優しいからそのまま僕の希望を叶えてくれた。僕はロンに激しく愛されて何度も何度も射精した、いつもは優しいロンの珍しく激しいセックスに凄く感じてしまった。そして何度激しく愛されたのか分からなくなったら、ロンに向かってちゃんと僕は終わりの言葉を言った。

「あああ!! ああ!! ロン!! 気持ち良い……、けど限界。『お願い』、許して」

 優しいロンはすぐに僕の言うことを聞いてくれた、そしてセックスは終わりにして優しいキスをくれた。こういう優しいところがロンに従者という、サドの素質があるんじゃないかと思うところだ。そして僕はロンの全てが欲しいから、ロンに対して主導権を握れるマゾになりたがっている、それに優しいロンにいじめられるのも楽しくて仕方がなかった。

「ったく、オウガ。抱き潰しちまうかと思ったぞ」
「ロンは優しいから、そんなことはしないよ」

「そして俺はサドじゃないからな!!」
「そうかな、ロンは優しいから素質があるよ」

「お前のこといじめるように激しく抱くのは興奮するけど、それに慣れたらいけない気がする」
「どうして僕は嬉しいし、ロンだって気持ち良かったでしょ」

 そう言うと僕はロンに激しく愛されて碌に力が入らない体でロンにキスをした、ロンもキスを返してくれて僕はとても満たされて幸せだった。今度は僕を縛ってロンにセックスして貰おうかな、自由に身動きできないところをロンに犯されるのも楽しそうだった。ロンは俺はサドじゃないとまだブツブツと言っていた、でも僕はそんな優しいロンに今度はこう言った。

「『お願い』、ロン。僕はロンのためなら何でもするから、僕だけを好きでいて。他の人は見ないで、僕だけを愛していてね」
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