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逃がしてあげると思いましたか?
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「ラントール・ヴィーゼ・ウェントゥスです、国王陛下のこれからの新しい治世に輝く太陽の祝福がありますように」
僕はルカ・リュクス・ファルマ、銀の髪に蒼い瞳を持つ今まで忘れられていた王子で今ではファルマ国の国王陛下だ。今日は僕の即位のお祝いの式が開かれていた、そして目の前にいるのは僕の愛する人でラントール公爵、とても優しくて公正で酷いことをしない人だ。黒髪に茶色い可愛い瞳をしていて、僕がいっそ食べてしまいたいほど好きな人だ。彼が僕がこれからする提案に頷かなかったら、僕はファルマ国を滅ぼしてやろうかと思っていた。
「可愛い子だ、私はラントール。君、私の愛人になる気はないかい?」
ラントール様と初めて会った時に僕はこう聞かれた、同時に子どもをいたぶる趣味のある貴族のお遊びかと思った。どうせ下級貴族で家族にも捨てられそうな僕に選択肢はなかった、僕は最初驚いたがすぐに従順に返事をした。そうしておいた方が扱いがマシになると思ったからだ、僕は最初はラントール様に何の興味も無かった。
「え!? 僕が!! あっ、ええと、はい。いいです、分かりました」
そうしたらとても美しい顔をしたラントール様は僕を愛おしそうに見て、そして子どものように無邪気に笑ってこういってくれたのだ。
「ふふっ、ルカ。そんな追い詰められた顔をしなくていいんだよ、その気になったらまたちゃんと返事をしておくれ」
「はっ、はい。分かりました」
貴族なんて僕の家族と同じように力で言うことをきかせる嫌な奴、そう思っていた僕にとってラントール様の言ったことは衝撃だった。そして、僕はラントール様の公爵家に引き取られたのだが、そこでの僕に対する扱いにもびっくりした。ラントール様は僕のことをとても可愛がってくれて、そして綺麗な部屋を一つくれてそれに侍女も数人つけてくれた。
「ルカ、何か不自由があったら言いなさい。可愛い君の言うことは何でも叶えてあげたいからね」
「え!? ええと、はい。分かりました!!」
「ルカ、この屋敷にいるのなら、せっかくだから色々学びなさい」
「はい、分かりました。公爵様」
こうして最下級の貴族でしかなかった僕は最高の学問や剣術を習うことになった、僕はラントール様が僕を可愛がるのに飽きた時のことを考えて真剣にそれらを学んだ。知識や経験は武器だった、公爵家で学べるものは多かった。それを僕はもしラントール様にいらないと公爵家を放り出されても、誰にでも教えて恥じることはないだけの知識を学んだ。剣術という戦う力も手に入れた、これも誰にも負けることは無いように体に叩きこんだ。
「十五歳!? ルカは十五歳なのかい!?」
「あっ、はい。そうです」
「ルカ、君はもっとご飯を食べなさい。十二歳くらいにしか見えないよ」
「はい、分かりました。ご飯、いっぱい食べます」
僕はスリート男爵家では厄介者だった、当主の姉の私生児で碌に食事もさせてもらえないことが常だった。だから僕は背が伸びなかった、手足も小さくたよりないままだった。それがラントール様がいる公爵家では僕は食べきれないほどの食事を出された、残しても他の使用人が食べるから大丈夫だと言って、笑顔でラントール様は僕に食事をたっぷりと与えた。
「可愛くなくなったら、駄目かなぁ」
僕の体はラントール様が与えてくれる沢山の食事で成長を始めた、ラントール様はいつも僕のことを可愛いと言ってくれていたのでそれで僕は悩んだ。どうやったらラントール様の好意を僕に向けて貰っておけるのか、僕はそれをいつも考えるようになった。そうだ僕は恋をしてしまっていた、いつの間にかラントール様を愛するようになった。だからラントール様がユーピアとかいう、高貴な女の貴族との婚約を断った時にはホッとした。
「あの公爵様、えっと、その、お膝に乗っていいですか?」
「ああ、可愛いルカ。当然だがいいよ」
「えっとこの本の分からないところがあって」
「数学だな、そうだね。ここはこう解くんだよ」
「えっと、あの、僕はまだお膝の上にいていいですか?」
「いつでも来なさい、私の膝の上は君を歓迎するよ」
僕は少しずつラントール様に近づいてみた、ラントール様は僕が何か頼むといつも笑ってそれを叶えてくれた。僕にはまだ貴族の気紛れに対する警戒心もあったが、それもとろけてしまうくらいラントール様は僕を甘やかした。
「少し大きくなったね、愛しいルカ。嬉しいね、可愛いからキスするよ」
「公爵様、僕はおっきくなってもいいんですか?」
「ははっ、そうだね。私より大きくなってもいいよ、ルカ。それぐらいじゃルカの可愛いところは変わらないよ」
「あっ、またキス。あっ、あっ、あっ、気持ち良いです」
ラントール様は僕をよく捕まえて無理やりにではなく、優しくすぐ逃げられるようなキスをしてくれた。僕はラントール様にキスをされると気持ちが良くて、触れられると嬉しくて堪らなくなった。
「……公爵様、僕は公爵様の愛人になれますか?」
「今すぐにでもなれるけど、どうしたんだい。ルカ」
「公爵さまに触れて貰うと気持ち良いんです、キスしてもらったりすると幸せなんです」
「そうか、それじゃ。私の愛人になってくれますか? ルカ?」
「はい!!」
「ああ、嬉しいよ。大好きだよ、ルカ!!」
こうして僕はラントール様の愛人になった、ラントール様は嬉しそうに優しく僕の唇にキスをしてくれた。もちろんそれ以上のこともいっぱいした、次の日に僕が歩くとふらふらになってしまうことも多かった。
「愛しているよ、ルカ」
「はい、僕も愛してます。公爵様」
僕はラントール様に愛されて幸せだった、執事などは僕を忌々しそうに見ていたが、僕は確かにラントール様に愛されているので良かった。僕はもしラントール様が僕に興味を失くしたら、愛おしいラントール様のことを殺すつもりだった。そのくらい僕はラントール様を愛していて、それから五年間を僕は幸せに暮らし続けた。
「今頃になって、畜生!!」
そうやって僕は幸せだったのに僕の出生について明るみに出た、僕はこのファルマ国の王子だったのだ、たった一人の王位継承権を持つ者だった。そんな者が公爵家で愛人などしていられない、ラントール様は僕にそのことを苦しそうな顔をしながら言い含めた。でも僕はそれで納得などできなかった、僕の愛おしいたった一人の人であるラントール様を手放す気はなかった。ラントール様に名残惜しくキスをしながら、僕は王城に馬車でつれてこられて、そしてラントール様がいなくなると僕は本性を出した。碌に公務も行えていない国王を放っておいて、城内をさっさと掌握したのだ。
「溜まっている書類は片付ける、すぐに国政の正常化にとりかかれ」
「はっ、はい。殿下」
「それから僕の後宮の中に内密に、ラントール様の過ごせる部屋を作れ」
「殿下、まさか公爵様を愛人にするおつもりですか!?」
「そう、そのおつもりだ。跡継ぎについてはそのうちに何とかする。これは命令だ、黙って従え」
「………………」
そうしているうちに三カ月で国王が亡くなり僕の即位式が開かれることになった、僕は公爵だから必ずそこに来るラントール様に問うつもりだった。僕の愛人になってくれますかと聞くつもりだった、それでラントール様が嫌だと答えたら僕はラントール様を密かに捕えるつもりでいた。
「大丈夫、ラントール様が僕を見捨てるわけがない」
僕はそうなったら公爵家を取り潰してラントール様の行き場を奪い、僕の後宮に作らせた部屋の中でラントール様と過ごすつもりだった。それを邪魔するならこのファルマ国自体を滅ぼしてしまうつもりだった、僕にとってはラントール様以外に必要な物など何も無かったからだ。そうしてとうとう僕の即位のお祝いが始まり、貴族の筆頭の公爵家であるラントールが僕に国王に対する礼をとった。僕はドキドキと脈打つ心臓を押さえながら、もう二度と逃がすまいと思って、こちらを見ているラントール様に聞いた。
「ラントール、可愛い人。僕の愛人になってくれますか?」
僕はルカ・リュクス・ファルマ、銀の髪に蒼い瞳を持つ今まで忘れられていた王子で今ではファルマ国の国王陛下だ。今日は僕の即位のお祝いの式が開かれていた、そして目の前にいるのは僕の愛する人でラントール公爵、とても優しくて公正で酷いことをしない人だ。黒髪に茶色い可愛い瞳をしていて、僕がいっそ食べてしまいたいほど好きな人だ。彼が僕がこれからする提案に頷かなかったら、僕はファルマ国を滅ぼしてやろうかと思っていた。
「可愛い子だ、私はラントール。君、私の愛人になる気はないかい?」
ラントール様と初めて会った時に僕はこう聞かれた、同時に子どもをいたぶる趣味のある貴族のお遊びかと思った。どうせ下級貴族で家族にも捨てられそうな僕に選択肢はなかった、僕は最初驚いたがすぐに従順に返事をした。そうしておいた方が扱いがマシになると思ったからだ、僕は最初はラントール様に何の興味も無かった。
「え!? 僕が!! あっ、ええと、はい。いいです、分かりました」
そうしたらとても美しい顔をしたラントール様は僕を愛おしそうに見て、そして子どものように無邪気に笑ってこういってくれたのだ。
「ふふっ、ルカ。そんな追い詰められた顔をしなくていいんだよ、その気になったらまたちゃんと返事をしておくれ」
「はっ、はい。分かりました」
貴族なんて僕の家族と同じように力で言うことをきかせる嫌な奴、そう思っていた僕にとってラントール様の言ったことは衝撃だった。そして、僕はラントール様の公爵家に引き取られたのだが、そこでの僕に対する扱いにもびっくりした。ラントール様は僕のことをとても可愛がってくれて、そして綺麗な部屋を一つくれてそれに侍女も数人つけてくれた。
「ルカ、何か不自由があったら言いなさい。可愛い君の言うことは何でも叶えてあげたいからね」
「え!? ええと、はい。分かりました!!」
「ルカ、この屋敷にいるのなら、せっかくだから色々学びなさい」
「はい、分かりました。公爵様」
こうして最下級の貴族でしかなかった僕は最高の学問や剣術を習うことになった、僕はラントール様が僕を可愛がるのに飽きた時のことを考えて真剣にそれらを学んだ。知識や経験は武器だった、公爵家で学べるものは多かった。それを僕はもしラントール様にいらないと公爵家を放り出されても、誰にでも教えて恥じることはないだけの知識を学んだ。剣術という戦う力も手に入れた、これも誰にも負けることは無いように体に叩きこんだ。
「十五歳!? ルカは十五歳なのかい!?」
「あっ、はい。そうです」
「ルカ、君はもっとご飯を食べなさい。十二歳くらいにしか見えないよ」
「はい、分かりました。ご飯、いっぱい食べます」
僕はスリート男爵家では厄介者だった、当主の姉の私生児で碌に食事もさせてもらえないことが常だった。だから僕は背が伸びなかった、手足も小さくたよりないままだった。それがラントール様がいる公爵家では僕は食べきれないほどの食事を出された、残しても他の使用人が食べるから大丈夫だと言って、笑顔でラントール様は僕に食事をたっぷりと与えた。
「可愛くなくなったら、駄目かなぁ」
僕の体はラントール様が与えてくれる沢山の食事で成長を始めた、ラントール様はいつも僕のことを可愛いと言ってくれていたのでそれで僕は悩んだ。どうやったらラントール様の好意を僕に向けて貰っておけるのか、僕はそれをいつも考えるようになった。そうだ僕は恋をしてしまっていた、いつの間にかラントール様を愛するようになった。だからラントール様がユーピアとかいう、高貴な女の貴族との婚約を断った時にはホッとした。
「あの公爵様、えっと、その、お膝に乗っていいですか?」
「ああ、可愛いルカ。当然だがいいよ」
「えっとこの本の分からないところがあって」
「数学だな、そうだね。ここはこう解くんだよ」
「えっと、あの、僕はまだお膝の上にいていいですか?」
「いつでも来なさい、私の膝の上は君を歓迎するよ」
僕は少しずつラントール様に近づいてみた、ラントール様は僕が何か頼むといつも笑ってそれを叶えてくれた。僕にはまだ貴族の気紛れに対する警戒心もあったが、それもとろけてしまうくらいラントール様は僕を甘やかした。
「少し大きくなったね、愛しいルカ。嬉しいね、可愛いからキスするよ」
「公爵様、僕はおっきくなってもいいんですか?」
「ははっ、そうだね。私より大きくなってもいいよ、ルカ。それぐらいじゃルカの可愛いところは変わらないよ」
「あっ、またキス。あっ、あっ、あっ、気持ち良いです」
ラントール様は僕をよく捕まえて無理やりにではなく、優しくすぐ逃げられるようなキスをしてくれた。僕はラントール様にキスをされると気持ちが良くて、触れられると嬉しくて堪らなくなった。
「……公爵様、僕は公爵様の愛人になれますか?」
「今すぐにでもなれるけど、どうしたんだい。ルカ」
「公爵さまに触れて貰うと気持ち良いんです、キスしてもらったりすると幸せなんです」
「そうか、それじゃ。私の愛人になってくれますか? ルカ?」
「はい!!」
「ああ、嬉しいよ。大好きだよ、ルカ!!」
こうして僕はラントール様の愛人になった、ラントール様は嬉しそうに優しく僕の唇にキスをしてくれた。もちろんそれ以上のこともいっぱいした、次の日に僕が歩くとふらふらになってしまうことも多かった。
「愛しているよ、ルカ」
「はい、僕も愛してます。公爵様」
僕はラントール様に愛されて幸せだった、執事などは僕を忌々しそうに見ていたが、僕は確かにラントール様に愛されているので良かった。僕はもしラントール様が僕に興味を失くしたら、愛おしいラントール様のことを殺すつもりだった。そのくらい僕はラントール様を愛していて、それから五年間を僕は幸せに暮らし続けた。
「今頃になって、畜生!!」
そうやって僕は幸せだったのに僕の出生について明るみに出た、僕はこのファルマ国の王子だったのだ、たった一人の王位継承権を持つ者だった。そんな者が公爵家で愛人などしていられない、ラントール様は僕にそのことを苦しそうな顔をしながら言い含めた。でも僕はそれで納得などできなかった、僕の愛おしいたった一人の人であるラントール様を手放す気はなかった。ラントール様に名残惜しくキスをしながら、僕は王城に馬車でつれてこられて、そしてラントール様がいなくなると僕は本性を出した。碌に公務も行えていない国王を放っておいて、城内をさっさと掌握したのだ。
「溜まっている書類は片付ける、すぐに国政の正常化にとりかかれ」
「はっ、はい。殿下」
「それから僕の後宮の中に内密に、ラントール様の過ごせる部屋を作れ」
「殿下、まさか公爵様を愛人にするおつもりですか!?」
「そう、そのおつもりだ。跡継ぎについてはそのうちに何とかする。これは命令だ、黙って従え」
「………………」
そうしているうちに三カ月で国王が亡くなり僕の即位式が開かれることになった、僕は公爵だから必ずそこに来るラントール様に問うつもりだった。僕の愛人になってくれますかと聞くつもりだった、それでラントール様が嫌だと答えたら僕はラントール様を密かに捕えるつもりでいた。
「大丈夫、ラントール様が僕を見捨てるわけがない」
僕はそうなったら公爵家を取り潰してラントール様の行き場を奪い、僕の後宮に作らせた部屋の中でラントール様と過ごすつもりだった。それを邪魔するならこのファルマ国自体を滅ぼしてしまうつもりだった、僕にとってはラントール様以外に必要な物など何も無かったからだ。そうしてとうとう僕の即位のお祝いが始まり、貴族の筆頭の公爵家であるラントールが僕に国王に対する礼をとった。僕はドキドキと脈打つ心臓を押さえながら、もう二度と逃がすまいと思って、こちらを見ているラントール様に聞いた。
「ラントール、可愛い人。僕の愛人になってくれますか?」
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