ドラゴンから人間に縛りプレイで最強へ

アキナヌカ

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3-29お互いに愛し合いたい

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「大丈夫なの、アクアは立派なドラゴンを産むの!!」
「アクアどうしてそれがわかるんだ?」

「時の道で見たの、アクアがこのくらいのドラゴンの子を産んでたの」
「それは小さいドラゴンだな、でも俺も昔はそのくらい小さかった」

「シエルと同じ金色のドラゴンだったの、凄く可愛かったの」
「それなら、大丈夫なのかな?」

 俺はアクアが産むという将来の俺の子どもであるドラゴンを想像してみた、俺も生まれてすぐは人間の子どもと変わらないくらいに小さかった。それが母さんからたっぷりと食事を貰って、そうして今くらいの大きさになったのだ。今も俺は大きくなり続けていて、もう少しで普通のドラゴンになれそうだった。ちょっとホッとした俺に母上はため息をついて、そして今度は爆弾発言をした。

「それからアルカンシエル、貴方は発情期に入りかけています」
「ええ!? 本当ですか!?」
「シエルも発情期がくるの?」

「ドラゴンの発情期は強いですよ、一カ月くらいアクアちゃんと二人で住める場所をみつけなさい」
「はっ、はい」
「リッシュみたいに穏やかな発情期じゃないの?」

「アクアちゃん、アルカンシエルが少し貴女を強く抱くかもしれませんが、どうか見捨てないでね」
「………………」
「シエルったら顔が真っ赤なの、大丈夫アクアはシエルのこと見捨てないの!!」

 そうして母さんからのお話は終わりだった、俺はアクアと発情期を過ごす場所を用意しなくてはならなかった。それから俺はこれだけはとあかり姉さんの最期について母さんに話しておいた、母さんはさすがに衝撃を受けたようで扇で顔を隠してしまった。あかり姉さんと母さんは友達だった、だから母さんはしばらく一人にして欲しいと言っていた。それから仲間に俺たちが旅を続けられないことを、しっかりと説明しておかなければならなかった。

「レン、リッシュ。悪いんだけど、俺とアクアは旅を続けられなくなった」
「そうなの、アクアも一緒にいけなくなったの」
「俺様たちももう知ってるぜ、だってお前から発情期っぽい匂いがするからな」
「レン様から聞いて知りました、この楽しい旅ももう終わりなのだと分かりました」

「うぅ、俺たちの都合ですまない。レンやリッシュとはもっと旅を続けたかった」
「また今度集まって旅をすればいいの!!」
「そうだな、チビ。また集まれれば良いな」
「そうですね、この旅はとても楽しかったし、多くのことを学びました」

「レンがリッシュを送っていってくれるか?」
「ディアにもよろしくって頼むの」
「いいぜ、俺様がドラゴンになって飛べば、リッシュの隠れ里はすぐそこだ」
「レン様、お手数をおかけいたします」

 そうして俺とアクアは発情期を過ごすための部屋を探しに、レンはまた交配相手を探す旅に、リッシュはレンに乗せて貰って故郷の隠れ里に帰ることになった。レンが完全回復した翌日にはもうお別れだった、俺とアクアは今までの楽しかった旅を思うと二人とも涙目だった、レンやリッシュも少し目をこすっていたくらいだった。見送り場所は街から離れた草原だった、ドラゴンになって飛ぶのだから目立たない場所が良かった。

「それじゃ、俺様とリッシュは行くぜ」
「はい、シエル様とアクア様、どうかお元気で」
「今までいっぱいありがとう、レン!! リッシュ!!
「とても楽しい旅だったの!!」

「シエルまた強くなっておけよ、俺様と決闘するためにな!!」
「またお会いしましょう、シエル様、アクア様」
「うん、レン俺はもっと強くなるよ!! リッシュは村で頑張れよ!!」
「レン!! リッシュ!! ちょっとだけさよならなの!!」

 そうしてレンやリッシュと別れの挨拶をかわすと、レンはドラゴンに変身してリッシュをその背に乗せた。そうして二人は空に舞い上がっていった、リッシュはずっと俺たちに手を振っていた、俺たちも二人が見える間はずっと手を振り返した。そうして二人は去っていった、俺は少し悲しかったがきっとまた会えると思ってアクアを抱きしめた、アクアも泣いていたが俺にぎゅっと抱き着いてきた。

「ええと街の中で、ちょっと他の家と離れた場所にある家がいいな」
「一カ月以上借りれる家なの」

「食料も一カ月ぶんくらい買っておかないとな」
「買い物してシエルの『魔法マジックの箱ボックス』に入れておくの」

「なかなか良い家が見つからないな」
「そうなの、条件が難しいの」

 俺たちが借りる家探しで困っていたら、ユヴェリーアが手を貸してくれた。彼女はマミの財産を処分している最中で丁度いい小さな家を俺たちにくれた、もう金貨二万枚は貰っていたのにそれとは別に家までくれた。マミは大商人だったらしくかなりの財産を残していた、ユヴェリーアはマミのしたことのお詫びにとその家を俺たちにくれたのだった。俺たちもお礼を言って、その家を受け取った。

「軽く掃除して家具をいれたら、良い家になったな。なぁ、アクア」
「そうなの、それにシエルの発情期に間に合って良かったの」

「アクアはその、俺に抱かれても大丈夫なのか?」
「お義母さまにいっぱい話を聞いたの、だからアクアの準備は大丈夫なの」

「母上、出て行く前にアクアと内緒話をしていると思ったらそうだったのか」
「ドラゴンの発情期は凄く強いらしいの、でもアクアは頑張るの!!」

 そうして数日後俺には発情期がきた、とても体が熱くなって誰かと交尾したくてたまらなくなった。アクアだって初めてだったから最初は優しく、などとと思っていられたのも少しの間だけだった。俺はアクアのことを貪るように抱いた、アクアがちょっと休ませてとかまだいってるのとか、そう言っているのもなかなか聞いてあげることができなかった。

「アクア、ごめん。辛くなかったか、怖くなかったか?」
「シエルからいっぱい求められてアクアは幸せだったの、最初だけちょっと痛かっただけなの」

「アクアが本当に辛かったら俺は我慢するからな」
「我慢なんてしなくていいの、アクアはシエルといられて幸せなの!!」

「いや、そうやってアクア裸で抱き着かれるとまたな」
「ふふっ、シエル。キスして、そしてアクアをいっぱい抱きしめて」

 発情期の間にくる正気に戻れる時間には、俺はアクアにごめん、ごめんなと謝りっぱなしだった。それでも、アクアは何故か幸せそうな顔していた。そうして俺のことを優しく抱きしめてくれた、そうされるとまた俺はアクアを襲ってしまうという繰り返しだった。俺たちはそのほとんどをベッドで過ごすという怠惰な生活を一カ月くらい続けた、そうして俺の発情期はようやく収まったのだった。

「とっても素敵な一カ月だったの、またくるのが楽しみなの」
「そうか、アクアが辛くなくて良かった」

「もう普段の夜はアクアは、シエルに抱いて貰えないの?」
「そんなことは無いと思う、発情期じゃなくても俺はアクアが欲しい」

「それなら良いの、二人でいっぱい気持ちよくなるの!!」
「ああ、本当にアクアは可愛いな」

 俺の初めての発情期は終ったが、俺は普通の日でもアクアを抱くことができた。これが俺に人間の血が流れているせいなのか、それとも他のドラゴンも同じなのかは分からなかった。そんな恥ずかしいことを聞ける相手がいなかったからだ、母さんもさっさと自分の縄張りに帰ってしまった。だから俺とアクアは年齢が怪しまれない間はこの街で暮らすことにした、ユヴェリーアはマミの財産を整理するとこの街を出て行った。

「アーベントさん、お久しぶりなの!!」
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