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2-05落ちこぼれだと気づかれない
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「シエル!! 死ぬ!! アクア死んじゃう!!」
それはある日の朝のことだった、アクアが便所に行ってきてから、そう言って俺に泣きついてきた。それでアクアのことをよく見てみると、寝巻にしているズボンと下着が血で濡れていた。アクアは俺に抱き着いてふるふると震えていたが、俺は突然よく分からないがあかり姉さんのことを思い出した。数年前だがはるか遠くの前のような記憶だった、でも俺には印象的だったことだから覚えていたのだ
「おはよう、あらあら。シエルくん、ごめんなさい!!」
「おはよ、ってあかり姉さん!! 足元から血がでてるよ、早く治さないと死んじゃうよ!!」
「大丈夫、大丈夫、月に一回くらいあるものだから」
「びっ、病気じゃないの?」
「病気じゃないわよ、大人の女の人には大抵あるものよ」
「そっ、そうなの?」
あかり姉さんも確か生理というものが定期的にきて、その時に偶々遊びにいってそのまま一緒に眠っていた俺の服や寝具、それにもちろんあかり姉さん下着や寝巻が血で汚れてしまっていた。その時の彼女は素早く下着や寝巻を水で洗っていた、お湯で洗うと血が固まっておちなくなるのだと、あかり姉さんは冷静そのものだったような覚えがあった。そして、こう俺に向かって言っていた。
「生理がくるってことは大人になったってことだけど、毎回お腹が痛かったり頭が痛かったりで辛いのよね」
そういえばそんなことが人間の女にはあるのだった、俺は懐かしい思い出と共にアクアに起こったことに気づいた、アクアはちっとも大きくないが一応体は大人に近づいたのだ。ちなみにドラゴンのメスには生理というものはほとんどなかった、何故ならば発情期がきたならば強いオスを見つけて、そうして次世代ために強い子どもをつくるからだった。俺はそんなうろ覚えの知識と記憶を思い出した、そして俺にはどうしようもないから、まずはふるふる震えているアクアを落ち着かせた。
「アクア、お腹が痛いか? 頭は痛くないか?」
「うんとね、少しお腹が重い感じ、えっと頭は痛くないよ」
「そうか、それじゃ手ぬぐいでとりあえずだ、血が出るところをそれで押さえておけ」
「本当にアクアは死なない? 待って!! シエルはどこに行くの!?」
「俺はこの宿屋のおかみさんを呼んでくる、血で廊下を汚してしまっただろうからな」
「分かった、アクアは待ってる。……早く、帰ってきて」
それから俺は本当に宿屋のおかみさんを呼びに行った、共同のトイレから点々と血が廊下に落ちてしまっていたし、それに何より俺には生理という現象についての知識がなかった。俺が恐る恐る廊下を汚してしまったことを謝罪し、アクアの生理とやらをどうにかして欲しいと言うと、まだ三十歳くらいの綺麗なおかみさんは笑って頷いてくれた。そうしてアクアは他の大人を怖がるから俺の膝の上に座り、宿屋のおかみさんから詳しい説明を受けた、彼女はついでにと生理の時に必要な布などをアクアにいくつか譲ってくれた。
「そんなに怖がらなくたって、貴女は死んだりはしませんよ」
「アクア死なない?」
「そうよ、これでアクアちゃんはお嫁にいけるようになったのよ」
「お嫁さん?」
「それじゃ、血が濡れたものを洗ってしまって、新しい下着と服に着替えましょう」
「うん、シエル。離れないで、そこにいてね」
アクアはやっぱり宿屋のおかみさんのことを怖がった、だから俺は人間の女の生理という新しい知識を手に入れた。使いどころがさっぱり見いだせないが、人間の女性の面倒な習慣を理解はした。アクアはもちろん死んだりしなかった、宿屋のおかみさんから必要なことを聞いてきちんと理解していた。俺は人間についての授業をサボっていたことを反省した、偶々あかり姉さんという実例を見ていなかったら、きっと俺はアクアが悪い病気で死んでしまうと慌てたはずだ。
「シエル、凄い。何でも知ってる、アクア死ななかった」
「いや、まぁそれは……」
「シエル、凄い。アクアの血が出たのにすごく落ち着いてた」
「まぁ、俺は大人だから……」
「シエル、凄い。女の子のことをよく知ってる」
「はははっ、さすが俺だからな!!」
この一件でアクアは俺はなんでも知っている凄いドラゴンだと思い込んだ、実際には俺は歴史や人間の授業をサボりまくった落ちこぼれのドラゴンなのにだ。どうして昔の俺はあんなに勉強をしなかったのか、良い先生が母さんとあかり姉さんと二人もいたのに何故に勉強できなかったのか、うおおおぉぉぉ俺は馬鹿だ、世界一の大馬鹿者のドラゴンだった。
「俺って奴は……、なんて勿体ないことをしたんだ……」
アクアが裏庭で下着や寝巻を洗っているのを見ながら、俺は密かに深く反省をしていた。もっと俺も賢くなろう、アクアが幻滅しないくらいの賢いドラゴンになろうと思った。そう思って俺は今更だが勉強をすることにした、魔法や人間についての勉強をしようとした。だから街の図書館にアクアを連れていって、一緒にそれぞれに合った本を読んで勉強した。
俺はすてーたす?が上がっているからか、一度読めばその本を暗記できるようになった。理解するには自分の持っている知識と比較して考える必要があった、だが沢山の本を読んで知識だけはとにかく頭に放り込んだ。アクアは絵本などを好んで読んでいた、その一方で鎖付きで持ち出せない『中級魔法書』と『上級魔法書』なども時々読んでいた。
それから頭の勉強ばかりでもいけないので、俺はアクアと体を使った鍛練もするようになった。街の安全なところを何周も走らせたり、時には木剣を持たせて俺と模擬戦をやらせてもみた。アクアは凄く頑張っていた、柔らかい足や手にまめができて破れたりした。そんな時は『治癒』の魔法の練習をアクアにさせた、アクアは防御魔法と回復魔法との相性が良くて、いつの間にか俺よりも上手く使えるようになった。
「アクア、防御だ!!」
「うん、『聖なる守り』!!」
「絶対に魔法を解くなよ!!」
「うん、分かった!!」
俺は狩りにもアクアを連れていくようになった、悲しいことに金は稼がないと減るものだった。アクアは相変わらず攻撃魔法は覚えられなかったが、防御魔法は俺が本気で殴りつけても大丈夫なくらいになった。だから狩りにも連れていった、いずれは攻撃魔法も覚えて欲しかった。俺のあかり姉さんのように、優し過ぎて人間は攻撃できない、そんなふうにはなってほしくなかった。
「いいか、アクア。お前は俺の殺した動物を食べてる」
「うん、アクアはシエルの殺した動物を食べる」
「いつかはお前も自分で獲物を狩れるようになるんだ」
「…………痛いのは嫌、…………本当は血が出るのは怖い」
「それじゃ、アクア。お前はいつか誰かに殺されるぞ」
「………………」
アクアはどうしても攻撃魔法を嫌がった、もう使えるはずなのに絶対に使おうとしなかった。これはアクアがずっと虐待されていたことに関係がある、どうにもそう思えてならなかった。きっと継母とやらに反抗すればするほど、アクアは酷い傷をつけられたりしたのだ。だから他者を攻撃することを好まない、そんなアクアがなれる者は限られていた。
「アクア、お前は神殿で聖女にならないか?」
「せいじょ?」
「皆に回復魔法をかけてやる、そんな優しい女だ」
「神殿はいや、こじいんは嫌い」
「でもこのまま自分で獲物が狩れないなら、お前は大人になってどこに行くんだ?」
「シエルのこといっぱい手伝う!! アクアはシエルとずっと一緒にいる!!」
アクアは俺に物凄く懐いていた、俺もそれなりにアクアのことを気にいっていた。でもきっとずっと一緒にはいられない、俺はドラゴンでアクアは人間だったからだ。だから俺はアクアを何度も説得しようとした、神殿で良い生活が待っていることも伝えた。実際に回復の上級魔法が使えるなら、アクアは聖女ということになって大切にされるはずだった。でも、頑なにアクアは俺から離れようとしなかった。
まぁいい今度は盗賊団を殺しに行ってみよう、そうして俺がとても残酷なドラゴンだと見せたら、きっとアクアも俺を怖がって離れていくはずだ。そう俺なりにアクア自立計画をねっていたが、残念なことに近くにちょうどいい盗賊団がいなかった。だから俺は商業ギルトでまた荷馬車の護衛任務を受けることにした。護衛任務なら盗賊と会う可能性もきっと高いはずだった。
俺はアクアが怖くなって逃げ出すような人間を演じるつもりだった、アクアはそれできっと俺を怖がって避けるようになるに違いなかった。宿屋のベッドですやすやと眠るアクアを見ながら、この寝顔ともそろそろお別れなんだなと思うと少しだけ胸が痛んだ。人間とはとても不思議な生き物だった、知らない時には猿にしか見えないのに、少しずつ仲良くなるともう猿だとはとても思えなかった。
「いい神殿で育って、良い人間になれよ。なぁ、アクア」
それはある日の朝のことだった、アクアが便所に行ってきてから、そう言って俺に泣きついてきた。それでアクアのことをよく見てみると、寝巻にしているズボンと下着が血で濡れていた。アクアは俺に抱き着いてふるふると震えていたが、俺は突然よく分からないがあかり姉さんのことを思い出した。数年前だがはるか遠くの前のような記憶だった、でも俺には印象的だったことだから覚えていたのだ
「おはよう、あらあら。シエルくん、ごめんなさい!!」
「おはよ、ってあかり姉さん!! 足元から血がでてるよ、早く治さないと死んじゃうよ!!」
「大丈夫、大丈夫、月に一回くらいあるものだから」
「びっ、病気じゃないの?」
「病気じゃないわよ、大人の女の人には大抵あるものよ」
「そっ、そうなの?」
あかり姉さんも確か生理というものが定期的にきて、その時に偶々遊びにいってそのまま一緒に眠っていた俺の服や寝具、それにもちろんあかり姉さん下着や寝巻が血で汚れてしまっていた。その時の彼女は素早く下着や寝巻を水で洗っていた、お湯で洗うと血が固まっておちなくなるのだと、あかり姉さんは冷静そのものだったような覚えがあった。そして、こう俺に向かって言っていた。
「生理がくるってことは大人になったってことだけど、毎回お腹が痛かったり頭が痛かったりで辛いのよね」
そういえばそんなことが人間の女にはあるのだった、俺は懐かしい思い出と共にアクアに起こったことに気づいた、アクアはちっとも大きくないが一応体は大人に近づいたのだ。ちなみにドラゴンのメスには生理というものはほとんどなかった、何故ならば発情期がきたならば強いオスを見つけて、そうして次世代ために強い子どもをつくるからだった。俺はそんなうろ覚えの知識と記憶を思い出した、そして俺にはどうしようもないから、まずはふるふる震えているアクアを落ち着かせた。
「アクア、お腹が痛いか? 頭は痛くないか?」
「うんとね、少しお腹が重い感じ、えっと頭は痛くないよ」
「そうか、それじゃ手ぬぐいでとりあえずだ、血が出るところをそれで押さえておけ」
「本当にアクアは死なない? 待って!! シエルはどこに行くの!?」
「俺はこの宿屋のおかみさんを呼んでくる、血で廊下を汚してしまっただろうからな」
「分かった、アクアは待ってる。……早く、帰ってきて」
それから俺は本当に宿屋のおかみさんを呼びに行った、共同のトイレから点々と血が廊下に落ちてしまっていたし、それに何より俺には生理という現象についての知識がなかった。俺が恐る恐る廊下を汚してしまったことを謝罪し、アクアの生理とやらをどうにかして欲しいと言うと、まだ三十歳くらいの綺麗なおかみさんは笑って頷いてくれた。そうしてアクアは他の大人を怖がるから俺の膝の上に座り、宿屋のおかみさんから詳しい説明を受けた、彼女はついでにと生理の時に必要な布などをアクアにいくつか譲ってくれた。
「そんなに怖がらなくたって、貴女は死んだりはしませんよ」
「アクア死なない?」
「そうよ、これでアクアちゃんはお嫁にいけるようになったのよ」
「お嫁さん?」
「それじゃ、血が濡れたものを洗ってしまって、新しい下着と服に着替えましょう」
「うん、シエル。離れないで、そこにいてね」
アクアはやっぱり宿屋のおかみさんのことを怖がった、だから俺は人間の女の生理という新しい知識を手に入れた。使いどころがさっぱり見いだせないが、人間の女性の面倒な習慣を理解はした。アクアはもちろん死んだりしなかった、宿屋のおかみさんから必要なことを聞いてきちんと理解していた。俺は人間についての授業をサボっていたことを反省した、偶々あかり姉さんという実例を見ていなかったら、きっと俺はアクアが悪い病気で死んでしまうと慌てたはずだ。
「シエル、凄い。何でも知ってる、アクア死ななかった」
「いや、まぁそれは……」
「シエル、凄い。アクアの血が出たのにすごく落ち着いてた」
「まぁ、俺は大人だから……」
「シエル、凄い。女の子のことをよく知ってる」
「はははっ、さすが俺だからな!!」
この一件でアクアは俺はなんでも知っている凄いドラゴンだと思い込んだ、実際には俺は歴史や人間の授業をサボりまくった落ちこぼれのドラゴンなのにだ。どうして昔の俺はあんなに勉強をしなかったのか、良い先生が母さんとあかり姉さんと二人もいたのに何故に勉強できなかったのか、うおおおぉぉぉ俺は馬鹿だ、世界一の大馬鹿者のドラゴンだった。
「俺って奴は……、なんて勿体ないことをしたんだ……」
アクアが裏庭で下着や寝巻を洗っているのを見ながら、俺は密かに深く反省をしていた。もっと俺も賢くなろう、アクアが幻滅しないくらいの賢いドラゴンになろうと思った。そう思って俺は今更だが勉強をすることにした、魔法や人間についての勉強をしようとした。だから街の図書館にアクアを連れていって、一緒にそれぞれに合った本を読んで勉強した。
俺はすてーたす?が上がっているからか、一度読めばその本を暗記できるようになった。理解するには自分の持っている知識と比較して考える必要があった、だが沢山の本を読んで知識だけはとにかく頭に放り込んだ。アクアは絵本などを好んで読んでいた、その一方で鎖付きで持ち出せない『中級魔法書』と『上級魔法書』なども時々読んでいた。
それから頭の勉強ばかりでもいけないので、俺はアクアと体を使った鍛練もするようになった。街の安全なところを何周も走らせたり、時には木剣を持たせて俺と模擬戦をやらせてもみた。アクアは凄く頑張っていた、柔らかい足や手にまめができて破れたりした。そんな時は『治癒』の魔法の練習をアクアにさせた、アクアは防御魔法と回復魔法との相性が良くて、いつの間にか俺よりも上手く使えるようになった。
「アクア、防御だ!!」
「うん、『聖なる守り』!!」
「絶対に魔法を解くなよ!!」
「うん、分かった!!」
俺は狩りにもアクアを連れていくようになった、悲しいことに金は稼がないと減るものだった。アクアは相変わらず攻撃魔法は覚えられなかったが、防御魔法は俺が本気で殴りつけても大丈夫なくらいになった。だから狩りにも連れていった、いずれは攻撃魔法も覚えて欲しかった。俺のあかり姉さんのように、優し過ぎて人間は攻撃できない、そんなふうにはなってほしくなかった。
「いいか、アクア。お前は俺の殺した動物を食べてる」
「うん、アクアはシエルの殺した動物を食べる」
「いつかはお前も自分で獲物を狩れるようになるんだ」
「…………痛いのは嫌、…………本当は血が出るのは怖い」
「それじゃ、アクア。お前はいつか誰かに殺されるぞ」
「………………」
アクアはどうしても攻撃魔法を嫌がった、もう使えるはずなのに絶対に使おうとしなかった。これはアクアがずっと虐待されていたことに関係がある、どうにもそう思えてならなかった。きっと継母とやらに反抗すればするほど、アクアは酷い傷をつけられたりしたのだ。だから他者を攻撃することを好まない、そんなアクアがなれる者は限られていた。
「アクア、お前は神殿で聖女にならないか?」
「せいじょ?」
「皆に回復魔法をかけてやる、そんな優しい女だ」
「神殿はいや、こじいんは嫌い」
「でもこのまま自分で獲物が狩れないなら、お前は大人になってどこに行くんだ?」
「シエルのこといっぱい手伝う!! アクアはシエルとずっと一緒にいる!!」
アクアは俺に物凄く懐いていた、俺もそれなりにアクアのことを気にいっていた。でもきっとずっと一緒にはいられない、俺はドラゴンでアクアは人間だったからだ。だから俺はアクアを何度も説得しようとした、神殿で良い生活が待っていることも伝えた。実際に回復の上級魔法が使えるなら、アクアは聖女ということになって大切にされるはずだった。でも、頑なにアクアは俺から離れようとしなかった。
まぁいい今度は盗賊団を殺しに行ってみよう、そうして俺がとても残酷なドラゴンだと見せたら、きっとアクアも俺を怖がって離れていくはずだ。そう俺なりにアクア自立計画をねっていたが、残念なことに近くにちょうどいい盗賊団がいなかった。だから俺は商業ギルトでまた荷馬車の護衛任務を受けることにした。護衛任務なら盗賊と会う可能性もきっと高いはずだった。
俺はアクアが怖くなって逃げ出すような人間を演じるつもりだった、アクアはそれできっと俺を怖がって避けるようになるに違いなかった。宿屋のベッドですやすやと眠るアクアを見ながら、この寝顔ともそろそろお別れなんだなと思うと少しだけ胸が痛んだ。人間とはとても不思議な生き物だった、知らない時には猿にしか見えないのに、少しずつ仲良くなるともう猿だとはとても思えなかった。
「いい神殿で育って、良い人間になれよ。なぁ、アクア」
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