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第二章 開いてはいけない手紙
第五話 将来、子供に読ませてあげたくて……
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「どうしよう……」
助けを求めようとしただけなのに……とんでもなく大きな話になっちゃった……。
「私……手紙を開いただけなのに……」
話が大きすぎて……もう逆に、簡単には信じられない。
仮に嘘だったとしても……デューク・オブ・ラングウールの名前を騙ったら、この国でも十分、罪になる。
それほど大きな名前。
「私がモテるとか、モテないとか……そういうレベルの問題じゃ、もうないもの」
普通の女の子だったら、なんだかんだいっても……喜ぶと思う。
嘘かもしれない……けど、もしかしたら……そう思いながら、夢見心地な気分を楽しめる。
妹のアンナだったら……鼻で笑って破り捨てて……たき火の種火に使うかもしれない。
あの子はあの子で、変わってるから。
私は……。
「それでも、ヨゼフが……あはは……けど、どうだろ……」
正直、分かるんだ。
ううん、分かったんだ。
妹が、私のどこをそんなに嫌いなのか。……全部じゃないけど、一つだけ、はっきり分かる。
「だって、私……こうなって初めて、ヨゼフを好きって……言えるもの。それって……きっと、今まで自分のものだと思っていたものが、急に奪われたからで……」
開いた手紙が衝撃的すぎて……私は……ある意味、落ち着いた。
だから……疑問に思っちゃうんだ。
私の思いは……恋愛とか結婚とは……そもそも、違うんじゃないかって。
「裏切られたって、分かって……それから……抱いた気持ち……」
自分では……最初からあったつもりの恋愛感情。
実際は……どうなんだろ……?
私に傷つく資格なんて、あるのかな……?
少しずつ……受け入れられている気がした。
悪い意味で。
「もう、しまってしまおう……そう、それで済む話だもの」
この手紙をしまって……あとは見なかったことにすれば……。
それで、成り行きに任せて……。
もしかしたら、アンナとヨゼフだって、考え直してくれるかもしれないし……。
苦しくないといえば嘘だけど……。
「あはは……。確かに私……アンナのこと見下していたのかも……」
だって……アンナだったら、こんな情けないことにはならない。
プライドが高いから、男の人に自分から好きとは言わない妹。
けれど……自分から気になっている男の人に寄っていって……自分から好かれる態度をとって……自分から男の人の手を取って……。
「アンナは、アンナで……ちゃんと、すごいのに」
馬鹿で……尻軽な女の子。
そうとしか、思っていなかった私がいる。
「それは、嫌われるよね……あはは。……うう、うううう」
それでも……私が、お姉ちゃんであることに変わりはないんだから。
それは、それ。これは、これ。
まずは……朝食の準備。
「そろそろお屋敷のメイドさんたちが働き始める時間だもの……。私も、手伝わないと」
本音では、全然納得していないのに……。
今度こそ、散らかったものを、片付けようとして……。
触れたのは、一冊のノート。
婚約が決まってから日記代わりに……将来、もし子供ができたとして、読ませてあげたくて……今はもう書き終わった最初の一冊。
この手紙は……このノートに挟んでおいたところから出てきたんだ。
手紙を挟もうとして……私はそのノートを開いてしまった。
助けを求めようとしただけなのに……とんでもなく大きな話になっちゃった……。
「私……手紙を開いただけなのに……」
話が大きすぎて……もう逆に、簡単には信じられない。
仮に嘘だったとしても……デューク・オブ・ラングウールの名前を騙ったら、この国でも十分、罪になる。
それほど大きな名前。
「私がモテるとか、モテないとか……そういうレベルの問題じゃ、もうないもの」
普通の女の子だったら、なんだかんだいっても……喜ぶと思う。
嘘かもしれない……けど、もしかしたら……そう思いながら、夢見心地な気分を楽しめる。
妹のアンナだったら……鼻で笑って破り捨てて……たき火の種火に使うかもしれない。
あの子はあの子で、変わってるから。
私は……。
「それでも、ヨゼフが……あはは……けど、どうだろ……」
正直、分かるんだ。
ううん、分かったんだ。
妹が、私のどこをそんなに嫌いなのか。……全部じゃないけど、一つだけ、はっきり分かる。
「だって、私……こうなって初めて、ヨゼフを好きって……言えるもの。それって……きっと、今まで自分のものだと思っていたものが、急に奪われたからで……」
開いた手紙が衝撃的すぎて……私は……ある意味、落ち着いた。
だから……疑問に思っちゃうんだ。
私の思いは……恋愛とか結婚とは……そもそも、違うんじゃないかって。
「裏切られたって、分かって……それから……抱いた気持ち……」
自分では……最初からあったつもりの恋愛感情。
実際は……どうなんだろ……?
私に傷つく資格なんて、あるのかな……?
少しずつ……受け入れられている気がした。
悪い意味で。
「もう、しまってしまおう……そう、それで済む話だもの」
この手紙をしまって……あとは見なかったことにすれば……。
それで、成り行きに任せて……。
もしかしたら、アンナとヨゼフだって、考え直してくれるかもしれないし……。
苦しくないといえば嘘だけど……。
「あはは……。確かに私……アンナのこと見下していたのかも……」
だって……アンナだったら、こんな情けないことにはならない。
プライドが高いから、男の人に自分から好きとは言わない妹。
けれど……自分から気になっている男の人に寄っていって……自分から好かれる態度をとって……自分から男の人の手を取って……。
「アンナは、アンナで……ちゃんと、すごいのに」
馬鹿で……尻軽な女の子。
そうとしか、思っていなかった私がいる。
「それは、嫌われるよね……あはは。……うう、うううう」
それでも……私が、お姉ちゃんであることに変わりはないんだから。
それは、それ。これは、これ。
まずは……朝食の準備。
「そろそろお屋敷のメイドさんたちが働き始める時間だもの……。私も、手伝わないと」
本音では、全然納得していないのに……。
今度こそ、散らかったものを、片付けようとして……。
触れたのは、一冊のノート。
婚約が決まってから日記代わりに……将来、もし子供ができたとして、読ませてあげたくて……今はもう書き終わった最初の一冊。
この手紙は……このノートに挟んでおいたところから出てきたんだ。
手紙を挟もうとして……私はそのノートを開いてしまった。
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