上 下
191 / 198
混血系大公編:第一部

73※

しおりを挟む
 あー、また始まっちゃった。ビョルンと顔を見合わせて、肩をすくめる。長くなりそうだからビョルンとお店決めちゃうかーなんて思ってると、ビョルンがふたりの間に割って入った。あ、待つ時間が勿体ないと思ったのね。
「落ち着けロルフ。イスハークの言う通りにしろ」
「あぁ?!兄貴までなに言ってやがる!コイツのクソ役に立たねぇ魔術に文句ぐれぇ言わせろ!」
「やってもらっておいてその態度はなんだ、まったく。文句はもう言っただろう、じゃあ次はどちらか我慢する方を選べ。酒か、シャーラとの夜か」
「あぁ?!」
「はいぃ?!」
 えッ、そこで何で私を引き合いに出すの!
「イスハーク、それでいいな?」
「ああ、そうだな。それならいい。ロルフ、どちらかなら許可しよう。適度な酒か、あまり激しくないセックスか」
「ぐぅ…ッ!!」
 二人がかりで詰め寄られて、ロルフがうめき声を上げる。悩んでる悩んでる。てか、イスがロルフを構成する要素は酒と暴力と私だって言ってたよね。酒と私ならどっちを取るんだろうか。でも私がいなくなるわけじゃないし、ここは酒を取るのかな?
「どっちも取ろうと思うなよ。酒を飲んだら、俺とイスハークの二人がかりで拘束するからな」
 ビョルンが容赦なく宣言すると、ロルフは苛立ちを紛らわせるように髪を掻きむしった。
「あーーークソ!決まってんだろ!シャーラだ!!」
 私を取ったぞ!驚いたけれど、ちょっと嬉しい。
「よしよし、じゃあ酒はなしだな。シャーラ、店はあそこにしよう」
「おっけー」
 ぶすくれたロルフの頭をグリグリ撫でているビョルンに、指で丸を作って見せる。
「どこだ?」
「4番街にあるお店。お肉中心の美味しいお店なんだけど、親父さんが下戸でうっすいエールしか出さないお店があるの」
 首を傾げたイスにそう教えていると、悪態をつきながらロルフが肩に腕を回してきた。
「あークソッ!さっさと食って帰るぞ、シャーラ!」
「はいはい。お酒より私を選んでくれて嬉しいわ、ダーリン」
 笑いながらロルフの頭を撫でると、グリグリと頭を私の頬に押し付けてきた。痛い痛い。
「おーそうだよ、お前の方にしたんだから責任とれよ?腰が抜けるぐれぇしてやるからな」
「あれー、激しくしちゃダメじゃなかった?優しくお願いしまーす」
「F××k!!」
 ギャー!と頭を抱えて荒ぶるロルフさん。あかんからかい過ぎた。
 みんなでロルフを宥めながら、4番街のお店に向かった。
 美味しいお肉を堪能して、「こんなの酒じゃねぇ…」と嘆くロルフを尻目にうっすいエールを飲んで。お腹がいっぱいで満たされて、帰りはお風呂屋さんに寄った。
 旅の途中はさすがにお風呂に入る余裕はないから、帰って来た時はタップリのお湯で旅の汚れを落としておきたい。夜にやってるお風呂屋さんは宿屋併設の所がほとんどで、宿泊せず利用する場合はちょっと割高なんだけどね。
 だけど家に帰ったら…ね?この先に起こる事を考えたら、念入りに綺麗にしておきたい。思い出しただけで高鳴る胸を押さえて、体をしっかり洗って。
 先に出て待っていたマイダーリンズと合流して、雑談を交わしながら家路についた。



「…何で俺が拘束されんだよ!!」
 ベッドの上で、ベッドボードに腕を万歳した状態で拘束されたロルフが、怒声を上げている。帰宅するなりビョルンとイスが協力してロルフを拘束し、ベッドボードに腕を万歳した状態で縛りつけたのだ。
「シャーラ、お前なに言った!」
「いや知らんけど」
 肩を竦めてふたりを見やると、ビョルンが代わりに答えてくれた。
「そのままやれば、どうせ興奮して無茶をするだろう。イスハークと話して、この方が安全だという結論になった」
「ふざけんな、どうやってヤれってんだよ!」
「だから、やってもらえってことだよ」
「え」
 ビョルンはそう言うと、私を優しく押してベッドに座らせた。ビョルンにキスをされて、ウットリしている間に背後に回ったイスに服を脱がされる。ビョルンの唇がずれて、耳に熱い息を吹き込まれる。露わになった肌に、イスが唇を這わせる。
「あ…ッ」
 淡い刺激に、思わず声が漏れてしまう。ふたりがかりで服を脱がされ、あっという間に裸にされる。後ろから回って来たイスの手に振り向かされ、キスをされ、舌を絡めている間にビョルンの唇が伝い降りて行き、胸にキスをする。ごつくてカサついた手が、やわやわと胸を揉み、乳首をチュウっと吸う。強い刺激にビクリと体が震えるけれど、喘ぎ声はくぐもってしまう。イスに舌を強めに吸われ、上手く声が出せない。
「はふ、ふ、うぅ…ッ」
 少し苦し気な声が出てしまって、唇が解放される。イスの唇が首筋を吸い、耳の裏を吸い、チュッチュッと音を立てて敏感な部分を刺激する。肌を撫でていた手が降りて行き、お腹をスルリと撫でて足の間に滑りこむ。恥肉を掻き分け、指先が膣口を探り当てる。
 クチュリ。
 すっかり濡れたところをイスの指が這い、水音が密やかに鳴る。
 耳に押し付けられた唇から、フ、と笑いを含んだ吐息が漏れる。
「あ…ッ」
 イスの指が、グリっと陰核を押しつぶす。体がビクリと震える。クチュクチュと音を立ててて弄ばれる。
「あっ、あぁ…ッ」
 耐えきれず声が漏れて、ビョルンの頭を抱きしめる。くぐもった笑い声を漏らして、口内で乳首を弄ばれる。
 気持ちいい、気持ちいい。
 フワフワと浮ついた気持ちで、ふたりから愛撫を受ける。促されるままからだを動かして、拘束されたロルフの体の上でうつ伏せになる。ロルフの足の間(拘束されているのは腕だけで、足はフリーだ)に私の腰が入って、私が男側の正常位って感じ。手をついて体を起こして、顔を上げる。興奮してギラついた灰色の瞳と目が合う。
「クソッ、なんの拷問だよ…ッ」
 荒い息を吐きながら、ロルフが腰を振る。ズボン越しでもわかる、固くなったモノを私のお腹に擦りつける。ちょっと意識して、胸をロルフのお腹に押し付ける。ギュッと腹筋に力が入って、服の向こうでロルフのロルフさんがピクンと動く。私に興奮してるんだ、って嬉しくなってしまう。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

最愛の番~300年後の未来は一妻多夫の逆ハーレム!!? イケメン旦那様たちに溺愛されまくる~

ちえり
恋愛
幼い頃から可愛い幼馴染と比較されてきて、自分に自信がない高坂 栞(コウサカシオリ)17歳。 ある日、学校帰りに事故に巻き込まれ目が覚めると300年後の時が経ち、女性だけ死に至る病の流行や、年々女子の出生率の低下で女は2割ほどしか存在しない世界になっていた。 一妻多夫が認められ、女性はフェロモンだして男性を虜にするのだが、栞のフェロモンは世の男性を虜にできるほどの力を持つ『α+』(アルファプラス)に認定されてイケメン達が栞に番を結んでもらおうと近寄ってくる。 目が覚めたばかりなのに、旦那候補が5人もいて初めて会うのに溺愛されまくる。さらに、自分と番になりたい男性がまだまだいっぱいいるの!!? 「恋愛経験0の私にはイケメンに愛されるなんてハードすぎるよ~」

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪

奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」 「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」 AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。 そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。 でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ! 全員美味しくいただいちゃいまーす。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

不埒な魔術師がわたしに執着する件について~後ろ向きなわたしが異世界でみんなから溺愛されるお話

めるの
恋愛
仕事に疲れたアラサー女子ですが、気付いたら超絶美少女であるアナスタシアのからだの中に! 魅了の魔力を持つせいか、わがまま勝手な天才魔術師や犬属性の宰相子息、Sっ気が強い王様に気に入られ愛される毎日。 幸せだけど、いつか醒めるかもしれない夢にどっぷり浸ることは難しい。幸せになりたいけれど何が幸せなのかわからなくなってしまった主人公が、人から愛され大切にされることを身をもって知るお話。 ※主人公以外の視点が多いです。※他サイトからの転載です

処理中です...