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混血系大公編:第一部
36※
しおりを挟む家に着くと、イスはサークルに連絡を取ると言って通信具を持って自室に行った。今週末プレゼンと宴会の進捗状況を聞くのと、私と一緒にダービー伯領に赴くことになりそうだからそれを伝えておくのだろう。塔長はサークル内で問題があった場合にすぐ呼び出しできるよう、居場所を報告しとかなきゃいけないんだそうだ。
「じゃあ先に行ってるねー」
「ああ、後から行く」
「お仕事がんばってね」
上目遣いでそう告げる。ぶりっこ(死語?)じゃないですよ。身長差があるから仕方ないんですよ。意識は…若干してますけれど。自分の顔面偏差値は理解してるつもりだ。男を悩殺できるような顔ではないと…。
だけどそこは惚れた弱みってやつなのか、イスは嬉しそうにちょっと目を細めると、私の頬に手を添えキスをくれた。
「なるべく早く行く」
そう言ったイスにキスで答え、廊下まで出て見送った。
それから居間に戻り、いつの間にやらグラスを手にしているロルフに目を見開く。そのグラスには、半分ほど琥珀色の液体が注がれている。
「あれ、さっき歯磨いてなかった?」
「こんなん消毒だ」
「バカ、お酒だって虫歯になるでしょうよ。虫歯がいっぱいな人とはキスしないからね。感染るから!」
「チッ」
盛大に舌打ちをしたものの、カパっとグラスの中身を一気に煽り、再び歯を磨いてくれた。
まったく。
私も並んで歯を磨いて、自室に戻って簡単なワンピースに着替える。
「どうせ脱ぐんだから、裸で出てくりゃいいだろ」
「やだよ!それに裸で出てきたら来たで、『脱がす楽しみがねぇじゃねぇか』とか言うんでしょ」
「おー、よくわかってんじゃねぇか」
「ばか!」
ふたりで軽口を叩きながら、一緒に寝室に入る。
ベッドサイドに座るとすぐにロルフがキスをしてきて、それに応えながら首に腕を回す。ゆっくり押し倒されて、首筋をキスが伝って、気持ちよく声を上げる。いつもは噛み付く勢いで首筋を吸われたり噛まれたりするけど、今日はなんだかタッチが優しい。前にもこんなことあったっけ。確か家にマナーの悪いファンの子が来ちゃって、一悶着起きたのよね。その時もファンの女の子に危害を加えそうになって、私が間に入って場を収めたんだけど。…これ、もしかして落ち込んでるのかな?さっきもやけに大人しい感じがしたけど、いちおう失敗を反省してたりするのかな。だとしたら、すごい進歩だ。万事人のせいって感じで周囲に当たり散らしていたロルフが、内省することができたんだから。
でもきっと、それを指摘するのはよくないよね。きっと私に対しては、カッコつけたいだろうし。服をたくし上げ、胸を揉んで、胸の谷間にキスを落とすロルフの頭を撫でて、髪を梳く。
「ロルフ…」
「ん?」
「いっぱい、気持ちよくなってね…?」
「…ハッ!」
ロルフは短く笑うと、カプっと乳首に吸いついて、チュウっと強く吸った。
「あん…ッ!」
「バーカ、今日はお前を死ぬほどイかせてやるって決めてんだよ。…いい声で啼けよ?」
「ん、ふふ、あぁ…ッ」
ロルフがチュウチュウと乳首を吸い、舐めまわしスルスルと左手で私のウエストラインを撫でる。トロリと蜜が零れる感覚があって、熱い吐息をつく。
「ね、こっちも触って?」
右手で空いている胸を掴んで伝えると、ロルフにその手を取られて乳首の上に誘導される。
「こっちは自分でやれよ」
「えぇ?やだ…ロルフがしてくれた方が、気持ちいいのに」
「へッ、俺はこっちを弄るのに忙しーんだよ」
そう言って左手を下着の中に潜り込ませ、私の陰部をなぞり愛液を拭いとる。敏感なクリトリスをグチュグチュ水音を立てながら押しつぶす。
「ん、ふ、はぁ…ッ」
乳首を舌で包むようにしゃぶって、膣口をスリスリと撫でたり陰核を弄んだり。
「ホラ、やれよ」
掠れたロルフの声に私も興奮して、ぎこちなく乳首を弄る。
「ヘタクソ、自分でやんねぇのかよ?」
「ん、もう…自分でするヒマなんて、ないじゃん…」
「あー、そりゃそうだ。この小せぇ穴に、何人も男咥え込んでんだもんな?乾くヒマもねぇってか?あ?」
「バカ…ッ!あッ、あッ」
何人もって…3人しかおらんわ!いや3人しかってのもおかしいか…。…ちなみに前世はカウントしておりませんけれど。いいよね?ね?今世は経験人数3人だから!…待って3人同時って異常事態じゃない?
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