上 下
48 / 198
中東系エルフ魔術師編

20※

しおりを挟む
「すまない、シャーラ…」
 私の腰を再度支え直して、ビョルンがシュンとした声を出した。もー、可愛い熊さんめ。
「いいよ、私を心配したんでしょ?ありがとう」
 そっとビョルンの手首に触れる。私の位置からは見えないけど、傷になってないといいんだけど。
「縛ってたとこ、痛くない?大丈夫?」
「大丈夫だ、かすり傷ひとつない」
 逆にこえーわ。
「えっと、よかった。ごめんね?我儘につき合わせて」
「こんな可愛い我儘なら、大歓迎だ」
 可愛いか?大の男二人も縛り上げたんだぞ。
 心の中でツッコミつつも、全部肯定してもらえるのが嬉しい。
「ビョルン、手伝って?ビョルンのこと、全部受け入れたいの」
「ああ、もちろん」
 体を寄せて、キスをする。最初は軽く、だんだん深く。ちゅ、ちゅ、と唇を吸って、舌を絡ませる。キスをしたまま、ビョルンの左手が腰を離れる。その行方を目で追うと、ちょいちょい、と掌を上にして手招きしている。
「へいへい、いま行くよ」
 返事をして、傍に寄って来たのは、ロルフだった。
 唇を離してそちらを見ると、カップに口をつけている。いつの間に酒持って来たのさ。人が必死こいてるときにさ。
 コン、とカップをサイドボードに置くと、ニッと笑ってそのまま口づけて来た。
「ん…ッ」
 少しの量だけど、アルコールが流し込まれる。うわ、これウィスキーじゃない?結構甘くて飲みやすいけど、喉が熱くなる。
「んッ、これ、強いやつじゃない…?」
「ニートだからな。うまいだろ?甘みの強いヤツ選んでやったんだぜ?」
「おいしーけど、甘いのも飲めるの?」
 私がスイーツ食べてたりすると、いつもめちゃくちゃ嫌そうな顔で見てくるくせに。
「酒ならいーんだよ。ホレ」
「ん」
 グチュ、って舌が差し込まれる。ロルフの舌から強い酒精の風味がして、お酒のせいかキスのせいか分からないけど、頭がふわふわする。
「ロルフ、シャーラを支えていてくれ」
「ああ」
 ロルフが私の脇に手を入れ、体を支える。その隙にビョルンが上体を起こし、私はベッドに横たえられる。
「私が上になりたかったのに…」
 軽く拗ねたように言うと、ビョルンが嬉しそうに笑った。
「入ったら、体勢を変えような」
「うん」
 私が下になって、ビョルンが上になって。安定の正常位だ。ビョルンに主体になってもらわないと、やっぱり最後まで挿入するのは難しい。あと、ロルフも。二人だけでもセックスできるようにはなってきたけど、ロルフがいるのといないのとでは、スムーズさも気持ちよさも全然違う。
 仰向いた私にロルフがキスし、クリクリと両方の乳首をいじってくる。ビョルンが少し陽根を動かしながら、陰核をグリグリ虐めてくる。
「ん、ふ、んぅ…ッ」
 たくさんの刺激が体を溶かし、内側を開いていく。じゅぶじゅぶと音を立てながら、ビョルンが少しずつ入ってくる。
「苦しくないか?」
「うん、大丈夫…んッ、いつもより、はぁ、気持ちいーかも…」
 イスが残した魔力の残照かな。お腹の奥で疼いているものがまだあって、そこをゴリゴリ擦られるのが気持ちいい。
「そうか、塔長殿の魔力の、影響か?不思議なもんだな」
 グッ、グッと腰を押し進めながら、ビョルンが言う。時おりハァ、と熱い息を吐くのがセクシーで好き。
「んッ、ふッ、魔力の相性が、いいと、はぁッ、こんなになっちゃうなんて、ね?」
 私の右乳首に舌を這わせ、左乳首を手で弄んでいたロルフが答える。
「相性がいいとか言うなよ、腹が立つ」
「うふ、嫉妬?」
「うるせぇ」
「いたッ」
 右の乳首を強めに噛まれる。痛いけど、刺激で中のビョルンをきゅっと締めてしまって、彼から「うッ」とうめき声が上がった。
「まぁでも、たまにはいいな?お前、今日乱れ方すごいぜ?」
 私はやだよ、診察のとき大変だったもん。
 雑談を進めるうちに、ビョルンの腰がピタリとくっついた。
「はぁ、入ったよ、シャーラ。どうする?上になりたいか?」
 どうしよう、上になる気満々だったけど、圧迫感がすごくて動ける気がしない。
「上になりたいけど、動けないかも」
「じゃあ、このまま動いていいか?…正直、限界だ」
「んふ…いいよ、して?」
 ビョルンがゆっくり、律動を開始した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界の学園で愛され姫として王子たちから(性的に)溺愛されました

空廻ロジカ
恋愛
「あぁ、イケメンたちに愛されて、蕩けるようなエッチがしたいよぉ……っ!」 ――櫟《いちい》亜莉紗《ありさ》・18歳。TL《ティーンズラブ》コミックを愛好する彼女が好むのは、逆ハーレムと言われるジャンル。 今夜もTLコミックを読んではひとりエッチに励んでいた亜莉紗がイッた、その瞬間。窓の外で流星群が降り注ぎ、視界が真っ白に染まって…… 気が付いたらイケメン王子と裸で同衾してるって、どういうこと? さらに三人のタイプの違うイケメンが現れて、亜莉紗を「姫」と呼び、愛を捧げてきて……!?

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

男女比がおかしい世界にオタクが放り込まれました

かたつむり
恋愛
主人公の本条 まつりはある日目覚めたら男女比が40:1の世界に転生してしまっていた。 「日本」とは似てるようで違う世界。なんてったって私の推しキャラが存在してない。生きていけるのか????私。無理じゃね? 周りの溺愛具合にちょっぴり引きつつ、なんだかんだで楽しく過ごしたが、高校に入学するとそこには前世の推しキャラそっくりの男の子。まじかよやったぜ。 ※この作品の人物および設定は完全フィクションです ※特に内容に影響が無ければサイレント編集しています。 ※一応短編にはしていますがノープランなのでどうなるかわかりません。(2021/8/16 長編に変更しました。) ※処女作ですのでご指摘等頂けると幸いです。 ※作者の好みで出来ておりますのでご都合展開しかないと思われます。ご了承下さい。

5人の旦那様と365日の蜜日【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
気が付いたら、前と後に入ってる! そんな夢を見た日、それが現実になってしまった、メリッサ。 ゲーデル国の田舎町の商人の娘として育てられたメリッサは12歳になった。しかし、ゲーデル国の軍人により、メリッサは夢を見た日連れ去られてしまった。連れて来られて入った部屋には、自分そっくりな少女の肖像画。そして、その肖像画の大人になった女性は、ゲーデル国の女王、メリベルその人だった。 対面して初めて気付くメリッサ。「この人は母だ」と………。 ※♡が付く話はHシーンです

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

【R-18】喪女ですが、魔王の息子×2の花嫁になるため異世界に召喚されました

indi子/金色魚々子
恋愛
――優しげな王子と強引な王子、世継ぎを残すために、今宵も二人の王子に淫らに愛されます。 逢坂美咲(おうさか みさき)は、恋愛経験が一切ないもてない女=喪女。 一人で過ごす事が決定しているクリスマスの夜、バイト先の本屋で万引き犯を追いかけている時に階段で足を滑らせて落ちていってしまう。 しかし、気が付いた時……美咲がいたのは、なんと異世界の魔王城!? そこで、魔王の息子である二人の王子の『花嫁』として召喚されたと告げられて……? 元の世界に帰るためには、その二人の王子、ミハイルとアレクセイどちらかの子どもを産むことが交換条件に! もてない女ミサキの、甘くとろける淫らな魔王城ライフ、無事?開幕! 

男女比が偏っている異世界に転移して逆ハーレムを築いた、その後の話

やなぎ怜
恋愛
花嫁探しのために異世界から集団で拉致されてきた少女たちのひとりであるユーリ。それがハルの妻である。色々あって学生結婚し、ハルより年上のユーリはすでに学園を卒業している。この世界は著しく男女比が偏っているから、ユーリには他にも夫がいる。ならば負けないようにストレートに好意を示すべきだが、スラム育ちで口が悪いハルは素直な感情表現を苦手としており、そのことをもどかしく思っていた。そんな中でも、妊娠適正年齢の始まりとして定められている二〇歳の誕生日――有り体に言ってしまえば「子作り解禁日」をユーリが迎える日は近づく。それとは別に、ユーリたち拉致被害者が元の世界に帰れるかもしれないという噂も立ち……。 順風満帆に見えた一家に、ささやかな波風が立つ二日間のお話。 ※作品の性質上、露骨に性的な話題が出てきます。

【R18】転生聖女は四人の賢者に熱い魔力を注がれる【完結】

阿佐夜つ希
恋愛
『貴女には、これから我々四人の賢者とセックスしていただきます』――。  三十路のフリーター・篠永雛莉(しのながひなり)は自宅で酒を呷って倒れた直後、真っ裸の美女の姿でイケメン四人に囲まれていた。  雛莉を聖女と呼ぶ男たちいわく、世界を救うためには聖女の体に魔力を注がなければならないらしい。その方法が【儀式】と名を冠せられたセックスなのだという。  今まさに魔獸の被害に苦しむ人々を救うため――。人命が懸かっているなら四の五の言っていられない。雛莉が四人の賢者との【儀式】を了承する一方で、賢者の一部は聖女を抱くことに抵抗を抱いている様子で――?  ◇◇◆◇◇ イケメン四人に溺愛される異世界逆ハーレムです。 タイプの違う四人に愛される様を、どうぞお楽しみください。(毎日更新) ※性描写がある話にはサブタイトルに【☆】を、残酷な表現がある話には【■】を付けてあります。 それぞれの該当話の冒頭にも注意書きをさせて頂いております。 ※ムーンライトノベルズ、Nolaノベルにも投稿しています。

処理中です...