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北欧系戦士兄弟編
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そこからすぐレストランに着いた。いつも行くお店は安くて美味い大衆食堂ばっかだから、相席アタリマエーな状態だけど。さすがに2番街のお店はそんなことなくて、3人で1つの丸テーブルに案内された。
なに食べようかな。メニューと睨めっこしてたら、ビョルンが軽く説明してくれたので女性向けサイズのお肉とサラダと本日のスープを注文することにした。パンは勝手についてくるらしい。私の場合、話すのはチートで問題ないんだけど、文章は翻訳してくれないからちょっと苦手だ。幸い英語に近かったから習得にそれほど苦労はしなかったんだけど、未だに日本語訳して読んじゃうのよね。
「エールの種類が少ねぇなぁ」
「ランチタイムだからな。夜なら増えるんじゃないか?」
「ちょっと、私の前で飲まないでくれる?このあと仕事なんだけど!」
ちなみに我が傭兵団の事務員は、基本2時間昼休憩を入れてます。業務が忙しい時はその限りじゃないけどね!
「何だ、聞いてなかったのか?レーデルはこのまま休暇申請するってシウが言ってたらしいぞ。明後日まで」
「は?明後日まで?そしたら週末だから4連休?夢?」
「夢じゃねーよ。つねってやろうか?」
「いらねー。まぁでも、シウに『下が休み取りづらいんでそのうち団長に強制的に休み入れますからねー。いけそうな日にゲリラ的に入れますのでお楽しみに!』って言われてたわ…それが今日…」
このごろ余裕が出てきたから、事務も交代で長めの休み取れるようにしてたのよね。でも私が全然取らなかったから、シウさんから忠告来てたんだった。
「あッ!待ってくださいわたし、報告の録音ピアス提出してない!」
アレどこ置いたっけ?!ケースに入れたのは覚えてるんだけど!
「ああ、机に置いてあったやつだろ?そういや秘書が持ってたぞ。事務に渡しとくってよ」
「目端効きすぎじゃない?すごいな、さすができる秘書」
まぁ私のウッカリが多すぎるから、しっかりせざるを得ないのかもしれないけど。でもこれで憂いはなくなった!
「えー!どうしよう何しよう?!連休なんて久しぶり!」
「何ってナニ…ムグッ」
ロルフが何か言いかけたところで、ビョルンが素早く手で押さえてその口を塞いだ。
「ん?…何を言いかけたの?」
「気にするな。なんでもない。な、ロルフ」
「へぇへぇ」
「ふぅん…まぁいいや。ね、2人とも休みよね?予定なかったら一緒にどっか行くのもよくない?私デートしてみたいのよねー」
考えてみたら、結婚するって決まったけど、籍入れるまでは恋人みたいなものよね?だったらその前に、恋人としてのデートを楽しんでおきたい!夫婦になってからのお出かけとは、またなんか違う気がするのよね。
「いいな、もちろん。お前の好きなことをしよう」
「へッ、行けりゃァな」
ロルフが悪態をついて、ビョルンに小突かれている。お前だけ置いてってやろうか、このヤロー。
「まぁでも、一緒にいようね?3人で」
始まりはアレだけど、せっかくのご縁だもの。どうせなら仲良くやっていきたい。いろいろ一緒にやって、一緒に楽しんで、一緒に苦労して行こうね。
「ああ、そうだな」
「おー」
3人でなんて未知だけど、任務や『ボナ・ノクテム』や色んなこと、一緒に乗り越えてきたんだもの。きっとうまくやっていける。
「よし、ロルフ!私の分もエール頼んで!お昼からアルコール入れちゃうぞ!背徳的だわ~」
「ロルフは昼も夜も関係ないがな」
「エールなんて水だ、水」
「いっぺん言ってみたいわ~そのセリフ」
それから注文したものが届いた。ビョルンがさくっとお金を払ってくれた。スマートだね!
うわぁ、お肉柔らか!美味しい!エールもガツンと効くけど、お肉に合う!
美味しい食事を堪能して、アルコールが入ったからか、すごく気分もよくなってきて。
ああ、楽しい。ふわふわする。
「ロルフ、強いの頼んだな?」
「こいつは吐かねぇからいいな」
「吐く前に潰れてるだけだ、ったく…」
抱き上げるぞ、とビョルンの声が近くでして、ふわりと体が浮き上がる。
「お客様、馬車をお呼びしましょうか?」
「ああ、いい。近くで宿を取っているんだ。迷惑かけたな」
「いえ、失礼いたしました…」
誰かとの会話が、頭の上を通り過ぎていく。
ふわふわ、体が浮いたままどこかへ移動する。
ああ、いい気持ち。
なに食べようかな。メニューと睨めっこしてたら、ビョルンが軽く説明してくれたので女性向けサイズのお肉とサラダと本日のスープを注文することにした。パンは勝手についてくるらしい。私の場合、話すのはチートで問題ないんだけど、文章は翻訳してくれないからちょっと苦手だ。幸い英語に近かったから習得にそれほど苦労はしなかったんだけど、未だに日本語訳して読んじゃうのよね。
「エールの種類が少ねぇなぁ」
「ランチタイムだからな。夜なら増えるんじゃないか?」
「ちょっと、私の前で飲まないでくれる?このあと仕事なんだけど!」
ちなみに我が傭兵団の事務員は、基本2時間昼休憩を入れてます。業務が忙しい時はその限りじゃないけどね!
「何だ、聞いてなかったのか?レーデルはこのまま休暇申請するってシウが言ってたらしいぞ。明後日まで」
「は?明後日まで?そしたら週末だから4連休?夢?」
「夢じゃねーよ。つねってやろうか?」
「いらねー。まぁでも、シウに『下が休み取りづらいんでそのうち団長に強制的に休み入れますからねー。いけそうな日にゲリラ的に入れますのでお楽しみに!』って言われてたわ…それが今日…」
このごろ余裕が出てきたから、事務も交代で長めの休み取れるようにしてたのよね。でも私が全然取らなかったから、シウさんから忠告来てたんだった。
「あッ!待ってくださいわたし、報告の録音ピアス提出してない!」
アレどこ置いたっけ?!ケースに入れたのは覚えてるんだけど!
「ああ、机に置いてあったやつだろ?そういや秘書が持ってたぞ。事務に渡しとくってよ」
「目端効きすぎじゃない?すごいな、さすができる秘書」
まぁ私のウッカリが多すぎるから、しっかりせざるを得ないのかもしれないけど。でもこれで憂いはなくなった!
「えー!どうしよう何しよう?!連休なんて久しぶり!」
「何ってナニ…ムグッ」
ロルフが何か言いかけたところで、ビョルンが素早く手で押さえてその口を塞いだ。
「ん?…何を言いかけたの?」
「気にするな。なんでもない。な、ロルフ」
「へぇへぇ」
「ふぅん…まぁいいや。ね、2人とも休みよね?予定なかったら一緒にどっか行くのもよくない?私デートしてみたいのよねー」
考えてみたら、結婚するって決まったけど、籍入れるまでは恋人みたいなものよね?だったらその前に、恋人としてのデートを楽しんでおきたい!夫婦になってからのお出かけとは、またなんか違う気がするのよね。
「いいな、もちろん。お前の好きなことをしよう」
「へッ、行けりゃァな」
ロルフが悪態をついて、ビョルンに小突かれている。お前だけ置いてってやろうか、このヤロー。
「まぁでも、一緒にいようね?3人で」
始まりはアレだけど、せっかくのご縁だもの。どうせなら仲良くやっていきたい。いろいろ一緒にやって、一緒に楽しんで、一緒に苦労して行こうね。
「ああ、そうだな」
「おー」
3人でなんて未知だけど、任務や『ボナ・ノクテム』や色んなこと、一緒に乗り越えてきたんだもの。きっとうまくやっていける。
「よし、ロルフ!私の分もエール頼んで!お昼からアルコール入れちゃうぞ!背徳的だわ~」
「ロルフは昼も夜も関係ないがな」
「エールなんて水だ、水」
「いっぺん言ってみたいわ~そのセリフ」
それから注文したものが届いた。ビョルンがさくっとお金を払ってくれた。スマートだね!
うわぁ、お肉柔らか!美味しい!エールもガツンと効くけど、お肉に合う!
美味しい食事を堪能して、アルコールが入ったからか、すごく気分もよくなってきて。
ああ、楽しい。ふわふわする。
「ロルフ、強いの頼んだな?」
「こいつは吐かねぇからいいな」
「吐く前に潰れてるだけだ、ったく…」
抱き上げるぞ、とビョルンの声が近くでして、ふわりと体が浮き上がる。
「お客様、馬車をお呼びしましょうか?」
「ああ、いい。近くで宿を取っているんだ。迷惑かけたな」
「いえ、失礼いたしました…」
誰かとの会話が、頭の上を通り過ぎていく。
ふわふわ、体が浮いたままどこかへ移動する。
ああ、いい気持ち。
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