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北欧系戦士兄弟編

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 離れがたくて、ソファにふたりで並んで、どちらともなく何度も口づけしていると。
「おい。俺の番はいつ来るんだ?おふたりさんよ」
 ブスッとした声が聞こえて、私は慌ててビョルンから顔を離した。
 その瞬間を狙っていたのか、筋張った手がするりと後ろから滑り込み、私の顎を掴む。ぐいっと乱暴に上を向かされ、背中をソファの背に押し付けられ、視界に入ってきたのは逆さまのロルフの顔だ。首痛い。
「えーっと、シウは?」
「必要な書類そろえて各所に根回しして、最短で婚姻手続きができるよう準備するとか言って出てったぞ」
「最短…」
 優秀な秘書のことだから、本当に最短でやってのけるだろう。どのくらいかかるか知らないけど、心の準備をする時間はほしい。切実に。あと首痛い。
「いけすかねぇヤツだと思ってたが、話してみたら悪くねぇな。求婚状を送って来たヤツらの邪魔が入らねぇうちに、さっさと勝負を決めろとか言いやがった」
「勝負?ってなんの?」
 きょとりと目を見張ると、ロルフが口の端をクイッと上げた。目元にやたらと色気を乗せて、何か企んでそうな笑みが近づいてきて、
「んむッ…!」
 ガブリと、噛みつくようなキスをされた。
 ちょっと、ビョルンが見てる前で…!慌てて顎を掴んでる手をはがそうとしたけど、あれ、複婚だからこれって正常?夫の前で他の夫(ややこしいな!)とキスしてもおかしくない?何が正解かわからん…!
 引きはがすことも受け入れることもできず、固まっている私の口を思うさま吸った後、ロルフはちゅ、とリップ音をさせて唇を離した。
 ううう、わからん。唇を袖で拭って、横目でビョルンを伺う。目が合うとニコリと微笑まれ、余計正解がわからなかった。そもそも複婚って…!もうどうしようもないけど、わかってるけど、でも理解が追いつかん!
 頭を抱えて悩んでいる私を放って、ロルフは私の隣にドカリと腰を下ろして、私を挟んでビョルンと話し始めた。
「レーデルにはこのまま休暇申請出しておくってよ。明後日まで」
「そりゃありがたいが、いいのか?」
「俺たちも任務明けで休みだからな。ここで決めろってことだろ?」
「急なことだが…仕方ないか…」
「そうそう、仕方ねぇんだよ、兄貴。そんで、どこでやる?」
「俺の部屋…はさすがに3人は狭いな…」
「俺の部屋はもっと狭いぞ。レーデルの部屋は?」
「団長室のことか?ベッドはでかいが…レーデルが死ぬぞ。羞恥で」
「それはそれは。楽しそうじゃねぇか」
「やめてやれ、夫なら妻の名誉は守るもんだぞ。…そうだな、2番街の宿はどうだ?だいぶ前だが、タチの悪いチンピラの追い出しで呼ばれたところだ。終わった後に酒を振舞ってくれた。覚えてるだろ?」
「あー、蜂蜜酒(ミード)が置いてあるところか。アレは美味かった」
「そこだ。今の時期なら空いてるだろうからな、どうだ?」
「俺ァ酒があってやれりゃあ何でもいいよ」
「これからは相手のことも慮れよ。俺は先に行って部屋を押さえておく」
「ああ」
 話が済むとビョルンは私の頭にチュッとキスを落として、立ち上がった。
「シャーラ、また後でな。少し経ったらロルフと来てくれ。昼飯もその時に近くで摂ろう」
「え、あ、うん…?」
 曖昧に返事をしながら、応接室を出るビョルンを見送る。
 途中から話を聞いてたけど、他のことも考えてたから会話が上滑りしていた。確か宿を取るとか何とか…。
 …って、宿?!
「ねぇ、宿を取るって何?私もそこに行くの?!」
「逆に何でお前が行かねぇんだよ。ある意味お前がメインディッシュだろうが」
 ぎゃー!言い方!
「いやいやいや、待って待って。そりゃ結婚することになったけど、今日話が決まったばかりでしょ?!猶予を求む!」
「猶予なんかねぇよ。お前の秘書が言ってた『勝負を決めろ』っての、意味わかんねぇか?」
 あー!いまわかっちゃったけど、わかりたくなかった!
「お前の求婚者から邪魔が入る前に、既成事実作っとけってこった」
「シウーーーーッ」
 あのド畜生!次に会ったら覚悟しとけ!絶対嫌がらせしてやるからな?!とりあえず今すぐ転べ!
 奴が転ぶように怨念を送っていると、隣のロルフに肩を抱き寄せられた。
 顔を向けさせられ、ちゅ、と軽く口付けられる。
「落ち着けよ、シャーラ。アイツが言ったことがなくても、どうせ俺は待ち切れねぇよ」
 唇に息がかかる距離で言われる。うわぁ、なにこれ。こいつ色気ありすぎない?
「あ、アンタに落ち着けって言われるとか…んッ」
 再び口付けられ、食べられそうな勢いで唇を貪られ、舌を乱暴に絡めとられて、…体に力が入らない。ズルズルとソファの背を滑り落ちて、ロルフがそれを追ってさらにキスをしてきて、覆い被さってくる。
「ん、ん、はぁッ…あむ…ッ」
 ときどき息継ぎはさせてくれるけど、絶え間なくキスが降ってくる。ソファに横たわってしまったから、もう逃げることもできなくて。
「ふっ…んッ」
「ハッ!えっろい声出しやがって…、あー、ちんこ痛ぇ」
 熱い息を吐いたロルフは、ぐいっと私の膝を持ち上げて、足の間に自身の腰を入れ込んできた。
「ちょっと、もう!何して…やっ」
 グリグリ、硬くなったモノを服越しでも敏感なところに押し付けられて。
「なぁ、やっぱ、ここで一回ヤッてかねぇ…?」
 興奮に掠れた声を、耳に吹き込まれて。
 私は…

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