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北欧系戦士兄弟編
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んんん?
アレ、待って。この感じだとビョルンってもしや私のこと…?いやいやまさか、ビョルンさん戦闘時は本物の熊もビックリの凶暴ぶりだけど、普段は温厚で気さくな熊よ?元の世界では俳優やっててもおかしくないようなイケメンよ?こんなTHE HEIBON顔の女に惚れる?私と出会った当初めっちゃ美人の恋人いたよね?ボンキュッボンで背も高い迫力美人。知らん間に別れてたけど。
そもそも告白された覚えもないし…と思ったところではたと気づく。そういえば元の世界にいたとき、留学経験のある友達から聞いたことがある。ヨーロッパ圏は告白文化のない国が多いって。ビョルンからちょいちょい食事とかに誘われてたけど、もしやそれはデーティング期間ってやつだったの?!
「あー、えっと、ビョルンさん?」
「…なんだ」
ひぃ、声ひっく!
「なんというか、こう、文化の違いによる認識の相違ってヤツが生じてるようでして…あの、私の故郷ではイケメンは正義とかただしイケメンに限るみたいな言葉が横行するほど顔面の良さに重きがおかれておりまして私みたいな平凡顔はそもそも恋愛対象になんかならないという認識のもと貴方と接していた事実がありまして(ノンブレス)」
「…なにを言ってるのかわからん」
ごめん、私もよくわからない。
待って待って時間をくれ、こっちに来てから余裕なさすぎて枯渇してた女子力よ甦れ!我に力を!ダメだ来る前から女子力なんてなかったわ!
パニックでわたわたしている私を見て、ビョルンはでっかいため息をついた。
「…で、結局、お前はどうなんだ?」
「え?」
「俺と恋人の関係になる気はあるのか?」
ド直球ッッッ!!
顔がカァッと熱くなるのがわかる。完全に自分が不釣り合いだと思って対象外にしてたけど、アリかナシかで言われたらそりゃぶっちぎりでアリですよ!イケメンだし気も合うし!紳士だし熊だし!だけど対象外発言した直後にそんなこと言っていいの?これ、どう答えるのが正解?教えて女子力高い人!!
「えーっと、ビョルン。私としては青
「レェェェデル!!テメェどこだァァァァ!!!」
部屋の外から地獄の悪鬼のような怒鳴り声が響いてきて、私の言葉をかき消した。
「この声…ロルフ?」
完全にブチ切れた声色だけど、アイツ何があった?
ビョルンがドアの外にクイッと顎を向けたあと自分の胸をトントンと叩き、私を指さす。
『心当たりは?』
『ないないないない!』
声には出さず、全力で首と手を横に振って否定する。
そもそもアンタと一緒に今日帰って来たとこでしょうが!2週間くらい会ってないって!
でも私を呼んでるってことは、私に対して怒ってるよね?なんかやったっけ?2週間前の記憶なんてほぼないわ。しかしヤバイなあの状態のロルフ止められるのなんて一人しかいないぞ。
というわけで。
『ビョルン頼んだ!GO!』
唯一止められる男に、ハンドサインで指示を出す。
「はぁ…ったく…」
ビョルンはでっかいため息をつきつつも、ドアの外に出て行った。
ありがとう、君の犠牲は忘れない!
閉まったドアに張り付き、外の様子を伺う。かなり近くまで来ていたようで、「兄貴!」と呼びかけるロルフの声が聞き取れた。
「ロルフ、何があった」
「兄貴、あのクソレーデルは?!報告に来てたんだろ?!」
「落ち着け、事務の連中いなかったろ。昼飯じゃないか?」
「クソ…あのビッチが!タダじゃおかねぇ…」
わぁお、リアルでビッチとか言われたの初めてだわ。よくぞこの喪女に言えたもんだな?
「落ち着け、ロルフ。何があったんだ?」
「兄貴…落ち着いてられるかよ!さっきあのいけすかねぇ秘書野郎が言いやがったんだ!」
うん?秘書?
確かビョルンが来る前に、なんか配達物が届いたとか言って席を外してた気がするけど。戻って来たのかな?
「レーデルが見合いするんだとよ!」
え?
「…あ?」
声ひっく!
え?って言うか見合いって何?本人が初耳なんですけど!別のレーデルさんの話?
「それは本当の話か?」
「秘書野郎から聞く限りじゃぁな。だから本人を問い詰めに来たんだよ!」
ちょっとシウさぁぁん!このサイコパスに何言ったの?!なんで見合いすることになってんの?なんで私の見合い話にキレ散らかしてんの?!めちゃめちゃピンチなんだけど!ビョルンがんばって!私を守って!
「そうだな、本人に確認しよう」
ん?
地の底を這うような低~い声が聞こえたと思ったら、耳を寄せていたドアのノブがゆっくりと下がる。
ガチャリ。
「説明してもらおうか、レーデル」
「ッテメェ、いやがったな。洗いざらい吐くまで逃げられると思うなよ」
開いたドアの向こうに聳え立つ、悪鬼の如き憤怒の表情を浮かべた二人。
「ひえぇぇ~~…」
…控えめに言って、地獄。
アレ、待って。この感じだとビョルンってもしや私のこと…?いやいやまさか、ビョルンさん戦闘時は本物の熊もビックリの凶暴ぶりだけど、普段は温厚で気さくな熊よ?元の世界では俳優やっててもおかしくないようなイケメンよ?こんなTHE HEIBON顔の女に惚れる?私と出会った当初めっちゃ美人の恋人いたよね?ボンキュッボンで背も高い迫力美人。知らん間に別れてたけど。
そもそも告白された覚えもないし…と思ったところではたと気づく。そういえば元の世界にいたとき、留学経験のある友達から聞いたことがある。ヨーロッパ圏は告白文化のない国が多いって。ビョルンからちょいちょい食事とかに誘われてたけど、もしやそれはデーティング期間ってやつだったの?!
「あー、えっと、ビョルンさん?」
「…なんだ」
ひぃ、声ひっく!
「なんというか、こう、文化の違いによる認識の相違ってヤツが生じてるようでして…あの、私の故郷ではイケメンは正義とかただしイケメンに限るみたいな言葉が横行するほど顔面の良さに重きがおかれておりまして私みたいな平凡顔はそもそも恋愛対象になんかならないという認識のもと貴方と接していた事実がありまして(ノンブレス)」
「…なにを言ってるのかわからん」
ごめん、私もよくわからない。
待って待って時間をくれ、こっちに来てから余裕なさすぎて枯渇してた女子力よ甦れ!我に力を!ダメだ来る前から女子力なんてなかったわ!
パニックでわたわたしている私を見て、ビョルンはでっかいため息をついた。
「…で、結局、お前はどうなんだ?」
「え?」
「俺と恋人の関係になる気はあるのか?」
ド直球ッッッ!!
顔がカァッと熱くなるのがわかる。完全に自分が不釣り合いだと思って対象外にしてたけど、アリかナシかで言われたらそりゃぶっちぎりでアリですよ!イケメンだし気も合うし!紳士だし熊だし!だけど対象外発言した直後にそんなこと言っていいの?これ、どう答えるのが正解?教えて女子力高い人!!
「えーっと、ビョルン。私としては青
「レェェェデル!!テメェどこだァァァァ!!!」
部屋の外から地獄の悪鬼のような怒鳴り声が響いてきて、私の言葉をかき消した。
「この声…ロルフ?」
完全にブチ切れた声色だけど、アイツ何があった?
ビョルンがドアの外にクイッと顎を向けたあと自分の胸をトントンと叩き、私を指さす。
『心当たりは?』
『ないないないない!』
声には出さず、全力で首と手を横に振って否定する。
そもそもアンタと一緒に今日帰って来たとこでしょうが!2週間くらい会ってないって!
でも私を呼んでるってことは、私に対して怒ってるよね?なんかやったっけ?2週間前の記憶なんてほぼないわ。しかしヤバイなあの状態のロルフ止められるのなんて一人しかいないぞ。
というわけで。
『ビョルン頼んだ!GO!』
唯一止められる男に、ハンドサインで指示を出す。
「はぁ…ったく…」
ビョルンはでっかいため息をつきつつも、ドアの外に出て行った。
ありがとう、君の犠牲は忘れない!
閉まったドアに張り付き、外の様子を伺う。かなり近くまで来ていたようで、「兄貴!」と呼びかけるロルフの声が聞き取れた。
「ロルフ、何があった」
「兄貴、あのクソレーデルは?!報告に来てたんだろ?!」
「落ち着け、事務の連中いなかったろ。昼飯じゃないか?」
「クソ…あのビッチが!タダじゃおかねぇ…」
わぁお、リアルでビッチとか言われたの初めてだわ。よくぞこの喪女に言えたもんだな?
「落ち着け、ロルフ。何があったんだ?」
「兄貴…落ち着いてられるかよ!さっきあのいけすかねぇ秘書野郎が言いやがったんだ!」
うん?秘書?
確かビョルンが来る前に、なんか配達物が届いたとか言って席を外してた気がするけど。戻って来たのかな?
「レーデルが見合いするんだとよ!」
え?
「…あ?」
声ひっく!
え?って言うか見合いって何?本人が初耳なんですけど!別のレーデルさんの話?
「それは本当の話か?」
「秘書野郎から聞く限りじゃぁな。だから本人を問い詰めに来たんだよ!」
ちょっとシウさぁぁん!このサイコパスに何言ったの?!なんで見合いすることになってんの?なんで私の見合い話にキレ散らかしてんの?!めちゃめちゃピンチなんだけど!ビョルンがんばって!私を守って!
「そうだな、本人に確認しよう」
ん?
地の底を這うような低~い声が聞こえたと思ったら、耳を寄せていたドアのノブがゆっくりと下がる。
ガチャリ。
「説明してもらおうか、レーデル」
「ッテメェ、いやがったな。洗いざらい吐くまで逃げられると思うなよ」
開いたドアの向こうに聳え立つ、悪鬼の如き憤怒の表情を浮かべた二人。
「ひえぇぇ~~…」
…控えめに言って、地獄。
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