【R18】貧乳の国、豊胸の森

あらいん

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第2話 感度もモチロン重要です

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 002

「身体で支払えないということは理解してもらえただろう?」

 マントを掴むデイアナの手は微かに震えている。勢いはあるが諦めきった力のない声。
 哀愁が物悲しいな、おい!

 依頼主の主張したいことは理解した。
 だけどここは半裸の女が官能的に身体をくねらす妖しげなクラブじゃなくて、公共の場である冒険者ギルドだよ?
 コンプレックスである部分を堂々とさらけ出すような場所じゃない。

 受付嬢の額にも苛々とした青筋が浮んでいる。
 昼前の時間帯なので、この場には寝坊して今日の稼ぎを食いっぱぐれそうな冒険者である僕と、口の悪いギルド受付嬢しかいなかったことが幸いだった。

 一刻も早く露出を止めさせたいのは山々だけど、僕にも主張したいことはある。
 前回は圧倒されて言えなかった言葉。

「実に結構な胸だと思うけど?」
「バ、バカにするのも大概にしろ! 胸? 胸とはなんだ? 胸なんてどこにある!?」

 怒りの沸点低いなぁ。ディアナは興奮で息も絶え絶えで地団駄を踏む。
 上下する白い胸に隆起は無い。だから揺れない。
 だけど、胸は胸。小さいからと言ってなくなるわけではないよ?

 確かに稀に見る見事な貧乳。平坦で見事な絶壁。洗濯板。
 胸とお腹の境目である、ヴァージスラインも全く無い。
 だけど、問題ない。僕にとっては実に理想的な状態だから。

「どうして悲観する必要があるの? 実に理想的な胸だよ?」

 僕にとってはね!

「なに?」

 女の胸の価値は自身ではなく他人が決めるものだからね。これが嘘偽りのない本心です。
 二度目の肯定の言葉に、ディアナは訝しげながらも目を合わせてくる。
 正気を疑い、真意を探るような瞳の動きだ。失礼な。

「あらぁ? ケイスくんたら、いつまでたっても私になびかないと思ったら、やっぱりそういうご趣味だったんですね?」

 やっぱりってどういう意味!? 僕の個人情報がどこかで売買でもされているのか真剣に心配になってくる案件だった。

 適当なことを口にしないでいただきたい。
 受付嬢が僕に色目を使ったことなんて一度もないよね?

 カウンター越しの受付嬢が実に良い表情で笑う。
 さっきまでの苛々とは別種の尖った口調で目は笑っていなかった。
 これはアレだ。上司に気付かれる前にその痴女をなんとかしろという威嚇だ。
 そういうことは、頼むから痴女に言ってくれ。

 受付嬢の言う通り男には一定数、未発達な女性の身体に興味を持つ性癖の者はいる。
 ペチャパイやちっぱいなどと呼び方は色々あるが、小さな胸自体に性的興奮を覚えて傾倒する貧乳フェチというやつだ。
 小さい胸も大きい胸も平等に愛することが出来る僕を同列に扱うのはやめていただきたい。

「ディアナ、確認はできたから、いい加減仕舞ってくれる?」
「そうですよ、健全な職場の風紀を乱されると困りますぅ」
「そうか。ようやく分かってもらえたか。恥をかいた甲斐があったというものだ」

 どう解釈したのか知らないけど、僕はこの世界の男のように胸で女の価値を決めるつもりはない。
 貧乳にも抵抗はない。
 それは、僕がこのファンタジーな異世界にとって異邦人だからだろう。

 *

「ケイスです。さっそくだけど詳細を確認させてもらうね」

 握手の習慣はないので省かせてもらい、使っていない食事処の席の背を引く。
 ぎぃという音に休憩中の従業員が顔を上げたけど、席を借りるだけだと伝えるとまた机に突っ伏した。お疲れ様です。

「おい、本気なのか? 少年が護衛任務だと?」

 席に座ってからも、大丈夫なのか? という疑いの眼差しでジロジロと無遠慮に眺められる。
 悪かったな。欧米がベースらしいこの世界で東洋系の顔立ちが幼く見られるのは受付嬢の例で慣れている。
 加えて猜疑心の塊の表情のディアナより、15センチは身長が低いのも悪印象か。
 この世界の視点では中学生男子程度の見た目なんだろうな。

「心配ないですよ、ケイスさんは当ギルドでも五指に入る腕利きですからぁ」

 カウンターに座ったまま、そっぽをむいて受付嬢がやる気のないフォローをいれる。
 また適当なことを。
 僕のことを褒めたことなど1度もない口で、浮ついた台詞をよく言えたものだ。
 相当この厄介な依頼を処分したいらしい。その割に唇を尖らせて拗ねたような態度なのはどうしてなんだ?

「そういうことらしいよ。依頼についていくつか詳細を確認してから受諾したいと考えてる」

 せっかく飛んできた掩護射撃に話を合わせておくとする。

「うむ、聞こう」
「まず、サイナス地方までの護衛任務となってるけど、差し支えなければ行き先を聞いてもいい?」

 サイナス地方はこの街から、かなり離れた場所になる。
 時計の盤面で例えると、現在位置が12時で、目的地は5時の位置。
 中心部には険しい山があり、直進は難しいので左回りにぐるりと迂回する必要があるため長旅になる。

 人里を少し離れれば、夜盗も野生動物も、亜人と呼ばれるモンスターも少なからず跋扈する異世界だ。
 例え冒険者でも、女ひとりで気軽に旅が出来るような安全は保障されないから、今回のような護衛任務の話がわりと頻繁に転がってくる。
 それでも彼の地を目指す目的は限られてくる。

「うむ。目的地は、豊胸の森だ」

 やっぱりね。
 若い女の1人旅で、この地からサイナス地方を目指すとすれば行き先は8割方が「豊胸の森」だ。

「依頼内容は、豊胸の森までの護衛でいいんだよね?」
「うむ。間違いない」

 豊胸の森は、子供向けの絵本に出てくる森の名前。
 本筋とは離れた部分で描かれていた、森を訪れた者に豊かさを与えるという挿話。
 巷では、いつの間にか豊穣の女神が女の身体を豊かに実らせ魅力的にするという言い伝えになっている。
 所謂お伽噺というやつだ。
 サイナス地方にしっかりと同じ名前の森が存在する。

 重要なのでしっかりと言質を取っておく。到着したはいいけれどお伽噺の効果がなかったと後でクレームに発展するのを防ぐためだ。

「ありがとう。それで確認だけど、豊胸の森までの護衛任務だと提示されている依頼料が安すぎるよ」
「なに? ……そうなのか?」

 カウンターの受付嬢に視線を投げたディアナだけど、反応が返ってこなかったのでこちらに視線を戻す。

「せめて相場は出せない?」

 冒険者ギルドへの依頼料は、依頼主が決める。相場は受付の際に聞かされているはずだ。
 ディアナは黙り込んで唇を噛む。これが限界なのだと目が語っている。
 無い袖は振れないから長期間放置される結果となったのだろうな。
 いまさら増額されると言われても、こちらの計画が台無しだから程々にしておこう。

「だけど、こちらの条件を飲むなら、この金額で引き受けてもいいよ?」
「そうか……ありがたい。条件を聞こう」

 ディアナは「ふぅ」と安堵の息を吐くと背もたれに体を傾けた。

「条件はふたつ。まず第一に、旅の途中はすべて僕の指示に従ってもらう。従えない時点で契約は破棄とする」

 冒険者側からの途中リタイヤ、つまり依頼失敗の際には依頼主にギルドから迷惑料として依頼料の3倍が支払われる。
 当然、冒険者のペナルティとしてギルドに借金を背負うことになる。

 事前に決まり事をしっかりと取り交わしておくことで、万が一依頼が未達でもペナルティを出来るだけ免責扱いにする。

 長旅の場合は、依頼者側が音を上げて途中で切り上げる例はごまんとあるから保険は必要なのです。
 道中の必要経費は別にいただくから、未達で終わっても最悪損はない。

「心配ない、従うことには慣れている」

 それを自信満々に宣言されても対応に困るなぁ。

「あとひとつは、夜の相手をしてもらう」
「……なに?」

 これが最大の狙いだ。
 ディアナは綺麗な眉を八の字に寄せる。

「だが……私の身体では」
「問題ないと言ったよ?」

 何故そこまで自分を卑下するのか? いや、それほど貧乳を苦に生きてきたに違いないか。
 この世界の常識からは外れた要求なのは理解している。
 売り物にならないものを売りつけるようでより正確には負い目を感じている所に好感が持てる。
 誇り高い性格なのだ。うん、好ましい。
 逆に身体を売ることに抵抗がない分、こちらの罪悪感も少なくて済む。

「この低い依頼料で仕事を受ける条件は、道中は僕の指示に従うことと、夜の相手をすること。飲めないならご破算で」

 再度条件を伝えると、ディアナは信じられない生き物でも見たような絶句の表情をした。
 葛藤する部分が常識と外れているんだろうな。

 別に未成熟な体に興奮する性癖の持ち主というわけではない。
 小さな胸も豊満なおっぱいも、女性の象徴たる膨らみは、例外なく神聖なものだと信仰に近い思いを抱いている。
 特に、微乳が時を経て膨らんでいく過程は正に神の奇跡であり至宝。いや、畏怖に近い。

 経過を堂々と見守ることなど、前の世界では望めど叶わなかった。
 発育の早い少女の胸など服の上からでも凝視しようものなら通報もので、社会的な地位は引き裂かれる。
 女の胸の育成を間近で堂々と見守ることなど不可能だったけど、この世界では違う。今回は違う。
 そう、ついにチャンスが回ってきた!

 異世界に転移していなければ、決してお目にかかれないご褒美なのだ。
 それだけで、己の運命に乾杯をして喝采したい。

「本気……なのか?」
「もちろん!」

 成人近くなって尚貧乳に悩み苦しむ女がいて、一縷の望みをかけてお伽噺に出てくるだけの聖地を目指すなど、こちらがお金を出して付き添いたいくらいの好条件。
 更に、堂々と胸の成長の観察をさせてもらうには、極端でも夜伽を条件にするほうが効率がいい。
 一々頼まなくとも見る事が叶うし、触れることまで出来るのだからね。

 おっぱいを観察するだけでは我慢が利かない程度には年相応に性欲がある。
 長期間の護衛任務で、催すその度に毎回女を買うなど金が持たないし、病気が怖い。
 貧乏旅では宿を別々に取るのも憚れる。
 自慰もままならないなら、依頼主と性的な解消の契約を結ぶのが手っ取り早い。

 足下を見ているようで、気が引けるけど持ちつ持たれつということで了承をしてもらおう。
 もちろん無理強いはしない。
 依頼内容は帰路も含めると数ヶ月単位の移動の旅だ。それだけ身体を売る期間も長くなる。
 もったいないがどうしてもと拒絶されれたら仕方が無い。飲めないお酒でも飲んでウサを晴らそう。

「もしかして……少年は、女を知らないのか?」
「え? 童貞野郎なんですか!?」

 おい、受付嬢、目を輝かせるのは良いとして、言葉が乱れてキャラが崩れているぞ?
 第一、今その話題が必要か?
 女を知らないから、不出来な女に騙されるとでも言いたいのか?

 生きていくことで精一杯な2年間で、甘酸っぱい関係など皆無だった。
 なまじ知識があるから病気が怖くて娼館などには行けなかった。
 だけど、今回は違う。胸のない女は女に非ずの世界常識なら、ディアナは間違いなく処女だから。

「戯れ言はいいから! 返答を聞かせて!」
「えー、とても重要な案件ですよぉ」
「黙れ、受付嬢やじうま

 受付嬢に「童貞」であることを認めるのは癪だったので、露骨に話を誤魔化した。
 鼓動は少し早いが、2年の異世界生活で手に入れた冷静さでカバーができた。なによりだ。

「……わかった、これほど忠告して分かってもらえないなら構わない。少年には閨をともにして後悔してもらおう」

 最後まで、自分に女の価値はないとブレない態度だった。

たなくて、私を詰るのは控えめにしてもらえると助かるのだが……」

 ディアナは悲しげに俯いて言う。
 なにその都合のいい女は!
 だから、俺の心を掻き回すのは止めてくれ。この痴女は天然の男誑しなのかもしれない。

「はぁ……仕方ないですね、契約成立です」

 不良物件が片付いたのに、どうして残念そうなんだよ!
 掲示板に移動すると、受付嬢は苛立たしげに依頼表を剥ぎ取った。

「よろしく頼むぞ、少年」
「ええ、任せてください」

 話がまとまってなによりだ。

「ケイスくん、おいたしちゃ駄目ですよ?」

 おかんか。

「しかし、あの目……」

 ディアナは上目遣いで俺を見る。

「見られるほどの物もないのに、男に見られて恥ずかしいと感じたのは初めてだ」

 ディアナの言葉にドキリと胸が大きく跳ねる。
 少しだけ朱が差した頬で恥じらう表情が可愛らしい。
 さあ見ろと胸を張っていた割には気弱なことだ。

「ところで、ディアナさんは、ヒンデルニュー国のご出身なのですかぁ?」
「ふふ、そうだ。正式な国の名前であまり呼ばれることがないから逆に新鮮だな」

 ディアナは自嘲気味に口を歪ませる。
 ヒンデルニュー国は、東に隣接する国だ。
 だけど、そこに住む大半の女性の特殊な体型のおかげで、口さがない者たちからは蔑称で呼ばれることが多い。

「皆、口を揃えて我が国のことは、貧乳の国と呼ぶからな」

 貧乳の国出身の貧乳女と「豊胸の森」を目指す長い旅のはじまりだった。

 *

 夜のことだ。

「ねぇねぇデイアナ、もう一度胸を見せて」

 旅の支度を一緒に整えた後、誘いもしないのに勝手に馴染みの宿について来たディアナは、まだ旅が始まってもいないのに一仕事を終えたや様子で寛いでいた。

 こんなセクハラチックなお願いを堂々と出来る契約様々。
 内心はドキドキしているけど!

「……物好きな少年だな。うむ、少しだけ気恥ずかしいが、求められるというものは案外胸が暖かくなる悦びなのだな」

 良かった。苦笑するディアナの態度にホッとする。

 椅子から移動してベッドに座ったデイアナは躊躇なくマントをめくる。
 途端に白い肌が露出された。息を飲む。
 予備動作なしの行動に面食らう。
 そうだった。
 絶世の美貌を宿していても、マントの下は半裸の痴女でした。

 宿の部屋まで上がりこんだ割にマントも取らずにいると不審に思っていた原因はこれだ。
 お腹を冷やすのは良くないので、出発前に下はキチンと着てもらおう。

 だけど今はおっぱいだ!
 限りなく平坦なおっぱいが目に優しい。女性の胸とはいいものです。
 覚えたての羞恥心を誤魔化すように苦笑を浮かべる表情も萌えポイント。

「ふふ、この情けない胸を晒しても罵声を浴びることもなく、そのような目を向けられるとは女冥利に尽きるとはこの事だったのか。私の願いはすでに叶えられているのだな」

 いえいえ。満足したらそこで試合終了ですよ? ディアナにはもっと高みというバストアップを目指してもらわないと。

 満足そうに微笑むディアナに手を伸ばし、マントの留め金を外して上半身を裸にする。
 ベッドの上に上半身が裸の美女。
 キメの細かな肌は乳白色で、東洋系の色白とは違う別種の質感。洋物のアダルト動画を見ている気分なってきた。

「デイアナ、両手を頭の上で組んで」
「ふむ。少年は無抵抗の女をいたぶる趣向が好みなのか?」

 ある意味では否定はできないけど、そんな業の深い性癖じゃないです。

「違うよ」
「恥じることはない。少年とはいえ男なのだ。少年の指示に従うのが条件なのだから従おう」

 両手を頭の上に乗せたディアナの奇麗な脇が見える。全体的に体毛が薄いのか、胸がない女として少しでも価値を上げようと処理をしているのか、つるつるとした凹みだ。
 無駄のない絞られた肉体にほんのりと女らしさを浮かび上がらせる鎖骨がキュート。

「ふふ、くすぐったいぞ、少年」

 手を伸ばして鎖骨辺りから腋の下のラインを優しく撫でるとディアナは身震いをした。

「男に触れられるというのはこういう感覚なのだな。触る価値もない胸だが好きなようにするがいい」

 脇の下を念入りに優しくマッサージを続ける。
 初めて触れられる異性の手にくすぐったさと、張りがある体をほぐす心地良さがデイアナの顔を蕩けさせた。
 次第に肌がシットリと汗ばんで甘い匂いが漂い始める。
 桜色の乳首も反応して、ひっそりと控えめに固くなってぽっこりと膨らんでいた。

「好きに……しろ、と言ったぞ少年……」

 少し息を乱してデイアナはいつまでたっても脇の下のマッサージを続ける僕をけしかけてくる。

「契約は交わしたのだ、まだ宵の口だが今日から私の身体を好きに使うがいい」

 あらら、ちょっぴり拗ねたようなお顔になってる。
 旅も始まる前から条件の夜伽の権利を行使するほどがっついていない紳士を標榜する僕だけど、貧乳女故の心情的な怯えが混じっているのかもしれない。
 やっぱり胸のない女は価値なしなのだ、なんて落ちこませるためにマッサージをしているわけじゃない。

 予定にはなかったけど、少しだけ失礼しよう。
 なんて、言い訳をしているけど、結構我慢の限界だった。触れるのも躊躇う神聖な女の胸が誘ってくるのだから仕方がないよね。

「いただきます」
「また奇妙な言い回しを……あっ」

 そっと顔を近づけると程よく羞恥で存在を主張した乳首に口づけをする。
 唇に幸せが訪れた。

「ん……か、身体が震え……る」

 唇で先っぽをそっと挟むとデイアナはビクンと身体を震わせる。感度いいなぁ。

「舌が……ワタシの乳首を……あっ、そんなに……な、舐め回す、ものなのか……」

 少しだけしょっぱい味はすぐに薄れてデイアナの味になった。
 成長途上でも精一杯背伸びをする乳首の反応に舌が嬉しいので、ねっとりと絡ませる。
 舌触りの良いグミみたいに乳首が反発して舌と競演。

「くっ……なんという、気持ち良さなのだ……あっ……胸とはこれほど」

 感じてくれてちょっぴり嬉しい。
 童貞の僕だから心臓はドキバクで、いつ爆発してもおかしくないくらいテンパってる。
 でも、ディアナの感じる姿を見ていると使命を思い出せる程度には我に返れた。

 乳首周りのかすかに膨らんだ乳輪もしっかりと味わう。
 手はマッサージを続けているから、気持ちよさの二重奏。

 ふとディアナを見上げると目を閉じた恍惚の顔だった。滾る。だけど、慌てない。欲望をぶつけたい気持ちはもちろんあるし、女の身体に興味は尽きない。だけどこの与えられた神々しい胸を堪能したい。

「ひっ……あっ……む、胸から何か痺れるような……こんなっ……んんッ」

 舌でプリプリした食べ頃の乳首を突くたびにデイアナは甘い息を吐き、切なげに身をよじらせて抑えきれない嬌声をあげる。
 足の間に割って入っている僕の体を太ももで力強く挟み付けて来る。

 ほらほら、大きさなんて関係なく感じることができるでしょ?
 言葉の代わりにちゅうと乳首に吸い付くと、「あっ、だめっ」っと言葉遣いを乱してデイアナは軽い絶頂を迎えたらしく身体を強張らせた。
 敏感で感じやすい体質らしいね。

「あっ、ま、まだ、舐めるのか……」

 もちろん! 舐め尽くすよ!
 二十分ほど堪能して一息つくと、デイアナはのもう息も絶え絶えだった。

 *

「もう、手を自由にしていいよ、可愛かったよ! ディアナ」

 3回くらい軽くイク顔を拝めて大満足。
 身体を躍らせて微痙攣を繰り返すディアナを堪能していたら男としての欲望が治ってしまった僕のおっぱいに対する業はかなり深い。

「ああ……馬鹿な……私が、こんな」

 赤い顔で目を潤ませてディアナが自由になった手を僕に伸ばし僕の頭を抱きかかえる。
 発汗した女の柔肌がしっとりと頬にはりついて心地良い。熱いくらいのデイアナからはどくどくと激しい心音が聞こえてきた。

「男を抱きしめたくなる衝動に抗えないとは……少年は、貧乳殺しだ」

 なんか、不名誉な二つ名で呼ばれたけど、ディアナが満足そうなのでスルーしよう。

 いつまでたっても離してくれないから、そのまま二人で眠ることにした。
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