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第33話 20日目昼 エピローグ前半

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 上手いこと綾小路と佐藤を巻き込んだ魔物退治は順調で、王女殿下からの依頼は問題なくクリアに漕ぎ着けそうだった。
 これ以上淀みの発生が頻発しなければ凌ぎきれる。
 うむうむ。紆余曲折はあったけど異世界生活っぽくなってきて何よりだ。

 最初こそ及び腰だった佐藤も、冒険者ギルドの受付嬢たちの溢れんばかりの愛に溺れていた。
 何しろゴブリンを一匹倒せば英雄扱いだからね。
 師匠の伝でケモミミ娘も紹介されたので綾小路もやる気満々でご満悦だ。

 各務は心配していないけど、立花には責任感にかられて軽率に子作りはしないでねと念を押しておいた。

「リア充爆発しろ!」

 変な言葉を覚えたらしい各務が、少しずつ綾小路色に染まっていて心配だよ。

「……ハル」

 話をした時に顔を真っ赤にしていた立花は滅茶苦茶可愛かった。
 照れていたんだと思う。

 そう! 機は熟した!

 時間はかかるかも知れないけれど、帰還する道筋の確保が出来たのだから、少しは異世界生活を楽しませてもらってもバチは当たらないと思う。

 小さな事からコツコツと、真面目にやってきたのだからご褒美がないとね!

 帰還するために子供を作る僕のノルマはあと4人。
 女子の分を肩代わりするならあと5人。

 どうせ誰かを妊娠させなければならないのなら、相手は自分で選びたい。
 王女殿下から斡旋されるご令嬢は、どうも政治色に染まっているのでご遠慮願おう。
 生まれも育ちも庶民だから。
 お見合いもいいものだけど、やっぱり恋愛結婚に憧れるのが漢なのです。

 というわけで、多分王女殿下を通して冒険者ギルドが指定してきた、専属スタッフという名の高貴な身分のお嬢様も大変申し訳無いけど辞退させてもらった。

 理由はもちろん、エリーさんを指名するため!

 無理強いはするつもりは一切ない。
 交渉するだけなら無料ただだからね。

 *

 魔物発見センサーという側面を持つ冒険者ギルドアトラクションは、手に負えない本物が現れたからといって営業を休むつもりはないらしい。

 今日も男性客がわんさかと集まっている。主に酒場の住人だけど中にはスライム退治に勤しむ方もいるんだろうな。
 安全第一でお願いします。

 勇者3人組が魔物退治を引き受けたので、少し余裕が出来たらしいエリーさんを呼出してもらう。

「狭間様、お待たせいたしました」

 白いチューブトップブラをぶるんと揺らし、マイクロミニのスカートからにゅっと伸びた長い脚を見せつけて上品に歩いてきたエリーさんは、そっと柔らかい身体を押し付けて良い匂いで僕をくらくらとさせてから優雅に微笑んだ。

 本日もお美しくて幸せです。

 エリーさんは慣れた仕草で自然に腕を絡めてくる。
 腕におっぱいが当てられて歓喜で震えてしまいます。
 露出が多いのに触れている肌から伝わってくる体温は高くて熱いくらいだ。

「本日は、どのようなご用件でしょうか?」
「はい、昇級試験をお願いします!」
「まぁ……」

 意外な申し出だったのか、エリーさんは少しだけ目を丸くしてからくすりと笑うと「かしこまりました」と目を細めた。
 僕を眩しそうに見つめてくる瞳が潤んで、頬は少しだけ紅潮している。
 酔っているみたいな色っぽさに、続けようとした言葉が詰まる。
 正面切ってよろしければ僕の子供を生んでくださいと、お願い出来ないヘタレでごめんなさい。

「では、狭間様の修行の成果を確認させていただきますね」

 やわらかい手で握られて個室に案内される。
 美しい所作の後ろ姿に目を奪われる。
 ギリギリまでしか隠されていないマイクロミニスカートは、少しでも捲れたら下着もお尻も丸出しになっちゃいそう。

 左右にゆっくりと揺れるヒップにピッタリと張りついているスカートに、下着の線が艶やかに浮かんでいて、理性の箍の手綱を取るのが難しかった。

 チョイスされたのは、エリーさんと初めてを経験した部屋だ。
 思い出して下半身が熱くなる。
 扉が閉まったらあっという間に押し倒してしまいそう。

 興奮で歯がガチガチ鳴りそうだよ。いやいや、これは緊張なのかも。
 子作りセックスをお願いするって、告白を飛び越えてプロポーズに等しい行為だと言うことに、情けないけど今更気づいてしまった。

 エリーさんだから断り方もお上手なんだろうな。
 弱気になって握っている手が緩むと、エリーさんはその分だけ力を込めてくれた。細かな気遣いに感動してしまう。

 扉が開く。
 さあ、言うぞ!

「エリーさん! 僕の――うぶっ?」

 入った途端にエリーさんにぎゅうっと抱きつかれて、抵抗する暇もなくいきなり舌がはいってくる濃厚なキスの洗礼を受けた。

 あ、あれ?

「……ん……狭間様……んっ……狭間様ぁ……」

 僕の身長に合わせて少し屈んだ体勢で唇を貪るエリーさんは、発情した雌の匂いで部屋を充満させた。

 どういうこと!?

 ちゅむ、ちゅぱと唾液が口の周りを濡らすのも気にせずに甘い唇を擦りながら、ぬるぬるした舌で口内を蹂躙してくる。
 頭の芯まで痺れるキスで用意していた台詞は吹っ飛んでしまう。

「はぁ……美味しいです、狭間様……」

 確かに美味しい状況ですけど、どうして口内テイスティングが始まったの?

 唇を離したあとも、両手で頬を包まれて間近で潤んだ瞳で見つめられ、また綺麗なお顔が近づいて唇に吸い付いてくる。
 息をつく暇もないキスの嵐の繰り返し。

 いつものゆったりとした包み込むような余裕がなく、積極的で攻撃的なエリーさんに戸惑いながらも、次第に翻弄される熱い絡みに身を委ねることになった。

 何故だかエリーさんは興奮している。
 白からピンク色に染まった頭で考える。
 思い出せば、最初に肌が触れた時も熱かったし顔も赤かったけど。

「ああ、お許し下さい……んちゅ、専属スタッフを……んんっ、差し置いて浅はかなことですけど……あっ、狭間様が私を求めてくれて、んっ、嬉しいのです」

 専属スタッフを辞退したことは、まだ聞いてないんだ。
 というか、娼館都市特有の昇級試験の相手に指名されて興奮したということ?
 少しだけ勇気が戻ってくる。

「はぁ……本来、私などは狭間様の気が向いた際におこぼれを頂く程度の立場です。だからこそ誠心誠意お務めさせていただきます」

 ひと通りキスを堪能して落ち着いたのか、うっとりとした表情でエリーさんが甘い溜息をついた。

 可愛いなぁ。
 我慢できなくなってチューブトップブラの下に手を忍ばせて、重量感のあるおっぱいに指を沈める。
 スタイルが抜群だから突き出された胸部や腰のくびれが強調されて、目をどこにフォーカスすればいいのか悩みっぱなしだ。

「あっ、ふふ……エッチですね」

 びっくりするくらいに乳首が固く尖っているから、指で優しく円を書くように弄ってみると、エリーさんの身体が小刻みに打ち震えた。
 美女がまるでオークの催淫効果に侵されたみたいに発情している姿って、エロい以前に尊くて素晴らしい!

 エリーさんは両手でおっぱいを揉みしだくだけで身体を海老反りさせて痙攣する。
 びっくりするくらいに感度が抜群。
 いつも受け身だったから、愛撫するのもほとんど初めてだけど反応が返ってくるって気分がいい。

「すごく感じてるね、エリーさん」
「そ、それは……恥ずかしながら当然です」

 当然なの?
 エリーさんは目を伏せて唇を尖らせた。

「あのような勇姿を見せていただいたら……この街の女なら誰もがこうなります」

 遺伝的インプット!?
 勇姿って、オークを倒したときのことかな?
 だから、私の身体が淫乱というわけではないですよ? 狭間様が悪いのです。
 潤んだ瞳はそんな言葉を含ませて拗ねるように訴えてくる。

 熱狂的なファンが感極まっている状態なのかな?

 漢冥利に尽きるけど、それは不味い。
 今や魔物退治で活躍するのは僕だけじゃない。
 綾小路が正気を取り戻したり、調子に乗った佐藤にエリーさんを奪われたりしたら立ち直れない!

 速やかに僕の気持ちとお願いを伝えないと!

「エリーさん、お願いが――」
「狭間様……昨日、享楽と商売と豊穣の女神様の加護を解除していただきました」

 え?
 それって……。

「今日、狭間様のお種で私を孕ませて下さいまし」

 エリーさんが照れて顔を綻ばせる。
 胸に一撃いいのを頂いた、最高の衝撃だった。

 子供を生んでくださいとプロポーズを口にしようとしたら、逆プロポーズされてしまった。やっぱりエリーさんには適わない。

「狭間様のお子を身籠もる優先権は、専属スタッフのお嬢様方にあるのは承知しております……ですが、もう、堪えきれないのです」

 勇者様の子供を産むのは栄誉だから。本能に近いといっても過言じゃない。
 冒険者ギルドで活躍した者に専属スタッフがつくというのは、つまり強い血を残すため。勇者の子孫を作るため。
 娼館都市では貴族の地位にある人ほど、勇者の血を引いている者が多いらしい。
 逆説的だけど、過去の勇者の血が混じっているから高貴な地位が与えられたのかも知れない。

 もちろん、エリーさんや師匠のように例外もあるんだけどね。
 元は貴族で没落したとか、煩わしいと思ったのか、いずれ歴史を紐解いてみたい。

「いいの?」

 嬉しいけど、子供を育てるのって物凄く大変だと思う。
 自分が同じ事を頼みに来たことを棚に上げて、空気を読んで話を続ける。

「はい……ええ、はい」

 体を密着させたまま時折思い出したような唇を啄みながら、エリーさんは幸せそうに何度も頷いた。

「狭間様はご存じないかもしれませんが、私たちは年季を終えた後、好ましい殿方の子供を授かり育てる暗黙の決まり事があります」

 エリーさんは僕が抱いた不安を察したのか、安心させるように穏やかに笑う。
 それから互いの身体を預けて愛撫して、口づけを繰り返しながら話してくれる。

 娼館都市で働く女性は、ただ娼婦であるだけでなく公務員みたいな待遇らしい。
 次の世代を生み育てる。それが最後の仕事になる。任意だけど。

 冒険者ギルドで精子の元気チェックがあるのはそのためか。なるほど謎は解けた。

 この都市での税金とは性的奉仕従事で支払われ、一定以上を納めた者は年季あけ扱いで、別の生き方を選択できる制度があるらしい。引退してからも娼館都市に従事すれば年金扱いの給料も出る。

 お客様に見初められたりお金を貯めて街から出て行くことも可能だけれど、聞く限りは少数派。むしろ、都市で是非働きたいという人が大多数。

 さすが安全で安心の娼館テーマパークだ。
 お客様を喜ばせることが大好きで、愛が溢れているのは気質なのかな。

「狭間様にはご迷惑をお掛けいたしません。はしたないお願いで恐縮すが、どうか、私を孕ませてくださいまし」

 エリーさんはペニスを取り出して長い指を絡ませながら、素敵な懇願を繰り返す。
 ジクジクと滲み出た先走りで指が汚れる事も嬉しいのか、無邪気な子供のようにペニスの反応を楽しんでいる。

 負じとおっぱいを下からすくい上げて刺激をしながら、胸元の白い肌に吸い付いてキスマークをつけていく。
 白い肌につける赤い染みこそ漢のロマン!

「まあ……そんな隠せない所に、狭間様は意地悪ですね」

 僕の悪戯を愛おしげに眺めながら許してくれるエリーさんが大好きです。

 エリーさんは随分前に年季は明けていたけれど、でも子供を生みたいという男との出会いがなく、裏方に回って警備のお仕事を続けていたみたい。

「どうして復帰したの?」
「あら、うふふ、見回りで通り掛かった噴水の近くで、見慣れない服装の可愛らしい男の子を見かけたからですよ」

 一瞬で顔が熱くなる。事実だったら一目惚れの告白!
 掌の上で転がされてる気分も否めないけれど、素直に喜んでおく。

「狭間様、私に子供を授けてもらえますか?」
「はい、喜んで!」
「ああ、嬉しいです……」

 キスの嵐でお返しをされた。

 もう我慢できないと、エリーさんの短いスカートの下に手を入れようとして気づく。
 白い両足の付け根から一筋ずつの愛液が垂れて淫らな線を描いていた。
 下着では吸収しきれない程の興奮汁が溢れ出ているみたい。

「凄く濡れてる……」
「……意地悪です」

 エリーさんの羞恥にまみれた仕草に超興奮する。

 テーブルに優しく寝かせて、荒々しく下着を剥ぎ取る。
 ねっとりとした天然潤滑液が信じらないくらいに糸を引く。
 エリーさんも、子作りセックスに期待して興奮していたみたい。

 お尻を浮かせて脱ぎやすいように協力してくれた、エリーさんの足首を掴んで大きく開く。

「あぁ……見ないで……くださいまし」

 エリーさんは生娘みたいに両手で顔を覆っていやいやとむずがった。
 あの大人の女の代名詞のエリーさんが、少女みたいに恥ずかしがっているだと!?
 頭がクラクラするギャップ萌え。

 ベットリと愛液で濡れた割れ目がテラテラと光る。充血しきった陰唇はピンク色のフリルのように、だらしなくぱっくりと開いて男を誘う匂いを香らせる。
 薄い陰毛に彩られた朱色の粘膜から目が離せない。
 気持ちよさそうなトンネルの入り口は、媚肉がみっちり詰まり汁まみれでヒクヒクと蠕動を繰り返していた。
 あの裂け目に突っ込んだら気持ちよさで、あっという間に子供が出来る汁をぶっ放してしまいそう。

 我慢なんて無理でした。
 部屋に入る前からスタンバイ状態で、エリーさんに可愛がられていたペニスを割れ目に押し当てる。
 熱い蜜が絡みついてくる。

 ゆっくりと押し込むと、少しだけ抵抗感の後「あぐぅっ」と呻いてエリーさんは身体を震わせた。
 にゅっと丸く膣口が広がり、愛液をじゅっと染み出させながらペニスを咥えこんでいく。
 ペニスの先端が幸せに包まれる。

「あっ、は、はいって、うぐっ」

 腰を前に進め、にゅるりと中に侵入させると途端に中が強烈に締まって噛み付いてきた。

「ああっ、はいりました! だめっ、だめですっ……ごめんなさい、いっいぐぅ、イグゥゥ!」 

 何か慌てたような声を出すエリーさんに驚いていると、次の瞬間細い腰が跳ね上がり、勢い余ってペニスがにゅぽっと抜ける。

 え!?
 ぷしゅッと音が鳴り、割れ目からは潮が吹き出してエリーさんの身体が激しく痙攣した。

 もう、いっちゃった……?
 あのエリーさんが!?
 ほんの少しだけ中を擦っただけで!?

「……す、凄いです……まだ、頭の中が……あぁ、ご、合格です……狭間様ぁ」

 いれただけで合格!?
 忘れていたけど昇級試験の途中でした!
 確か合格基準はエリーさんを満足させることだったから、試験判定に身内贔屓みたいな不正はない。
 だけど、ここまであっさりでいいの!?

「はぁ……セックスで……いくって凄い……です」

 名器の持ち主の宿命で、満足する前に男が果てていたから初めての経験なのかも。
 滾ってくる。漢は初めてが大好物だから。

 女性としての悦びでガクガク震えているエリーさんを眺めていたけれど、我慢できずに愛液が垂れっぱなしのいやらしい穴にペニスを再挿入する。
 ずにゅうっと粘ついた音がしてジューシーな肉襞を擦りあげると、半テンポ遅れてエリーさんは激しく首を仰け反らせた。

「ひっ、お、おぉ……」

 奥まで一気に貫くと、弛緩していた内部が振動して包み込んできた。

「いってる……いってますっ、狭間様……刺激が……あっ、つよ、くて……ひっ」

 力強く閉じた目を震わせてエリーさんは、はしたなく大きく口を開ける。
 そのまま気遣いする余裕もなく、腰を思いのままに前後に振って中の気持ちよく絡みついてくるヒダでペニスを擦りあげた。

 きゅんきゅんと締め付けてくる内部がもっと熱くなる。

「あっも待って、も、もう……合格しましたからぁ、狭間様っ、ああっ、凄いっ……ぐぅ、あっ、あっっ、イグっいくっっっ!」

 ピッタリと中の粘膜が貼り付いてくる感覚。
 フィットのギフトだ。
 1ミリの隙間のない密着度で腰が溶けちゃうくらいに気持ちが良くなる。

 もっと感じたくて激しく突く。抜き差しをする。
 バキューム感でペニスが引っ張られる。奥のコリコリとした子宮口を押し潰す。

「う……あっ、あぁッ、も、もう、また来る……ああっ」

 多分まだ始まって数分だと思う。
 だけど気持ちよさで時間感覚は不明状態。
 何度も気をやるエリーさんの熱い肉壺を蹂躙する。

「あっ、……んぐっ……あっ、固い……すごく、あっ、ぴったりに貼り付くぅ……」

 ぱんぱんと肉のぶつかり合う音とグチュグチュという粘膜を擦る音は、きっと外まで響いているに違いない。

 激しい腰のピストンで、エリーさんの身体に併せておっぱいが縦に激しく揺れ続ける。
 背骨が心配になるくらいに身体を反り返させる。
 だけど腰から下は力が抜けてなすがままに甘美な信号だけを送り続けているらしい。

「身体が……あっ、熱い……気持ちっ、いいっ……ですっ……また、んんっ、きちゃう」

 エリーさんは譫言のように感想を口にする。口元はだらしなく涎が垂れて、閉じた目尻には涙が滲む。
 エリーさんを気持ちよく出来ている。それだけでもう出ちゃいそうな快感と優越感だった。

 呼吸と嬌声が小刻みになって、アクメが近いことを知らせてくれる。
 僕のペニスもいっぱいいっぱい。
 後は出すだけ。それ以外の事は考えられない。
 ペニスの根元がきゅうと疼く。もう出したいけどもう少しだけこの気持ちよさを堪能したい。
 エリーさんは露出した肌を汗で光らせる。
 恍惚に蕩けた、気持ちよさそうで苦悶の表情。

 ああ、もう、駄目だ。
 ペニスがにゅるりとした膣の内部で擦られて、気持ちよさで目の前がチカチカと光る。

「エリーさん、もう出るから! しっかり受け止めて! 僕の子供を妊娠して!」

 鼓舞するように叫び声を上げる。
 目を閉じて喘ぐだけの肉人形になっていたエリーさんが細目を開ける。

「は、はい……あぐっ、い、いぐっ……孕みます、下さいまし、狭間様の、精液を下さいまし……ひっ、また、またいぐっ」

 だらんとしていた長い脚が腰の後ろに回された。
 ぐっと腰を前に突き出すと、頭がおかしくなるような快感が来た。

「うわっ、締まる! あっ、出る! 出る!」
「あっ、大きく……あっ、ひっ」

 ブシュっと弾けるような感覚が腰の奥を甘美に痺れさせ、ドクンと精液が吹き出した。
 おびただしい量がエリーさんの無防備な膣内にまき散らされる。
 その想像だけで気持ちいい。

 びゅるっびゅるっとペニスが滾るたびにエリーさんの中は吸い付いてきた。

「ぐぅぅ、熱いです……孕ませて下さいまし、狭間様の赤ちゃんを……ああっ、出てる、奥にかかってる、孕んでしまいます!」

 腰を押し付けて両手で腰を強く掴み、どくどくと中に出し続ける。
 妊娠してほしいけど、何回でも出したいし、何回でもこの感覚を味わいたいから、一回で終わりになるのは勿体ない。でも孕ませたい。
 頭の中でぐるぐると同じ事を叫んでいた。

 最後の分を出し切ると、エリーさんの身体に覆い被さる。
 二人共心配になるくらいに息が荒い
 玉の汗が浮かんでいるおっぱいに顔を埋める。
 すごい早さの鼓動が聞こえてきて心地よかった。

「ありがとう、ございます……」

 心地よい疲労感に眠ってしまいそう。
 でもね、僕のペニスはまだ固いまま。

「エリーさん……1回じゃ、しっかり孕んだか不安ですよね?」
「あ、そんな……も、もう、出しましたよ? ひっ、ああっ、狭間様ぁ!」

 覆いかぶさったまま、腰を動かし始めるとエリーさんは、強く抱きついてきた。

 *

 何度も何度も絶頂を繰り返すエリーさんの中にたっぷりと流し込んだあと、豊満なおっぱいに顔を埋めていると、優しく髪を撫でてくれた。
 心地良い。凄まじいまでの安心感に色々と甘えたくなってしまう。
 漢を見せたかったけど、まだ男の子でもいいかなと逃避してしまいそう。

「ふふ、おつかれさまです狭間様。たくさん出してもらえましたから、きっと身ごもっていますね……」

 嬉しいような、悲しいような、怖いような複雑な心理状態は中々言葉に出来なかった。
 なんて答えれば良いのか迷ったので、疑問を口にして誤魔化すことにする。

「エリーさん、今日はどうしてあんなに感じたの?」

 少しだけ息を呑むような音がする。
 だって、少し前まで気持ちの良い肉の果実の異世界代表みたいな具合の良さで、早漏製造機と化して僕のペニスを余裕で転がしていたのに、初めから即堕ちしていたから不思議だった。

「……もう、狭間様、そういうことは女性に聞いてはいけませんよ?」

 笑いながらエリーさんは髪を引っ張って抗議してくる。
 でも聞きたいから、「教えて、エリーさん」と、ぎゅっと体を押し付ける。

 少しだけ躊躇をしたような息づかいの後、ふふっと笑みが思い浮かぶような笑い声が聞こえると、身体が少しだけ弛緩したようにやわらかくなった。

「……女を絶頂に導くのは……身体より精神的なの部分が大きいのですよ?」
「精神的?」
「ええ、今の狭間様なら抱きつかれるだけでも、恥ずかしながら、気をやってしまいそうです」

 それくらい、あの時の狭間様が格好良くて漢らしくて、今は愛おしいのです。
 エリーさんは難聴系鈍感主人公なら聞き逃すような囁き声でそう言った。

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