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第2部

第36話 ほんのり幕間 下着時間

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 036

 姉弟きょうだい従者が臥せっている間にも、世界は停滞したりせず、我関せずで動き続ける。

 大使はお山の麓に視察に出かけ、兄様ズは護衛として、朱華姉様は案内人として家を離れたのは昨日のことだ。
 村には3日間、滞在の予定らしい。

 王妃様が、「やれやれ羽を伸ばせて結構なことだ」と、んーっと腕を伸ばして背筋を伸ばし、巨乳を大胆に揺らしていた。
 厄介な客人2人から解放されて、本当に嬉しいらしい。
 肩が凝ったならいつでも第3王子をお呼びください。

 真実は判明していないけど、ナマクラ両刀大使の正体が女性だと判明したから、朱華姉様の同行もストレスが溜まるような話じゃない。
 一昨日に体調を崩したララ姉様も、昨日は朝から元気一杯だったから一安心だ。

 いつもの朝に、いつもの日常。

「アン、今日は時間がないから」

 僕の前に跪き無表情で大きく口を開けて、今まさにペニスを口に入れようとしていたアンに声をかける。
 そのまま僕を見上げたので、ポカンと呆けたような表情が間抜けっぽくて可愛らしかった。

「ですが若様、このように猛っておられては業務に支障が生じると思われますが?」

 開いていた口を隠すように手を当てて、アンはそっとペニスに目を向ける。

 アンと問答している間もシーラとビビィの密着お着替えは続いているので、ペニスはドンと反り返って、期待にジクジクと我慢汁を滲ませていた。

 アンは2日間静養して、今日から元気に復帰した。
 2日ぶりの一番搾りに期待をしているところ、大変申し訳無いんだけど、やらなければならない使命があるのです。

「平気平気!」
「ですが若様、一昨日はララお嬢様にご迷惑をお掛けしたと聞き及んでおります」

 シーラとビビィがそっと目を逸らす。
 ララ姉様に誘われてベッドに潜り込んだ後、シーツの中でやらかしてお昼過ぎまで寝てしまった事を知っているのは君たちだけだから、犯人はこの中にいるね。
 囚人のジレンマを利用して尋問したいけど、いまは時間がないから自重します。

「側付きメイドとして己の未熟を恥じるばかりでございます」

 暗黙の契約だけど、主の性欲処理はメイドのお仕事。
 アンは立ち上がると、まるで自分が悪いみたいに深く頭を下げた。
 シーラとビビィの気まずそうなお顔を拝見できたから、今回は水に流すね。

「愚弟、初耳」

 見学するつもり満々だったのに水を差されたパティ姉様が睨んでくる。
 痛い、痛い、痛いです。
 耳を引っ張らないで、パティ姉様!
 あれから毎日朝になったら顔を出すのに、アンの不在で希望通りにいかなかったので、ちよっぴりご機嫌斜めの姉様だ。

「ララに何をしたのか、詳しく」

 したのではなく、された側です。
 前から思っていたけど、パティ姉様はララ姉様と大変仲は良いけどライバル視している節がある。
 弟ラブで負けたくない姉の気持ちというやつなのかな?

「パティお嬢様、アンの失態でございます。ご容赦ください」

 姉の寝床に潜り込んで脚とか下着とかに欲望のたぎりをぶつけました。
 むうと、パティ姉様が拗ねたように唇を尖らせる。

「アンが元気になったら、やりたいことがあったんだよ。中止が駄目だったらせめて場所を変えてほしい」
「場所、でございますか?」

 アンが首を傾げて、「何か知っていますか?」とメイドズに視線を送る。
 ひくっとシーラは無表情の顔で眉を動かした。
 ビビィがポンと、手を叩いて音を鳴らす。

「ああ。かしこまりました若様。では、早速向かいますか?」
「うん、お願い」

 さすが、現役令嬢、頭の回転もピカイチだ。
 ビビィは、家の中とはいえ流石に丸出しでは不味いと考えたのか、パジャマを体に羽織ってくれる。下はタオルを巻かれて微妙な格好だけど。

「ク、クロ様、本日はお時間があまりございませんので、明日、明日からでいかがでしょうか!」

 なるほど、シーラ。
 明日までに証拠を隠滅するつもりだな?

「そうだね、時間がないよね」
「はい、時間がありません」

 シーラはうんうんと頷いてから、ホッとしたように無表情を緩めてしまう。

「だから、朝食には遅れると王妃様に伝えておいてくれる?」
「え? ……わ、私でございますか?」
「うん。だって……パティ姉様に頼むのも筋違いだし、アンは病み上がり、ビビィには案内をお願いしたいから、手が空いているのはシーラだけだよ?」

 無表情のお顔でダラダラと汗を流す。
 ビビィがぷっと噴き出した声がした。
 声に気づいて振り返ったけど、既に無表情に戻っていた。

「あの……申し訳ございません若様、お意地が悪いことを仰らずに、アンにも分かるようにお話ください」

 あ。なんか、アンが拗ねちゃった。
 現場に一緒に居たはずだけど、体調が思わしくなかったから話は聞いていなかったのかな?

 時間がないので早速場所を変えることにした。
 シーラは無作法にならない程度に脱兎のごとく、指令を果たすために食堂に向かった。

 *

「若様、御身がメイド風情の私室に軽々しく赴くのは……お控えくださいと前にお願いしました」

 まぁまぁとアンを宥めながら扉を勝手に開ける。
 女子の部屋というのは、何度入ってもドキドキします。

 目的の物は、しっかりありました!
 本日もお花畑のような色とりどりで眼福です。
 黒とピンクと淡い水色。よし、この3点にしよう。

「若様、何故、洗濯物に?」

 さりげなく、アンは進路を塞ぐ。
 アンにとって王族は貴き存在だから、下々の肌に密着する下着にあまり近づけたくないご様子だった。多少は羞恥心もあるんだろうけど。

「どの下着が誰の物なのか気になって集中できなかったんだよ」
「は?」

 素の反応だった。珍しい。
 3人部屋に部屋干しされた女子の下着の持ち主が誰なのか、アンが元気になったら調査しようと企んでいた。
 一昨日とは違うラインナップのピンク色の下着にまずは顔を近づける。

「若様、あまりお顔を近づけられますと抵抗が……」

 ビビィの小言を無視して、すんすんと鼻を鳴らす。

「……若様、犬のような真似はお控えください」

 落ち着かない様子でモジモジと身体を揺らしながら、アンも苦言を呈する。
 うん、言い得て妙だね。

「この下着は、ビビィのだね」
「お見事でございます、若様」

 とはいえ、ビビィはノリよく慇懃に頭を下げて褒めてくれた。
 うん。大変気分がいい!

「うん、簡単な推理だよ。一昨日ビビィが身につけていたのはピンク色のブラだったから、上下セットで色を合わせていると思ったんだよ」
「ご名答、恐れ入ります」

 いつ何時、王族に脱衣を命じられるかわからないメイド業だから、上下が違う下着の着用はしないと思った通りだ。僕の側付きの3人は、自分で勝手に脱いで下着姿になるから余計に気を使っていそうだし。

 下着は2日に1度のお洗濯。
 このチマチマしたピンク色の布が、目の前で無表情で立っているビビィの身に付けられていたことを想像すると滾ります。

「愚弟、とてもキモい……でも勃起した」

 成り行きで着いてきていたパティ姉様にジトっとした目で睨まれちゃった。
 腰に巻いたタオルが見事に固くなったペニスでふくらんでいる。

「では……お鎮めいたします」

 状況は納得が出来ないものだけど、朝の性欲処理おとつめを果たすのがメイドの作法と信じて疑っていないアンは、気持ちを切り替えて作業にはいる。

「メイド、私も参加」
「かしこまりました、パティお嬢様」

 2人で僕の前に跪き、タオルから解放されたペニスに熱い息を吐く。

 次は、淡い水色の下着に顔を近付ける。
 癖のない女子の匂いで幸せいっぱい。

「い、いやぁぁぁっ!」

 その反応で、持ち主が誰なのかは明白だった。

「……はぁ、はぁ、クロ様、それは私の下着ですから、匂いを嗅ぐ必要ないと思います!」

 部屋に駆け込んで息を切らしたままのシーラが懇願。
 シーラは下着を取ってポケットに仕舞ってしまう。
 残念。

 最後に手に取ったのは、黒いレースの意匠が素晴らしいローライズな一品だった。
 そっと顔に近づける。

 清潔な匂いの中に混じる微かな体臭。
 メイドズの中で一人だけ濃密に接触したことがある女性の匂いだった。

「これは、アンの匂いがする」
「ああ……若様が私の下着の匂いを……」

 恥ずかしくてお顔を上げられなくなったアンは滾るペニスを手で擦る。
 ビクビクと暴れるペニスの先端には、パテイ姉様が舌を伸ばしてすぐに引っ込めて、苦い物を口にしてしまった子供みたいに顔をしかめて、また可愛らしい舌を伸ばす行為を繰り返していた。

「んっ、ちゅっ……」

 我慢汁を舐めても舐めても収まらない事に気付いたパティ姉様は、顔を前に突き出して唇を開いてペニスを口に咥える。
 朝からチュルリと、卑猥な音がメイドズの部屋に響く。

 竿部分は、パティ姉様の唾液が湿り気を与えて色が変わる。
 喉奥近くの限界まで飲みこんで、それからゆっくりと吐き出していく。
 唾液がたっぷりまぶされたペニスを1度口から離すとくちゅっといやらしい水音がした。

「苦しい……でも、快感」

 危ないことを言い始めた。
 パティ姉様は、ペニスを口いっぱいに頬張って、喉の奥まで無理矢理ねじ込むと、顔を股間に強く押し付ける。苦しそうな赤いお顔のどこかに恍惚とした朱色が混じる。
 セルフイマラチオの境地に至ったの!?
 あわわ、無理をしないでパティ姉様。

「グホッ……うぅ……愚弟の、大きい」

 えずくようにペニスを吐き出すと、パティ姉様の口元に唾液がだらりと伝う。
 目眩がするような妖しさに満ちている。

「あう……アン、だめ」

 パティ姉様の息継ぎの合間には、アンの手コキで繋がれる。
 パティ姉様のたっぷり唾液が滑りをよくして雁首あたりが絶え間なくアンの手で擦り上げられる。

「すごい……もう1回」

 ゲホゴホと苦しそうな息を吐き終わると、またパティ姉様はペニスを飲みこむ。
 心配だけど、パティ姉様の喉の奥でギュッと締め付けられると痺れるような気持ちよさで戦いた。
 僕の下腹部とパティ姉様のお顔に挟まれたアンの手が所在なさげ。

「ああ、そんなに奥まで若様の物を……」

 喉の奥の方でガボっという空気が抜けるような音。
 その後、急激に締めつけられるペニスの先端。
 パティ姉様は唾液で口元も胸元も汚れてしまうのも気にせずに、ペニスを自分の喉に打ち付けるように顔を前後させる。

 いつの間にか空気に感化されたメイドズも身体を寄せてきていた。

「ふぐっ……うぐぅぅぅっ」

 ぶるっとパティ姉様が身体を震わす。もしかして、喉を貫かれる苦しさで絶頂ですか!?
 ボロボロと涙を流しながら、ぐぼっとペニスを口から離したパティ姉様は、まるで天に召されてしまうような幸福に満ち満ちたお顔でだらしなく口を開いたまま放心した。

 その妖艶なお顔が胸に刺さる。

「アン、出そう、もっと、強く」
「あぁ……若様……出るのですね……かしこまりました」

 寸前まで昇ってきた感触に腰が震える。
 視界が揺れる。

「くぅっ凄い、もう、出る」
「はい、どうぞ、いつでもお出しく、あっ……」

 びゅるっと凄い勢いで塊が噴き出す。ビチャッと音がして、薄目で確認するとパティ姉様のお顔に命中していた。
 その光景に興奮度合いが上昇。

 びゅーっと続けてペニスが脈動。

 ドクドクと放つ気持ちよさに足下がふらついて、伸ばした手で干していた下着を掴んでしまう。
 目の前に持ってくると黄色と白の縞々模様のショーツだった。

「ああっ、私の……クロ様ぁ……もう、恥ずかしぃ……」

 シーラの泣きそうな声がした。
 びゅーっと出る精液がパティ姉様のお口には入りきらず、可愛らしい顔に飛び散ってる。

「愚弟……濃厚……」

 正気を取り戻したパティ姉様は、あごを上げて片目を開ける。片方の目は粘りのある白濁液で埋もれている。

 アンの手コキは止まらない。腰がガクガク震える気持ちよさの中、僕はアンに鳴かされた。

 間隔を空けて吐き出された欲望で、パティ姉様の小さなお顔はもう顔面パックをしたみたいな惨状だった。

 出し切った後、アンはようやくペニスに口をつける。
 丹念に舌でくすぐり、垂れる滴の一滴まで逃さないように赤い唇を密着させて、でも敏感になっている先端に負担をかけないように控えめに吸い付いてくる。

「ああ……若様の味……こんなに苦いのに……」

 とっても美味しい、と周りで見ている方が照れてしまうような幸せいっぱいなお顔で呟いた。

 *

 パティ姉様のお顔がメイドズに綺麗に拭われて、アンの昂ぶりもようやく落ち着いてきた頃。
 部屋に聞き慣れた声が響いた。

「まあ、クロ? 女の子を床に座らせたりしてはいけません。おいたは程々にするんですよ?」

 え……アストレア母様?
 どうして、母様がメイドの部屋に?

 色々な女性に裸にされたり見られたり、気持ちよくしてもらったり鳴かされたり、だけどアストレア母様に見られるのはひと味違う。

「はわわ、アストレア母様!?」

 顔が急激に熱くなる。

「……クロ様、お顔が」
「真っ赤になってございます」

 メイドズが驚いたように声を揃えた。
 割合の少ないクロの部分が一気に思考を奪っていく。

 本物の母親に、女子とイチャイチャしている場面を見られるとこうなるんだ!

「さあ、アン、掴まりなさいな」

 アンを気遣うようにアストレア母様が手を貸している。

「ああ、申し訳ございません……え? ええっ? ア、アストレア奥様、し、失礼いたしました!」

 一番搾りの余韻に浸っていたのか差し伸べられた手を取ったアンが、アストレア母様だと遅れた反応で気づいて硬直している。

「うふふ、可愛いわ」

 アストレア母様がアンをぎゅうと抱きしめる。
 アンは可哀相なくらいに恐縮して、目をマンガみたいにぐるぐるにして慌てていた。
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