【R18】昼は王妃で夜は雌(ブタ)

あらいん

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第1部

第20話 王妃様の念願

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 020

 ふらつく身体で立ち上がった王妃様は、手を貸す僕に寄りかかるような体勢になる。
 微かに磯のような匂いがして、生の王妃様を嗅いだみたいでペニスがじわじわと疼きはじめた。

「どうして、服を脱いだままなのだ……」

 さらに漲るペニスをチラと見て、王妃様が耳元で小言を囁く。
 朱華姉様の裸族体質に感化されていたけれど、そういえば全裸でした。
 なにか羽織るという感覚が失われていて、日常に戻れない危機感を感じてしまう。
 裸の王子様とかいう異名は勘弁。

 王妃様だって下着を丸出しだったから、おあいこと言うことで!

 世を忍ぶ仮の姿を演じるとはいえ、一国の王妃様を床に座らせたままにしておく訳にはいかない。
 立ち上がらせたのはいいけれど、このままの流れだと朱華姉様のいうように、僕が王妃様の溢れんばかりの欲求不満を解消するお相手コース。

 色々思う所はあるけど、前向き第3王子的にはバッチコイ。

 だけど、王妃様はそれでいいの?
 今日は別に世界が滅亡する日でもないし、明日僕が不治の病で死んでしまう涙涙の物語はないよ?

 つまり、陽が昇れば王妃と王子。普通に顔を合わせる運命は曲がらない。
 母親役と息子役で濡れ場を演じた2人がプライベートをどんなお顔で送ればいいのか。
 デレてしまった王妃様の反応はとても興味深いけど、独りよがりの男は女性に嫌われてしまうのです。

「王妃様、ここは僕に任せて先に行って下さい」

 王妃様に肩を貸す体勢を取り、耳元に唇を近づける。
 騎士ナイト気取りで、一生に一度は言ってみたい台詞ランキング第1位が口に出た。

「あっ……やっ……よ、よさぬか」

 だけど王妃様は僕の囁きを敏感な耳と唇の愛撫として捉えてしまう。聞いちゃいねえ!
 王妃様の一気にお顔が赤くなって睨まれる。こっちまで熱が伝わってきて赤くなる!
 どうして僕が王妃様に悪戯したみたいな展開?

「や、やはり、クロは……私の身体に……」

 王妃様は、そのまま身体の疼きを押さえようと、腕を交差して肩を押さえ「鎮まれ、私の身体」と中二病めいた台詞を呟いていた。

「クロ、ベッドまで待てんのか、この粗忽者が」

 扉を閉めた朱華姉様が僕の頭をぽかりと叩く。
 丁度良く殴りやすい高さの身長が恨めしいです。
 あと誤解です。

 閉められた扉を王妃様と2人で黙って眺める。沈黙が恥ずかしい。
 鍵も閂もないただの木製の扉が、2人の色々な物の退路を断っていた。

 くっつけている身体の接触部分が異様に熱い。
 ハグなんて、健康な身体になってから幾度となく繰り返してきたのに、肌が触れているだけで心が熱く滾ってくる。恋した男の娘みたいでムズムズしてくる。

 王妃様のいつもの高貴な匂いにペニスはドンドン固くなる。

「また、人の身体の匂いを……」

 僕は半分王妃様を女として見ていたけれど、王妃様は僕を息子として扱ってあしらっていた。
 だというのに、王妃の僕を見返す赤い瞳は女の瞳。潤んだ瞳。欲情している女の貌。

「……男子3日会わざれば刮目して見よ、か。昔の者は上手いことを言ったものだ」

 いえいえ、変わりすぎです!?
 あと、変わったのは僕ではなく、王妃様!
 3日会わない間に何があったの!?
 戸惑いながらもエロエロ展開にちょっぴり期待しています。

 朱華姉様に正体を隠したまま、王妃様は部屋に入る。
 部屋は男女の睦み事の匂いが強く、空気が妙に生暖かい。

 すやすやと眠るララ姉様とパティ姉様を見る王妃様は、気まずそうでソワソワと目を泳がせた。
 えーと、はい。自業自得ですけど、心中をお察しします。

「その者たちは気にせずともよい。よく眠っておるから多少声を上げても起きぬであろう」

 躊躇う王妃様の心配を取り除こうという朱華姉様の気遣いは、180度逆さまで大きなお世話。
 声を上げることをしてしまうのかと、王妃様はひくひくと頬を痙攣させていた。

 王妃様は何を望んでいるんだろう?
 息子に厳しくても甘い母親役だと思っていたけど予想外。

 色々とややこしい関係になりそうな、お山に住まう朱華姉様に弱みを見せるわけにはいかないプライドとか対面とかあるのは分かる。だからといって、いくら正体を隠すためとはいえ、無意味にヤリ部屋と化した寝室に足を踏み入れたりしないと思う。

 父上と死別した独り身でも、操を守っている清浄な王妃様だから。
 身を呈して情報を聞き出そうとか? いや、そうか、これはもしかして影武者?

「……女をジロジロ見るバカがいるか、この痴れ者が」

 ぴしゃりと王妃様の手刀が炸裂。痛いです。この身長!

 うん、絶対本物。
 つまり、これは。

 朱華姉様が僕の興奮を勘違いした言葉を聞いて、腰を抜かして床に尻餅をついていた王妃様が一瞬見せた真剣なお顔。
 それはもう、自白と判断してもいいのかな?
 王妃様を犯したがってる僕に何かを期待したって。

 バスルームでの潮吹きを思い出す。
 僕と朱華姉様とのセックスを覗き見て、自慰行為に及んだ背景。
 一国の王妃様という尊き身分で、バレちゃう覚悟で。

 うわ! 期待していたとはいえ、身体が物凄く緊張してきた。
 もしかして、僕って王妃様に恋とかしてる? それともこれってクロの残滓?

 メイドズの性欲処理とか、姉様ズのボディタッチとか初体験とか、朱華姉様との童貞喪失とか、色々経験しているというのに、童貞に戻ってしまったような心細さ。

 ベッドの側に立ち尽くし王妃様は目を伏せる。

「そう、固くなるな、その年で男を知らないわけでもあるまい?」

 朱華姉様の悪気のない一言攻撃がクリティカルヒット。
 もちろん知っています。子持ちですから。
 王妃様も立派なセックス経験者なんだけど、処女の娘みたいに落ち着かないのは見逃してあげて欲しい。
 王妃様以上に落ち着かない僕だけど!

 今回は相手が悪かった。
 多分、王妃様は父上以外の男なんて知らないはず。身持ちが固くて有名だから。
 浮気とか再婚とか浮いた話は聞いたことがない。久方ぶりの男に違いない。

 だけどその男は血の繋がりはないけど息子同然。隠しているけど、お相手は家臣。
 しかも、身体を熱くしていることは隠しているご様子で、朱華姉様には正体まで隠している。
 これで落ち着ける要素なんてあるはずがない。

「……汚れてはメイドに言い訳できん。クロ、手伝ってくれ」

 王妃様は背を向けると、赤い髪を手で掴みファスナーのある場所を示す。
 後ろからみる綺麗なうなじ。細い首筋にドキドキして手が震えた。
 女性の服を脱がす経験が初体験の後というのが王族らしいね。

 髪を絡ませないように気をつけながらジジッとファスナーを下ろしていくと、赤い布が割れてむしゃぶりつきたくなるような白い背中が現れる。

「脱がしながら鼻息を荒くする息子に育てた覚えはないぞ、クロ」

 窓際に移動した朱華姉様に聞かれない程度に嫌味を言う。
 興奮気味な息子に服を脱がせていることを再確認しちゃいます。
 自分で自分を煽ってるの!?

 腰辺りまで続く長い拷問。
 途中で白いブラが見えて、意外にホックのある部分が太いんだなと大発見。
 紐みたいな細さをイメージしていたから。

 するっと磨かれた白い肌を滑るように赤い簡易ドレスが脱げていく。
 朱華姉様が「ほぉ」と感嘆する驚くほどに細い腰。逆三角の白い下着。肉付きの良い白い脚。

 白い高貴な肌に、白い上下の下着に黒いガーターベルト。
 ストッキングに包まれた白い脚が鮮烈に対比していて艶めかしい。

 息子の前で母親が見せる格好ではないから興奮度合いと戸惑いがめっちゃ大きい。
 朱華姉様は窓際の椅子に全裸で大胆に足を組み、酒盛りを再開して観戦モードだ。

「……クロ、山を転がったと聞いたが怪我などはしていないか? していないのだろうな。あんなに盛っていたのだからな」

 心配したけどよく考えたら、さっきまで女とヤッていたな、みたいな表情の変化だ。
 チラと朱華姉様に視線を送る。
 母親に見られながら身体的初体験を済ませた息子に嫌味の1つも言いたいよね。

「おう――ご心配おかけしました」

 王妃様と言いかけたら鋭い眼光で睨みつけられた! なんか横柄な出だしなのに、敬語という変な態度になっちゃっいました。

「その元気なモノは私に欲情していると聞いたが本当なのか?」

 元気なままのペニスがピクっと動く。
 王妃様に、性的にペニスを見られるというのも乙なものです。
 今までは、子供の成長を見守る母親印の暖かい色だったから。

 好きになってはいけない人に熱い想いを寄せる、クロの残滓がチラついて抵抗感はあるけれど、僕にとっては血もつながらない魅力的な女の人だ。
 背徳感は楽しむ程度に残している。親子だし。

「この見境なしが……」

 ベッドに横座りになった王妃様が苦笑する。
 一瞬だけ、王妃様はララ姉様を見た。
 すぐに目を閉じて何かを堪えるように、何かを捨てた顔になる。

 男を誘うような下着姿で、オナニーをしていた直後の王妃様とベッドの上でお見合い状態。

「ここは、話を合わせよ……クロが嫌でなければな」
「はい、よろこんで」

 王妃様は苦笑する。
 ゆっくりと僕に顔を近づける。
 赤い瞳が鋭い角度で固定され、睨みつけられたまま、ゆっくりと唇が被せられた。

 王妃様との恋人みたいなキス。
 もう、心が爆発寸前。なにこのドキドキ。堪えられる類いのものじゃないんですけど!?
 震えそうになる身体をなんとか押さえつける。
 なにしろ僕は非童貞。見栄くらい張りたい男の娘だから。

「ん……んんッ!?」

 口の中に強引に舌をいれると王妃様はひくっと身体を縮こまらせた。
 一瞬だけ、薄目で僕を確認してくる。
 引っ込めてしまった甘い舌が、控えめだったその動きが、恐る恐るだけど絡み始める。

「はぁ……んちゅ……ちゅ……んは……」

 熱い。口の中がとっても熱い。

 ちゅるちゅると舌が絡む。甘いキス。甘い舌。甘すぎる息。
 唾液が絡む。唇が擦れるフレンチなキスになったり王妃様の舌がおっかなびっくり口の中に侵入したり。
 首だけ突き出した姿勢で唇だけで接触。

 我慢できなくなって手を伸ばす。

「ん、らめっ」

 おっぱいがガードされた。あれれ? どうして拒絶?
 何かを怖がっているような王妃様の弱々しい抵抗は強引に退けることが出来そうだけど、ここは一歩引いて唇で舌を強く吸う。
 気持ちを逸らす。

「ん、んっ、んふぅっ……や、やへ」

 トロンとしたお顔になる。
 腕の力が少し弱まる。

 手を伸ばして、おっぱいに。
 ハーフカップのブラの隙間から手を侵入。
 しっとりと湿った王妃様のおっぱいが感動過ぎて手が痺れる。

 手が沈みこむ王妃様のおっぱいの、固く尖った頂は陥没していてぷっくりとふくらんでいるだけだった。

「ひっ……んっ……ら、らめて……」

 ああ、なるほど。この間のバスルームでの体験をフラッシュバックさせているみたい。
 はでに潮吹きまでしちゃったから。
 期待しているのか恐れているのか、答はすぐに分かるはず。

 きゅっと乳首を大きな範囲で優しく摘まむ。
 次第に力を入れる。
 にゅっと乳首が硬くなって顔を出す。
 指で優しく捻ってみる。

「んひっ……おぉ……んん……あぁ、ああっ……ひゃ、ひゃめっ」

 キスをしながら漏れ出す弱々しい拒絶の言葉。
 普段口やかましく叱りつける口から悦楽に翻弄される吐息。

 ぞくっと。
 背筋に寒気が。
 身震いする。
 興奮してくる

 ああ、我慢できない。我慢できない!
 王妃様の初々しいくせに大きめの乳首をすこしだけ強めに捻り上げる。
 途端にビクンと王妃様の身体が跳ねた。

「んっ……んんっ! んふぅぅぅぅぅっ! いっ、いぐぅぅぅっ!」

 王妃様は身体を反らせて硬直する。
 キスが溶けて、出しっぱなしの舌がだらしなく伸びて、涎が口元にべっとりと付いた。

 びくっびくっと激しく身体を小刻みに震わせた王妃様は、前に倒れ込むように抱きついてくる。
 そのタイミングで、上げた腰からびしゃっと激しい音が聞こえた。

 ああ、王妃様のお顔が。
 なんて淫らで、なんてはしたない、快楽に支配された安心しきった表情だった。
 王妃様は僕に抱きついたまま、何かを達成したような満足げな吐息をもらす。

「ほぉ……潮吹きか。初めて見たぞ」

 朱華姉様の声と被せるように、王妃様は呂律の回らない口調で言った。

「やっ……と、きたぁ……届いたぁ……」

 お顔は、トロけてだらしなくて、それは雌の顔だった。

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