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アメリカンレモネード3
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「も~白濱さんっ、あまりにぶっ飛んだ発想で驚いたじゃないですかっ」
片付けの最中、一刻も早く疑惑を晴らす。
「そうですか?
僕にはそう見えたんですけど、ないですか?」
不敵な笑みを浮かべる白濱さん。
こやつ、完全に見抜いてやがる!
今まで誰にも見破られなかったのにっ……
「ないですないですっ。
そもそもあたし恋愛に興味ないですし、職場恋愛なんて以ての外だしっ」
誤魔化しながらも一句浮かぶ。
恐ろしや、さすがやり手の洞察力。
by松本芭蕉、じゃなくて!
「とにかく、変な妄想やめてくださいよ~」
「すみません、似合ってると思ったんで。
それに、プライベートな話題で絆も深めたかったし」
いきなり深めすぎじゃーい!
しかも全っ然深めたいよーに見えないんすけどっ。
ん?似合ってる?
さっきあたしも言ったような……
もしやこれは反撃じゃ?
そうだ、あたしを黙らすための目には目をの反撃だっ。
なんて恐ろしい男め~。
「では本題に入ります」
「了解です」
そこはすちゃっと切り替える。
「僕の案としては、さっきも言った通り8月は夏バテの時期なんで。
夏の疲れを吹き飛ばせといったテーマで、アサイー商品を展開してみてはどうかと思います」
カウンターにその資料が並べられた。
「アサイーは栄養価と美容効果がとても高く、女性にすごく人気ですし。
ここで飲んでる時も、お客さんからアサイーを求める声が上がってました」
おお、さすがアンテナを張り巡らせてらっしゃる。
「もちろん、仕事帰りにリフレッシュと掲げて平日限定で考えてますが……
どうですか?」
そこに通りがかったマイマイが、資料を目にして食い付いてきた。
「あっ、アサイーボウル!
え、それいい超いい、アタシも大っ好き。
次の企画ですかっ?」
「に、提案してるところです」
「い~と思います。めっちゃ大賛成です」
グッと親指を立てる姐さんに。
ありがとうございますと白濱さんは、塩っけのカケラもない温かな笑顔を返した。
なんだその笑顔っ。
賀来さんや店長とかともフレンドリーに接してるし……
この男、あたしにだけ冷たい気がして来た。
だけど。
「では松本さんと相談してから、再度検討したいと思います」
え、そこはあたしを立ててくれるんだ?
まぁ担当だから当たり前なんだろうけど……
なんか嬉しいっ。
「あたしもめっちゃいいと思います!
もうワンってお手しちゃうくらい大賛成ですっ」
フリ付きで支持すると、白濱さんは一瞬面喰らった様子を見せて。
「そーゆうのは要らないんで、内容を詰めましょう」
クールに流しやがったー。
「平日にやってくるアサイー屋台といった形で打ち出そうと思ってますが、どうですか?
参考までに考えてきたメニューです」
「おお、仕事が早い」
「あとアサイーカクテルですが、ノンアルのものは特に美容と健康を重視した組み合わせでお願いします。
ただ、どれもビジュアル的にはあまり綺麗じゃなかったり、似たような色になるかと思うんで、デコレーションには工夫が必要かもしれません」
「なるほど」
確かに紫系ばっかじゃ心踊んないなー。
どんよりだよ、逆に疲れちゃう。
そこでふと。
この前マイマイとの話題にのぼった、同じく紫系の赤ワインを使ったカクテルが思い浮かぶ。
「あ、アメレモっ。
白濱さん、2層にするのはどーですかっ?」
「2層?」
「はいっ。比重の違いを利用して重いのと軽いのが混ざり合わないようにすると、2層に出来るんですっ」
「なんか、良さそうですね。
あとでそのアメレモ?作ってもらっていいですか?」
「もちろんですっ」
てゆーか、アメレモ?って可愛いんですけどっ。
その時、お客様が来店して……
「あ、いらっしゃいまっ」
その不吉な姿に石化する。
「……どうかしましたか?」
「ええっ?
やっ、喉が詰まって?」
怪訝に伺う白濱さんを誤魔化しながらも。
だから元彼はいらっしゃらないで~!
しかも、ヤツが座った辺りのカウンターから視線をめっさ感じる……
こっち見るなー。
「……あの、聞いてますか?」
「えっ?
えーとすいません、なんでしたっけ?」
「アサイーボウルについてです」
「あ~、了解ですっ。
もう大丈夫なんで続けてください」
京太くんのチャーム用意してたから聞けなかったよ~。
とゆう仕事出来ない子を装って、その場を取り繕ってみたけど。
京太くんの対応にあたってくれたマイマイが、そのチャームを取りに来て……
「ねぇ粋、今来たお客さんめっちゃあんたの事見てるけど……
もしかして彼が例の元カレ?」
いや無駄に鋭いっす姐さーん!
「え~とまぁ、そぉかな~」
翔くんたちに顔バレしてるし……
隠したくても、ヤツが自ら暴露するに違いない。
「よかったじゃん!アタシに任せてっ」
待って姐さんよくないのー!
どうしよう、任せてって何する気っ?
とっさに視線を向けると、京太くんとバチっと目が合って。
うわあ!だからこっち見ないでー。
するとそんなあたしに、白濱さんから最もな一言。
「松本さん、2度目です。
今日は打ち合わせ出来る状態じゃないようなんで、また来ます」
「わ~!帰らないで白濱さんっ。
帰らないで打ち合わせのフリしてもらえませんっ?」
焦って思わずとんでもないお願いをしてしまう。
「はあっ?」
「いやすいません、ほんっとすみませんけど……
ダメですかっ?」
だって今帰られたら必然的に京太くんの前に行かなきゃだもんっ。
「……元彼が来てるんですよね?
さっきからすごい気にしてるくせに、いんですか?」
「はいちょっと……
いろいろと黒歴史でして」
「黒歴史って……」
呆れ顔でそう呟いて、盛大なため息を吐き捨てる白濱さん。
はい、そんな超くだらない理由じゃダメですよね?
接客業失格ですよね……
「わかりました。いいですよ」
「え、マジっすか!?」
うそ優しい白濱さん!
もう神、大好きっ。
「ついでに、そんな嫌なら言ってあげましょうか?」
「え、なんて……」
「松本さんは今、ここに好きな人がいるんで関わらない方がいいですよって」
どわ~!ここでまた翔くんの事を持ち出して来やがったー。
意地悪だっ、やっぱこの人悪魔の方だっ。
片付けの最中、一刻も早く疑惑を晴らす。
「そうですか?
僕にはそう見えたんですけど、ないですか?」
不敵な笑みを浮かべる白濱さん。
こやつ、完全に見抜いてやがる!
今まで誰にも見破られなかったのにっ……
「ないですないですっ。
そもそもあたし恋愛に興味ないですし、職場恋愛なんて以ての外だしっ」
誤魔化しながらも一句浮かぶ。
恐ろしや、さすがやり手の洞察力。
by松本芭蕉、じゃなくて!
「とにかく、変な妄想やめてくださいよ~」
「すみません、似合ってると思ったんで。
それに、プライベートな話題で絆も深めたかったし」
いきなり深めすぎじゃーい!
しかも全っ然深めたいよーに見えないんすけどっ。
ん?似合ってる?
さっきあたしも言ったような……
もしやこれは反撃じゃ?
そうだ、あたしを黙らすための目には目をの反撃だっ。
なんて恐ろしい男め~。
「では本題に入ります」
「了解です」
そこはすちゃっと切り替える。
「僕の案としては、さっきも言った通り8月は夏バテの時期なんで。
夏の疲れを吹き飛ばせといったテーマで、アサイー商品を展開してみてはどうかと思います」
カウンターにその資料が並べられた。
「アサイーは栄養価と美容効果がとても高く、女性にすごく人気ですし。
ここで飲んでる時も、お客さんからアサイーを求める声が上がってました」
おお、さすがアンテナを張り巡らせてらっしゃる。
「もちろん、仕事帰りにリフレッシュと掲げて平日限定で考えてますが……
どうですか?」
そこに通りがかったマイマイが、資料を目にして食い付いてきた。
「あっ、アサイーボウル!
え、それいい超いい、アタシも大っ好き。
次の企画ですかっ?」
「に、提案してるところです」
「い~と思います。めっちゃ大賛成です」
グッと親指を立てる姐さんに。
ありがとうございますと白濱さんは、塩っけのカケラもない温かな笑顔を返した。
なんだその笑顔っ。
賀来さんや店長とかともフレンドリーに接してるし……
この男、あたしにだけ冷たい気がして来た。
だけど。
「では松本さんと相談してから、再度検討したいと思います」
え、そこはあたしを立ててくれるんだ?
まぁ担当だから当たり前なんだろうけど……
なんか嬉しいっ。
「あたしもめっちゃいいと思います!
もうワンってお手しちゃうくらい大賛成ですっ」
フリ付きで支持すると、白濱さんは一瞬面喰らった様子を見せて。
「そーゆうのは要らないんで、内容を詰めましょう」
クールに流しやがったー。
「平日にやってくるアサイー屋台といった形で打ち出そうと思ってますが、どうですか?
参考までに考えてきたメニューです」
「おお、仕事が早い」
「あとアサイーカクテルですが、ノンアルのものは特に美容と健康を重視した組み合わせでお願いします。
ただ、どれもビジュアル的にはあまり綺麗じゃなかったり、似たような色になるかと思うんで、デコレーションには工夫が必要かもしれません」
「なるほど」
確かに紫系ばっかじゃ心踊んないなー。
どんよりだよ、逆に疲れちゃう。
そこでふと。
この前マイマイとの話題にのぼった、同じく紫系の赤ワインを使ったカクテルが思い浮かぶ。
「あ、アメレモっ。
白濱さん、2層にするのはどーですかっ?」
「2層?」
「はいっ。比重の違いを利用して重いのと軽いのが混ざり合わないようにすると、2層に出来るんですっ」
「なんか、良さそうですね。
あとでそのアメレモ?作ってもらっていいですか?」
「もちろんですっ」
てゆーか、アメレモ?って可愛いんですけどっ。
その時、お客様が来店して……
「あ、いらっしゃいまっ」
その不吉な姿に石化する。
「……どうかしましたか?」
「ええっ?
やっ、喉が詰まって?」
怪訝に伺う白濱さんを誤魔化しながらも。
だから元彼はいらっしゃらないで~!
しかも、ヤツが座った辺りのカウンターから視線をめっさ感じる……
こっち見るなー。
「……あの、聞いてますか?」
「えっ?
えーとすいません、なんでしたっけ?」
「アサイーボウルについてです」
「あ~、了解ですっ。
もう大丈夫なんで続けてください」
京太くんのチャーム用意してたから聞けなかったよ~。
とゆう仕事出来ない子を装って、その場を取り繕ってみたけど。
京太くんの対応にあたってくれたマイマイが、そのチャームを取りに来て……
「ねぇ粋、今来たお客さんめっちゃあんたの事見てるけど……
もしかして彼が例の元カレ?」
いや無駄に鋭いっす姐さーん!
「え~とまぁ、そぉかな~」
翔くんたちに顔バレしてるし……
隠したくても、ヤツが自ら暴露するに違いない。
「よかったじゃん!アタシに任せてっ」
待って姐さんよくないのー!
どうしよう、任せてって何する気っ?
とっさに視線を向けると、京太くんとバチっと目が合って。
うわあ!だからこっち見ないでー。
するとそんなあたしに、白濱さんから最もな一言。
「松本さん、2度目です。
今日は打ち合わせ出来る状態じゃないようなんで、また来ます」
「わ~!帰らないで白濱さんっ。
帰らないで打ち合わせのフリしてもらえませんっ?」
焦って思わずとんでもないお願いをしてしまう。
「はあっ?」
「いやすいません、ほんっとすみませんけど……
ダメですかっ?」
だって今帰られたら必然的に京太くんの前に行かなきゃだもんっ。
「……元彼が来てるんですよね?
さっきからすごい気にしてるくせに、いんですか?」
「はいちょっと……
いろいろと黒歴史でして」
「黒歴史って……」
呆れ顔でそう呟いて、盛大なため息を吐き捨てる白濱さん。
はい、そんな超くだらない理由じゃダメですよね?
接客業失格ですよね……
「わかりました。いいですよ」
「え、マジっすか!?」
うそ優しい白濱さん!
もう神、大好きっ。
「ついでに、そんな嫌なら言ってあげましょうか?」
「え、なんて……」
「松本さんは今、ここに好きな人がいるんで関わらない方がいいですよって」
どわ~!ここでまた翔くんの事を持ち出して来やがったー。
意地悪だっ、やっぱこの人悪魔の方だっ。
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