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会いたい2
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ーーもうすぐヴィオラに会える。
逸る思いで、その部屋を訪れたサイフォスは……
飛び込んできた光景に、弾んでた心を撃ち落とされる。
夫であるサイフォスに対しては、一瞬たりとも触れるなと言っていた妻のヴィオラが……
新参者ランド・スピアーズの腕にしがみつくように、その腕を絡めていたからだ。
そう、ヴィオラは……
侍女から王太子殿下来訪の知らせを受けて、さっそく例の共同作戦を実行に移したのだった。
「……それは何の真似だ」
「足を挫いたので、介助してもらってるだけですが……
何か問題でも?」
胸を痛めながらも、冷たく言い放つと。
途端サイフォスは、「大問題だ」と焦りを見せた。
「いつ挫いたんだ?痛むのかっ?
知らなくてすまないっ……」
「は?
っ、大丈夫ですっ。
ランド・スピアーズが、いつも守ってくれてるので」
相変わらず自分の立場よりも、ヴィオラの事を心配するサイフォスに。
ヴィオラはますます胸を痛めるも……
近付いてきたサイフォスから逃げるように、いっそうランド・スピアーズにしがみついた。
サイフォスは、さすがにショックを隠し切れず……
忙しくて守れなかった自分に、悔しさを感じていた。
にもかかわらず。
「……そうか。
ランド・スピアーズ、礼を言う」
怒るどころか、そう告げたサイフォスに。
ヴィオラは心苦しくてたまらなくなる。
「いえ私は、当然の事をしたまでです」
一方ラピズも、ヴィオラの事で礼を言われた状況に。
自分のものではないと突きつけられているようで、悔しさを感じていた。
「どころでっ、何の御用ですか?」
「……ヴィオラに会いたかった」
不意打ちの、思わぬ理由に。
切なげに告げられた、あまりにストレートな発言に。
ヴィオラは胸を、思いっきり掴まれる。
慌ててそれを誤魔化すように、秘かに抱いていた思いをぶつけた。
「その割には、ずいぶんご無沙汰でしたねっ?」
そう、噂などを真に受けないヴィオラだったが、こうもご無沙汰だと……
"王太子は報復を企んでいて、見限られるのも時間の問題だ"
という話は本当だと物語っているようで、ずっと胸を痛めていたのだ。
キッと睨むヴィオラに、思わずサイフォスは面食らう。
「すまない、だが……
怒るという事は、ヴィオラも会いたいと思ってくれてたのか?」
その指摘に、今度はヴィオラが面食らう。
ーー本当だ、私……
どうして拗ねてるのっ?
「違いますっ!
自惚れないでくださいっ。
むしろ、清々してましたっ」
焦ってそう告げると。
「……そうか」
しゅんとした様子を覗かせるサイフォス。
ーーどうしようっ、言い過ぎた!
しかもそのギャップ、ずるい……
一方ラピズは……
二人の一連のやり取りに、切なさと苛立ちを感じていた。
「それよりっ。
公務中に、そんな理由で来られたんですか?」
「そんな理由?
俺にとっては死活問題だ」
「っ、大袈裟な事を言わないでくださいっ」
「本当だ。
あまりに会いたくて、仕事も手につかなくなってた」
「っっ……」
ーーもう!これ以上そんな事を言わないでっ。
ラピズの前で、動揺したくないのに……
逸る思いで、その部屋を訪れたサイフォスは……
飛び込んできた光景に、弾んでた心を撃ち落とされる。
夫であるサイフォスに対しては、一瞬たりとも触れるなと言っていた妻のヴィオラが……
新参者ランド・スピアーズの腕にしがみつくように、その腕を絡めていたからだ。
そう、ヴィオラは……
侍女から王太子殿下来訪の知らせを受けて、さっそく例の共同作戦を実行に移したのだった。
「……それは何の真似だ」
「足を挫いたので、介助してもらってるだけですが……
何か問題でも?」
胸を痛めながらも、冷たく言い放つと。
途端サイフォスは、「大問題だ」と焦りを見せた。
「いつ挫いたんだ?痛むのかっ?
知らなくてすまないっ……」
「は?
っ、大丈夫ですっ。
ランド・スピアーズが、いつも守ってくれてるので」
相変わらず自分の立場よりも、ヴィオラの事を心配するサイフォスに。
ヴィオラはますます胸を痛めるも……
近付いてきたサイフォスから逃げるように、いっそうランド・スピアーズにしがみついた。
サイフォスは、さすがにショックを隠し切れず……
忙しくて守れなかった自分に、悔しさを感じていた。
にもかかわらず。
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怒るどころか、そう告げたサイフォスに。
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「いえ私は、当然の事をしたまでです」
一方ラピズも、ヴィオラの事で礼を言われた状況に。
自分のものではないと突きつけられているようで、悔しさを感じていた。
「どころでっ、何の御用ですか?」
「……ヴィオラに会いたかった」
不意打ちの、思わぬ理由に。
切なげに告げられた、あまりにストレートな発言に。
ヴィオラは胸を、思いっきり掴まれる。
慌ててそれを誤魔化すように、秘かに抱いていた思いをぶつけた。
「その割には、ずいぶんご無沙汰でしたねっ?」
そう、噂などを真に受けないヴィオラだったが、こうもご無沙汰だと……
"王太子は報復を企んでいて、見限られるのも時間の問題だ"
という話は本当だと物語っているようで、ずっと胸を痛めていたのだ。
キッと睨むヴィオラに、思わずサイフォスは面食らう。
「すまない、だが……
怒るという事は、ヴィオラも会いたいと思ってくれてたのか?」
その指摘に、今度はヴィオラが面食らう。
ーー本当だ、私……
どうして拗ねてるのっ?
「違いますっ!
自惚れないでくださいっ。
むしろ、清々してましたっ」
焦ってそう告げると。
「……そうか」
しゅんとした様子を覗かせるサイフォス。
ーーどうしようっ、言い過ぎた!
しかもそのギャップ、ずるい……
一方ラピズは……
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「それよりっ。
公務中に、そんな理由で来られたんですか?」
「そんな理由?
俺にとっては死活問題だ」
「っ、大袈裟な事を言わないでくださいっ」
「本当だ。
あまりに会いたくて、仕事も手につかなくなってた」
「っっ……」
ーーもう!これ以上そんな事を言わないでっ。
ラピズの前で、動揺したくないのに……
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