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アディショナルタイム2
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バカだよな……
あんな天使を差し置いて、悪魔を手に入れようと奮走してるんだから。
けど本当にバカなのは……
今日までただ、指をくわえてチャンスを待ってただけって事だ。
こんな平行線なら悪くない、なんてのも。
そう思い込む事で心に防御線を張ってただけで。
自分にいいパスが回って来るのを待ってた僕は……
取りに行こうと攻めてなかった!
なのに、ようやく攻め始めたところで。
「え、早番っ!?」
仕事が終わったら話す時間をもらおうと、そのアポ取りに来たつもりが……
さっき帰ったとゆう肩透かしを食らう。
まさしく、試合さながらの展開。
それならと、再度電話をかけたけど……
やっぱり繋がらない。
もしかしてシカトしてる!?
それとも僕の番号なんかとっくに消去してて、誰だかわかんないからスルーしてるとか……
とりあえず。
電話をかけ直してくれるよう、留守電を入れてみたものの……
待ってる間、落ち着かない。
かといって、アパートはとっくに引き払ってるだろうし。
僕がそうこうしてる内にも……
アディショナルタイムは、どんどん減ってるワケで。
結婚話はどんどん進んでるワケで。
まさか、もう籍入れたって事はないよねぇ!?
ああどうしようっ。
こうなったら避けては通れない……
1対1の真っ向勝負だ!
相手は僕なんか足下にも及ばない、最強のフォワード。
だからってもう、自分の気持ちから逃げるワケにはいかないんだ!
そうして僕は……
元カノが住む、遥さんの家に向かって車を走らせた。
覚悟を決めて、チャイムを鳴らすと。
出て来たその人は、キョトンとした顔を覗かせる。
「あれ、蓮斗君……
どうした?」
「あのっ、本庄さん居ますかっ?
彼女と話がしたいんですっ」
「……悪いけど、それは無理だな」
えええっ!遥さんっ……
ーこれからも司沙と仲良くしてやってくれな?ー
ってゆってたよね!?
もしかして、必死さを醸し出してる僕の気持ちに気づいたとかっ?
だったらここが勝負どころ!
「っ、お願いします!
今さら勝手なのはわかってます、だけどっ……
僕も本庄さんが好きなんです!
彼女が必要なんですっ。
彼女じゃなきゃダメなんですっ!」
カッコ悪くたって、情けなくたって……
死にものぐるいで足掻いてやる!!
「そうじゃなくて……
あのさぁ、蓮斗君。
住所教えるから、それは直接司沙に言って来な?
俺はもう司沙とは関係ない……
とっくにフラれてるんだから」
え、なにそのフェイント……
って、ええっ!?
「え、本庄さんにプロポーズしたんじゃ…?」
「したよ?
だけど断られた。
心に居座ってる人がいて、きっと一生出て行かないからって」
途端。
なんでか心が、どうしょうもなく打ち付けられる。
「その様子じゃ、そっちも奈々ちゃんと別れたんだな」
その言葉に、気まずく視線を流すと……
遥さんは「待ってな」と、いったんリビングに消えて。
「まっ、これ以上被害を増やさないためにも、検討を祈るよ。
じゃあな、蓮斗君。頑張れよっ」
そう言って、元カノの新しい住所が記載されたメモをくれた。
こんな僕を応援してくれるなんて……
遥さんみたいないい人をフるなんてバカだよキミは!
もちろん僕的には助かるし、人の事言えないんだけど。
第一、心に居座ってる人は僕じゃないかもしれないけど。
それでも僕は、キミのそばにいたい。
遥さんに心からのお礼を告げると。
今度はキミの新しいアパートに向かって車を走らせた。
なんだか、こうもあちこち奮走してると。
ドライブならず、ドリブル3人抜きでもしてる気分だ。
てゆうか。
なんでキミは、プロポーズをOKしたなんて嘘ついたんだろう……
そんな事を考えてたら、すぐに目的地へとたどり着いた。
ヤバい、緊張して来た……
焦らされ続けたせいで、勢いは緊張感に変化を遂げる。
車を近くのコイパに停めて。
深呼吸の後、チャイムを鳴らすも……
何度鳴らしても無反応。
え、留守?居留守!?
一応電話もかけてみたけど……
相変わらず繋がらない。
なんなワケ?一体……
キミってこんなに手の届かない人だった!?
ああ、もうっ!
早く声が聞きたいのに……
いいかげん会いたくてたまらないのにっ。
はあぁ、と深いため息を吐き出したのと同時。
階段から現れたその人と、バチっと目が合う。
「え、本っ……」
心臓をドキリとさせて、その名前を口にしかけた途端。
踵を返して逃げだす彼女。
え、ええっ!?
なんでそーなるワケ?
いや、意味がわからないんだけど!
なんて思いながらも、とりあえず追いかけるしかない。
「ちょっと待ってよ!
なんで逃げるのっ!?」
「だって!
蓮斗が追っかけて来るからっ!」
いや、追っかける前から逃げてたよねぇ!?
ああもっ……
キミってほんとに、どこまでもめんどくさい!
だけど実は。
そのめんどくさい所が、ほっとけなくて可愛くて……
楽しくて!
それに本当は……
めんどくさいのは僕なんだ。
キミの声が聞きたかったから、どんな深夜でも電話を掛け直してたし。
キミに会えるのならと、どんな時でも駆け付けた。
キミに頼られたくて、どんな話でも真剣に聞いたし。
だけどあまりにも脈ナシで、諦めて忘れようと他の恋を受け入れた。
それでもやっぱり、僕の心はキミばかりで……
そんな自分を打ち砕くように。
事実めんどくさいキミをもっとめんどくさい存在に扱って、内心毒づく事で……
キミにこびり付いたこの心を、無理やり引っ剥がそうとしてたんだ。
つくづく天邪鬼で、最低で……
なんてめんどくさい。
自分でも呆れるよ。
こんなんじゃ取り戻せるはずもない。
だけど、そんな自分はもうやめた!
あんな天使を差し置いて、悪魔を手に入れようと奮走してるんだから。
けど本当にバカなのは……
今日までただ、指をくわえてチャンスを待ってただけって事だ。
こんな平行線なら悪くない、なんてのも。
そう思い込む事で心に防御線を張ってただけで。
自分にいいパスが回って来るのを待ってた僕は……
取りに行こうと攻めてなかった!
なのに、ようやく攻め始めたところで。
「え、早番っ!?」
仕事が終わったら話す時間をもらおうと、そのアポ取りに来たつもりが……
さっき帰ったとゆう肩透かしを食らう。
まさしく、試合さながらの展開。
それならと、再度電話をかけたけど……
やっぱり繋がらない。
もしかしてシカトしてる!?
それとも僕の番号なんかとっくに消去してて、誰だかわかんないからスルーしてるとか……
とりあえず。
電話をかけ直してくれるよう、留守電を入れてみたものの……
待ってる間、落ち着かない。
かといって、アパートはとっくに引き払ってるだろうし。
僕がそうこうしてる内にも……
アディショナルタイムは、どんどん減ってるワケで。
結婚話はどんどん進んでるワケで。
まさか、もう籍入れたって事はないよねぇ!?
ああどうしようっ。
こうなったら避けては通れない……
1対1の真っ向勝負だ!
相手は僕なんか足下にも及ばない、最強のフォワード。
だからってもう、自分の気持ちから逃げるワケにはいかないんだ!
そうして僕は……
元カノが住む、遥さんの家に向かって車を走らせた。
覚悟を決めて、チャイムを鳴らすと。
出て来たその人は、キョトンとした顔を覗かせる。
「あれ、蓮斗君……
どうした?」
「あのっ、本庄さん居ますかっ?
彼女と話がしたいんですっ」
「……悪いけど、それは無理だな」
えええっ!遥さんっ……
ーこれからも司沙と仲良くしてやってくれな?ー
ってゆってたよね!?
もしかして、必死さを醸し出してる僕の気持ちに気づいたとかっ?
だったらここが勝負どころ!
「っ、お願いします!
今さら勝手なのはわかってます、だけどっ……
僕も本庄さんが好きなんです!
彼女が必要なんですっ。
彼女じゃなきゃダメなんですっ!」
カッコ悪くたって、情けなくたって……
死にものぐるいで足掻いてやる!!
「そうじゃなくて……
あのさぁ、蓮斗君。
住所教えるから、それは直接司沙に言って来な?
俺はもう司沙とは関係ない……
とっくにフラれてるんだから」
え、なにそのフェイント……
って、ええっ!?
「え、本庄さんにプロポーズしたんじゃ…?」
「したよ?
だけど断られた。
心に居座ってる人がいて、きっと一生出て行かないからって」
途端。
なんでか心が、どうしょうもなく打ち付けられる。
「その様子じゃ、そっちも奈々ちゃんと別れたんだな」
その言葉に、気まずく視線を流すと……
遥さんは「待ってな」と、いったんリビングに消えて。
「まっ、これ以上被害を増やさないためにも、検討を祈るよ。
じゃあな、蓮斗君。頑張れよっ」
そう言って、元カノの新しい住所が記載されたメモをくれた。
こんな僕を応援してくれるなんて……
遥さんみたいないい人をフるなんてバカだよキミは!
もちろん僕的には助かるし、人の事言えないんだけど。
第一、心に居座ってる人は僕じゃないかもしれないけど。
それでも僕は、キミのそばにいたい。
遥さんに心からのお礼を告げると。
今度はキミの新しいアパートに向かって車を走らせた。
なんだか、こうもあちこち奮走してると。
ドライブならず、ドリブル3人抜きでもしてる気分だ。
てゆうか。
なんでキミは、プロポーズをOKしたなんて嘘ついたんだろう……
そんな事を考えてたら、すぐに目的地へとたどり着いた。
ヤバい、緊張して来た……
焦らされ続けたせいで、勢いは緊張感に変化を遂げる。
車を近くのコイパに停めて。
深呼吸の後、チャイムを鳴らすも……
何度鳴らしても無反応。
え、留守?居留守!?
一応電話もかけてみたけど……
相変わらず繋がらない。
なんなワケ?一体……
キミってこんなに手の届かない人だった!?
ああ、もうっ!
早く声が聞きたいのに……
いいかげん会いたくてたまらないのにっ。
はあぁ、と深いため息を吐き出したのと同時。
階段から現れたその人と、バチっと目が合う。
「え、本っ……」
心臓をドキリとさせて、その名前を口にしかけた途端。
踵を返して逃げだす彼女。
え、ええっ!?
なんでそーなるワケ?
いや、意味がわからないんだけど!
なんて思いながらも、とりあえず追いかけるしかない。
「ちょっと待ってよ!
なんで逃げるのっ!?」
「だって!
蓮斗が追っかけて来るからっ!」
いや、追っかける前から逃げてたよねぇ!?
ああもっ……
キミってほんとに、どこまでもめんどくさい!
だけど実は。
そのめんどくさい所が、ほっとけなくて可愛くて……
楽しくて!
それに本当は……
めんどくさいのは僕なんだ。
キミの声が聞きたかったから、どんな深夜でも電話を掛け直してたし。
キミに会えるのならと、どんな時でも駆け付けた。
キミに頼られたくて、どんな話でも真剣に聞いたし。
だけどあまりにも脈ナシで、諦めて忘れようと他の恋を受け入れた。
それでもやっぱり、僕の心はキミばかりで……
そんな自分を打ち砕くように。
事実めんどくさいキミをもっとめんどくさい存在に扱って、内心毒づく事で……
キミにこびり付いたこの心を、無理やり引っ剥がそうとしてたんだ。
つくづく天邪鬼で、最低で……
なんてめんどくさい。
自分でも呆れるよ。
こんなんじゃ取り戻せるはずもない。
だけど、そんな自分はもうやめた!
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