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二部【学園編】
ミッチのこと
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学園に通い始めてから落ち着くまで、エッチはなし、と決めたはずなのに、どうして俺は初日からジュードに跨って腰を振っているのでしょうか。
「んんぅっ、あっ、あッ、はぁん…っ…」
自分で動くのは、最初はすぐにヘタれていたが、慣れてくれば快感をコントロールできるのがいい。されるばかりだと良すぎて辛い、と、ようやく気がついた。
「かわいい顔して。気持ちいいのか?」
「ん、うん、いい…ジュード、好き…あ、やっ、まだ、おっきくしないで…っ」
これだと、いたしている最中に会話ができる。けど俺のペースだとなかなかイかせてあげられないので、結局は逆転して、泣くか喘ぐかのどちらかになってしまう。
「このまま朝まで入ってんのも悪くないけどな…ほら、掴まれ」
上半身を起こしたジュードが俺をぎゅっと抱き締めて、自然に唇が重なった。対面座位で密着して背中を撫でられ、もっと触れて欲しくて腰が揺れる。
「あっ、もう…しばらくしない、はずだったのに…」
学園にいる間、魔力は極力見えないように抑えているけど、魔法を使う時には出てしまう。学園内に魔眼持ちがどれだけいるかわからないので、魔力が混ざった状態にならないようにして、少し様子を見る予定だった。
「俺のペットだって宣言したんだろ?なら見られたって構わねえよ。念のため虹にするのはなしだがな」
「あぁっ!あ、アッ、や、あんっ!ああぁっ」
後ろに押し倒され、激しく抽挿されると頭の中が白くなっていく。内側から灼かれるように熱くなって、「あつい」と泣きながらジュードの背にしがみついた。
最奥で放たれた紅蓮の魔力が身体中を駆け巡って、陽だまりのような光に変わって俺たちを包む。
温かさと快楽の余韻に浸りながら、俺はジュードの腕の中で目を閉じた。
翌朝登校すると、ミッチに変な顔をされた。「なんか昨日と違う?」と言うので、魔力が見えるのか問えば、そういうわけじゃないらしい。
今朝は魔力が混じった状態だと説明すると、片手で額を覆って「あー、それでこれか」と何かごにょごにょ言っていた。
魔眼じゃなくても、魔法に長けていれば何か変化を感じ取れるってことなのかな。
「ミッチ、魔眼持ってる生徒ってどのくらいいるかわかる?」
「1年は各クラス、1人か、いても2人くらいじゃないかな。隠してても教授側は把握してるはず。魔法科に進んでる2~3年の中でも、10人いるかいないかだと思うけど、調べる?」
ミッチの声が弾んでいて、ほんとに情報集めが好きなんだなと口元が緩む。魔術師団ではいつもバレていたから気にする事はないかもしれないけど、ミッチが調べたそうなのでお願いすることにした。
ついでにジュードとセスが1日交替でうちに泊まることになったのも、学園内の護衛であるミッチには伝えておく。
「女子が聞いたら喜びそうだな…」
ミッチはますます頭を抱えてしまった。俺の保護者が過保護でごめん。
「そうだ、ミッチのおうちは交易商だよね。ジュードや風雷公がどこかで会ってるかもって。お名前聞いていい?」
「ふわっ?!おま、殿下に俺の話したのっ?!うわなにそれやっべぇ!」
「そりゃ学園の話するよ?何かやばいことしたの?」
「ちげーよ!恐れ多くて光栄ってかうれしいってか複雑なんだよ!!!」
赤くなりながらじたばたするミッチを見て、ジュードの人気を再確認してしまった。
「ぽっと出の俺が敵視されるわけか…」
「俺は殿下らしいと思うけどな。変なしがらみや思惑も全部無視して、自分で拾ってきた出自不明のソーヤをかわいがる、ってとこが、なんか痛快だろ。殿下は国内じゃ子孫残さない、って事になってるけど、他国からは婿にって欲しがられてるからさ。あ、ちなみに副団長も、国内外で相当の人気だぞ?」
「うわぁ…」
チートだ、とは思っていたけど、情報通の一般国民目線で恋人たちの評価を聞けば、俺の顔は青ざめるばかりだった。これはよほどがんばって勉強しないとな、と思う。
ジュードもセスも世間が俺を認めなかろうが気にしないだろうけど、2人にふさわしくありたいと願ってしまうのは別問題だ。
せめて迷惑かけないようにしよう。
「ミッチのおうち…」
「あ、ああ、そうだった。家名はないよ。父は交易商のオスニエル、母はミルドレッド。国家間交易の許可を持ってて、いまは…どこらへんにいるんだったかな…。いや、うちの親父が風雷公やジュード殿下と会った事あるわけ…あるのか?」
悩み始めたミッチを眺めつつ、ご両親のお名前を心にメモした。ご両親は交易の旅に出ていて、王都に家がないミッチは寮住まいらしい。
王都に家やセカンドハウスがある1年生はほとんど通いだが、専門課程の2年、3年生になると、利便性を取って入寮する生徒も多いとか。
騎士科は朝早くから鍛錬したり、魔法科は夜遅くまで実験したりするから、学園敷地内に住んだ方が都合がいいみたい。
「寮ってなんか楽しそうだね」
「遊びに来てもいいけど…乱れてるぞ?性的に」
「…そう、なん、だ…」
やはりこの世界では、俺の常識は通用しない。
わかっていたはずなのに、つい遠い目をしてしまった…。
「んんぅっ、あっ、あッ、はぁん…っ…」
自分で動くのは、最初はすぐにヘタれていたが、慣れてくれば快感をコントロールできるのがいい。されるばかりだと良すぎて辛い、と、ようやく気がついた。
「かわいい顔して。気持ちいいのか?」
「ん、うん、いい…ジュード、好き…あ、やっ、まだ、おっきくしないで…っ」
これだと、いたしている最中に会話ができる。けど俺のペースだとなかなかイかせてあげられないので、結局は逆転して、泣くか喘ぐかのどちらかになってしまう。
「このまま朝まで入ってんのも悪くないけどな…ほら、掴まれ」
上半身を起こしたジュードが俺をぎゅっと抱き締めて、自然に唇が重なった。対面座位で密着して背中を撫でられ、もっと触れて欲しくて腰が揺れる。
「あっ、もう…しばらくしない、はずだったのに…」
学園にいる間、魔力は極力見えないように抑えているけど、魔法を使う時には出てしまう。学園内に魔眼持ちがどれだけいるかわからないので、魔力が混ざった状態にならないようにして、少し様子を見る予定だった。
「俺のペットだって宣言したんだろ?なら見られたって構わねえよ。念のため虹にするのはなしだがな」
「あぁっ!あ、アッ、や、あんっ!ああぁっ」
後ろに押し倒され、激しく抽挿されると頭の中が白くなっていく。内側から灼かれるように熱くなって、「あつい」と泣きながらジュードの背にしがみついた。
最奥で放たれた紅蓮の魔力が身体中を駆け巡って、陽だまりのような光に変わって俺たちを包む。
温かさと快楽の余韻に浸りながら、俺はジュードの腕の中で目を閉じた。
翌朝登校すると、ミッチに変な顔をされた。「なんか昨日と違う?」と言うので、魔力が見えるのか問えば、そういうわけじゃないらしい。
今朝は魔力が混じった状態だと説明すると、片手で額を覆って「あー、それでこれか」と何かごにょごにょ言っていた。
魔眼じゃなくても、魔法に長けていれば何か変化を感じ取れるってことなのかな。
「ミッチ、魔眼持ってる生徒ってどのくらいいるかわかる?」
「1年は各クラス、1人か、いても2人くらいじゃないかな。隠してても教授側は把握してるはず。魔法科に進んでる2~3年の中でも、10人いるかいないかだと思うけど、調べる?」
ミッチの声が弾んでいて、ほんとに情報集めが好きなんだなと口元が緩む。魔術師団ではいつもバレていたから気にする事はないかもしれないけど、ミッチが調べたそうなのでお願いすることにした。
ついでにジュードとセスが1日交替でうちに泊まることになったのも、学園内の護衛であるミッチには伝えておく。
「女子が聞いたら喜びそうだな…」
ミッチはますます頭を抱えてしまった。俺の保護者が過保護でごめん。
「そうだ、ミッチのおうちは交易商だよね。ジュードや風雷公がどこかで会ってるかもって。お名前聞いていい?」
「ふわっ?!おま、殿下に俺の話したのっ?!うわなにそれやっべぇ!」
「そりゃ学園の話するよ?何かやばいことしたの?」
「ちげーよ!恐れ多くて光栄ってかうれしいってか複雑なんだよ!!!」
赤くなりながらじたばたするミッチを見て、ジュードの人気を再確認してしまった。
「ぽっと出の俺が敵視されるわけか…」
「俺は殿下らしいと思うけどな。変なしがらみや思惑も全部無視して、自分で拾ってきた出自不明のソーヤをかわいがる、ってとこが、なんか痛快だろ。殿下は国内じゃ子孫残さない、って事になってるけど、他国からは婿にって欲しがられてるからさ。あ、ちなみに副団長も、国内外で相当の人気だぞ?」
「うわぁ…」
チートだ、とは思っていたけど、情報通の一般国民目線で恋人たちの評価を聞けば、俺の顔は青ざめるばかりだった。これはよほどがんばって勉強しないとな、と思う。
ジュードもセスも世間が俺を認めなかろうが気にしないだろうけど、2人にふさわしくありたいと願ってしまうのは別問題だ。
せめて迷惑かけないようにしよう。
「ミッチのおうち…」
「あ、ああ、そうだった。家名はないよ。父は交易商のオスニエル、母はミルドレッド。国家間交易の許可を持ってて、いまは…どこらへんにいるんだったかな…。いや、うちの親父が風雷公やジュード殿下と会った事あるわけ…あるのか?」
悩み始めたミッチを眺めつつ、ご両親のお名前を心にメモした。ご両親は交易の旅に出ていて、王都に家がないミッチは寮住まいらしい。
王都に家やセカンドハウスがある1年生はほとんど通いだが、専門課程の2年、3年生になると、利便性を取って入寮する生徒も多いとか。
騎士科は朝早くから鍛錬したり、魔法科は夜遅くまで実験したりするから、学園敷地内に住んだ方が都合がいいみたい。
「寮ってなんか楽しそうだね」
「遊びに来てもいいけど…乱れてるぞ?性的に」
「…そう、なん、だ…」
やはりこの世界では、俺の常識は通用しない。
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